鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2021ドラフティ紹介(その5:Marlon Tuipulotu)

第5弾はランストッパー。この男もいい血筋を背負っている匂いがする。

 

6-189 DT Marlon Tuipulotu(USC)6-2 317lbs

 

 

【生い立ちからUSC】
NZ生まれという情報もあったけど真偽のほどは定かでない。ロス近郊に育ち、その後Oregon州にお引っ越し、高校もOregon。
フットボールのキャリアは高校からスタートしたが、1年次から順調に活躍。SeniorイヤーにはDLとOTの両面でプレー、USA Today紙のOregon州のDPOY(Defensive Player of the Year)選出に加え、DL・OTの両面でAll-Americanに選ばれる。
そしてフットボールの技術向上を目的としてJuniorイヤーに始めたレスリングでもSeniorイヤーには最重量級である285lbs級で州チャンピオンになる腕前。

4-starリクルートとして、DTランキングでは全米5位、Oregon1位。
Oregon、Washington、USC、Nebraska、Notre Dame、Arizona、Michigan、UCLA、Ole Missからオファーを受け、Washingtonに行きかけて最終的にはUSCに進学。
2017のフレッシュマンイヤーは3試合出場後に左膝の捻挫と背中の手術でレッドシャツに。後者は2019にも1試合欠場の要因となっている。

2018以降はスターターとして順調に出番を重ね、2020にはALL-PAC12の1stチーム選出。
Bruglerによる今ドラフトにおけるDTランキングではMilton Williamsを超えるNo.3と評価されている。これはさすがにやりすぎだとしても他の専門家でも大体DTの10位ぐらいには入れていた。

そしてこいつも家族がなかなか。
いとこが2009の2-56でINDに指名され6年間在籍したFili Moala。
そして別のいとこにこのドラフトの5-180でSFに指名されたSのTalanoa Hufanga(USC・#15)。
さらに弟もUSCで2020にDTのコンビを組んでいたTuli Tuipulotu(#49)。

 

【人柄】 
こいつもまた優等生。
高校時代から落ち着いていてリーダーシップを発揮できる人間だ、という性格上の評価も非常に高かったよう。
それは前述のHufangaも弟のTuliも同様で、この3人は2020USCのD#を引っ張る存在として、フィールド内外でのリーダーシップやストイックさ等の内面を高く買われていた様子。

しかしこういう選手ばっかり指名してるな。よほど去年のPHIのロッカールームはクソだったんでしょうな。

 

【選手としての評価】
<長所>
・大きいサイズと強い下半身
ダブルチームを引き受けられる低さと強さ
レスリングで鍛えた手足の捌き
・特にブロックを外す手の動きは秀逸
・キャリアをしっかり視野に捉えて動くのでプレーリードの間違いは少ない


<弱点>
・爆発的なクイックネスはない
・方向転換もややぎこちない
・爆発的な一歩目がないためパスラッシュに迫力を欠き、カウンタームーブもできない
・要はパスラッシュではほぼ無力
・負傷歴

以上が、ドラフト前の評価。ランストッパー。

 

【希望】
2020の数試合を観る限り、弟のTuliとか、いとこのTalanoa Hufangaの方が魅力的に見えたというのは冗談として、ダブルチームを潰すというよりブロッカーを確実に外してキャリアのホールに顔を出すことに長けている印象はあるが、いずれにしてもランストッパーとしての能力は間違いない。そして恐ろしいほどパスゲームでは無力。

長くWide9を採用してきたPHI DLがピュアな1テクを置くとしたらいい感じでフィットしそうな人材。

4-106でJAXに指名された同僚のJay Tufele(USC・2020はオプトアウト)とか弟のTuliといったDTの相方が結果を残しているところを見ると、Marlonがダブルチームを引き受けることの好影響は周りに出そう。贔屓目が過ぎる視点で言うと、Hufangaが縦横無尽にフィールドを駆け回って大活躍したのもMarlonのおかげ、ということになる。
結局DTとして12番目に指名されるところまでスリップした要因はケガの状態ではないかと言われているところがやや不安ではあるが、Hargraveのローテーション要員として2021の早めから姿を拝めることを期待している。