しょっぱいしょっぱい試合。
Goedert復帰までの間の観戦の際の楽しみを見つけるのに苦労しそうな内容でしたね。
結果:PHI 17-16 IND
"Miracle at the New Meadowlands"として知られる2010シーズンのD-JaxのサヨナラPunt Return TDの試合以来となる、4Qでの10点差逆転劇。
そんなことより勝てて何よりだった。
あのまま何も起こせずに連敗ということになれば、あと2つぐらいは連敗を伸ばしかねない情勢だった。
展開振り返り
開幕はDefenseから。
そしてまるでWAS戦の続きを見せつけられているのかと錯覚してしまうほどに焼き直し。
加入後即出番となったLinval Josephが中央の重石として割と効いていたが、3rd&Longで珍しくGannonがBlitzをかけにいったところ、その裏を綺麗にPittmanに通されて24ydsのゲインを許して自陣への侵入を許す。
そこからはINDの方が1枚上手。
3rd&Longに備えてJosephを外したNickel隊形になっていた逆手を取られ、その後2プレーでINDはノーハドルを選択。
メンツを戻せず軽い隊形のままだったPHI DefenseはJonathan Taylorに28yds・9ydsをそれぞれ走られ、一気にゴール前まで攻め込まれる。
そこからはJosephを戻せたが、5プレーで10ydsを押し込まれて非常に嫌な形での先制を許す。
このシリーズのTaylorのラン成績は7回49yds1TD。まだ試合開始から5分程度しか経っていないのに、である。(0-7)
迎えたOffenseだったが、この日のOffenseを悩ませたのが反則。そしてGoedertの不在。
返しのシリーズではAJで1回1st Downを獲得するが、Goedert不在でTE2に繰り上がったCalcaterraのホールディングで後退し、Puntに。
なぜかINDがTaylorを強調した開幕シリーズからガラッと戦い方を変えてくれたおかげで3凡に抑えたあとのOffenseは、AJのビッグゲインとDeVontaへのパスであっさり敵陣に入るも、この日のハイライト、3プレー連続での反則が飛び出し、気が付けば1st&35ydという謎シチュエーションに追い込まれ、Puntに。
そうこうしているうちに、何かが起こる気配もないまま1Q終了。
いつもは追い風が吹き荒れる2Q。
1Q終盤からのIND Offenseを先方のホールディングに助けられてなんとかPuntに追い込み、それをCoveyが13ydリターンして自陣42ydという好位置からのOffense。
13ydのパントリターンなんてそんなに偉業ではないはずなんだが、期待していなかった分これは非常に助かった。
そこからのOffenseは、Sandersのランを軸にDeVontaやHurts自身の脚を使って3回3rd Downを乗り越えて何とか敵陣ゴール前まで。
そして敵陣2yd地点でのKelceのスナップミスにより7分使った攻撃はFG止まりに。(3-7)
その後もDefenseが安定しておりIND Offenseを封じるが、残り2:33から回ってきたPHI Offenseでは、あまり記憶にないラン・ラン・ランで3凡というクソに近い何かを見せつけられる。
そこからSipossのPuntがまあまあリターンされ、最後にFGで追加点を許して前半終了。(3-10)
なんなんだこの試合は?
という気持ちのまま入った後半はPHI Offenseから。
1stプレー。
右にロールアウトしてロングパスを狙うHurtsの背後を守るのはRB Sanders。相手はNgakoue。瞬殺。Hurtsはファンブル。
もうこの場面で観戦やめようかと思いましたよね。
しかしDefenseがここも3プレーで止めてなんとかFGで凌ぐ。(3-13)
いやいやさすがに。さすがにそろそろ。と思っていたOffense。
今回はDeVontaを強調して敵陣に侵入。
だがここでDeVontaを狙ったパスは失敗。4th&10でGOという判断を下したが、今季どうも4th&Longで何かを見た記憶がなかったなーという感覚通り、Hurtsはポケットから追い出されて何も起こらないサックに。
命脈を保ったのは新加入のじじい2名。フットボールが出来る喜びであろう。
共同作業でサックを決めて悪いフィールドポジションを凌ぐ。
だが、いい加減にしろよ。
自陣5ydから始まったOffenseはまたしてもラン・ラン・ランで3凡。
何がしたいの?
押し込まれた状態でPuntを蹴ってもフィールドポジションは悪く、その後数プレーでIND OffenseはPHI陣に侵入。
だがここで先方Kが50ydのFGを失敗してくれてPHI Offenseの出番。
あとがない時に頼りにするものは1つ。
Hurtsの脚である。
Hurtsのデザインラン2発とオフサイドに助けられて敵陣に侵入。
ここで伝家の宝刀、スクランブルを抜き放って23ydsを怒りの突進。
投げ捨てを挟んで、最後はWatkinsに22ydsのパスを通して4Q序盤にしてようやくこの日初TD。(10-13)
このTDで奮起したのは両軍のDefense。
まずはPHI Defense。Taylorの中央のランがスクラム状態になってグダグダ前進している隙にEppsがボールを掻きだすことに成功。それをTJがリカバーして欲しかったテイクアウェイに。
しかしその3プレー後。
AJがRACに出たところでINDのLB FranklinのきれいなパンチングでAJがファンブル。
それを拾われ、IND Offenseに。
パスでの組み立てに切り替えた風のIND OffenseはPierce・Campbellへの長いパスなどであれよあれよとPHIゴール前5yd地点まで。
ここで最近沈黙していたReddickが値千金のサック。
FGにとどめる。(10-16)
残り時間は4:37。
だがここまで10点しか取れていないチームらしく明確な攻め手はなし。
ドタバタした感じを見せながら、SandersがFranklinから貰ったDPIで敵陣に侵入。
最後は残り時間1:24でHurtsが綺麗なQBドローでがっぽり空いたフィールドの真ん中を走り抜けてTD。(17-16)
最後のPHI Defenseは、先週失態を演じたGrahamが汚名返上のQBサック。
観ている側も疲れた試合はこれにて終了。
主なスタッツ
結局Goedertの穴は期待していた若手TE陣では全く埋められず、ここの不在がOffense全体に大きく影を落とした内容だっただけに、今後の戦いへの不安は継続。
一方でランディフェンスのスタッツを見ていただければわかるように、心配していたTaylorのところは、散々に切り裂かれた開幕シリーズ以降しっかり抑えた形。
合計の26回99yds1TDから開幕シリーズの7回49yds1TDを引くと、19回50yds(Avg.2.6yds)0TDとなるのでまあこれはご立派。
良かった人たち
Linval Joseph & Ndamukong Suh
新参者のベテランDT2枚。
加入効果はてきめんでした。
Josephは早速26スナップ(40%)に出場。
Kelceが"対戦してきたDTのなかでも群を抜いて強い"と評していた男の実力は全く錆びついておらず、INDのIOLの前に立ちはだかり続けた。
なんならDavisぐらいあるいはそれを超える存在感だった。
約10ヵ月ぶりのプレーでこれなので今後勘を取り戻していくにつれてもうちょっと上積みは期待できそう。
Suhも同様で、やはりもう新人の頃のような衝撃はないが、ランストップもパスラッシュもレベル高い。
早速2人のコンビでサックが見られたのは最高でした。
そしてこの2人の加入の副産物として、CoxとMiltonも割と良かった。
Coxは自分より上が入ってきて引き締まったとかあるのか?急に復活してましたな。
Joseph加入によってスナップ数が減ったこともプラスに働いていた様子。
怖い怖いSuh先輩の下で、もうしばらくの間ピリっとやっていただきたい。
MiltonはオールプロG BigQ相手にもブロックすぐ外せてたり、いやもう不遜ながら"勝った"と表現したいプレーもあったりとだいぶ光っていた。
非常の頼もしい。
今オフのDT陣の動きを考えると、現時点ではHargrave延長・Cox放流・ドラ1でオールマイティ指名という動きが一番良いのではないかと思っているところ、現時点のMiltonでも繋ぎとして十分やっていけそうなので、未知数の"ドラ1"のところがMilton自身のようにやや本格化まで時間がかかるタイプでも良くなりそう。
楽しみです。
皆さん引き続き頼みます。
DC Jonathan Gannon
そんな簡単に手のひら返したくはないのだが、ランブリッツの工夫とか、Zone Blitzのタイミングとか、良かったんじゃないでしょうか。
止めてくれる分には文句ないわけですよ。
今後の課題は、引き続きBoxが軽い時のランストップ問題。
開幕シリーズのように軽いメンツのときにノーハドルされ続けた場合の対応をどうするのか。
とはいえこの日のランブリッツの感じじゃクリアできそうだな。
はやくどっかのHCなれよ。
Jalen Hurts
良かったと思いますよ。
スクランブルで打開する、というのはOffenseが良くないときのバロメーターみたいなものだと思っており、そういう点でOffense全体としては良くなかったんでしょう。
ただ、困ったときに使える武器があること、そしてこういう展開でもしっかり勝てたことは大きな成果。
変なパスもなかったし、なんならWatkinsへのTDパスのコントロールは見事でした。
敢えて言うと、もうちょっとTE陣にも投げて欲しいところ。
Stollも別に悪くなく、Goedertと同じような空き方にはなっていたが信頼がなければガラ空きでもないターゲットには投げられないということか。
信頼感の醸成、早めにお願いします。
OL
懸案のMailata vs Ngakoueのところはなんと無傷。
Ngakoue自体は1.5サックを計上しているが、1つはSandersからのもので、0.5の方はMailataに完封されたあと、スクランブルをタックルして半分もらった分。
確かにラン自体はあまり出なかったが、アレはプレーコールの工夫がなさすぎるせいに個人的にはしたい。
INDはHurtsのランの守り方も非常に上手かったし。
StewartにしてもBucknerにしても、やっぱり無理か…と思う場面は1つもなかったし、浴びた3サックにOL責任のものは皆無(たぶん)。
ランブロックではやはりそれなりに苦労していたが、少なくともパスにおいてプレッシャーがキツいと感じられる場面はなかった。
Gus Bradley相手にこれは上出来。
責められるべきはKelceのスナップぐらい。
あれはまあ結構頻繁にやるのでクジ運が悪かっただけだと思いましょう。
その他はいい出来でした。(ホールディングが多かったが、両軍に対してちょっとキツめの審判だったのでこれもクジ運)
悪かった人たち
AJ Brown
シーズン序盤の輝きは一体どこへ消えたのか。
この試合はGilmoreに封殺されていた風。
というか多分INDのLB陣が上手くてInsideに入ってもあまりスペースを与えられていなかった印象。
まあ巡り合わせだと思えばいいのか。こういう時にDeVontaといういいWRがもう1枚いるというのは非常に助かりますね。
Calcaterra & Tyree Jackson
期待の若手TE陣は早速の出番増に対してまずは反則2発で不安に応えてみせた。
そういうのはいらない。
Calcaterraはやっぱりブロッキング下手だな。
Jacksonの、AJの18ydsレシーブを消したOPIは、本当に何を目的にしたのかわからないレベルの低い凡プレーだった。
猛省を求める。
OC Shane Steichen
急にどうしてあんなにレベルが低いプレーコーラーになっちゃったのか。
Hurtsのランはしっかり警戒されており序盤から明確に消されていた。
しかも消し方のバリエーションも豊富だった。
そんな状況でランランラン?
何を考えているのかねあんたは。
RPOならまだわかる。LBの動きも速かったし。
だがそれっぽいプレーはあまり見られなかった。
いったいどういうスカウティングでRPOを捨てて安直なZone Read祭りを開催したのか。
33回143ydsはそれなりのラン成績だが、実態はHurtsのスクランブルがほとんど。
SandersもBostonも最後の1枚にひっかけられるシーンが目立つなどあまり良くなかったが、それにしてもプレーコールの意図が全くわからなかった。
それほどパスが無理な状況にも追い込まれていなかったしプロテクションは保っていたし。
シーズン序盤から一番気に入らないのは4th Downのプレー選択。
この日もクソだったが、4th&Middle~LongをGoしなければならない場面でのコールに工夫がなさすぎる。
もうちょっとなんとかならんもんかね。
今後足を引っ張られることがなければいいんですが。
その他細々とはあったが、Steichenがこの日一番イケていなかった人で良いと思います。
感想
- やっぱりGoedertがいないとキツい。
これまではOffense力で牽引してきたところが大きかったが、Goedertがいないと威力は半減。 - 一方で、DT補強は完全に成功したのでDefenseはJordan Davis負傷前のレベルに戻ったか、それ以上になっているはず。
書いていなかったが、Maddoxの代役で入っているJosiah Scottも1回長いのを通されてしまったが良いプレーもあった。 - Offense力がないと今後の戦いがキツいが、一方でその穴を埋められる兆候がなかったのがこの試合一番のガッカリポイント。
Stollの劇的な成長というなさそうなことに期待しながらの観戦が続きそうなのはちょっとつらいところ。
雑に総括すると、Steichen仕事しろ、ということしかない。
ということで、やり玉はGannonからSteichenに替わりました。