鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

タンクゲームで得たものの値段、そして惚れ込んだ男との別れ

NFLファンを敵に回した2020シーズンweek17のタンクゲーム。失ったものは大きかったが、あの試合で得た3つか4つ分のドラフトスポットはなんと2022の1巡指名権に代わった。
本来的には昨日のうちに脊髄反射したかったものだが、Pittsと会えなくなったショックが大きすぎて整理に時間を要しました。ああいう選手をWR的にセットさせたりして遊ぶのは楽しかったろうな。

 

【トレード】
SF全体3位全体12位2022 1巡・3巡・2023 1巡MIA
PHI全体12位・4巡123位・2022 1巡全体6位・5巡156位(from DAL):MIA

この書き方が合ってるか不安になってきた。各チーム取得物を記載しております。
これでPHIは2022に1巡を2つ、Wentzが条件を満たせばINDの分も合わせて3つの1巡指名権を保有することに。加えて現時点で来年のキャップスペースは60Mに達するそうで、動き放題のオフになりそう。

 

【経緯】
どうやら当初の狙いはQBというかZach Wilson(BYU)で、こいつを獲るために必要な全体2位獲得のためにNYJと話したところ「3位指名権を握りしめてきてもダメだ」という回答だったようで、Zach Wilsonは諦めてダウンすることにしたと。
以上は現地の推測。
だけど、QB獲得のためにトレードアップを狙っていたという部分は事実だったよう。
ここで押さえておくべき事実は、「QBを狙いにいった」という部分だけ。
3位指名権保有者であったMIAとはトレードトークをしていたが、QBが無理だとわかってからはダウンの話がメインに。SF⇔MIAのトレード成立を急かし、SFの12位に落ち着いたということだったよう。

 

【2021指名権整理】
1巡12位(SF⇒MIA⇒)
2巡37位
3巡70位
3巡84位(IND⇒)
4巡123位(MIA⇒)
5巡150位
6巡189位
6巡224位
6巡225位
7巡234位
7巡240位(SF⇒)

以上合計11指名権。LB AveryのトレードでCLEに差し上げた4巡指名権が復活した形。

 

【相変わらずのクソ組織】
以前にもお伝えしました通り、オーナーのLurieは“Hurtsを先発QBに据えて周辺戦力を構築する”ことを志向し、その方向でドラフトの話は進んでいるという話があったのでこちらもそうなんだと思っていた。
Top4をQBが占めた場合、PittsかChaseが6位には残っている計算になる。CINが順当にSewellに行ってくれれば両方残る。この展開はまさにHurtsにとっても天佑ではないかと思っていた。
しかし先週ぐらいだったか、雲行きが怪しくなってきたきっかけはRosemanの記者会見。そのなかであの男は、「どのポジションにも競争を持ち込む。それが最良のチーム作りだと信じている」的なことを宣った。
その結果、「やっぱりQB行くんでねえか?」とうるせえPHIメディアが騒ぎ出す。しかしその後、Flaccoを獲得したことでQB獲得論はやや沈静化。そしてその矢先に起こったイベントがこれ。
やっぱりQB獲りに行ってたんじゃねえかこの野郎。
まだ確たる実績を残していないため致し方ないが、Hurtsは本当に信頼されていない。信頼を獲得するところまで行っていない、というべきか。
2020ドラフト前、スカウト陣は「Hurtsは3巡か4巡レベル」という結論を出していたようで、その評価を覆して2巡で強行指名したのはオーナーとGM。それから1年、そうまでして投資した案件に全く満足していらっしゃらないようで。
まあWentz含めて周辺状況が激変したので理解できる部分はあるが、なんともモヤモヤするというのが感想です。

 

【判断材料】
このトレードダウンが成功かどうかは12位指名の選手と6位でMIAが指名する選手のご活躍ぶりを拝まなければ何とも判断がつかない。
だけれども、正解がないドラフトにおける動きとして悪くなかったのではないかという所感。

好材料
①2022のほうがプロスペクトの評価がしやすい可能性
コロナによる一連のイベントである、オプトアウト、試合数減少、コンバイン中止等により2021プロスペクトの評価は難しいという巷の評判。
そうなるのであれば、FA市場でも動きやすくなる2022のドラフトに全力を投じることができるのはプラス材料。
(これをプラスと捉えるなら今年の11指名権はあまりに多すぎるという話になるが、そこには目を瞑ってくださいすみません。)

②2022に大枚をはたいてQB獲得戦線に殴り込める可能性
前述したとおり、都合3つの1巡指名権を保有する可能性がある2022、Hurtsの出来によっては新QB獲得に全力を注ぐ必要がある。そうなった場合の弾薬としてはなかなかのものを手に入れた。
Watson(HOU)だろうがWilson(SEA)だろうがRattler(OU)だろうが特攻可能。真ん中のおじさんに特攻するのはちょっと怖いけど。
そしてMIAを見習うのであれば、ここからさらに打ち出の小槌のような指名権商売もできそう。

③Pittsを喪った傷を癒すものの存在
巷の噂では2022のTEプロスペクトの層は非常に厚いと聞いている。果たしてPittsレベルがいるのかはわからないが、少しは癒される。

<不安材料>
①Roseman
お前のこのムーブがスマートだったとして、“2021はHurtsの評価に全力投球”というシーズンだと表明したとして、お前この一連のムーブは“2021がダメでも俺のせいじゃないよ”というアピールではないだろうな?
新HC SirianniはLurieの採用だということが聞こえた今、実は2021のシーズン成績だけをもってRosemanを責めることは非常に難しい情勢。もちろん過去からの蓄積という点でファン的には十分解雇に値するが、そうならばこいつのクビは既に天高く舞い上がっていなければおかしい。こいつが増やした指名権をこいつが行使するとなると、これは非常に大きな不安材料。

②Roseman
仮に2022の1巡指名権が3つあるとする。
こいつの直近3つの1巡指名は以下の通りである。
2017:Derek Barnett
2019:Andre Dillard
2020:Jalen Reagor
現時点では、という言葉はつけておくが、クソバストである。クソバスト3人衆である。
このノリで2022の貴重な指名権を浪費されたら死んでも死にきれない。

③Roseman
落とすにしたって12位はない。10位と11位が同地区(DAL・NYG)である。最悪なんである。指名ポジションが被った場合、こいつらの二番煎じを食らう可能性がある。想像しただけで戻しそうである。NYGにはまたダニジョン的なことをやってほしい。
しかしDALは抜け目ないドラフトするからな。本当に嫌だな。

④INDとMIA
身も蓋もないことを申し上げるが、2022のピックが潤沢だという幻想に騙されてはいけない。
オリジナルピック以外は、INDとMIAのものである。2020を見る限り、たぶん両チームともプレーオフには出るのでしょう。そうなると両方とも19位以下である。MIAから貰った方がSF分だとしても微妙。なんせQBさえうまいこと転べばSB行っちゃうチームである。いずれにしてもおいしゅうない。ほぼ確実にオリジナルピックが一番順位高い。
6位でのPittsもしくはChaseを諦めてまで手にするべきだった指名権かどうかは判断つきませぬ。

うむ。好材料並べたかったのに結果として不安材料のほうが多い。参ったな。

 

【感想】
わかりません。
わからないながら、Hurtsを評価したいにしても、6位という高順位でそれなりのサポーティングキャストを揃えるべきでは?という立場はやはり変わらない。
ドラフトの立ち回り的な評価もわかりようがないが、こういうQB以外への高額投資を渋っているようじゃなかなか突き抜けたチームにはなれないのでないの?という疑念は拭えない。まあKCみたいな例もあるので何とも言えないが。新HCにとっても新QBにとってもこの状況は過酷であろう。
しかしRosemanによってHurtsというかQBポジションに持ち込まれた「競争」は「周囲の期待との競争」というか「自分との競争」だったというオチなのか。これは目に見えない分一番過酷な競争なのではないか。
このオフシーズンの感じを見る限り、Hurtsなら乗り越えられそうだと信じたい。頑張り給え。
しかし一番の感想としては、高額投資とそれに伴う強めの批判から逃げるなよRoseman、というもの。

 

【12位の行方】
現在のFA市場のPHIの動きにおいて一番納得いっていないのが、先発ポジションが空いているところを放置している点である。それがCB2。ここだけはどう考えたって先発がいない。Maddoxを先発だとは絶対に認めない。良くてNCBである。
ここの埋まってなさが非常に気に入らない。まっすぐに受け止めるのであれば、プロデイでストックを上げたHornの息子か。Surtainの息子はDAL以降残らないであろうし、DENとDALでこいつら二人を連続指名するモックもよく見る。Samuelの息子に行くにはちょっと早い気がするし。
そうなるとWRに行くのか。Batemanとか個人的にはJJAW感がしてちょっと嫌なんだが。ちょっとしか試合見ていないのでなんとも言えませんが。
とにかく選択肢が広がって6位より難しそうなのは事実。もしかしたらもうちょっと落とすかもね。

 

こういう動きがあったことは仕方ないし上手く転ぶことを祈るばかりであるが、まずは足元のFA市場でのCB補強に大注目しているものです。