鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2021ドラフティ紹介(その6:JaCoby Stevens)

逮捕とか起訴とかしかニュースがないとは何て平和な毎日。
レーニングキャンプ開幕までには、と思っていたが間に合わなそうなドラフティ紹介第6弾は栄光のLSUの#7を背負った男。そしてドラフト前の評価はTop10(これはさすがに酔狂)からドラ外まで凄まじいばらけ方をしていた。活躍できるかどうかが非常に気になる選手。

6-224 LB/S JaCoby Stevens(LSU)6-1 212lbs

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【生い立ちからLSU】
Tennessee生まれ、ナッシュビル育ち。もちろんTitansファン。
バスケットボール、フットボール、陸上で活躍し、5-starリクルートとしてclass of 2017のSとして1位、TennesseeのリクルートとしてOG Trey Smith(6-226でKC入り)に次ぐ2位、3位はWR Tee Higgins(CIN)、全米18位という超エリート。
高校のFreshmanイヤーからSECからのオファーを受け始め、家族のルーツがLouisianaにあることもあってjuniorでLSUに入学を決定。ところが、LSUがゴタゴタし始めたことを受けてそれをいったん撤回。
再度リクルートを受け始めるが、Alabama、Auburn、Georgia等を抑えて結局LSUに落ち着いたもの。
叔父さん(Grayson Augustus)は Louisiana-LafayetteでOGとしてプレーの経験あり。

大学ではJuniorイヤーまでSFが主戦場。JuniorのAlabama戦ではDeVonta Smithにぼっこぼこにやられていた。
最終年はFSからLBまであらゆるポジションでプレー。Senior BowlではLB。

 

【人柄】 
このPHIドラフトにおいて唯一といっていいほど懸念がある人。よくわからないというのが本音ですが、フィールドでは気分的にもパフォーマンス的にもムラがあるという評価も見た。ロッカールームではよきリーダーだとのことで心配ない模様。
ほぼ前年のスターターを欠いたLSUのBo PeriniによるボロボロDefenseを最後まで支え続けたことについての評価は高かったりする。よくわからない。

ちなみに、フィールド上ではアグレッシブさが過ぎてフラッグをもらっているシーンを何度か見た。アツい男には見えるがその裏で自分をどれだけ制御できるのかがカギになりそう。

 

【選手としての評価】
<長所>
・フィールド上でリーダーでありコーチ、ロッカールームでもリーダー
・優れたバーサタリティ
・複数のポジションをこなせるフットボールIQの高さ
・フィールド中央でのTEのカバレッジに定評
・高校までWRだったこともありキャッチ力は高い


<弱点>
・オーバーアグレッシブなプレースタイルでやりすぎてフラッグもらいがち
完全にプレーをリードしきらずにホールを決めてしまうのですれ違い多数
タックルミス多い(直近2シーズンで14回)
・クイックネスにやや問題があるためWRのカバーではセパレートされることも多い
・特にDeepでのカバレッジは苦労していた
・Seniorイヤーの努力や規律の面でやや問題あり


以上が、ドラフト前の評価。

 

【希望】
PHIとしてはLBとして指名しているので、DeVonta相手には本当に無力であった彼がDeepでWRとのマッチアップという地獄がなさそうなのが救い。
昨年のドデカい課題であったTEのカバレッジにおいて戦力になってくれるのであれば御の字。

そして、彼の場合、今ドラフトにおけるチーム8人目の指名になるため、そもそもトレーニングキャンプを乗り越えてロスターに残れるかという勝負。

しかし、この指名には残念ながらあまり興奮していない。
3試合ぐらい見たが、ハイライトになるプレー以外はほとんど絡んでこない。そしてプレースピードもあまり速くない。ハイライトプレーもサインが当たったものが多く、個人でどうこうしたというものはあまり見つけられなかった。

何より、弱点の2点目と3点目を見ていただきたい。これ、曲がりなりにも前年のPHIのLB1でありながら他チームではキャンプ前にカットされちゃったでお馴染みの忌まわしきNate Gerryの生き写しであろう。
2点目の弱点の原因はGerryのやられ方と同根だと個人的には思っており、アンダーサイズの選手がLBとしてプレーする場合、この点が怖い。何かというと、OLをしっかり捌けるフィジカルと技術が足りないため、リアクションスピードで先んじることに重きを置いた結果、リードを間違うというもの。そしてランプレーに気を取られた結果、本職のカバレッジの判断もだいぶ遅れるという悪影響が波及する、という悪循環。
JaCobyも多分に漏れずカレッジレベルでもOLに対しては無力であったため同じ懸念はあり続ける。
願わくば、LBという枠にとらわれない使い方で彼の本能を最大化することにより、CLEに行ったJOKの劣化版ぐらいになってくれれば幸い。
DCのGannonもそういう使い方を意識した発言もされている模様。
元5-starということもあり、ハマればやってくれるのではないかという期待はちょっとだけだがある。

じゃあまあGerryよりはマシか。
それではSFカット記念として全PHIファンを絶望の淵に叩き落した2020の背番号47のスーパープレー集をどうぞ。

 

 

このテのトゥイーナーが真価を発揮するかは使い手の能力次第。
“スキームはない”というもしかしたらすごい怖いかもしれないことを宣っているDC Gannonの手腕を問う彼は試金石。
願わくばプレシーズンぐらいでどう使っていくのかを見せていただきたい気持ちがあります。