鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

秋のはじめのロスター整理

いよいよプレシーズンゲームが続々と始まっていくなか、PHIの初戦は日本時間13日8:30キックオフ。
残念ながらライブ観戦は叶わないが、楽しみなことには変わりなし。

Sirianniによると、1ないし2シリーズぐらいはスターターも出場見込みとのことです。
というわけで初戦前に見てみたいところなんかも合わせて。

ロスター変動

その前にちょっとしたロスター変動から。

OUT
WR Keric Wheatfall
トライアウトで加入したWheatfallをカット。原因はキャンプをずっと休んでいたハムストリングのケガとのこと。

IN
RB DeAndre Torrey
念願のRB補強。
Conference USA所属のNorth Texas大を出るもこのドラフトでは指名されず、NYJのルーキーミニキャンプに参加したが契約には至らず。その後USFLでプレー。
サイズは5'7"(170cm)195lbs(88kg)なので身長は完全にBoston Scott。
チガウ。欲しいのはこのタイプじゃない。220lbsぐらいあるパワーバックはいつ来るのか。

Scottと比較するとトップスピードには劣るが、加速とパワーは勝る、といった感じのカタログ値。
我慢強くブロックの完成を待つことができ、レシーバーとしても優秀とのこと。リターナーもできます。
現状、Gainwell(尻あるいは股関節)とBoston(脳震盪)のケガが思わず長引いているので、試合前にRBの6枚目を補強した形。
まあ良いんじゃないでしょうか。



では現時点の53予想と、プレシーズンゲームで楽しみな競争についてです。

先発を太字ベテランの新加入を赤ルーキーを青としております。
ポジションの後に書いたカッコ内は、(53ロスターの想定枠/現行人員)です。

Offense(25/43)

QB(3/4)

Hurts・Minshew・Sinnett・Strong

不穏。
その種は安定のQB2だと思っていたMinshewに突如発症したINT病。何が起きたのか、このキャンプでは完全無欠のINTマシーンと化しているとのこと。
DBのレベルが上がっただけでは説明がつかないなぜなら2ndチーム相手でしかほとんどプレーしていないから。
このままではQB2が彼で本当に良いのか全く分からなくなってしまう。プレシーズンでは安心させてほしい。

そしてロスター当落線上のQB3争いだが、ここではSinnettが株を上げているようで、対するUDFAルーキーのStrongは急降下中。このあたりも見どころ。

ちなみにHurtsは、このキャンプ中、11on11とかのあと頻繁にDC Gannonとコミュニケーションをとっている姿が目撃されている。
どうもDefenseのカバレッジとか狙いとかそのあたりを確認(逆もまたしかり)している様子。
オフの個人練習ではなかなか改善が難しいところでもあるため、こういった姿は非常に頼もしく見える。
出番は少ないだろうが、まずは鉄壁のOLのプロテクションをしっかり信じて落ち着くところから始めてほしい。

RB(3/6)

Sanders・Gainwell・Boston Scott・Huntley・Kennedy BrooksDeAndre Torrey

いろいろ言われていたがSandersがRB1であることは揺らがなそう。
そしてGainwellはめでたくRB2に昇格。

問題は恐らく3枠目。Bostonが90%勝ち取るのだろうが、ここにパワーバックが欲しいというのは宿願。
Bostonのお休みが長引いている間に株を上げるのは誰か。このポジションは試合になってみないと良さがわからない部分も多く、特にショートヤードでのBrooksにはだいぶ期待している。

WR(5/11)

A.J. BrownDeVontaWatkinsPascal・(Reagor)・CoveyWard・Hightower・Cain・AllenLenoir

心配なのは鼠径部あるいは恥骨周辺のケガが長引いているDeVonta。シーズンになればやってくれるのだろうが、早く回復してくれるに越したことはない。
食中毒で出遅れていたPascalがようやく本調子になってきたようで。

というわけでこのポジションはWR5以降が全く不透明。そもそも枠も5なのか6なのか。
このキャンプ最大のサプライズはCovey
リターナーとしてでなく、スロットとしても相当良さそうなので驚きのロスター入りもあり得る情勢。
固いと思われていたWardだが、中盤以降ケガでしばらく休んでおり不透明。

やはりプレシーズン初戦一番の見どころは()をつけたReagor
彼がそれなりの活躍を見せれば高く売れそうな雲行き。
キャンプ中のケガでWRが必要だと思われるCHI・DEN・DALあたりがトレード相手として真偽はともかく噂になっていた。
あまりにも引っ張りすぎるとSlayton(NYG)とかMims(NYJ)とかがトレード市場に出てきちゃう恐れがある。
対価は何でもよろしいが、来年の7巡とかだとちょっと寂しい気もする。せめて来年の5巡ぐらいにならないか。
なお、やたらしつこくトレードしろと言っているように聞こえるかもしれないが、上4枚に割って入れない以上、リターナーを任されたとしても、この位置で彼のキャップヒット(今年3.6M・来年4.2M)はあまりにも高すぎると思うのが薄弱な根拠です。

6枠あってReagorもいなくなる、という仮定を重ねた場合、最後に飛び込んでくるのはWardなのかHightowerなのかCainなのか。
Cainという可能性に期待しながら、あるかわからない最後の枠をめぐる争いに注目したいと思います。

TE(4/6)

Goedert・Stoll・Togiai・Calcaterra・Rodgers・JJAW
<PUP>Tyree Jackson

難解。
ドラ6Calcaterraがすごく良い、という評判で幕を開けたトレーニングキャンプだったが、Day2ぐらいでハムストリングの負傷によりCalcaterraが離脱(復帰時期未定)。
それによってTogiaiにも出番が回ってきた形となり、そのTogiaiがどうやらグングン評価を上げているとのこと。
Rosemanの性向的にさすがにドラ6を即カットはなかろうと思うので4枠にして上のような順番にした次第。

プレシーズンではStollがパスターゲットとしてどれぐらい成長したのか、そしてTogiaiってどんなもんでしたっけ?というところに注目したい。

OL(10/16)

MailataDickersonKelceSeumaloLane
Dillard・Opeta・Jurgens・Anderson・Driscoll
Awosika・Clark・DunkleSillsJarrid WilliamsCameron Tom
<PUP>Toth

LT2枚が一気に抜けたときにLT1に繰り上がったClarkが全く使い物にならなかったことでロスター争いは混乱。
現状はG/CのAndersonか、G/TのAwosikaかが10枠目の論点だと理解しているところ。
Kelceがヒジのクリーニング手術で当面不在になることを考え、Cの控えを手厚く、となるとAndersonになり、LT2枚抜けという恐怖が強く心に残るならAwosika、ということになるか。
このロスター争いは引き続き注目。

プレシーズンの見どころは、何といってもKelceが抜けることで望外に経験を積めることになるJurgensのプレーぶり。
公開練習の1on1でDavisに押し込まれた(OLの専門家たちによる"あのJurgensは負けてない"という声はあるが)映像でもアンカリングとかは相当なレベルにありそうだと期待しているし、そもそもキャンプでの評判も非常に高かったので楽しみにしている。

ちなみに前述したReagorのWRとLTとじゃポジションの重要度が全然違うのでDillardは絶対売りません。

Defense(25/43)

DT(5/8)

CoxHargraveDavis・Milton Williams・Tuipulotu・Wren・Marvin Wilson・Kobe Smith

ロスター争いの注目は、5枠目がTuipulotuかどうか。
どうもこのキャンプではTuipulotuの評判が良く、たびたび名前が挙がっている。出番が少なかった昨季はだいぶ酷い映像を見せつけられた気がするが今回はどうか。
さすがに昨プレシーズンゲームの10ydsぐらい押し込まれていたものからは成長していてくれないと困る。

まあ今季大爆発予定のMiltonが格の違いを見せてくれたらそれだけで満足ですけどね。

DE/OLB(5/9)

ReddickSweat・Graham・Barnett・Kyron Johnson・Jackson・Patrick Johnson・Leo・Ali Fayed

Reddick(とKyron Johnson)が、去年AveryがやっていたSamのポジションをやるようで、あのままならTEのカバーが多くなりそう。
さすがに大金を払っておいてReddickをそんな無駄遣いするほどGannonもバカではないと思いたいが、このあたりがどうなるかに開幕シリーズから期待。というか不安。

上記仮説が本当なら、パスラッシュの主役はSweatMailataとのマッチアップでかなり磨かれているという話もあるのでそろそろ2ケタサックの夢を見せてほしい。

あとはアキレス腱断裂から復帰のGrahamがどれだけのものか。

ロスター争いは、Tarron JacksonBarnettでの5枠目が熱くなりそうな予感。もちろんKyronのほうのJohnsonも盤石ではない。

Off-Ball LB(5/7)

T.J. EdwardsKyzir White・Davion Taylor・Nakobe Dean・Bradley・StevensElliss

Roquan Smith?いや全然要りませんね、と今なら言えちゃう。
1年前には1巡2個出しても欲しいと思っていたのがウソのように層が厚くなってしまったLBポジション。

TJが不動のMでWhiteがW。ここまではキャンプでも非常に順調。
PFFかなんかで"PHIのLBポジションは薄いからDeanに期待"みたいな記事を見たけどどういう目を持っているのか。いったいいつの話をしているのか。

TaylorBradleyも充実のキャンプを送っているようで、ロスター争いという意味ではあまり波風が立たなそうなポジション。
問題は5人の出番の割合。

JAXのMumaにしてもNYGのBeaversにしてもLBはルーキーにとってはなかなか順応に時間がかかるポジションなのかもしれない。あっさりやってのけるParsonsみたいな憎たらしいやつもいるが。

Deanにしても恐らく同様で、時間がかかることは覚悟しておく必要がありそうだが、何といってもまずはプレーぶりを早く見たくてたまらない。

CB(6/12)

外:Slay・Bradberry・27McPhearson・36Gowan・38Jobe・31Goodrich
中:Maddox・37McCain・34Vincent・33Scott・47Moreland・39Blackwell

BradberryとAJの練習ハイライトが公式によって公開されていた。全くとんでもないレベルの高さ。

ということでこのポジションについてはスターター3人への心配は全くない。
問題はロスター争い。
希望はGowanJobeMcCainロスター入りしてくれること。相当ハードルは高そうだが。
このあたりの控えたちの戦いが楽しみすぎて背番号まで付記してしまった。
相手のQB2はFlaccoだしWRの2枚目にはGarrett Wilsonもいるしで意外とレベルが高い相手になりそう。Minshewとは違うから戸惑うところもあるだろうがそれなりのものを見せてほしいところ。
頑張れ若者たち。

S(4/7)

HarrisEpps・23Tartt・21Chachere・46Blankenship・42Wallace・41Mayden

イチ押しUDFAであるBlankenshipが徐々に評価を上げているのは非常に頼もしいのだが、一方でChachereも捨てがたいという悩み。

Wallaceは指名順位が高かったからキャンプも1stチームとかでスタートしていた気がするが、その後当然のように評価を落として今や現地の53予想でも見かけなくなってしまった。地味に悪夢の2020ドラフトを象徴する存在。

ここも楽しみなのはロスター争いと、Tarttがどう使われるのか。

Specialists(3/3)

K:Elliott
P:Siposs
LS:Lovato

Sipossだが、本人の弁によると、どうもパントする際のボールの落としがとても悪くなったのが2021シーズンの後半だったということで、このオフはその改善に取り組んだとのこと。
そんな細かいところまで見ると思うなよ、と悪態をつきつつWeek1とWeek18を見比べたら確かにちょっと落ちていくボールの角度が違う気がした。気のせいかもしれないが。
どうも気候の問題もあるようで、寒かったり風が強かったりすると難しくなると発言していたが、このあたりの修正に期待が高まる。

あとは、STで言うとここに書いていないが昨年最下位近かったリターンゲームの改善がとても重要。
いろいろ候補はいるが、一番はCovey。
よろしく頼む。


とにもかくにもフットボールが戻ってくるのが一番楽しみなのである。
NYGの試合なんか見せられても興奮せんのだよ。
PHIを見せろPHIを!

では選手の皆さま、くれぐれもケガだけないように頑張ってください。

GO BIRDS!!