鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

初日の収穫

前回記事でLACとLARを誤記したことがトラウマのようになっていて、今日特に多かった”LAC”のニュースを目にするたびに心が痛む。注意深く生きねばならない。

というわけで合法タンパリング期間の初日。
PHIにもちょいちょい動きあり。そして他チームの動きを見ているとPHIにあると思っていた動きがないのかもしれないと思った次第。

 

■Haason Reddick
誤記の件はここに繋がります。
”Haason”です。”Hassan”ではありません。Hassan Ridgewayの存在のおかげで紛らわしいですがご注意ください。

さて本題。来るかなと思っていた人が来た。生粋の地元っ子、そして苦労人の凱旋。

Haason Reddickと3年45M(30M保証)で契約。
1994年9月22日生まれ。22シーズン開幕直後に28歳になる6年目。
フィラデルフィア市とデラウエア川を挟んだ対岸の、ニュージャージー州はCamdenというところに生まれ、地元の高校に進学。
高校のジュニア・シニアとケガに苦しんだこともあり奨学金は獲得できず。
地元のTemple大にウォークオンで入学。

運動能力は高いが6'1"(約185cm)の200lbs(約90kg)というアンダーサイズだったこともあって高校時代はRBやSをプレー。Temple大でも扱いには困ったようで、一時はCBでもプレー。LBでプレーするもうまくいかず。最終的には当時のTemple大のHCとDCにDEとしての才能を見出され、結果としてこのコンバートが当たって徐々に出番を増やしていく。

チームメイトからも信頼が篤いハードワーカーで、シニア時にはTemple大で「最もタフで、最も努力をし、他の選手が模範とすべき人格を示す者にのみ与えられる」とされる名誉ある1ケタ背番号(7番)にチームメイトの投票によって推されて58番から変更。

背番号を7に変更したレッドシャツシニアの2016に大爆発。AAC2位の9.5サックを挙げてドラフトではDerek Barnettの1つ上、1巡13位でARZから指名を受ける。

しかし何を考えたのか、ARZではそのアンダーサイズ故にILBに再コンバートされて大苦戦。実に無駄な3年間を過ごしてバストの烙印まで押される暗黒の時代を過ごす。そこから彼を救ったのは現ARZのDCであるVance Joseph。就任初年度である2019はOLBにChandler JonesTerrell Suggsという大枚をはたいて獲得したタレントがいたためReddickはILB起用のままだったが、Suggsが消えた2020にようやく本来のパスラッシュの役割に固定されて大活躍。

3-4D#の第一人者であるJosephは「カレッジでOLBをやっていた人間をNFLで3-4のILBにコンバートするのは不可能に近い仕事だ。ILBをやるのはQBをやるのと同じ。」という言葉を残しているため、このARZが行ったコンバートはもともと無理筋だったのであろう。

結局本来の役割に戻ったReddickは2020に12.5サックという成績を残す。

不本意な3年間のせいで5年目オプションが行使されていなかったため、昨オフUFAとなったReddickを獲得したのは、その才能を最もよく知るであろう、Temple大時代の恩師HC Matt RhuleとDC Phil Snowがそのままの役割でコンビを組んでいたCAR。
ここでも”正しい”使われ方をして11.0サック。昨シーズン最高のパフォーマンスを残したのがWeek5、急造RT Mailata相手のPHI戦での2サックだったこともPHIフロントおよびコーチ陣になんらかのインパクトを残したものと思われる。

 

■使い方
不明。上で述べたようにとにかく使い方を選ぶ選手であることは間違いない。
というかベストフィットが3-4のOLBであるということで結論は出ている。
サイズは非常に小さい。どれぐらい小さいかというと、大男が集うNFLの中では同ポジションの選手と比較してもなんと下から1%とかそんなもの。

よって、Wide-9ならまだしも現状ではBarnettがやっていたような手をついてOTと近いDEは無理だと考えた方が良い。
むしろサイズ的にはAveryと近いのでまあ普通に考えるとSAMということになる。

パスラッシャーに転向してからの試合を何試合かチラッと見たが、大外をまくるスピードラッシュが絶品であることは言うに及ばず、出色はインサイドラッシュ。特にスタンツで入ってOGやCと対峙するときの切れ味は非常に鋭い。触らせない、という言い方は極端だがまあそんな印象すらある。
ドラフト時の運動能力の比較対象はVon Millerなのでさもありなん、というもの。

彼を最大化するためにはパスシチュエーションでは5-1-5のような構え方も増えてくるのだろうか。
あるいはReddick/Hargrave/Graham/Sweatというパターンもあるか。
後者で考えると3TもできるDEを探す旅に出ることになりそうで、ちょっと細身なJermaine Johnson(FSU)指名の芽が少ししぼんだ気がして嫌だ。むしろGeorge Karlaftis(Purdue)とかのほうが欲しくなりそうな気がする。

兎にも角にもこの努力家が10サック以上できる素質をもっていることは明らかなので、この成績を上回るか下回るかでGannonの評価は定まる。才能の最大化というのはコーディネーターにとって非常に重要な任務だと思っていますのでそれができないとなると即失格と言わざるを得ない。

なお、この契約はまだ正式のものではありませんのでご注意ください。

 

■今後
WR市場にハイパーインフレをもたらしたJAXは許されない。
FAで埋めておきたい残りのニーズはWRとS。
後者はどうもJordan Whitehead(TB)という話も出ており不明。Marcus Williams(NO)の線は消えたと見て良いのか。
WhiteheadなのかMayeなのかPeppersなのかEdmundsなのか知らないが、いずれもSSタイプだと思っているのでFSとしてのMcLeodとの1年か2年の再契約は必須。そしてドラフトではLewis CineUGA)もしくはKerby Joseph(Illinois)だな。悪くない。

あとはインフレを起こしたWRから1名。というかDJ Charkとの契約はまだか。初日に決まらなかったということはどこかと競合しているのか。NEにだけは行くなよ。

 

■その他
RFAであるSingletonにテンダーオファーを出さないとの報道。
Singletonが全国放送に載るような男になっただけでうれしい。
判断はまあ妥当でしょうね、といった印象。
Jordan Hicksとの契約を落ち着いて待つ。

気になるのはLACの動き。ちゃんとDT補強しよった。ということでCoxの行き先は限定された気がする。
こっちの動きはまあ楽しみというほどのことでもないが動くなら早くして、という感じです。

初日はリーグ全体として動きが地味だった。反省しなさい。
腰抜かすほどのニュース、そろそろ頼みます。