鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

初夏のロスター整理

恐れていたとおりWeidlはPITに行ってしまった。
フロントオフィスの人事は想定していた最悪の結論に落ち着いた形。
Weidlのほかにもエリアスカウトが1名CLEに抜かれるという話もあってガタガタ。
まあWeidlももともとBALから掠め取った人ですし、奥さんが地元PIT近辺でビジネスをやっているとあれば帰還は自然。
人はぐるぐる回る世界なのでまた誰か来るんでしょう。そっちを楽しみにしております。そう思っていたらPITからプロスカウトのBrandon Huntを引き抜くというニュースが入った。Weidlの後任かどうかは不明だがしっかり重責を果たしていただきたい。
しかしフロントオフィスから引き抜かれるのは割に合わない。
Rosemanへ、誰を連れてきてもいいけどReagor over Jeffersonのようなことはもうやらないように。

それではBradberryの加入以降もちょっと動きがあって上限の90人にロスターの整理を。

先発を太字FAとトレードでの加入を赤ドラフトを青UDFAその他を緑Future契約を紫ぐらいで分けております。
ポジションの後に書いたカッコ内は、(53ロスターの想定枠/現行人員)です。

Offense(25/44)

QB(3/4)

Hurts・Minshew・Strong|Sinnett
先週ぐらいに見た”チェックダウンパスの多さ”についてのPFF記事によるとHurtsは直近2年間の統計に於いて、チェックダウンパスを投げる比率が全QB中最低とのこと。"3yds稼ぐパスを投げるぐらいなら走って10yds稼いでやる"ということか。男らしい。
一方でMinshewは上から数えて6位とかになるぐらいその比率が高い。
どっちにしろ極端なのはどうかと思うが、同じターゲットを相手にしてこうも分かれるかと思うぐらいそのタイプは真逆。
HurtsにはMinshewからそういう球離れのところを学んでほしい気もする。Minshewはもうちょっと奥狙え。弱肩は治らないのか。

ロスター争いはStrongとSinnettのところ。StrongはUDFAルーキーながらSinnettよりも保証額が大きく切りにくい契約になっているので上のような序列にした次第。
去年のUDFA(Jamie Newman:現在はCFLでプレー)はトレーニングキャンプ前にカットされてた。そうならないことを願う。
タイプ的にはその強肩が上位2枚にない武器だと思うので一刻も早い膝の完治とコントロールの改善をお願いする。
とはいえこのポジションの2022はとかくHurts次第。これ以上あまり言うこともない。

RB(3/5)

Sanders・Boston Scott・Gainwell|Huntley・Kennedy Brooks
オフのアプローチにおいて一番気に入らないのがこのポジション。QBポジションを除いた場合Offense唯一の不安材料。
53ロスターにおいてここが3枠なのだとしたら上位3枚のタイプが被りすぎているのは昨シーズンと同様。救世主がHowardだったのを完全に忘れている様子。
その点パワーがあるBrooksへの期待は高い。
今季一番期待したいのはGainwell。WR陣の増強に伴い空きやすくなるであろうアンダーニースを狙っていくのであればこの人。密集を走る能力も昨シーズンには見せてもらったのでパワーの向上と合わせてコンプリートパッケージを目指したまえ。Gainwellが成長するのであればこのオフ大きく動かなかったことも理解できる。
Huntleyへの期待は主にST。リターンスペシャリストとなれるならロスターに残れる可能性は高まる。

WR(6/12)

A.J. BrownDeVontaWatkinsPascal・Ward・Reagor|HightowerCainAllenHammondCoveyWheatfall
ようやくNFLチームであることを胸を張って主張できる程度の陣容になった。上位2枚への期待感は言うに及ばず。
もしかしたら、何でもできるDeVontaの本領は、2021はReagorに託す場面が多かったが2線目に置いて早めにボールを持たせるスクリーン系のプレーなのではないかと思っているところもあり、Xも張れるAJの加入は本当に大きい。
AJとDeVontaを組み合わせると考えた場合、両方とも20yds以内のミドルゾーンでの活躍が大いに見込まれることもあって、実はWRポジションにおける2022のキーマンはWatkinsではなかろうかと睨んでいるところ。
爆発的なスピードでフィールドをストレッチできる存在は彼ぐらいしかいない。もしくはHightower
Watkinsは、ビッグプレーメーカーとしてそれなりのものを見せてくれた2021シーズンだったが、どうも物足りないところもある。多々ある。結構ルートランの途中でスピード緩めたりしてHurtsと合わなかったりする。3年目ですしこの1年の活躍は契約上も重要。頼むよ。
上位3枚にケガ人が出たと想定した場合、どこでも(若干の格落ちはあるが)埋められそうなのがPascal。Wardはスロット専用だがゴール前でスペースを見つける能力も高いし意外と汎用性がある。となるとあと1枠をどうするかが問題で、ここをReagorと6人で争う構図。悲しいけどね。
とはいえ最近2018のTCUの試合を改めて観てしまった身としてはあの化け物の映像が醸し出すポテンシャルは侮れないような気もするので、残される限りReagorにはちょっとだけ期待する。
AllenもしくはCovey次第でリターンスペシャリストをここから輩出する場合、6枠目はそやつに充てられる可能性もちょっと頭には入れておく。その場合の犠牲者はWardになるのかReagorになるのか。

TE(4/7)

Goedert・Stoll・Calcaterra・Tyree Jackson|Rodgers・Togiai・JJAW
Tyree Jacksonの回復具合とかWRの起用方法とかOLを切れない事情なんかの影響を受ければここにしわ寄せがきて3人になる可能性もある。
Ertzとタイプが似ているCalcaterraの加入によりレシービングTEを確保。オールマイティなGoedertの次の序列と見込まれるStollがブロッキング寄りなのでこれでバランスは整った。
2021の複数TE隊形の多用がWR不足を凌ぐ緊急避難的なものだったのかよくわからないところはあるが、Calcaterraの運用方法は非常に楽しみ。
ロスター争いはJacksonの膝次第。情報なし。
Rodgersについてはいつリリースしてもいつでもストリートから指をくわえてPHIを見ているのでどうしたって大丈夫。
最後の方に変なやつがいるが、STerとして評価されてたはずがよく映像を見るとそっちも大したことないのでこいつはもういい。最後尾という扱いで良いでしょう。

OL(9/16)

MailataDickersonKelceDriscollLane
Dillard・Opeta・Jurgens・Seumalo|Clark
Toth・Anderson・AwosikaDunkleJosh SillsJarrid Williams
問題はRG。個人的にはSeumaloが先発でいいと思っていたが、もしかしたらDriscoll。Seumaloを6/1以降にカットすると6M弱ぐらい浮く。2023のキャップが結構キツいことを考えると今年それなりにスペースを空けておいて来年に持ち越す、というRoseman得意のムーブの対象になることはあり得る状況。
Driscollもルーキーイヤーの11試合出場(4先発)に加えて昨年は9試合出場(9先発)とかなり経験を積んでいるし、なんならややパワーが足りない以外それほど不満もない。パスプロテクションは十分だった印象がある。なのでいつ先発になっても違和感はない。
SeumaloはカレッジでRGの経験があるとはいえプロ入り後はLGを主戦場にしていた男。すぐにRGにアジャストできるか不明なところが、もしかしたらDriscollじゃないかと思わせるポイント。とはいえ健康だった2021序盤のSeumaloのパワーはちょっととんでもなかったので結論としてはどっちでもいい。去年の9月だったかにKelceがOLルームでのSeumaloの評価の上がり方を”テスラ株のようだ”と述べていたのはなんとも皮肉。さてこの株の乱高下に果たして落ち着く先はあるのだろうか。
先発争いの魅力があまりない今、このポジションで一番楽しみなのは53ロスター争い。
もしかしたら10人になるかもしれないが、個人的にはAwosikaの成長が楽しみ。Seumaloの処遇のカギを握る可能性がある男で、Week18DAL戦ではまあまあいいブロックを見せていた。彼が伸びるとGの控えは埋まる。というかTothからSillsまでの5人で寄ってたかってRGの控え争い。ここがトレーニングキャンプ最大の見どころ。
RGの穴を意識しすぎた結果、控えにG寄りのメンツが多いのでカギはOTもいけるバーサタリティがあるかどうか。個人的にはTothに期待したいのだがさすがにACL断裂から4カ月では回復もクソもないか。
まあどんな結論に落ち着こうがここには期待しかない。Stoutland先生、今年もお願いしますよ。
ちなみに、控えLTはもはやキャップヒット3.9Mの割安有能バックアップと化しているのでこのままで良い。トレードも要らぬ。

Defense(25/43)

DT(5/8)

1テク:DavisElliss(弟)|Tuipulotu
3テク:CoxHargrave・Milton Williams|WrenMarvin Wilson
ここからは昨年同様何枠あるか全く読めないゾーン。
ロスター争いはTuipulotuが残るのかどうか。この1枠にElliss・Wren・Wilsonが殺到する形。好みでEllissにしてみた。
このポジションはとにかくMiltonの成長が楽しみ。2021ルーキークラスのDTでは最多のQB Hitを誇ったという噂の男はパスラッシャーとしてもランストッパーとしても個人的にはHargraveを超える期待値。初めてのオフをどう過ごしたか楽しみで仕方ない。真面目な男ゆえレベルアップ待ったなし。
いろいろな隊形をやることになると思われ、3DTも結構な頻度で入ってくるはず。そうなった場合のパスラッシュの破壊力には今から胸躍る。

DE/OLB(6/9)

ReddickSweat・Graham・Barnett・Jackson・Kyron Johnson|Patrick Johnson・LeoAli Fayed
Senior Defensive Assistantという肩書を貰っていたJeremiah WashburnがDE/OLBコーチとなったようなのでこのポジション分けに。めでたく3-4のチームになりました。
DavisとCoxとHargraveが中央から押し込んで縮めたポケットの外からReddickとSweatが襲い掛かるという仕組みです。サック数爆増不可避。
Reddickの運用方法としてはこれが最適だと思われ、パワー寄りのGrahamとかBarnettもまだまだ使い道はありそう。
正直に申し上げてまだわからないことが多すぎるのでロスター当確はBarnettまで、という印象。
このオフはとにかくここのスピードアップに取り組んだ印象で、ドラ6Kyron Johnsonにもだいぶ期待はしている。PatrickのほうのJohnsonはやや厳しいか。

Off-Ball LB(4/7)

Kyzir WhiteT.J. EdwardsNakobe Dean・Davion Taylor|Bradley・StevenElliss(兄)
ここもスピードアップ完了。
惨憺たるFA補強史を持つLBポジションなのでWhiteが当たりであってほしいという願望は結構切実。
ランシチュエーションではT.J.とWhiteもしくはDean、パスシチュエーションではWhiteとDean、といった使い分けが十分考えられるのでDeanの出番は結構すぐに来そう。
とにかく楽しみなポジション。
ちなみに、もはやリーグを代表する存在になりつつある同期のReagorが熱視線を集めてくれるおかげでバレていないが、Taylorも負けず劣らず戦力になっていないので本当に勝負の年。この人の課題は健康を維持すること。キャンプでどれだけ活躍したとかは全く安心材料にならない。素材はいいんだけどね。
STでの貢献度とかLBとして微かに見せる成長を見ているとBradleyの方が優勢な気もするが軍配はどちらに上がるのか。この全米の耳目を全く集めない3巡と6巡のアツい同期対決の結果や如何に。

CB(6/13)

外:Slay・Bradberry・McPhearson・Gowan|JobeGoodrich
中:Maddox・Scott|Moreland・Vincent・McCainJamesBlackwell
最激戦区。
最近になってWASからウェイバーにかかっていたMorelandを獲得。それによって"MaddoxをSにコンバートか?"という声は現地でも上がっているようだがそれにはちょっと懐疑的。あまり強い反対材料はないのだが、Maddoxの優れているところは前への戦闘能力であってSというポジションにハマるかは不透明。それなりに金を払っている人を適性がよくわからないところに移すことがあるのでしょうか。まあ高い金払っているからこそスナップ数を増やさねばならない、ということなのであればわからぬでもないが。
Bradberry加入はSlayにも良い影響を与えそうでそれ自体は良いが、UDFAのJobeとGoodrichが見たいのだよこっちは。なんとかなってくれ。頼む。
ここは現時点での2023ドラ1指名における最右翼ポジション。

S(4/6)

HarrisEpps・Chachere・Blankenship|Wallace・Mayden
先発は恐らく無風。
2021は1LB3Sという隊形でEppsを使おうとする場面が結構多かったように見受けられたが、そのEppsの役割に該当しそうな選手が見つからないのがこの陣容。
敢えて挙げるならBlankenshipにはかなり期待している。なんとかロスターに残ってほしい。
2020の4巡指名であるWallaceにとっては勝負の年。守備範囲は狭いしカバレッジでのパッケージ認識能力も低いしハードヒットしに行って自分だけ負傷するしでこの男にはこの2年間で良い印象はほぼない。Blankenshipのほうが見てみたい。
しかし2019と2020のドラフト組はどこまで足を引っ張り続けるのか。

Specialists(3/3)

K:Elliott
P:Siposs
LS:Lovato
結局Pのところも触らないまま枠は90名に達した。
飛距離の短さと終盤の異常なシャンク率に騙されたがSipossにも"コントロール"という良さはあったというのがSTの振り返りで調べた結果だった。
どうやらチームはこやつで満足らしい。

eagles-nest.hatenablog.com


総じて、大きな穴もなくHurtsとGannonを試すための陣容は出来上がったという印象。
あまり意味のないオフのパワーランキングでは大体上位半分には入っている。
浮かれるとしたらPeter Kingが9位という評価をしてくれたこと。
同氏は昨年同時期のパワーランキングにてPHIを28位・SB進出のCINを27位に置くという暴挙(当時は妥当だと思った記憶あり)に出た実績があるので信憑性と言われても微妙だがまあこんなことを言ってくれる人もいます、という話。
現実的な目標はNFC東という最弱地区を制すること、ここのところ負けっぱなしのDALをスイープすること、ぐらいであろうか。特に後者は安定政権を築く上でSirianniにとっても避けて通れない障壁であろうと思われる。
楽しみは募る。

その他のニュース

ロスタールールの変更

・IRの最短復帰が3試合⇒4試合に延長
・2021はある選手のIRからのシーズン中復帰が1回しか許されなかったが2回までに変更
・最大8名がIRからの復帰可能
・PSは最大16名
・PSからの一時的昇格の上限回数が2回⇒3回に拡大
ざっとこんな感じだった気がする。
まあ今気にすることではないかもしれませんが。

6月1日

デッドキャップの2ヵ年分割計上が可能になる6月1日という日付だが、PHI的に押さえておいた方が良いのは以下2点。

Coxのカット

誤解を招きかねない見出しでしたが、この3月に既に”6月1日カット”に指定されているCoxの前契約分の何かによってなんらかのキャップが浮くという話。
この契約は100年を超えるNFLの歴史でも意味不明なほど複雑なものだったそうで、なにせサラリーキャップのことならわからないことはないという顔をしているOverTheCapさんに於かれても”believe”とか”I am not 100% sure”という言葉を使うほどの自信のなさ。
構造は全くわからないが、”恐らく”2022のキャップに3.2M弱のスペースができるのだそうです。

Brandon Brooksの引退

これがオフィシャルになるのが6月1日もしくはそれからそんなに遠くないいつか。
NFLにおいては引退もカットも一部ボーナスを除けば大した違いがない扱いになる。
そのため、これはCoxの契約よりはるかにわかりやすいが、1.1Mのキャップスペースが出来ます。

上記2点のムーブによって、4M強のスペースが空くことに。
HargraveとかSeumaloの異動はこんな早いタイミングでは起きないと思う(そもそも前者については噂も全く出ていない個人的妄想です)し、この4Mを握ってさらに大物を追う動きもケガ人が出ない限りはないと思う。単に2023への繰越額が増えるだけになるとは思うが、まあこういうことがあります。という情報でした。