鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2021 Week15 vsWAS感想

Flush it, don’t look at it, flush it and then move on."
(便所で出たものは、流す。見るのではなく、流して、次に進むんだ。)
ーJalen Hurts

試合後にこの名言を引用したのはSirianni。
実際最初は本当にクソだった。

しかしHurtsは2つ目のターンオーバーであるFumble lostという宿便を出しきったあと、振り返ることなくしっかり流して次に進んでいった。

そしてまた自己ベストを更新しやがった。

 

結果PHI 27-17 WAS

ようやく同地区戦での初勝利。先方のDL陣がほぼ全力に戻っていたことを考慮すると満足度は非常に高い。
因縁になりそうな状況だったが”コントロールできることだけに集中しろ。周りに流されていらぬエネルギーを使うんじゃない”と手綱を引き締めたSirianniの勝ち。

 

■展開の振り返り
・懸念通りバイウィーク明けでフットボールのなんたるかを完全に失念したかのようなフワフワした立ち上がり。
Goedertによるヒールキック付きのトリッキードロップによるINTからあっさり先制を許す。返しのシリーズではDeVontaの神業キャッチが飛び出して敵陣深くまで攻め込むもHerbigがMontez SweatにやられてサックされたHurtsがあっさりファンブル。それをLandon Collinsにハーフウェイぐらいまで返されたあと、同じく懸念通りSlayがMcLaurinにデカいのを一発献上。FGにはとどめるがあっという間に2ポゼッション差を追いかける展開になって1Qが終了。(0-10

・ようやくエンジンがかかったかに見えたOffenseも、最後はMailataの全く要らないホールディングでPuntに終わる。しかしこのあたりからまずDefenseが色々思い出してきたようでT.J.の美しいPBUなんかもありあっさり3凡。このDefenseに刺激を受けたのか、自陣23yd地点から始めたOffenseはダブルカバーを受けながらボールを奪い取ったGoedertの45ydsの出色のレシーブとかSandersのナイスゲインなんかで敵陣2ydまで進出。しかしこのタイミングでまだ寝ていたのがSirianni。謎のEmpty隊形からのパスをコールしてTDならず。それでも1ポゼッション差には迫る。(3-10

・そしてまたしてもDefenseは3凡に抑える。この時点ではGilbertのOffenseに底が見えた感があったので安定感抜群。
自陣21yd地点からのOffenseではGoedertへのパスを中心にあっさりゴール前に。Slayを起用するトリック味のあるプレーなんかを見せながら最終的にはMailataが鬼のように押し込んだHurtsのスニークで同点に。(10-10

・WASのキャッチアップはFletchのサックでしっかり切って同点のまま前半終了。

・後半立ち上がりのシリーズでKelceのSandersをチギらんばかりのスピードのリードブロックのプレーなんかもありあっさりTD。最後のHurtsのスニークではDeVontaがMailataの隣にTEとしてラインアップ。慣れないポジションにセットしてからもきょろきょろボール見たりするDeVontaがとにかく可愛かったことは付言しておく。(17-10

・その後試合は降り始めた雨の影響もあったか停滞。Tarron Jacksonのナイスプレーなど見どころはあったが。そして3Q終盤に37ydのFGを沈めて2ポゼッション差のリードに。(20-10

・実はこのFG、4th&6で蹴ったものだったが、その後D#のオフサイドで4th&1になるはずだった。そうなれば確実にGo forで良かったと思うが、審判も驚いたSirianniのディクライン。まあ流れ的には直前5シリーズで2つしか1st Down獲得を許さずほぼ完封していたD#の安定感を見ているとまず2ポゼッション差にしたら安心できる展開だったのは理解したし許した。許せなかったのは信頼していたのに直後にMaddoxのDPIなどもあってあれよあれよとD#がTDを許したこと。D#全般は割と良くなってきたと思うがゴールラインでの何も起こせなさは相変わらず。(20-17

・しかし返しで怒りのドライブ。Howardのランをメインに据えてWatkinsへのパスやReagorへのスクリーンなどで前進。最後はRed Zoneで頼れる男、Greg WardへのHurtsからの完璧なパスと完璧なキャッチ。これはしびれた。(27-17

・残り時間はDL陣がしっかり締めてこれにて試合終了。Week2以来となる勝率5割復帰。プレーオフ争いではNFC8位に浮上。

 

■主なスタッツ
<Offense>
投げる人
#1 Hurts:20/26(77%)296yds 1TD 1INT LG 45yds レーティング110.4 サック3

走る人
#26 Sanders:18回131yds(Avg. 7.3yds)LG 38yds 0TD
#24 Howard:15回69yds(Avg. 4.6yds)LG 15yds 0TD
#1 Hurts:8回38yds(Avg. 4.8yds)LG 12yds 2TD
合計:41回238ydsAvg. 5.8yds)LG 38yds 2TD

捕る人
#88 Goedert:7/9 135yds(Avg.19.3yds)LG 45yds 0TD
#18 Reagor:3/3 57yds(Avg. 19.0yds)LG 34yds 0TD
#6 Smith:3/5 40yds(Avg. 13.3yds)LG 28yds 0TD
#84 Ward:2/3 28yds(Avg. 14.0yds)LG 19yds 1TD
#16 Watkins:2/2 14yds(Avg. 7.0yds)LG 9yds 0TD
#87 Stoll:1/1 7yds(Avg. 7.0yds)LG 7yds 0TD

<Defense>
パス:20/31(65%)194yds 0TD 0INT LG 46yds レーティング81.9 サック2
ラン:21回63yds(Avg. 3.0yds)LG 13yds 2TD

<Special Teams>
蹴る人
#4 Elliott(K):FG2/2(100%)LG 37yds・XTP3/3(100%)
#8 Siposs(P):2回75yds(Avg. 37.5yds・NET 27.5yds)LG 41yds Inside20:1

走る人
PR Reagor:3回22yds(Avg. 7.3yds)LG 11yds 0TD
KR Gainwell:3回71yds(Avg. 23.7yds)LG 31yds 0TD


<Penalties>
Offense:3回25yds
Defense:1回23yds
ST:なし
合計:4回48yds

 

■良かった人
Hurts
足首のケガの状態はあまり良くなさそうだった。だからプレーコールも持ち味のZone ReadのようなHurtsの脚力を前提としたようなプレーは少なかった印象。だが要所ではちゃんと走る。だからDefenseとしても目は離せないという面倒くささ。
この日何より特筆すべきなのはそのパス。本当に素晴らしかった。失敗した6本のパスのうち、INTになったものも含めてGoedert×2とGainwellの3本はドロップ。
この試合ではしっかりポケットに留まること、それでも空かなければ走ってD#のカバーを崩して投げる、ということを強く意識していたように見えた。これこそが散々だったWeek12 NYG戦からの大きな改善点。こいつで良い。Fumble lostしたプレーではサイドラインでSirianniに叱責されていたが、ああいうハードコーチも望むところだとか。その後見事に巻き返して見せた姿は頼もしいの一言。一生ついていきます。この試合をもってPHIにおけるQB問題は完全に解決されました。この男こそが今後10年間フランチャイズQBです。
ではこの試合でのナイススローを何本か。

<Reagorへのナイスタッチ>

<時間を作ってDeVontaに通したプレー>

<完璧なボールプレースメントと完璧なキャッチ>

DeVonta
確かにキャッチ数は少なかった。だが上にも載せたようにもはや人間業とは思えないキャッチ。ライブ観戦中は外に出たと思ったのに。
ああいうキャッチをしてくれるのであればQBの心理的負担は減る。こういうターゲットがずっとほしかった。素晴らしい。
そして何よりゴール前のTEデビュー。かわいい。

OL & Stoutland
毎週毎週最高だなこいつらは。これで7試合連続となる175yds以上のラッシングヤードを記録。MVPの呼び声高いJonathan TaylorのINDとかKing HenryのTENとの違いはここ。というかRBの貧弱さに関わらず毎試合結果を残す大男たち。そしてStoutland。
C・G・T・TEの全員がプルアウトしたんじゃないかと思うぐらいのランプレーの種類の豊富さ。そしてそこからのプレーアクションの多彩さ。完璧なRun Game Coordinatorと実行部隊。本当にお見事。
DickersonがCOVIDで抜けた後を埋めたIosua Opetaだが、懸念していたほど破綻はせず。抱きつき系プロテクションが気になったが取られたHoldingの反則は1つだけ。まあ良かったと思います。
ではトップスピードでRBをチギりかけた鉄人の爽やかな疾走をどうぞ。

Sirianni
この男、最高なんである。おじさん連中からの信頼も篤く血気盛んな若手の手綱もしっかり引ける。さすがにLurieのHCを選ぶ目は確か。
なんか今日はパス多いな、と思っていたのだが今のHurtsがちゃんとできるレベルでのプレーコールだったことが試合中に明らかになっていった。こんなにできると思っていなかった。
ハードコーチと、それを受け容れて順調な成長を見せるHurtsとのコンビに、20年前のBelichick & Bradyのコンビを映してしまうのはさすがに贔屓が過ぎるか。
それは言い過ぎな気はするが二人三脚で成長していっていただければ幸いです。

Goedert
ドロップ2つのマイナスはあるがそれにしてもナイスキャッチだったなアレは。

DL陣
相手のOLがScherffをはじめとしてだいぶ傷んでいたのでもうちょっとできると思っていたがまあ及第点。Sackを挙げたCoxとHargraveは当然としてMiltonとTarron Jacksonのルーキーコンビも印象的だった。この調子でよろしく。

Gainwell
キャリーはなかったしドロップはあったが、良かったのはKR。Watkins→Reagor→Bostonと来て全員ダメだったこのポジションに少しの希望が。久しぶりに30ydを超えるKRを見た気がする。ナイス。
しかしここだけの起用になるならHuntleyとか使ってみても良い気がするけどな。

 

■悪かった人
なし

 

プレーオフ戦線
心配だった試合に何とか勝って同地区戦初勝利を挙げたことで現在8位。

現在6位でワイルドカード争いトップのSFは、TNFでTENに敗れたとはいえ残り2戦(HOU・@LAR)は相性的にも落とさなそうなのでここは確定。

7勝なのはMIN・PHI・NOだが、NOには直接対決で勝利しているのであまり気にしなくて良い。問題は現在7位のMIN。

あいつらはホームでのGBへの勝利を筆頭に勝ってきた相手のレベルが高いのでタイブレーカーとなった場合勝ち数が並ぶと無理。
そして先方の残り試合はLAR・@GB・CHI。最終戦はほぼ勝つと思うととにかくLARとGBでの取りこぼしを全力で祈っていく。

返す返す@NYGの敗戦が激痛。でもまあ残り全部勝てればたぶん大丈夫。
あと3試合全力応援でいきます。