鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

ドラフト後の戦力構成

夢のようなドラフト後、レギュラーシーズンという過酷な現実が始まるまでのこの期間が、最も妄想が捗る時期であることは譲れない。
FAを経てこの3日間でどれぐらい戦力アップが成されたのかを見ていきたいというのが趣旨です。

ドラフト後日譚

Jordan Davisの体重問題

問題なし。
ドラフトプロセス以前のレギュラーシーズン中からあまりにもスカウト連中あるいは外野から”体重はコントロール出来ているのか””スナップ数が少ないけどもしかしたら体力ないんじゃないのか”的な体重にまつわるエトセトラを聞かれ続けた男は、一念発起。

12月頭のSECのChampionship(Alabamaに敗戦)では360lbs(163kg)でプレーしていたが、その1ヵ月後、National Championship(Alabamaにリベンジ)では340lbs(154kg)まで減量。
コンバインおよびプロデイまでその体重を維持。
どこまでの役割を彼に求めるかによるが、現実的に3-Down全てでプレーしようと思うと320lbs(145kg)近辺、少なくとも330lbs(150kg)ぐらいまでの減量は必要だと言われている。

はっきり申し上げてそんなものは余裕。前にも書いたようにGeorgia入学時のその巨体は380lbs(172kg)だった。そこから考えるとあと5kg程度の減量なで苦労のうちにも入るまい。さすがにGeorgia時代のようにスナップ率30%ということは許されなさそうだし、課題がコンディショニング(+技術の向上)であることに間違いはないが、真面目な性格だしローテーションを任せられそうなEllissというUDFAも加わった。
4th&1でDavisとEllissが並んだら誰が押し込めるというのだ。
楽しみすぎて爆発しそうである。

Cam Jurgensへの評価

”こんな選手は毎年ドラフト出てくるわけではない”というのがRosemanの評価。多分最大限の賛辞。
Kelceも太鼓判を押したその素質は本物だと信じたい。
”2巡で控えCって…”という声は現地でもあるが、聞いてみたい。チームを10年以上支え続けたNFLの頂点の実力を持つ選手の後継をいきなり務められる選手がFAで出てきたりドラフトで出てきたりすると思っているのか。

しかし、Laneも"Kelceのキャリアの終わりに相応しい良い補強が出来てると思う"的なことを言っていたのでいよいよKelceの最後の年なんだろうな。寂しいな。

Nakobe Deanのスリップ問題

結局”手術が必要なケガを抱えているのに手術することを拒否している”というデマでスリップした形になったDean。Rosemanは何度もチームドクターに手術の要否を確認したようだが、その都度”不要”という答えが返ってきたとのことで指名を敢行したと。
その判断も取り入れて作ったボードにおいて2-51の段階では実際に指名したJurgensとDeanはほぼ同等の評価で並んでいたようで、3-83でDeanが残っていたのに指名しないという選択肢はなかったとのこと。
評価が落ちるDBに飛び付かなかったことの良し悪しは今後わかっていくことになるのでしょう。この判断が正解だったと信じたい。

Sirianniは会見で、”これまでに100万回ぐらい言ってきたが、俺たちが欲しいのはフットボールを愛し、タフで、フットボールIQが高くて、そして競争心がある奴だ。そして、それはDeanのことだ”という趣旨のことを、はっきり言って気が触れたのかと思うぐらい興奮しながら熱弁していた。
スリップは僥倖。
Deanは自分に低評価を下した世界全体に対していらだっているように見えるのでその憂さを今後のプレーで晴らしていただけることを期待している。

Kyron Johnsonへの評価

Weidlによると、Dean同様のキャラクター面での評価が高かったことに加え、Senior Bowlでのパフォーマンスが好印象だった様子。特にそのスピードを活かしたパスラッシュ。大外まくりだけでなくスピードをパワーに変換してOTをブチかませるところに魅力を感じているとのこと。
そして、6巡指名選手にふさわしくSTでの貢献が見込めることもプラスポイントのひとつだとか。
2021に足りなかったインテリアラインのスピードという穴を埋める補強。

Grant Calcaterraへの評価

彼へはシンプルにレシービングTEとしての能力の高さを評価したよう。特にその洗練されたルートランは控えTE陣に欠けていたもの。脳震盪の遍歴と懸念についての言及はなかったのでそのリスクは十分承知しているよう。
Sirianniは2TEフォーメーションからのバリエーション増加に興奮している様子。

一度は引退して救急救命士の資格勉強をしたり並行して消防士も目指したが、2020ドラフトを家で観ているときに自分の心の中のNFLでプレーしたいという火は消えていないことに気づいたとか。
この期間も無駄ではなかったというのは本人の弁。
消防士としての出世も早かったしその気になれば何でもできるということに気づけたのだとか。そしてフットボールをできることのありがたみをかみしめたのがSMUでの1年間。
SMUを選んだのは、自分に時間があまり残されていないことを自覚していたからか、Oklahoma時代の旧知のQB(Tanner Mordecai)がいたから。SMUでも転校後にもかかわらずキャプテンに選ばれた人格者。

Hurtsとは1年だけの付き合いだったがその人間性に惚れ込んでいる様子で、Hurtsがいるチームに指名されたことにもテンションは上がっているとのこと。
こういう挫折が見える選手は応援したくなる。がんばってください。

デプス再整理

お待たせしました。妄想が爆発するデプスチャートの更新です。
ちなみに、UDFAのOTが新たに1名判明しておりますので、そちらも下には入れております。MaimiのJarrid Williams(6'6"・323lbs)です。RTの経験が豊富で、もちろんアスリートタイプだそうです。

カッコ内は53ロスターの想定人数・太字は先発予定・斜字が新加入としております。

Offense(25名)

QB(3):Jalen Hurts・Gardner Minshew・Carson Strong(UDFA)・EJ Perry(UDFA)・Reid Sinnett
Hurtsは問答無用で勝負の年。力を見せてそれなりに勝ち上がらなければ今年限り。サポーティングキャストも過去10年ぐらいで最強。というかT.O.がいてちゃんと機能した2004以来とかそんなレベル。あの時はSB進出。なので全く言い訳はできない。
とりあえず地区優勝さもなくばNFC決勝進出ぐらいが合格ラインになるはず。


RB(3):Miles Sanders・Kenneth Gainwell・Boston Scott・Kennedy Brooks(UDFA)・Jason Huntley
Boston以下が恐らく競争だが、あまりにも軽量スピード系に偏りすぎていないか。たぶんキャンプが近づけばHowardとかが追加で入ってくるはず。
Sandersは最終年。延長は不要だと思っているが、仮にやるとしても去年のMailata以下のようにシーズンインしてから。


WR(6):AJ Brown(Trade)・DeVonta・Quez WatkinsZach PascalUFA)・Greg Ward・Jalen Reagor・John Hightower・Deon Cain・Devon Allen(StreetFA)・Britian Covey(UDFA)
ちょうど1年前は、ルーキーのDeVontaを筆頭にReagor・Fulghamという並びでした。なんという薄さ。実績皆無。
それから1年。実に感慨深い。
2021の陣容で足りなかったRACもその筋の権威であるAJの解決で万事解決。これほどしっくりくる補強があり得るなんて思ってなかった。

Reagorは出ていきたそうにしているが果たしてどうなるのか。冗談抜きで現状はWR6とかでしょう。ドラフト期間中しかも3日目に”トレード先探す許可が出た”という噂もありましたが真偽は不明。競争相手はもはや一番後ろのAllenとCoveyというリターンスペシャリストたち。それでも無理ならもう居場所はありません。1枠食わすのも無駄なのでカットしたいところだがデッドマネーが発生する。難しい。


TE(4):Dallas GoedertGrant Calcaterra(ドラ6)・Jack Stoll・Richard Rodgers・Tyree Jackson・JJAW・Noah Togiai
Ertzが抜けてやや寂しくなっていたレシービングTEの補強が完了。いきなりCalcaterraがTE2となることもあり得る状況。
Tyree Jacksonは期待していたがケガからの回復次第。ルートとかの練習はいっぱい積んでほしかったところだったがさてどうなるか。


LT(2):Jordan Mailata・Andre Dillard・Le'Raven Clark
LG(2?):Landon Dickerson・Nate Herbig・Brett Toth
C(2):Jason KelceCam Jurgens(ドラ2)・Jack Anderson
RG:(2?):Isaac Seumalo・Sua Opeta・Kayode Awosika・William Dunkle(UDFA)・Josh Sills(UDFA)
RT:(2):Lane Johnson・Jack Driscoll・Jarrid Williams(UDFA)
全部2名ずつとしてますが、実態は合計9人とかになるはず。TE3人体制は難しそうだし。
この願望通り5人が揃えば盤石。先発争いが起きそうなのはRGのみだと睨んでいるが、それもちょっと現実的ではない。UDFAにとってここでのロスター入りが一番過酷。


Defense(24名)

DT(5):Fletcher CoxJavon HargraveJordan Davis(ドラ1)・Milton Williams・Renell Wren・Marlon Tuipulotu・Marvin Wilson・Noah Elliss(UDFA)
ここからよく読めないポジションに入っていきます。
先発が3人いるように見えますが、パスラッシュシチュエーションならDavisが下がるという想定で前3人はあまり区別なく使われそう。
5名だとするとパスラッシャー3・重石2という構成になろうかと思われ、Davisタイプの重石部門の控え競争が非常に激しくなりそう。
イチ押しはNoah Ellissですがさてどうなるか。
ちなみに、ワイルドカードTB戦を改めてちゃんと見てみましたが、私見だとCox→Milton→Hargraveという序列じゃないとおかしい気がした。Miltonめちゃくちゃよろしい。Hargraveめちゃくちゃダメ。
これは随分可能性が低い話ですが、6/1以降にJavon Hargraveがカットされる可能性もあるのではないかたぶんないけど。その場合は13Mのキャップセーブ。ルーキーたちの契約のためにもそれぐらいのスペースは必要になるかもしれませんし。


DE(4):Josh SweatBrandon Graham・Tarron Jackson・Derek Barnett・Matt Leo

並べてみると層が薄い。DTとOLBにそれぞれちょっとずつ出番を食われる可能性があり、とても読めない。Grahamの復活具合とGannonの采配次第。


OLB(2):Haason ReddickUFA)・Kyron Johnson(ドラ6)・Patrick Johnson・Joe Ostman
Off-Ball LB(3):T.J. EdwardsKyzir WhiteUFA)・Nakobe Dean(ドラ3)・Davion Taylor・Shaun Bradley・Christian Elliss・JaCoby Stevens
スピードアップ完了。まずいなT.J.カットまであるか。
下の映像はワイルドカードTB戦のひとコマ。1Qの3rd&7とか。Gannonは左右でカバレッジを分割するスプリットカバーを好むという話もあり、恐らくこの映像もその種のもの。
Mike EvansにちぎられたのはT.J.だが、ここをWhiteが務めればどうなるか。RBにセパレートされているのはSingletonだが、ここをDeanが務めればどうなるか。
ちなみにもしかしたらMaddoxも若干悪い可能性があるが、習熟したらこういうミスも減るでしょう。
あまりにも軽量化しすぎるとランストップが不安だが、それを改善するための重石の導入だと思うとT.J.の将来が若干不安。



外CB(4):Darius Slay・Zech McPhearson・Tay Gowan・Mario Goodrich(UDFA)・Josh Jobe(UDFA)・Kary Vincent Jr.・Mac McCain III・Craig James
とりあえず確定は1人だけ。あとは全く読めない。それだけに楽しみではある。McPhearsonは去年の4巡指名だしGowanもErtzトレードの対価だしVincentは去年の7巡なのになぜか6巡出して獲ってきた選手だしみんなそれなりに金をかけているのが読めなくさせるポイント。
そしてUDFAの2名は一流のWRたちと渡り合ってきたゾーンカバレッジの達人。
上の序列は主観ですが、ごぼう抜き先発まであり得る。楽しみな争い。
イチ押しはJosh Jobe。PS2のおかげで今や信頼のバマ産CBだし。


NCB(2):Avonte Maddox・Josiah Scott・Josh Blackwell(UDFA)
外CBから人が流れてきても不思議じゃない。


S
(4):Anthony Harris・Marcus Epps・Jared Mayden・Andre Chachere・K'Von Wallace・Reed Blankenship(UDFA)
こちらもCB2同様先発不在。Blankenshipがもうちょっとバルクアップして化ければだいぶ面白い。

Special Teamer(4名)

耐えかねてこちらにリターンスペシャリストを用意しておきます。

K(1):Jake Elliott
P(1):Arryn Siposs
LS(1):Rick Lovato
RS(1):Jalen Reagor・Jason Huntley・Devon Allen(StreetFA)・Britian Covey(UDFA)
RSはリターンスペシャリストの意味です。
一番過酷な争い。
実績で言うとプロでリターンTDがあるReagorが筆頭。サラリーを考えるとCoveyが有利。Allenはケガが怖いしPRの経験がないのが不安。希望はCovey。

Sipossのところが不安なんですけどUDFA情報もない。まああれだけPunterが指名されればストリートも充実するでしょう。そこから拾うということでも結構です。

 

この時期特有の浮かれ方だとは理解しておりますが、だいぶ強くなった気がする。
実は上位ではNYGとWASが、下位からUDFAでDALが良い補強をしており、同地区も侮れない連中になってきている可能性はあるが、さすがにこれだけやって言い訳はできない。
2022シーズンの行方はHurtsの双肩にかかる。あとGannon。
こう書いてしまうと去年と全く変わってないんだが。