鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2020年 week10 @NYG プレビュー いよいよAlshonデビュー戦

バイウィークにも中間査定とかやりたいことはいろいろあったけれどもあれよあれよという間に2週間が経過。現在8連勝中と比較的得意にしているNYGとの一戦からいよいよ後半戦がスタート。同地区相手とあれば負けられぬ戦い。最後に負けたのは2016年。敗因は当時ルーキーだったWentzの2INTと今は亡きイーライの4TDパス。

そしていよいよ、昨年の内部告発事件、高すぎるサラリーが弊害となってトレードの弾にもならない、じゃあ働いてほしいけど何もしてないのにケガばっかりこさえて全く試合に出ない、8試合出ないなら開幕からPUPでよかったのにロスター入りしよったことで若手の枠を圧迫する、などなど、GMローズマンのクソ判断との合わせ技でPHIファンのヘイトをこれでもかとかき集めているAlshon Jefferyが今季デビュー戦。ほぼ1年ぶりの出場ということであんまり期待していない。逆にいきなり活躍するようであれば来季への不安が増すばかりなので本当に大人しくしていてほしいという謎のファン心理。

 

【Injury Report】

<PHI>

OUT:

CB Craig James

 

Bye weekを経て随分ヘルシーになったPHI。これはいい流れ。アウトサイドのCB Craig JamesだけがOUTということで、薄くなったCBにDAL戦でまあまあの動きを見せていたMichael JacquetをPSから引き上げて補填。コロナではない病気で出場が危ぶまれていたCoxも問題なく出場の見込み。

IRからの復帰が噂されていたLG Isaac Seumaloは昇格ならず無念のIR残留でNYG戦は不出場。

 

<NYG>

OUT:

RB Devonta Freeman

 

Questionable:

WR Golden Tate

DB Isaac Yiadom

 

今季途中加入のフリーマンはその後IR入り。QuestionableリストではTateの動向が不明。チームへの不満を明らかにしたのち、先週は出場停止的な扱いを受けて欠場、一方で本人は反省の弁を述べるも膝のケガもあって出場は不透明。先週WAS戦でTateの代役を務めたAustin Mackが引き続いて出場するかも、とのこと。どんなチーム事情かは存じ上げませんが、Tateがいないとシンプルに助かります。Mackとかいうルーキーも代役にしてはまあまあ活躍した(4回72yds)とのことで油断はできませんが。

 

【マッチアップ】

<Offense>

毎週毎週本当に固定されないOL問題。結局、DAL戦でLTとしてシーズン序盤よりは安定したプレーを見せたPetersが先発を務める可能性が濃厚、RTにはLaneが復帰。ということで、愛するMailataは控えTということになる模様。どっちかのTが傷んだらその穴埋めをする仕事。2017のVaitaiのような位置づけだと理解しておきます。めちゃくちゃ不満はあるけれども、この立ち位置だと安易に切り替えることもできないのだろうと察して飲み込んでおきます。来年のLT定着に向けていい勉強してください。

Week7のNYG戦と状況が違うのが、OL陣の健康化に加えてサンダース、ゴダート、リーガーが復帰していること。あとAlshonも復帰してた。AlshonについてはPedersonが何か秘策がある的なことを匂わせているものの、なにもないに一票。そのポジションは埋まっているのです。俺たちのFulghamで。AlshonについてはTE的な使い方をする可能性もあるものの、やるとしてもTEの代わりに入れることでパス偏重の隊形と見せかけてD#のメンツが軽くなったところにサンダースでインサイドゾーンとかだと思いますよ。その程度しか使い道はないと思いますよ。デコイになってくれるならそれだけでお釣りが来ますからね。

NYGのD#は、次期HC候補にも挙げられるDC Grahamのもとでかなりの安定感を見せている状況。Week8のTB戦見たけれどもやっぱりMartinezすごい。GB時代は「タックル数多いけどビッグプレーはない」という評価だったやに記憶していますが、蓋を開けてみると化け物級。6回のTFLは現在リーグ22位。そしてもちろんというか、92タックルは堂々のリーグ1位。加えてSのJabrill Peppersの存在。フィールドのどこにでも飛んできよる。

本来的にはランである程度崩してPAで勝負、といきたいものの、上述した2人のせいで現在リーグ6位に位置するランD#がなかなかカチカチ。PAをやろうにもその分野はPHI Offenseは大の苦手。PAでの獲得ヤードはどこかで見たスタッツによると確かリーグ30位台とかそのあたり。全く期待できない。そしてNYG D#のPA1回あたりの平均喪失ヤードは6.1ydsでリーグ4位。だいぶん渋い未来が待っているようで。

個人的にはそれでもある程度ランオフェンスに固執していいと思ってる。なぜならOLが健康体に戻りつつあるから。そしてSandersが戻っているから。そしてそこにこだわり続ければゴダートの存在が生きてくるはずだから。というかそうでなければあいつに希望を託すしかないから。

ということで今週もWentz次第。

「なんでこんなに2017より劣化したのか」ということについては地元で数多くの論評がなされており、そこについてバイウィークの間に触れてみたかったものの、業務繁忙との兼ね合い等で実現できず。無念。
簡単に触れると、「Frank Reich(現IND HC)とJohn DeFilippo(現CHI QBC)はいいオフェンスを構築してた。Pederson一人になってからダメになった」という戦術に対する指摘は当たっていないと。曰く、当時のほうが攻めたパスのパーセンテージは多かった、というのがその論旨。しかしよくよく調べると、クイックヒットのパスのパーセンテージは多かった模様。個人的にはどうもこのあたりにこの選手の不調のカギがあるのではないかと愚考します。

つまり、決め打ちの短いパス(=決められたところに決められたタイミングで投げればよいのでレシーバーを探す行為の負担が少ない)が減ったことでパスプレー全体の難易度が上がり、ターゲットのチョイスが増えてボールを持つ時間が長くなった、そしてサックを食らう回数が増えて、シチュエーションが悪くなることとサックを食らう恐怖からますますターゲティングが適当になり、正確性の低下につながっているのではないかと。
事実、「3秒間QBを守ったか否か」という「パスプロテクションの勝率」というスタッツではPHIのOLは現在8位。これだけ見るとリーグ最多サックには全く値しない。

要はプレーコールと、Wentz個人のターゲットを見つける能力の低下の合わせ技ではないか、というもの。これが事実なのであれば「クイックヒットの比率を増やす」「Offenseのテンポを上げてDefenseにシンプルなカバレッジを強要する」などなどの小手先で比較的解決しやすいのではないかと。それができる受け手側のツールは整いつつあると思ってます。そういう視点でPederson先生の査定的な意識を強くして観戦に臨む所存。

 

<Defense>

サックランキングが、3位(PHI)・5位(TB)・2位(WAS)の3連戦でそれぞれ3回・3回・5回のサックを献上したNYGのOL陣。しかし、皮肉なことに若手LTとCがこの3戦の経験値で成長していること、COVIDリストに入っていたG Will Hernandezが復帰することなどから「3週前と同じやと思うなよこのヤロウ」というのがNYメディアの論調。

確かに、HernandezとZeitlerのG陣にはCoxが完封されていたし、全体4位のLT Andrew Thomasがちょっとでも成長すればEDGEからのプレッシャーも軽減されてDaniel Jonesがだいぶやりやすくなる懸念はある。

しかしそうはさせない。JonesはBlitz時のプレー効率が27位だそうで、前回対戦時に今シーズン2番目に多い33%もBlitzをかけたDC Schwartzの狙いはそこ。そして恐らく今回も同様のハイプレッシャーD#を展開するのでしょう。TB戦でもプレッシャーに対して意味不明なパスを投げてINT、という光景を見ました。

その際に気を付けていただきたいのはNYGのリーディングラッシャーことDaniel Jonesの足。前回は全米注目のThursday Nightで80ydsラン&転倒というお笑いを見せてくれた彼ですが、実はめちゃくちゃ足が速かったのも事実。Blitz+マンツーマンというプレーが増えると推察されるなか、両EDGEがあまりにも不用意にプレッシャーに焦るようであればあの悪夢のようなQBキープは何度でも繰り返される可能性あり。これには十分注意していただきたい。

RBのデプスが薄いなか16位にランクしているNYGのランオフェンスの出どころはJones。そこを止めてある程度プレッシャーをかければDarius Slay vs Darius Slaytonのほぼ同姓同名対決は前回同様前者に軍配が上がる(前回は2回23yds)はずなので大丈夫。あとは前回ほとんどいなかったMaddox vs Sterling Shepardのところ。これはもう頼むしかない。

 

 

 

どこもかしこもうまくいってないNFC東にあって、実は中長期的にいちばん怖いのはNYGなのではないかと踏んでいる。GMはアレながらHCはなんとなく良さそう。なのでQBさえハマれば、というところまですでに彼らは来ているのではないでしょうか。これは怖い。そしてそのピースがなかなかハマらないということもMcNabb以降のQB探しに苦しんだ我らは知っている。だからこそ勝てるうちに勝って苦手意識を植え付けること、なによりDaniel Jonesがそのピースになることをなんとしても阻止せねばならない。この一戦の勝利はもはや義務。NFC東の3チームをどんぐりの背比べにとどめておくために義務付けられたものである。

なによりこの先の@CLE→SEA→@GB→NO→@ARIという地獄の5試合に向かうためにもここは必勝。

 

予想:PHI 31-17 NYG

GO!BIRDS!!