鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2022 Week5 @ARI感想

5戦目にしてとうとう2Qの神様にそっぽを向かれてしまった結果、どうにもこうにもフラストレーションがたまる展開がずっと続いた試合は、やっぱり神様のいたずらで決まりました。

結果PHI 20-17 ARI

 

なんで勝てたのか全く分からぬ。
たぶんこれといった勝因はPHI側にない。
敢えて挙げるなら、OLとGoedert。
それと、大陸の反対側まで行って敵地で大クラウドノイズを発生させたPHIファンたち。

 

展開振り返り

ARIリターンでの試合開始。
最初のシリーズはErtzにスクリーンを通されて1st Downを取られるも、MooreへのスイングのパスをScottがロスに仕留め、最終的には3rd&LongでMurrayをポケットから追い出して5プレーでパントに。
Murrayのスクランブル対策は、4menラッシュ+LB WhiteのQBスパイという形。

 

そしてこのパントをCoveyがまあまあ(15yds)リターンし、自陣35yd付近からのOffense。
最初のシリーズからノーハドルを交えてGoedertへのスクリーン、AJへのパスで順調に進み、あっという間にゴール前へ。
Goedert×2、AJ×3で合計56ydsを稼ぎ、最後は4th&1と1st&Goal(1yd地点)を2連発QB Sneakで押し込む力技でTD。
ちなみに、AJはこの後2回ほどターゲットになっていたのは見たが、いずれもパスは通らず。スタッツ的にはこのシリーズのみの活躍となった。
とてつもなく不可解。
そして、このシリーズのどこかでDickersonが脚を傷めたっぽくて退場。不穏。(7-0

 

そして返しのARI Offense。
いきなりDeepのMarquise Brownを狙ったパスはやや短くなり、S CJGJががっちりINT。BrownをマークしていたSlayも問題なく捕れたほどには絶好球だった。
が、この自陣35yd地点から貰ったチャンスをOffenseが活かせず。
3rd&1からHurtsがキープしたがスリップして3凡。
Andy Reidもキレていたがここの芝はよく滑るようです。

続くARIシリーズはErtz・Brown・RB Connerに短いパスを通されて3度1st Downを取られるが、MooreへのリバースプレーにSweatがしっかり反応して5ydsロスとなり事なきを得てパントに。

 

そして1Q残り2分強・自陣13yd地点からPHIのOffense。
このあたりからプレッシャーがキツくなり、特に左サイドの大外がちょいちょい漏れる。かと思いきや左サイドへのGoedertへのスクリーンも完封される。
うむうまくいかぬ。
迎えた3rd&12。Hurtsは左に逃げて態勢不十分ながらも右から走り込んできたDeVontaに22ydsのパスをヒット。なんとかドライブを繋ぐ。
その後もGoedert・DeVontaと順調にパスが通り勝負の2Qへ。
いつも通り左から漏れてきたところで背中に目でもついてるのかな?と思うような絶妙のタイミングでのスクランブルなどがありゴール前に進んだ後は気合と根性の3連続Sneakで見事TD。
KelceというSneak教原理主義の指導者みたいな選手を持っているのでわからないでもないがさすがに笑っちゃった。ナイスでした。(14-0

 

返しのDefenseは注文通り3凡に仕留めるなど順調だったが、迎えたOffenseの1stプレーでこの日一番の問題作。
TEが手厚くEDGEをカバーしたお陰でクリーンなポケットからAJを狙ったパスがショートしてS ThompsonにINT
されたように見えた。危なかった落としててくれてて。
奇しくもTEをケアしていたっぽいSがTEが出てくるのが遅いのをみて他の獲物を探しに下がったところにちょうどボールがきた、という風に見えた。
落球によって九死に一生を得た形だったが、直後はどうもリズムが出ずDeVontaへのスクリーンもロス、ブリッツ祭りにHurtsが勝手にプレッシャーを感じてサック、という2020Hurtsのような一連のプレーで3凡。

 

こういう上手くいかない時にDefenseも付き合ってしまうのはなぜだろうか。
サックで下がった11yds分フィールドポジションが悪かったうえにDLが2ndチームだった続くARI Offense。
なんで5menフロントじゃないの?なんでDavis出てないの?と思ったらその懸念が当たり、1st Downのランで中央のTuipulotuが10yds近く押し込まれてConnerに12ydsのゲインを許す。
そこからBrownのミドルパス・Connerのランでつながれて最後はTJCJGJのタックルミスというお膳立てはあったが、Brownに5ydsのパスキャッチ+20ydsのRACという恥ずかしいプレーでTDを献上。

おかしい。2Qのはずなのに。(14-7

 

返しのPHI OffenseはWatkinsへのスクリーンっぽいパスから入って少しゲインし、DeVontaへのミドルパスで1st Downを獲るが、ここでKelceが負傷退場するという衝撃。
痛そうにしていた肘かと思ったが、どうやらD#と接触したっぽい左足首だったよう。
代りに入ったJurgensは問題なくスナップしていたのでプレーへの影響はあまり見られなかったが、おじさんがいなくなるショックも大きかったのだろうか。
3rd&3からのRPOはオプション対象ではなさそうなところにセットしていたJJ Wattが左の大外からすごい勢いで飛んできてあわやサックとなるパス失敗。
で、パント。時間も2分弱しか使えず。なんともリズム悪し。

 

2Q残り3:22からのARI Offense。
Brownのミドルへのパスで1st Downを更新された後のプレー。またしてもBrownがフィールド中央でガラ空きになるが、これはドロップ。無限のフィールドが広がっていたのでこれ捕られていたら78yds独走TDもあり得た。危なかった。
ErtzへのパスをEppsが良い反応でPDに仕留め、何とかパントに。
と思って気を抜いた次の瞬間、フェイクパントで7ydsを走られてドライブは継続。
しかし今日の中継はこういうところを映さないなど終始酷かったですな。
そんなことより、この後もD#はずっとソフトに構え続け、DBの前のスペースが空くこと空くこと。
ランもDavisがいなくなった途端中央がガラ空きになるし、パスは常に空いている。
結局ズルズルと進まれ、最後は時間切れのためFGで手打ちにしてもらったが何とも後味の悪い前半の終わり方。(14-10

 

後半はPHI Offenseから。
Watkinsの短いパスからのRACGoedertDeVontaで小気味よく前進するが、敵陣15ydからSandersのランが10ydsほど出たプレーでOpetaがホールディング(そうは見えませんでしたが)を取られてこのシリーズもストップ。
代役Cameron Dickerが42ydsのFGを沈めて3点だけ追加。(17-10

 

ARIも付き合ってホールディングのペナルティで3rd&17というシチュエーションを作ってくれたのに、ここでConnerにちょうど17ydsを走られてドライブ継続。痛すぎる。
ここからMurrayのスクランブルや、走りながらAJ Greenに通した芸術点の高いプレーなどもあったが、3rd&11からReddickの値千金のサックが飛び出し、久しぶりにパントに追い込む。

 

ここでPHIはアイデンティティを思い出すかのように突如3TE隊形。1枚のWRはDeVonta。AJに何かあったのか?
2プレー目でGoedertに中央のロングパスが通って敵陣へ侵入。
が、復帰していたDickersonがホールディングを取られて罰退。
これに加えてDeVontaのドロップなんかがあり停滞。
最後はSeumaloがWattに割られてサックを許してパント。
3Q残り0:20でARI陣10yd地点からボールを渡す。

 

が、この日のDefenseは紛れもなくクソでソフト。クソソフト。
ノーハドルでランもパスもやられるがまま。
Benjaminとかいう聞いたことがないRBとBrown・Green・Mooreに加えてMurrayの脚まで総動員して本当にあっさり90ydsの完走を許す。
12プレー5:37。ずっとソフトだった。(17-17

 

追いつかれたPHI Offenseは残り9:43から。
ここでようやくやるべきことを思い出したのか、2TE隊形を交えてSandersのランで前進を開始。
途中2回ほど3rd&1をもちろんSneakで強引に押し込んで1st Downを獲得。
気でも触れたかのような8連続ラン。
敵陣に侵入して迎えた3rd&11。チームを救ったのは背番号88。
プレッシャーによく耐えたHurtsも見事でした。

このままゴール前まで進み、TDまでは至らなかったが、先方のTOを3つ全て消費させて7:58のドライブをFGで完結。
1:48を残してボールを渡す。(20-17

 

JAX戦のようなターンオーバーでの気持ちよい幕切れを期待したが、この日のDefenseにそんな願いは通用しない。
相変わらずソフトに守り続け、ダラダラと前進を許す。
特にErtzにやられるのはモヤモヤするからやめて欲しかった。
最後は、PHI陣34yd地点から0:36残しの2rd&10でスクランブルしたMurrayがダウン更新の1yd前でソフトにスライディングし、3rd&1で速やかにスパイクで時間を止めたため、こちらも代役のK Ammendolaで43ydのFGトライが確定。
もうこの時にはOTを覚悟していたので、PHIのTO中に試合前練習でAmmendolaが右に外しまくった映像が流れてきた時にはさすがにあるまいと笑っていた。
まさか本当に外すと思わなかった。(20-17

 

何とも腑には落ちないが、一応連勝記録は首の皮一枚で継続。

 

主なスタッツ

見るべきものなし。

 

良かった人たち

Goedert
この試合はたぶん落球なし。
先代・Ertzの前で8回95ydsは立派です。特に最後の1st Down獲得は見事だった。
プロボウルはだいぶ近い。この調子でよろしく。

 

Cameron Dicker
代役Kなのでなんとかクラッチな場面で回ってこないことを祈っていたがそうは問屋が卸さなかった。
まあ試練に直面したのは先方の代役Kだったが。
今日の完璧なお仕事ぶりには頭が下がります。
Texasの新入生時代にOklahoma(エースQBはMurray)相手の決勝FGを沈めた映像をSirianniが見ており、それが引っかかって今回の獲得につながったよう。
Sirianniはチームの全体ミーティングにてその時の映像を見せてこの男をチームに紹介したそうです。
重要なのはどれぐらいの得点を重ねたかではない。
いかに勝負所で仕事をしてきたか、ということがKには重要なのだとよくわかった。
K不足のチームは結構いる印象なので、なんとか確保したい。
それこそARIにPSから攫われる、なんてことは避けたい。
Puntも蹴れると聞いているのでSipossに替えてロスター入りさせよう。

 

悪かった人たち

Jalen Hurts
微妙だが悪かったはず。テストには不合格。
中盤にピックされかけたシーンが本当に良くなかった。
恐らくそれ以降、OC Steichenも長めのパスをコールすることがだいぶ怖くなったのだろう。
結果として1試合で13回もWR(TE含む)のスクリーンパス(ここ5年の全QBで最多)を投じるような、試投平均エアydsが3.8yds(キャリアブービー)になってしまうような、CB(Murphy)に3TFLを許すような、平面にしか展開しない縮こまったPass Offenseになってしまった。
責任の大半はHurtsにありそう。

こんなことではDALに勝てない。
ちゃんとAJを使って、1つぐらいはINTになっても良いからしっかりDiggsのところを攻めなければ大きな見返りは得られない。
"5-0とか言うな。大事なのはプロセスだ。"と記者会見で言い放ったようなので、ここからの1週間の成長に期待したい。
この過酷なVance Josephからの贈り物がさらなる成長につながることを願っております。

 

DC Gannon
急にWeek1に戻りやがった。
観戦中に思い出したが、こいつが突然チキン野郎に変貌する癖を持っていたのだった。すっかり忘れていた。
ARIはWeek4まででOffenseでのビッグプレー(パス20yds以上・ラン10yds以上獲得)回数がリーグ32位だったはず。
そんなチームにあんな引く必要あったのかね。
短いパス主体のチームにあんな引けば一生止まらないよね、という実験は確か去年済ませたはず。
全く成長が見られない。
カットが妥当。

 

STC Clay
フェイクパントを決められましたね。
Coveyは明らかにフェアキャッチにするべきところをシグナル出さず、無謀にもガンナーのヒットを食らってマフりましたよね。(ガンナーが一度サイドラインに出たので最初に当たってくるとは思ってなかったっぽい)
どうですか?一人だけ何も結果を出さずに食う飯はうまいですか?
ここも去年から全く成長が見られない。
カットが妥当。

 

OL
ランオフェンスは良かったが、プロテクション漏らしすぎ。
来週のMicah Parsonsはどうするつもりか。
Mailataの復帰を願っておきます。
負傷退場のKelceはいつの間にか戻っていた。
あまり心配はしていないが、Jurgensでもやれるようにしておいてほしい。
こちらもしれっと復帰していたDickersonだが、どうやら最終盤にまたOUTしていたという情報もあり、こちらの方が心配。
今週は治療に専念していただきたい。

 

DL
サックが1つしかなかったのは、まあ先方のタイミングが早かったということで理解できるが、ランストップがザルすぎるのが本当につらい。
この試合で一番やられていたのはTuipulotu。
Hargraveもいつも通り。
Davisが入ると締まるのはいいのだが、それ以外の4menのときが悪すぎてあれじゃTJも動きにくかろう。
個人の技量差によるところが大きいのですぐ直る方法があるとは思えないが、Davisの起用方法も含めて特にDAL戦となると不安なところ。

 

LB
TJが珍しくだいぶ苦しんでいたように見受けられた。
Whiteも見せ場はあまりなし。今季初めて先発から外れた(DBを増やした)はず。
結果的にTJの裏のスペースを延々に狙われていた印象がある。
Gannonが無策だっただけなのか、TJの問題なのか。
前者だと信じたいが、これが続くようならパスシチュエーションに限定してでもいいからさっさとDeanを投入してほしくなってきた。

 

その他

・こんなに誰も良くなかったのに勝てた試合もなかなか記憶にないが、負けてDALを迎えるよりも良かったと思う。

 

・たぶん最大の勝因はホームチームにサイレントカウントを使わせて最後のARIシリーズでフォルススタートを誘発した、現地に詰めかけたPHIファン。
いいお仕事でしたね。

 

・いよいよ序盤の大本番であるDAL Week。
どうもDakは恐らく戻ってこないらしいが、Rushが相当頑張っている様子。
SirianniとHurtsのコンビにとって、PHIファンからの信頼を得るためにここは何としても乗り越えてほしい壁。

 

・DALに負けたままバイウィークを迎えるのは本当に嫌なんです。

 

・なんとしても勝て。