鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2022 Week13 vsTEN感想

AJのリベンジマッチ。
1週間なんとか手綱を引き続けたSirianniとHurtsの努力の甲斐あって、AJはただただ気合いが入っているだけの状態に。
いい心持ちで試合に臨めたのではないでしょうか。

 

今季初めて攻守蹴が噛み合った試合でした。

 

結果PHI 35-10 TEN

 

 

展開振り返り

コイントス連敗。
PHI Offenseからの開幕を飾ったのはLaneのフォルススタート。
数えきれないほどあったフォルススタートのこれが1発目。
それに続くのはKelce。おまえもか。
長老2人のご機嫌フォルススタートで停滞しそうになったところをDeVontaへのミドルパスが通ってドライブは継続。
Gainwellへのパスとかとにかくパスをつないで進み、最後はDeVontaに34ydsのパスをヒットして先制。(7-0

 

PHI Defenseは早速Henryを連続でしっかりストップ。
迎えた3rd&4でこの日最初のサックがHargraveから飛び出して3凡。
だがそれに付き合ってPHI Offenseも3凡。
その後のTEN Offense。
Henryは止めるもののTannehillのスクランブルとか反則とかでじわじわと進まれ、最後はルーキーWR Treylon BurksにNCB Josiah Scottが一瞬でブチ抜かれてTD。
カバーに入ったEppsがヘルメットにヒットしてBurksが脳震盪で退場したのは完全な蛇足。(7-7

 

1Q終わりにボールを貰ったPHI Offenseはプレーが出るたびに怒涛の反則祭りで後退するというなんともリズムが悪いシリーズになったが、QuezAJStollへのパスでなんとか前進。
最後は敵陣40yd地点から右奥のAJにロングパスがヒットしてTD。
かと思いきや2歩目がラインをまたいでいたようでパス失敗。
しかし続くプレーで投げ直し。
左でどフリーになっていたAJにパスが通って今度こそTD。(14-7
CBに激突してなぎ倒したうえでフリーになっていた(判定はDPI)もので、NGS(Next Gen Stats)で統計取り始めて以来最大のセパレートydsのTDレシーブだったとのこと。
映像はこちらです。

 

ここから比較的静かな時間が続くが、2Q残り6:00。
TannehillからTE Okonkwoへのパスが通り、これを即タックルに行ったEppsがミスタックル。
結局41ydsのロングゲインとなり自陣ゴール前まで進出される。
が、ここでSweatが値千金のサック。
なんとかFG止まり。(14-10

 

返しのPHI Offense。
前半残り時間は3:28。
ここからの主軸は意外にもAJとDeVonta以外。
Sanders・Quez・Stoll・Gainwell×2とAJへのDPIでゴール前まで順調に進み、最後はHurtsのデザインランで大外をちぎってTD。
所用時間は2:30。(21-10

 

後半はTEN Offenseからだったが、ReddickとSweatの共同サックで3凡。
ここでCoveyにシーズン最長27ydsのPunt Returnが飛び出し、フィールド真ん中からPHI Offense。
DeVonta・AJ・Stollと繋ぎ、最後は29ydsを全くセパレートしていないAJに通してTD。
これは投げたHurtsも捕ったAJも本当に見事。(28-10

キャッチのスローモーションがこちら。

セパレートは0.6ydsだったそうです。

 

これ以降もいろいろあったが、ライン戦で完勝していたため安定したDefenseと、いつも通りの安全なOffenseとで4Q途中からは2ndチーム同士のプレシーズンゲームを消化して試合終了。

 

主なスタッツ

何といってもHurts
ややソフトなカバレッジが目立ったのもあるが、INTの気配も感じさせず、皮肉にもOLのバカたれどもが反則を大量生産してくれたおかげで1st Downからパスを投げざるを得ないシチュエーションが多発して結果的にそれが良い方向に働いたもの。
プレッシャーもほとんどかかっていない状況だったので随分ご機嫌にプレーしていた。OLというか多すぎる反則へのフラストレーションは出ていたが。

 

Defenseも良かった。
特に6サックおよびHenry完封に多大な寄与をしたDL陣。
序盤からの不満ポイントがここへきて強みに。
ランディフェンスは21回87ydsという成績だが、今季リーグ最多のブレークタックル数(25)とYards After Contact(562yds・1試合平均51yds)をマークしていた対Henry。
この試合ではラン11回30yds(キャリー平均2.7yds)、YACは驚異の3yds(キャリー平均0.3yds)に抑えたとのこと。
お見事。
カギだと思っていたHenryを完封したことは勝因の大きな部分を占めていたと思います。

 

 

良かった人たち

  • WR1a AJ Brown
    古巣相手のリベンジマッチ。
    何がそんなに不満だったのかはよくわかっていないが、PHIに来た時とかその前からちょいちょいTENへの不満は開陳していたはず。
    そしてその大一番でこの活躍。
    OPOWこそHurtsに譲ったが、8回119yds2TDは立派という言葉しかない。
    この試合をもって移籍を巡るアレコレとはお別れ。
    Hurtsも"AJにとってはここからが始まり"だと言っていた。
    フレッシュな気持ちで今後もよろしく。
    そんなAJさんからは、"I love Philly, baby!"とのこと。


  • QB Jalen Hurts
    めちゃくちゃ走った次の試合ではめちゃくちゃ投げて、2週連続のNFC OPOW受賞。
    まあね。
    QuezとDeVontaにショートした2本のパスぐらいしか文句つけたいものはなかった程度には完璧でしたからね。
    MVPどうのこうのという話も出てきたが、そういうのはMahomesでいい。
    が、上手くなっているのは間違いなかろう。
    しかし確信を持つためにはブリッツとディスガイズを信条とする2人のDCとの残り3試合が非常に重要。
    その内の1人が次戦で当たるNYGのDC Don Martindale
    もう1人は言わずと知れたDALのDan Quinn
    安心させてくれ。
    頼んだ。


  • WR1b DeVonta Smith
    初の両エース揃い踏み。
    スタッツ的には前半最後の相手が引きに引いている場面のスクリーンでの34ydsゲインが効いているのでちょっと盛られているところもあるが、AJにSが食いついたときにその裏でCBに勝つ、という見たかった姿で最初のTDになったのはとてもテンションが上がった。
    特に心配はしていないのでこの調子でよろしくお願いしますね。
    現在711yds。あと5試合なので1,000yds越えも射程圏内。
    期待しております。


  • TE Jack Stoll
    ようやくの複数キャッチ。
    ゾーンの切れ目で困ったときにHurtsと目が合ってる姿はGoedertそのもの。
    RACがないだけのGoedert。
    ドロップもなかったしあれだけ出来れば十分です。
    良い成長だと思います。


  • RB Kenneth Gainwell
    あんたそんなRACキレキレな人でしたっけ?
    出番自体はそれほど多くなかったが、必要な時にあと5ydsを獲れ続けたのは素晴らしいとしか。
    はいRB2。


  • DL陣
    合計6サックはお見事。
    Sweat2サック・ReddickHargraveCoxGrahamが1つずつ。
    Sweatはやはりコンプリートな存在。
    特に2Qゴール前3rd&6からのサックは同点に至る流れを切る上でも最高のものだった。
    Reddickはさすがの安定感。
    スタンツの幅が非常に広がっているのはこの男のおかげ。
    現在9サック。
    あと1つで、"史上初めてそれぞれ異なるチームで3シーズン連続2ケタサックを挙げた男"というよくわからない称号を手にすることが出来るのだとか。

    この日主に標的になったのはTENのLGとLT。
    ここが控え勢だったようで、特にこのエリアを主戦場にしていたHargraveSweatは大暴れ。
    そしてCoxは先週に引き続き絶好調。
    Grahamのサックも見事だったしこやつはその前にも先方のルーキーTE Okonkwoにパンケーキをお見舞いしていた。
    34か35歳でこれだけ動けるとなるとあと2年ぐらいいていただいてもいいかもしれませんね。お安い前提で。
    当然JosephにしてもSuhにしても光るプレーを目撃しました。
    まあ吐くほど投資してるユニットなのでこれぐらいは当然。

    ちなみに。
    この試合がIRからの復帰戦だったNT Jordan Davisだが、完治まではほど遠かったのか途中足を引きずって退場。
    終盤に再度出てきて結果的には6スナップのみ。
    ただ、出てきたときはやはり異次元。
    RGを片手でコントロールしていたのには開いた口が塞がらなかった。
    試合の最後まで出ていたのは調整かなにかか。
    プレーオフに向けてあげていってくださいませ。


  • S Reed Blankenship
    MNFで負傷したCJGJの代役として現れ、いきなりAaron RodgersからPickしてしまったことで注目を浴びたこの男の2戦目。
    Hooperへのパスを叩き落したPDは非常に印象的だったしそれ以外にもパス失敗に追い込んだものも2~3回あったはず。
    ランストップも悪いものはなかった。
    3QのOkonkwoへのスクリーンを25yd一気に駆け上がって10yds程度の傷に抑えたプレーは感心した。速いのね。
    総じて非常に良かった、という結論で良いのではないでしょうか。
    Eppsがアレだったので、CJGJ復帰時あるいは来年以降の混沌とするS情勢の主役はこの男。


  • LB Nakobe Dean
    やっとお目にかかれた。
    これまでの試合では見たことがないぐらい7menあるいは8menのBoxが多かった序盤だったが、それでもLBはTJとWhiteの2枚が入っていることが最多。
    あとはDTとDBをBox内に入れることで賄っていた。
    まあそれで止まっていたので全く文句はなかったが。
    しかし3QにWhiteが一瞬負傷退場。多分スネの打撲。
    痛いけど動きには支障がないあれです。
    そしてその隙にいよいよDean登場。

    交代後最初のプレーでいきなりHoldingを貰うナイスなふるまい。
    まあこれはOLを外せないままRBにタックルしに行ったものなので良いプレーだったかは微妙。肩のケガを招きかねないものだったのでこういうのは自粛していただきたい所存。
    OLが伸びてきたときの動きはまだまだだが、穴が開いたときの思い切りの良さは本当に素晴らしい。
    はええし。
    では見事なTFLの映像をご覧いただきたい。

    もとより心配していなかったパスカバレッジではさすがのスピードを見せていた。

    こういうのも含めて、彼の全スナップをまとめてくれている奇特なかたがいらっしゃったのでお時間ございましたら是非。

     俺たちの未来そのもの。



  • STC Michael Clay & PR Britain Covey
    もう在庫がないぐらい悪口を並べてきたが、この日のPunt Returnはナイスだった。
    こういうのだよ。
    6回105ydsというPuntでの1試合のリターンヤードは今季リーグ2位なのだとか。
    この試合で今季初めてPSから昇格したLB Christian EllissがSTのキープレーヤーだったようで、非常にいい働きをしていたとのこと。
    そう聞いてPunt Returnを見返してみるとキーブロッカーはLB Shaun Bradleyだった。
    なんだそりゃ。
    改善の原因がわからないのでTEN側の問題かもしれないし偶然かもしれないが、この試合に関しては素晴らしいユニットになっていたことは事実。
    願いは1つだけ。
    これを続けてくれい。


悪かった人たち

  • OL
    深謀遠慮と言わざるを得ない。
    反則はする。
    ただし、下がった分をパスで取り返すときのプロテクションは漏らさない。
    結果的に痛いランブロックをせずとも先週より効率よく進んでいく。
    これは新手のサボタージュ
    許すかよ。
    山のように積み上げたフォルススタートはなんと7回(HurtsとStollの分も含む)。
    ディクラインされた分も含めてHoldingはLaneとSeumaloとKelceとDickerson(×2)。
    多い。
    5人みんな1つ以上反則するとか仲良しかよ。
    いい加減にしなさいよ。
    まあ勝てたから良し。
    というかプロテクションの安定感はさすがだった。素晴らしい。
    結果的にランがあまり出ていないように見えるが、出てはいたのですよ。
    問題は反則とセットだったのでほぼ取り消されたこと。
    心配は全くしていないのが、フォルススタートだけはストレスになるので勘弁してください。


  • S Marcus Epps & NCB Josiah Scott
    数少ないダメプレーが目に付いた選手たち。
    EppsがBurksを壊したプレーは、Scottが一瞬でブチ抜かれたこととシングルハイだったEppsがそっちを全く見ておらずカバーが遅れたことの合わせ技。
    両方大反省しなはれ。
    Eppsはその後Okonkwoへのタックルミスが失点につながったし、Scottもあと1回ぐらいブチ抜かれを見た。
    まあScottはMaddoxの代役でしかないのである程度は許す。
    問題はEpps。
    あんたは先発です。
    Blankenshipというイキのいい奴も出てきた。
    立場は自分で守ってください。
    努力の人だと聞いている。
    しっかり反省して次こそはよろしくお願いしますよ。

 

 

感想

チーム全体でTEN戦にかける意気込みは相当に高かった様子。
AJはもちろんだが、特にランDefenseがだいぶやられがちだったシーズン中盤を経て、"フィジカルじゃない"というフットボーラーとして許容できない批判に晒されることが多かったDefenseのメンツは、リーグの"フィジカル"を代表するHenry以下TEN戦に向けてかなり気合が入っていた。
それはDTからCBに至るまで同じ気持ちだったよう。

 

蓋を開ければこの内容。
試合後にHargraveが"TENはフィジカルなチームだが俺たちも負けてなかった"と言っていたことが全てだろう。

 

ずっと足を引っ張り続けたSTもビッグプレーを連発していたのが非常に心強く、この試合が間違いなく今季のベストゲーム。

 

各チームケガ人が増えてくるこの時期にこんな内容の試合が出来たのはとても素晴らしい。
次戦は敵地でNYG。
Hurtsがキャリアワーストを叩き出したのもMetLifeでのNYG戦だった。
1年前とは違うのだよ、というものだけが見たい。
よろしく。