鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2021 Week8 @DET感想

本気で勝てないと思っていた。蓋を開けてみるとやってほしいことをこれでもかと見せてくれたのは非常に満足度が高い。

だけど勝っても負けてもPHIメディアはうるさい。やれこのスキームは持続できないだとかHurtsは何もしなかったとか。

うるせえ。連敗中でロッカールームの空気も怪しくなっていたチームにとって、この試合については「勝った」という事実だけが重要。そのうえで試合の最後まで相手に付き合うことなく控えのメンツもやるべきことをしっかりやったことでとてもいい印象がある。

その振る舞いはまるで勝ち慣れた強いチームのようであった。

 

結果PHI 44-6 DET

歴史的大勝だったようで何年振りという数字は踊っていたがまあそれはそれで。

 

■展開の振り返り
・キックオフ直前に朗報が2つ。1つは先方。怯えていたRB Jamaal Williamsがケガの影響でインアクティブ。そしてもう一つはこちら。LB Eric Wilsonが待望のヘルシースクラッチ。結果から先に述べると、この2つは非常に大きかった。

・DETボールから始まった試合はいきなりTE Hockensonに長いパスを通されて敵陣に入られてヒヤリとしたが、その後RB D’Andre Swiftのランをしっかり止めてまたしても狙われたHockensonのところを今度はしっかりS EppsがPBUでパントに。
自陣4yd地点から始まった最初のOffenseシリーズはDeVontaのドロップで3凡。DeVontaのドロップはいただけないが、2nd DownではしっかりアンダーセンターでのBostonへのランプレーをコールしており、Sirianniにも期待が出来そうな開幕。そしてSipossのPunt。彼の蹴る方のお仕事は本日これにて終了。

・返しのDETシリーズは𩸽と聞かないRBの短いパスを通されたものの、その後Sweatの圧巻のサックでストップ。RT vs SweatSweatに軍配。ここで先方のK Seibertが47ydsのFGを外して攻守交替。この日はここまで両DEをOLの大外にセットさせる"普通の"4DLにしていることもあり安定感あり。LBの先発に収まったT.J EdwardsDavion Taylorのコンビもよろしい。ずーっと長らくこのコンビが見たかったのよ。いいじゃないのGannon

・自陣37ydからの2シリーズ目。TE GoedertへのプレーアクションパスとBostonの中央へのランとWR Reagorのエンドアラウンドなどなど見たかったものを詰め合わせてお届けしてくれたシリーズは、LV戦の開幕ぐらいあっさりとTDに。しかしこのシリーズの最後の方にReagorが足首をひねってカートオフ。残念。だけど、これも先に結果から述べると、彼の不在は勝敗に影響なし。そういえばこのシリーズの途中でRG DriscollもOUT。その後戻らず。たぶん手のケガ。RGはHerbigが穴埋め。(7-0

・返しのDETのシリーズ。またしてもSweatのサックで3凡。すべては使い方。こいつには確実に契約延長した価値がある。

・ここからさらにショットガンの比率が下がり、アンダーセンターから今度は昇格直後のRB Jordan Howardをメインに据えてひたすらラン。"普通の"ラン。彼は本当に良い。SandersとかBostonのような切れ味こそ控えめなものの、とにかく簡単に倒れない。いままでうちのLBに対して抱いていたストレスをそのまま相手に押し付けるプレースタイル。これが見たかったのよ。最後は敵陣25ydで3rd&3をGoedertで取りきれずFG。Elliottが43ydsを難なく沈めて追加点。(10-0

・この後DETにはちょいちょい進まれるが、やはりDeepがない分直近2人のQB(BradyCarr)よりGoffはすごくやりやすい印象。S2人はほとんどすべてでディスガイズしていたし、結構Cov.3も多かった。その分Box内はしっかりしていたし、たまに引いてもT.JとTaylorは割と動けるしタックルも悪くなく。何よりBlitzが多い。SingletonのBlitzとSweatのプレッシャーでポケットから後ろに下がったところにSewellを処理したBarnettが襲い掛かった3rd Downのサックは見事見事。これこれ。

・そしてReagor退場後にPRに収まったGreg Wardのまずまずのリターンのあと自陣19yd地点から始まったシリーズがこの日のハイライトシリーズその1。
まずはアンダーセンターからBostonのラン。Kelceのきれいなナイスブロックもあって19ydsゲイン。1プレー挟んで2nd&9からNCBのBlitzにHurtsスクランブル発進し、見事なカットバックでLBを置き去りにして12ydsゲイン。そして左にTEを3枚並べた隊形からそっちにトスしておいてGainwellHurtsGoedertのダブルパスで15yds。これはGoedertのナイスキャッチ。そこから再度Goedertにあっさりパスを通し、Gainwellのラン、Hurtsスクランブル、最後はあっさりHowardで4yds走りきってTD。(17-0

・完全にキャッチアップモードに入ったDETは𩸽Swiftにそれぞれ4回配分して攻めるが反則もあって手間取り、前半終了間際にPHI陣22ydまで攻め込むも、4th&1の場面でルーキーDT Milton Williams待望のプロ初サックでDown。前半終了。

・後半開始はIRから復帰したS WallaceのKRにおけるクソペナで自陣10ydから開始。このシリーズがハイライトその2。構造はその1と全く同じ。HowardBostonへのラン、プレーアクションでのGoedert。そしてHurtsスクランブル。全然倒れないHowardを中心に11プレー(デザインラン7回、スクランブル1回、パス3回試投2回成功どっちもGoedert)で最後はBostonが走り込んでTD。(24-0

・以降は堅実なD#とランプレーを軸にしたOffenseの組み立てでこれまでのプレーの焼き直しのような映像が続くため割愛。二の腕にLionsロゴを彫り込んだDET出身のCB Maddoxによる見事なパンチングでのFFからそのボールを7年間DETでプレーしたCB Slayが拾い上げてリターンTDしたシーンなんかは穏やかな笑顔になりました。
4Qからは完全にプレシーズンメンツに落としてプレー。OLは左からDillardDickersonHerbigTothMailataの並び。そしてMinshewの姿を拝むこともできました。(44-6

 

■主なスタッツ
<Offense>
投げる人
#1 Hurts:9/14(64%)103yds 0TD 0INT LG 19yds レーティング86.3 サック0
#10 Minshew:2/2(100%)11yds 0TD 0INT LG 9yds レーティング89.6 サック0

走る人
#1 Hurts:7回71yds(Avg. 10.1yds)LG 21yds 0TD
#35 Scott:12回60yds(Avg. 5.0yds)LG 19yds 2TD
#24 Howard:12回57yds(Avg. 4.8yds)LG 10yds 2TD
#14 Gainwell:13回27yds(Avg. 2.1yds)LG 8yds 0TD
#18 Reagor:2回21yds(Avg. 10.5yds)LG 11yds 0TD
合計:46回236ydsAvg. 5.1yds)LG 21yds 4TD

捕る人
#88 Goedert:6/7 72yds(Avg.12.0yds)LG 19yds 0TD 
#16 Watkins:2/2 18yds(Avg. 9.0yds)LG 16yds 0TD
#6 Smith:1/3 15yds(Avg. 15.0yds)LG15yds 0TD
#89 Stoll:1/1 9yds(Avg. 9.0yds)LG 9yds 0TD
#18 Reagor:1/2 0yds(Avg. 0.0yds)LG 0yds 0TD


<Defense>
パス:25/34(74%)222yds 0TD 0INT LG 34yds レーティング90.6 サック6
ラン:18回57yds(Avg. 3.2yds)LG 9yds 1TD


<Special Teams>
蹴る人
#4 Elliott(K):FG3/3(100%)LG 43yds・XTP5/5(100%)
#8 Siposs(P):1回47yds(Avg. 47.0yds・NET 36.0yds)LG 47yds Inside20:0

走る人
PR Ward:1回12yds(Avg. 12.0yds)LG 12yds 0TD
KR Watkins:1回21yds(Avg. 21.0yds)LG 21yds 0TD


<Penalties>
Offenseなし
Defense:1回5yds
ST:1回10yds
合計2回15yds

 

■良かった人
<Offense>
Sirianni。やればできるじゃないの。この試合のラン偏重ぶりについては、KelceLaneというOLのベテラン2人の助言というか感覚を参考にした様子。優れたコーチは時に頑固なところもあるが、この柔軟性も悪くない。とことんHurtsの負担を減らしにかかったこの試合、その結果として負担を減らしてもらったHurtsのプレーアクションパスの成績は5/6(成功率83%)68yds(Avg. 11.3yds)レーティング113.9。良かったと思いますよ。

Hurtsスクランブルが今までより早かった気がする。Boxから飛び出しながらダラダラ走りそうな気配を見せてから走るのと比較すると、LBが上がってくる前にこれぐらいのタイミングで走り出した方が良い気がする。もちろんパスを通してほしいというのが本線だが、これぐらい効果的に走れれば対戦相手もカバーを薄くせざるを得ないだろうし、そうしてもらえるともう少しパス自体も決めやすそう。そのあたりは相手との兼ね合いですが。とりあえずこの試合の彼への満足度は高め。

・OL特にLG Landon Dickerson。見事だよあんた。相手のレベルはさておきちぎって捨てるかのようにDLをシングルブロックで潰していく様はお見事。さすがに初年度Big Q(IND)クラスとまでは全く言えないが、このままLGで経験積めばZack Martin(DAL)ぐらいまではいけるかもね。まあチーム事情的にそうはならなそうだが。

Jordan Howard。だからずーっとPSから引き揚げてほしかったのはこれが見たかったから。なんなんでしょうあの粘り強さは。Boston Scottも非常に良かったことは付言しておくが、Bostonの場合、さすがの切れ味でロングゲインを見せていたが、ロスになってしまいそうなプレーをゲインにもっていくパワーはない。なので1st Downとかで計算しやすく使いやすいのは明らかにHowardの方。これだよ。

Dallas Goedert。もうね。最高ですね。シュアハンドはもちろんブロッキングも非常に効果的で。まあこれも相手のレベルが定かでないので一概には言えませんが。

・その他、ペナルティゼロは素晴らしい。シーズン序盤からは想像もつかなかった。この調子で、リーグでどれだけ華やかなパスアタックが展開されようとも、それを実現する術がないのなら、この日のようにハードに泥臭くやっていっていただきたい。

 

<Defense>
Jonathan Gannon。ちゃんとできた。ディスガイズとCov.3とBlitzが。それだけ。DLのセットも普通にしてたし、Blitzも効果的だったし。普通って最高です。
戦前の見立て通りあれだけDeepアタックがなければ守りやすかろうと思っていたが、それでもズルズル引くだけのD#をやってしまうのではないかと思っていた。この日はそれがなかっただけで満足です。

Josh Sweat。そうだよね。3テクとかにセットさせられてからパスラッシュするより元からOTの外についといたほうがパスラッシュはやりやすいですよね。よくわかります。それにしても2サックはお見事。後半あたりにはSewell相手でもちゃんとサック寸前までいけてたし。審判がホールディング取ってくれなかったけど。総じて見事でした。

・その他CB Darius Slayは相変わらずシャットダウンだしMaddoxも良かったしEppsMcLeodも良かったしLB陣も良かった。問題はこれを継続できるかどうかだけ。

 

■悪かった人たち
DeVonta Smith。まごうことなきドロップが1つ。各種サイトがあれをどう判断するかは知らないが完全なドロップ。ただし、唯一のキャッチとなった15ydsゲインのカムバックルート。あれは素晴らしい。ブレイクの一瞬で3ydsぐらいセパレートできてたし何よりHurtsとのタイミングもドンピシャ。あれを少しでも多く出せるように頑張ってくださいませ。

・ST。先方にDave Fippがいなかったことがどれだけ影響したのか知らないが、リターンゲームでやられすぎだよ。とは言えK Elliottはお見事。最後の41ydsはチップされたのに強引に沈めたもの。今年は去年よりマシかな。

 

■その他ニュースとか
<朗報>
・次戦は個人的にSB行くんじゃないかと思った時期もあったLAC戦。そのLACはリーグ最下位となるランD#平均5.1ydsという出来だそう。StaleyがHCなのにどうして…?という気持ちはあるが、どうもS2枚が引いているというPHIと似たような病が横たわっている様子。そうなのであればDET戦と似たようなOffenseの展開で結構。あとはWatkinsを効果的に使うように。

・Week10の相手からプロボウラーが消えた。チャンス。

<悲報>
・NYJがQB問題を解決しました。これにて出場の目がなくなったFlaccoの対価はTBからの6巡=ほぼ7巡ということで確定しそうです。

 

この試合は良かった。だがこれを続けられないのが今季のPHIの課題。特にGannon。NEがどうやってHerbertを封じたのかよく研究するように。

たぶんプレッシャーをかけ続けること、最初のタイミングを外すことが肝要なのだと思います。彼ぐらいになるとそのプレッシャーのなかでもたまにとんでもないスターなパスを通すことがあるが、それは事故として処理できる度量の大きさを見せてください。身を切る覚悟がないと何も得られないのです。

目指せホーム初勝利。お願いです。良い試合を見せてください。