鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2021ドラフティ紹介(その7:Tarron Jackson)

この半年間、諦めて過ごしたErtzの件、この2週間チーム施設でチームメイトたちとトレーニングしているということは、トレーニングキャンプの出席はまあほぼ確定なんでしょう。その後のことはわからない。ただ、功労者をキャンプ後のカットで放流するかというとその可能性は低いのではないかと。ちゃんとしたフランチャイズなら、早めに新天地探しをできるように3月とかにカットしてあげるのではなかろうか。

というわけでErtzは2021シーズンも残るというのが個人的本線。そうなった場合、Goedertと揃って契約最終年になるTEの扱いはちょっと難しそうな気がする。デカい契約を狙っているGoedertの出番が削られれば来オフに彼がゴネることにつながるのではないかという不安。
2022のドラフトでTE1を獲りにいく余裕はない。山ほどいる若手の活躍も見たいし何とも難しい。

本題はトレーニングキャンプを3日後に控えて完全に滞っているドラフティ紹介の第7弾。6巡1つ目で指名されたDE。

 

6-191 DE Tarron Jackson(Coastal Carolina)6-2 254lbs

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 【生い立ちからCoastal Carolina】
まず初めに、“タロン”ではありません。“トゥロン”です。現地実況を見ている限りそっちが正解っぽいです。
サウスカロライナ生まれで、幼少のころからフットボールに親しむも、バスケットボールに集中するために10歳でフットボールを廃業。その後高校の2年次に復帰。当時はMLBとDEとTEをプレー。タックルマシーンとして活躍するも、無念の無星。当然メジャーカレッジからのオファーはなく、唯一あったのがDiv.Ⅱからのオファーだったが、その後当時FCSに所属していたCoastal Carolinaからのオファーがあり、そちらを選択。

数学の学士を取得し、20年5月に卒業しているので学業は優秀。
2016はメディカルレッドシャツ、2017は8試合(1先発)で3.5サックを記録するもケガの影響で最後の4試合を欠場。
先発に定着した2018からは3年間で全36試合先発出場。
以降サック数は3.0(11.0TFL)⇒10.0(13.0TFL)⇒8.5(14.0TFL)。
カレッジ5年間で26.5サックと44.5TFLという立派な数字をお残しに。いずれも大学歴代1位。26.5サックはSun Beltカンファレンス1位タイ。

2019ぐらいからは相手OffenseのGame Planにおけるファーストネームだったようです。ダブルチームが通常となっているなかで最後2年間の記録は立派。

手にした勲章はAll-Americanとか2年連続Sun Beltカンファレンス1stチームなどなど多数。

 

【人柄】 
勤勉。ハードワーカー。この男もこういう言葉で真っ先に形容される人柄。
そしてやはり応援したくなるバックボーンを持つ。イーグルスをこよなく愛した亡き叔父が20シーズン開幕直前に亡くなったそうで、叔父が愛したチームへの加入に感動している様子。
そして、トゥロンが9歳のとき、3つ上の兄を白血病で亡くしている。彼の”9”というカレッジ時代の背番号は、兄の思い出と衝撃を受けた9歳の出来事を忘れないように付けたもの。

 

【選手としての評価】
<長所>
・ランでもパスでも手の使い方が上手い
・ハイモーターガイで、パシュートの全力ぶりは絶品
・2年連続チームキャプテン
・実績が示すようにパスラッシュの嗅覚は一級品


<弱点>
・パスラッシュの最後の“Body bend”がやや苦手で、要は大外からのラッシュだとQBに対して行き過ぎてしまうこと多数
・アンダーサイズでありOLと一旦組み合うとそこから相手を外したりその後の改めてのラッシュに苦労する
インサイドにセットしたランプレーのダブルチームでは吹っ飛んでいくシーンも散見される


以上が、ドラフト前の評価。

 

【希望】
2017にFBSに入り、わずか4年で11勝1敗(Sun Beltでは8勝0敗)、APランキング14位という大躍進を遂げたCoastal CarolinaのD#の要。
Zach Wilsonを2020唯一の敗戦に追い込んだBYU戦でもしっかりプレッシャーをかけられておった。いい反則ももらってたし。

その男が6巡まで残った理由はやはりそのサイズ。DEにしては小さく、OLBにしては遅い。

PHIにおける比較対象は、やはりBrandon Graham。アンダーサイズで爆発的なスピードもないとなるとこの男との比較にならざるを得ない。身長・40ydsはほぼ同じ。

そしてそういう目で試合を観ると、あまり悪くない。対戦相手のレベルがあまり高くないのでどこまで評価できるかわからないが、押し込んでいくようなプレッシャーのかけ方に加えて、少しばかりのハンドテクニックがあることは伺えた。

Senior Bowlでパワー5出身者相手にもそれなりにやれていたのでカレッジレベルでの能力に懸念はないが、サイズ的な話もありプロでどこまで通用するかよくわからないある種の素材型であることは間違いない。素材というのが“技術”であることがありがちな素材型とは逆であることがミソで、バルクアップが間違いなく必要だが、そこが伴ってくればそこそこのパフォーマンスは見せてくれそう。
天井はそんなに高くないように見えるが、勤勉さがハマるといいローテーション要員にはなってくれそう。