本日はとある記事と、その線からの思わぬ角度で入ってきたHC候補について。
まずは記事の紹介から。
Wentzは”Uncoachable”
華々しいディビジョナルプレーオフ裏で、“The Philadelphia Inquirer”紙のJeff McLaneの記事がプチ波紋を広げている。世にも大胆な意訳は以下の通り。
- 2017のレギュラーシーズン、負傷前の活躍によりWentzは増長
- アメリカ人好みの自信に満ち溢れたメンタリティを持つWentzを、その時点ではオーナーのルーリーは溺愛
- その結果、ドラフトやコーチ選びにも発言権を有するように
- そして2018オフに晴れて長期契約を締結。一方で、その頃ぐらいから現地記者たちのなかでは「あいつ大丈夫か?」的な存在になり始める
- 臨界点は2019オフのOC Grohの解雇と、新OC Press Taylorの起用(昇格)
- Wentzがドラフトされた2016にはまだ”Offensive quality control(詳しくはよく知りませんが、練習の時間管理的なことをするのかな?要はフルタイムでたぶん最下層のコーチ)”兼”Assistant quarterbacks coach”だったTaylorのことをWentzは完全に見下しており、Taylorにミステイクを責められてもOLのプレッシャーのせいにするなどその関係は断絶
- そして2017まではWentzにとって怖いおじさんだったReichとDeFilippoがいたためその二人に頭を押さえられていたが、その二人もいなくなり、直属の上司がPress Taylorになって増長が止まらなくなった2020、見兼ねたPedersonもWentzに厳しいことをいう必要が出てきて、それをWentzが受け入れなかったとことでPedersonとの関係も断絶、完全無欠な”Uncoachable”な存在に
- week8後のバイウィークには、とうとうオフェンスのベテランからHCに「あいつを外してくれ」という直訴が入る
- その時点で、コーチ内の評価では、今年のオフェンスの責任の3分の2はWentzの責任、という結論が出ていたようだが、一方でとんでもない投資をしてしまったフロントからは「Wentzで行け」という圧力がかかる(ルーリーはちょっとWentzのことを疑ってたらしいが)
- クラブハウス内のアルファオスを決めるべく泥沼のプレーコールとプレーが展開された結果が2020後半のクソオフェンス
- そしてオフ、追試の面談をルーリーと行ったPedersonは、「Hurtsでいきたい」旨を伝えてめでたくクビに
以上、世紀の意訳でした。さて、この苦すぎる内容を信じるかどうかはあなた次第。私は信じます。
人間の真価は逆境の時に決まる。と思う。
上手くいっていないことがわかっていても素直に頭を下げることができない男はちょっと。
というか上の記事で一番憤慨しているのは自分の不出来を「OLのせいにした」というところ。そんなQBはダメです。
恥ずかしながらこの男に昔からこういった疑惑が付きまとっていることを知らずに「フランチャイズQBはWentz」とずっと思っていた。お詫びします。
さらに、現在進行形のHC面談では、フロントは候補者に対して「WentzでいくかHurtsでいくか」を問うているという情報もある。
そして「Hurts」と答えた人には大幅な減点がつくのだとか。すんごい落とし穴。
ただ、フロントの考えていることもわからんではない。
21年1月18日時点での21シーズンのサラリーキャップは176M(現時点でPHIは約52M超過)とされている。そのうち、Wentzの21年のキャップヒットは34.7M(約20%)。
うまいことこのオフにトレードが成功して最小限のキャップヒットで済んだとして、ほぼ同額、33.8M(約20%)のキャップヒットを抱えることになる。
これではせめて2021シーズンまではWentzで…という気持ちになるのもわかる。
わけあるか。
チームにとってもはや有害になった存在を抱えることのデメリットの大きさのほうが計り知れないと個人的には思いますが。大体この失敗の責任は誰にあるのでしょうか。
だけれどもこの線でフロントは動いているので仕方ない。
ということで、このQBをどうするのか、という危機意識が強く働くHC選び。
HC選考 part2
こちらは他チームに少し動きがあったので使いまわしを更新。
<面談済み>
Joe Brady:現CAR OC
Robert Saleh:現SF DC⇒NYJと合意
Arthur Smith:現TEN OC⇒ATLと合意
Jerod Mayo:現NE ILBC
Duce Staley:現PHI AHC・RBC
新)Josh McDaniels:現NE OC
<面談予定>
Todd Bowles:現TB DC
Kellen Moore:現DAL OC
新)Brandon Staley:現LAR DC⇒面談の予定はあったが、その前にLACと合意
新)Eric Bieniemy:現KC OC
<興味ありとの噂>
Lincoln Riley:現OU HC⇒その後、「現在の立場に満足している」的な報道あり
Mike Kafka:現KC QBC
Brian Daboll:現BUF OC
Ryan Day:現OSU HC⇒その後、やっぱり候補じゃなかったという報道あり
前回熱烈に愛を振りまいたDabollだが、あの文章を投稿した直後に「LACがいいなあ」と思っているという近い筋の情報が流れた。
が、その後急転直下BrandonのほうのStaleyがLACのHCになるということで一旦宙に浮いている状況。
仮にスーパーまでBUFがいくことがあれば、Dabollとの面談はそのあとに。
Bieniemyも同様。しかしNFC決勝に進むTBのBowlesとは今日面談をするらしい。
この辺のルールはよくわかりません。
そして本題。
HC候補:Josh McDaniels
はい来た。毎年どっかのチームで候補に挙がる人。
現地の反応は完全にネガティブ。曰く「こいつがINDのHCドタキャンしたせいでReich引き抜かれて弱くなったんじゃろがい!帰れこのヤロウ!」というもの。
しかし、よく考えたらそうでもないような気がしてきた。
その考えるきっかけとなったのが、上に挙げたWentzが“Uncoachable”になったという記事。
生半可なOCとかQBCがきてこいつの増長が止まらないのであれば、劇薬をぶつけるのはもしかしたらアリかもしれない。
さすがにあの悪夢のような2009・2010のDENでの振る舞いは人間的成熟と相俟って心配しないでいいような気がしているし、やはり多分に壊し屋的な要素はあるのでしょうが、Wentzの改心を促せるのであればお釣りはくるのかもしれない。
いや、やっぱり毒が強すぎてチームが崩壊するか。
Wentzが治ってもチームが崩壊したら意味がないか、というところをぐるぐるぐるぐる回っている次第。
気持ちはフラット。来るなら来なさいという心境。
この人については人格的にDaboll開花前という印象もあるし、Brady以外のQBと組んだシーズンでリーグ上半分にオフェンスを導いたことがないらしいが。
まあ半分しか埋まってない地雷みたいな人。顔も含めて。
しかし、そんな男とPHIは丸一日ぐらいみっちり面談をしたそうな。
もっとも、2013オフにチップを雇う前にはBrian Billickと同様に丸一日ぐらいかけて面談して結局雇わなかったということもあったようなので、即合意濃厚とは読み取れない。よくわからない。
けど今書いていて、チップ雇うようなチームならMcDanielsを雇う可能性も結構あるような気がしてきた。
さて、HC選びで残ったのはHOUとPHIの2者。
というか現在NFLワースト2と思われるほどに揉めているフランチャイズ。どっちがワーストかは知らない。
候補者はふんだんにいるが、問題は誰かなりたい人がいるのか?というところ。
プレーオフって楽しそうだなあ。