暇だ暇だと言い続けていたらいつの間にかキャンプインしていた。
これは大失態というか単に時間がなかっただけです。昨年は毎日の練習を追っていた気がしますが、今年はそうもいかなそうで、まあ気が向いたときに更新していきます。
今回はキャンプイン直前のロスター変動とポジションごとの楽しみな競争、そして初日の様子です。
ロスター変動
Craig Jamesのカットまではお伝えしていたような気がする。その後NYJと契約した彼は、結局ケガでキャンプイン前にカットされている。悲しい。
その後、現地7/26(火)~27(水)にかけての動きは以下。
OUT:
WR Josh Hammond
DT Noah Elliss(UDFAルーキー)
T Jarrid Williams(UDFAルーキー)
5月にJAXからウェイバーにかけられていたところをさらってきたHammondは一体何が良かったのだろうか。よくわからぬままに放出。
問題はその次。Jordan Davis同様に300lbsを遥かに超える巨漢DT Noah Ellissのカット。
どうやらケガ(Non -Football Injury)が原因とのこと。カレッジ時代からのケガでもあったのか。評判が良いUDFAルーキー陣にあって穴馬として期待していたのにまさかキャンプ前にカットされるとは。
とはいえ兄貴のLB Christian Ellissはまだ在籍しているのでこの繋がりでいつでも戻せそう。はようケガを治しなさい。
WilliamsはRTのデプス候補だったはず。
PUP(Physically Unable to Perform):
TE Tyree Jackson
TE Richard Rodgers
T/G Brett Toth
こちらはいつでも練習に復帰できるけど一旦ロスターの90人枠から外れる人たち。
1月にACLを切ったばかりのTyree JacksonとTothのPUP入りは想定の範囲内。復帰できてもシーズン中盤以降でしょうね。
しかし1人全然聞いてなかったぞ。Richard Rodgers。彼については軽傷なのかどうかも全く情報がない。どうりでTEのトライアウトを結構やってたはずで。最初意味がわからなかったがこれで合点がいった。
IN:
DT Kobe Smith
TE Jaeden Graham
WR Lance Lenoir
C Cameron Tom
というわけで一番頼れる控えであったRodgersの穴を埋めるべくTEを補強。
Grahamは26歳。2018に名門Yale大からUDFAでATL入り。その後4年をATLで過ごし、実績があるのは2019-20の2年間。ここは全32試合に出場して12回捕球174yds1TD。うむ。
どうやらSTerとしては評価が高いようでそっちでの貢献は見込めそう。いやそっちかい。
その他有名人はLance Lenoir。Western Illinoisから2017のUDFAでDAL入りした27歳。DALのあとはSEAとかBUFとかに行って今春のUSFLでそれなりに活躍してこの契約に繋げたもの。Punt Retunerができるとかできないとか。
欲しかったSipossの競争相手としてのPの獲得はなし。
それと、パワーバックもまだ足りない。
キャンプでの見どころ(ポジション別)
ポジションごとに入れている縦線(|)が個人的ロスター当確ラインで、斜線(/)が今シーズンインするこうかなラインです。もちろん斜線がないポジションがありますが、この辺はわからなすぎる場合のものです。
QB
Hurts・Minshew|Strong・Sinnett
ここは”Hurtsがどれぐらいやれるのか”という1点しか見どころはなく、そしてそれがこのチームの全て。
Murrayがドデカい金を手にした。現時点でパサーとしての能力は到底彼に及んでいない。ハードワーカーであることでのチームへの影響力とかリーダーとしての資質とかコミュニティへの貢献度合いとかは満点。そのあたりについての心配はない。あとはとにかくフィールド上のこと。
個人的には取り立ててすんごいツールを持ち合わせていると思えないこの男が生き残っていくためには、スキーム理解と周囲のターゲットとのコンビネーションの成熟が不可欠ではなかろうかと思っているところ。そういう意味では2016のAlabama入学以来初めての2年連続同一スキームでのプレーとなる今季の出来がもう全て。がんばりたまえ。
ロスター当落線上という意味ではStrong vs SinnettというPHIファンとしても興味をそそられないQB3をめぐる争いはどっちになるんでしょうかね。
RB
Sanders・Gainwell|Boston/Brooks・Huntley
RB3をこのままBostonにしてしまうと2021と同じ過ちを繰り返すことになる。
パワーバックだよ。何回言わせるんだ。
”パスゲームで貢献できないRBはいらない”というPHI首脳陣の思想は知っているが、こっちは”ショートヤードで貢献できないRBはいらない”という思想でやらしてもらってる。相容れるわけがないのでここへの不満は永久に尽きない。
まあGainwellがなんでもできるようになればそれでいいんですけどね。この2年目RBにはバカほど期待している。
BostonかBrooksか、という争いは非常に見もの。個人的にはパワー寄りのBrooks推し。とはいえこのポジションは試合になってみないとあんまりよくわからないのでプレシーズンゲームで会いましょう。
Huntleyが生き残るためにはSTというかリターン能力の向上が不可避です。
あと、開幕までにSandersがトレードされても驚きません。
WR
A.J.・DeVonta・Watkins・Pascal|Ward/Cain・Hightower・Reagor・Covey・Allen・Wheatfall・Lenoir
なんだ層が厚いな。
上位3名は確定。春のOTAではややタイミングが合ってなかったと報じられていたA.J.もその後オフの間にHurtsとだいぶ合わせたようで、そこには自信を持っている様子。どんどん磨いていってください。
ここはロスター争いが熾烈。RBを3枠にするなら6枠確保できそうだが果たしてどうか。この人の集め方だとここからリターナーを出すものだと思っているので6枠は欲しい。さすがに今季は専任っぽい選手を置いて良いと思いますよ。
Ward以下がだいぶ詰まっているイメージを持っており、Cainはサイズもあるしこの春のOTAが相当良かったという話だったのでもしかしたらWardを食うかも。
CoveyはRenfrowになっても良いしリターナーとしてDarren Sprolesになっても良い。非常に楽しみな男。
世界陸上(のフライング)で話題を集めたAllenだが、フットボール仕様のカラダにするために陸上から10lbsぐらいの増量を実施中だとか。頼もしい。
TE
Goedert|Calcaterra・Stoll/Togiai・Graham・JJAW
<PUP>Jackson・Rodgers
うっすい。
Goedertも頑健とは言い難いのでTE2の躍進は絶対に欲しいところ。
とはいえTogiai以下がだいぶ落ちるのでRodgersの早期復帰と誰かの爆発が望まれる。
ちなみに最近加入したGrahamも一応53ロスターに残った経験がある選手なので、シロウトのあの人よりはそりゃ序列も高くなります。
OL
Mailata・Dickerson・Kelce・Seumalo・Lane
Dillard・Opeta・Jurgens・Driscoll|Clark/
Anderson・Awosika・Sills・Dunkle・Tom
<PUP>Toth
QBを除くと、先発争いとしてこのキャンプ最大の見どころはRG。SeumaloなのかDriscollなのか。
パワーはSeumalo、プロテクションはほぼ同格、RGとしてのコンビネーションはDriscoll。なんとなくRTの層が薄く見える現陣容において、RTも問題なくこなせるDriscollをスーパーサブとして持っておこうとしている気がするのでとりあえずSeumaloを序列上位に持ってきたもの。
ロスター争いはOpetaのLG2のところ。昨季はしっかりDickerson不在時の穴を埋めていたOpetaだが、ここにAnderson・Awosikaその他ルーキーたちが殺到する図。
恐らくカギになるのはバーサタリティ。そういう意味でAwosikaはRTも出来そうなので割と有利なのか。どうなのか。
OLで10人だとした場合の最後の1枠の単勝レース大本命はClark。私は単勝30倍のAwosikaに張る。
DT
Cox・Davis・Hargrave・Milton|Wren/Tuipulotu・Wilson・Smith
2年目Miltonの爆発ぶり如何でCoxとHargraveのどちらかあるいは両方とサヨナラすることが決まっているシーズン。
注目は5人目のところ。そもそも5枠も使うかはわからない。
タイプ的にDavisというかNTの控えが足りない気がしているので、ここを巡って320lbsのWrenと307lbsのTuipulotuが争う構図。303lbsのWilsonはやや苦しいか。ちなみに新加入Smithは300lbs。先ごろカットされたEllissは驚きの367lbs。
DE/OLB
Graham・Sweat・Reddick|Kyron Johnson・Tarron Jackson/Barnett・Ali Fayed・Patrick Johnson・Leo
ここは最近正式にDE/OLBコーチに昇格したJeremiah Washburnの領分。
先発という概念にあまり意味がないポジションなので、見どころはどれほどスピードアップできたのかの程度とロスター争い。
Barnettさえ落ちてくれればそれでよい。どうせ残るんだろうが。
Off-Ball LB
TJ・White・Dean|Taylor・Bradley/Stevens・Elliss
不動のエースTJとパスカバーの達人と至宝。
注目はTaylorが健康を維持できるかどうかと、最後の1枠。STへの貢献度合いを考えるとBradleyが外れる未来はそんな簡単に想像できないがさてどうなるでしょうか。
CB
外:Slay・Bradberry|Gowan・McPhearson/Jobe・Goodrich
中:Maddox|Scott/Mooreland・McCain・Vincent・Blackwell
先発は無風。
問題は控え。外はGowanまで確定で良いと思うが、McPhearsonとJobe・GoodrichのUDFAルーキーコンビの争いが非常に楽しみ。
Jobeが下剋上を起こすところを見たくてたまらない次第。
ちなみに、JobeとGoodrichの序列ですが、ルーキーミニキャンプのGoodrichのフットワークがちょっと酷いように見えたので春の時点からは逆転させております。
中はますますわからない。実績で言うとMoorelandが強いがさて。
なにぶん2021シーズンにケガ人がほぼ出なかったポジションなので控えのレベルがよくわからん。みんな頑張れ(雑)
S
Harris・Epps・Tartt|Chachere/Mayden・Blankenship・Wallace
先発はHarris・EppsだとしてDimeとしてTarttが入るとだいぶ面白いことになりそうだが、この人の課題は健康維持。なんとか無事でキャンプをお過ごしください。
問題は最後の1枠。Wallaceが最後尾だとはとても思えないが、このいつぞやのドラ4は本当にケガするしバカだしで全然ロスターに残ってほしくない。
昨季終盤、Wallaceがケガから復帰してだいぶ経った時期でもスナップ数はChachere>Wallaceだったのでここの序列は確定。Mayden>Wallaceという試合もあったのでここも確定。Blankenshipは個人的イチ押しUDFAルーキーなのでWallaceより上に置きたい。ほら。やっぱりあいつが最後尾。
ST
Elliott・Siposs・Lovato
Siposs寄りの立ち位置を取ると、2020のElliottは酷かったが2021はプロボウル選出。こういうこともあるので昨季終盤だけで判断しきればい部分はある。ということでキャンプ次第。競争相手は自分と周囲の期待です。
キャンプ初日
ロスター概観とは別建てにした方が良かったですね。長すぎる。
というわけでこれが本編のはずなのにさらっと。
練習前
RosemanとSirianniが記者会見。
Rosemanは…まあ何か言っていたんだろうが、注目はSirianni。
2回目のキャンプとなるこのHCは、昨年から”練習が短い”ことが報じられていたが、今年はそれをさらに強調。
「選手の健康がすべて。去年は関節回りのケガが多かったので今年はもっと気を遣う。特に3日目がヤバい。高強度の練習を続けたときの3日目はほんとにヤバい。これはうちのチームだけじゃなくてリーグ全体の統計と医学的な話。」とのこと。
現地水曜が練習初日だったが、キャンプイン自体は前日の火曜日であり、そこでコンディショニングテスト的な、かなり高強度なトレーニングを行ったようなので、水曜の「高強度だけど短い練習」をやって、木曜は軽いウォークスルーにとどめるとのこと。
去年よりコンディショニング・練習・ウォークスルーで選手がどれぐらいの距離を走ったかをしっかり測って疲労度合をウォッチしていくようで、これが上手くハマればますますケガは減りそう。
気になるのはチームとしての習熟度だが、まあこのあたりはキャンプ終盤の合同練習とかなんならシーズン序盤も使って上げていくのでしょう。そもそもコーチ陣は全員残留してるし。最高ですなこのHCは。
なお、宣言通り初日の練習時間は驚きの58分間だったそうです。
良かった人
Brandon Graham
アキレス腱断裂明けだが、保護具を全くつけていなかったようで、体調は完全だった様子。すばらしいね。
Jalen Hurts
Really clear sign of an improved Hurts:
— Eliot Shorr-Parks (@EliotShorrParks) 2022年7月27日
Last year #Eagles did Red Zone on Day 1, just like they did today. Practices were very similar
Hurts attempted 14 passes on Day 1 last yr
He attempted 15 passes on Day 1 this yr
Last year: 5/14, 2 TD, 1 INT
Today: 12/15, 4 TD, 1 INT
去年との比較でいいのかはわからないが、まあ良くなっているのでしょう。
Quez Watkins
何個かHurtsからTDレシーブ。特にMaddox相手のバックショルダーはHurtsもWatkinsも最高だった様子。
もう一つはロールアウトからのvs BradberryでのTD。いいね。
Marcus Epps
Goedertに投じられたHurtsからのパスをINT。Play of the Dayという噂。
TJ Edwards
AJ Brownへのパスをほぼ奪い取るようにPBU。うむ。パスカバーもできる。もはや貫禄。
Jalen Reagor
2ndチームでMinshewとのコンビネーションが良くTDレシーブもあったとのこと。まあ好きにしなさい。こういうニュースでトレード価値が上がるなら。
キャンプでのReagorを全く信用できないのは、去年も確かすごかったから。
ではここで去年のことを思い出してみましょう。
A thing of beauty@jalenreagor | #EaglesCamp pic.twitter.com/sxpqwUc5q5
— Philadelphia Eagles (@Eagles) 2021年8月5日
まあ恒例行事ですよ。
悪かった人
Zech McPhearson
ReagorにTDを献上したのはこの男。簡単にちぎられた様子。
その後DeVontaにもあわやサーカスキャッチというワンハンドキャッチを許したとのこと。残念ながらDeVontaがサイドラインを割ったようだが。
Miles Sanders
ハンドオフのフェイクで肩がHurtsに当たってファンブル。おい。
チェックダウンパスをお手玉。おい。
とはいえ悪かった、はちょっと言いすぎかもしれない。
その他
大ニュースが1つ。DeVonta、落球。
それ以外だと数名がCOVID関係で体調不良だったり万全じゃなかったりでお休みしていたとのこと。CoxとかKelceとか。
初日最大の収穫は、誰もケガをしなかったことです。これは絶対にそうです。
次の練習は現地金曜なので、まあ時間があればその様子も土曜日にはまとめたいと思います。どうかいいニュースしかありませんように。