鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

宴のあと

MNFはアツかった。文句なく今シーズンマイベストゲーム。何よりも今シーズン両チームと対戦したPHIファンとしては、QBのモビリティの必要性と、DLのインサイドからのプレッシャーの重要性についてずっとうなずきながら観戦していた。片方のあいつはもはやモビリティとかいうレベルじゃないけど。
さて、PHIの話。NFCトップシードに対して、その時点でNFC最下位のチームが勝ったんだからこれは相当な番狂わせと言っていいでしょう。そしてその宴が終わったあと、会場はぺんぺん草も生えないような荒れ具合になっていましたとさ。
しかし振り返りは冷静になってやらないと書きたかったことが漏れたりする。NO戦においてSchwartz & Defense陣は非常にいい仕事をしていたからもうちょっと書けばよかったと思ったけど漏れていた。 そしてもっと冷静になるなら、明らかにNOというかショーンペイトンが舐めていたこと(4Qの4th Downの判断とか)が一番の勝因だったけどそんなことには目をつぶって都合がいいように解釈していく。思いの外よかったHurtsとDL陣があの名将の判断を狂わせたのだと思っておく。
ではケガ人情報とトランザクションを合わせて。

 

【ケガ人】

S Rodney McLeod(膝)
ACL断裂で今季絶望。3年間で2回目のACL断裂。前回は右足。今回は左足。 Malcom Jenkins亡き後、ディフェンスリーダー・チームリーダーとして大車輪の活躍、特に今年はSとしてのプレーにも磨きがかかり、ランにも絡むしパスではターゲット時のQBレートが54.8(NFL9位)という安定ぶりだったのでこれは本当に残念。
昨オフに2年の契約延長をしていたので、来年が最終年。ただし、開幕に間に合うかは非常に疑わしい状況。通常9ヶ月超かかると思うと多分無理。プロ9年目の30歳。どうかな。回復するかな。考えたくないけど回復次第ではNO戦が見納めという可能性も。Millsがゴミだったこともあり、これにてSのニーズが爆上げに。

RT Jack Driscoll(膝)
MCLなので内側側副靭帯の重度の損傷で今季絶望。聞いてない。全スナップ出てた。2020ドラフトの4巡指名でAuburn出身。AuburnでもRTだったものの、「プロのOTやるにはパワーが足りないのでCかGにコンバートするのが妥当」という評価で、個人的にもこの順位で指名するほどの選手か?CとかGやらせるならその直下であろうことかDallasにあげた指名権で指名されたWisconsinのC Biadszのほうが良いのでは?という疑問はあった。ところが、キャンプでも層が薄くなっていたGをやるでもなく、一貫してOTとしてプレー。気づけばLaneの控え1枚目になっており、Laneの負傷でなんと開幕スターターに。その後week14のNO戦も含めると、都合4試合の先発。多分出場試合自体はもうちょっと多い。
プレーとしてはまあなんというか可もなく不可もなくというか。逆サイドのMailataみたいに目を見張るようなランブロックがあるわけでもなく、カレッジの強豪でそれなりに経験は積んでいるのでまあそれなりのプレーを見せてくれていた。というかちょいちょいプレッシャーになってるなぁぐらいであんまり注目したこともなかった。すみません。
ただ、おじさんたちが去った今、この並びで最終戦まで行くからもうちょっと連携が熟成されていくんだろうと思っていたなか、この離脱は激痛。PryorかTothが埋めるのだと思うので、まあそちらに期待ということで。Hurtsを守るという重大ミッションなのでNO戦のメンツでのさらなる成長が見てみたかったという本音は隠しようがない。これをもって、14試合で13通り目のOLの並びになることが確定。

CB Darius Slay(脳)
脳震盪プロトコル入り。McLeodが傷んだのと同じプレーで、パスをレシーブしたKamaraにタックルしにいってその肘が頭に入って脳震盪。次戦出場可否は現時点で不明。 Metcalf・Adamsと続いたリーグ最高峰マッチアップで手ひどくやられたあと、Michael Thomasとのマッチアップでも順調にレシーブヤードを献上し続けての負傷。まあこういうレシーバーたちをシャットダウンしてほしくて当時リーグ最高給を差し上げたにしては非常に物足りない現状。
「Slayがエースに貼りついているおかげでほかのところの傷が浅い」という考え方もあるのかもしれないが、結局相手QBからしたら一番信頼できるレシーバーに投げて、そこが通るのであればまあそれ以外の信頼度が落ちるレシーバーに投げる必要がなくなるよね、というのは容易に想像がつく。ということなのであれば、相手のGame Planを変えるほどの影響があるCBではなかったということ。もうすぐ30歳になるのでこれ以上の改善は望めない。となると、嘘みたいな話だが、彼をNO.2 CBにするのが理想。ということで、現時点で必要になったのはエースCB。しかも安いやつ。さすがにいきなりエースを張れるルーキーCBも少ないと思うので、正しくは「2年目でエースを張れるCB」。week11までのニーズは「NO.2 CB」だったが、ここへきてニーズはひとつ上がった。だけれども指名順位は下がってしまった。Hurtsによるジレンマ。そもそもSchwartzのシステムがあまりにもマンツーマンに偏るからこういうことになったのだと思うが、NO戦のディフェンスが見事だったこともあり、Schwartz路線継続を前提に考えるとそうなる。そしてこの問題は「いったい誰が決めるのか」という論争に帰着する。

CB Avonte Maddox(膝)
捻挫か何かで一時離脱。IRに入るほどではない模様。さすがにそのあとに出てきたKevon Seymour(2017年CAR時代以来の試合出場)よりはマシだったと思いたいが、あんまり違いが判らなかったよね。

DE Josh Sweat(肩?)
勝利の立役者が最終盤で肩あたりを押さえながら下がっていった映像を見た。彼は「ケガさえなければ」という不安が大きすぎて4巡までスリップしたほどの男。なのでケガのリスクは常にある。そしてDougの会見でケガは「OK」であることが明らかに。あーよかった。

LB Shaun Bradley(不明)
試合中にダウン。まあまあ早めに「OUT」の一報が入るも、その後は不明。NO戦に関していうと、特にパスカバーにていいプレーが出ていたので期待していた。ルーキーのうちのどっちかはものになってもらわねば。Davion TaylorがIR入りしているのでBradleyへの期待は大きい。そして次戦については、彼がOUTでT.J.も出られないとあらば、LBはSingletonとRileyしか実績がないという状況に。そうなればJoe Bachieに注目するだけですけどね。

DE Malik Jackson
DE Derek Barnett
 たぶん両方セーフ!

 

トランザクション

上に見た通り、DBに集中爆撃を受けたことと、元から焼け野原だったOLとLBにさらに焼夷弾が落ちたことで、そのあたりを集中的に補強というか応急処置に動いているさまが明確。

<新加入>

OL Ross Pierschbacher
読み方は、「Peersh-BAY-ker」なので、「ピァーシュベイカー」かな。 WASのPSからさらってきたので、covidのテスト後即アクティブロスター入り予定。McLeodがIR入りするのでその枠。2019年のドラフト5巡153位でWAS入り。Alabama大出身の25歳。WASでは昨年Cとして5試合の出場経験あり。BAMA時代はLGで42試合先発したあと、シニアイヤーにCとして15試合先発。合計57試合先発はBAMA記録ということで立派なもの。Hurtsとも3年間被っている計算。 コンバインにおける測定では、カラダはそんなにデカいほうでなく、運動能力も、まあ褒めるとしたら若干40ydsが早いかな、程度。だけど天下のBAMAで4年間スターターを張ったということは何かあるのでしょう。期待しております。
Gの控えでもあったPryorがOTの先発になるということで、さらに薄くなったGの控えを確保するための動きだと推察される。
というわけで、この加入でPHIのOLは総勢9+1名体制。Jordan Mailata・Isaac Seumalo・Jason Kelce・Nate Herbig・Jack Driscoll・Matt Pryor・Luke Juriga・Brett Toth・Pierschbacher。DriscollもそのうちIRに行くでしょうからまだしばらく動きはありそう。

 

<PSからの暫定昇格(Covid特例)>

CB Jameson Houston
RB Jordan Howard
LB Rashad Smith
T Prince Tega Wanogho

このうち気になるのはやはりCBのJameson Houston。2020年ドラ外。Baylor大出身の24歳。最初はCLE入りするも、すぐカットされ恩師Matt RhuleのCARに。ファイナルカットでこぼれ、ストリートにいたところをPHIのPS契約。Grayland ArnoldとはBaylorのチームメイト。Baylorでは48試合に出場。ドラフト時の評価は「4.58という40ydsのタイムの割にはフィルム上速く見えるけど粗削り。対スロットをやるにはクイックネスが足りないのでアウトサイド専門。」というもの。NO戦でもアクティブ登録されていたが、出番なし。2試合連続となりそうな次戦ではまず試合出場に向けて励んでいただきたい。

 

 

楽しみなのはケガ人の穴埋め要員たち。若手の活躍はHurtsの例にもれずチームに活力をもたらしますからね。そしてかくもケガ人が続出するとSchwartzも根本からプランを見直さざるを得ないと考えるが、それがARZとMurrayにどう機能するのかが非常に楽しみ。ゾーンカバーは当然増えるんだろうけど、それのハマり具合によってはドラフトでの考え方も変わるかも。そういう意味ではプレーオフとかそんなこととは全く関係がない次元でも重要な一戦。展望とか希望はまた改めて。