"I’d go to war with any of these guys, any day."
(あいつらとだったらいつでも戦争にいけるよ)
ーDarius Slayー
The Players' Tribuneという媒体で我らがSlayが"PHILLY"という記事を書いている。
本当に最高なので時間があれば読んでいただきたい。
当時のDETのHC(Matt Patricia)との意見の相違でDETをあとにしたところから始まり、PHIで受け入れられたこと、キャプテンに選ばれたときの感動。
Sirianniという素晴らしいコーチのもと、チームはファミリーを感じさせる雰囲気を湛えていること、今季はAJ加入時からPHIには予感が満ちていたこと、そして、Jalen Hurtsという若きリーダーのこと、James Bradberryという寡黙でストイックな同僚と同じチームにいられる歓びと、彼を解雇したチームへの本人以上の憤り。
他にはTJとWhiteという過小評価LB陣のこととかも。
とにかく全編に亘ってチームへの愛が満ちた何とも素晴らしい記事になっている。
本当にいいチームの雰囲気だそうで。
ターニングポイントとなったのは、苦しかったIND戦。
試合終盤の追いかけている状況で、大エースAJがファンブルロストした時点で下を向いてしまいそうなチームに、その背中で喝を入れ続けたHurts。
苦しかった分結束を強める試合にもなったと。
そしてあの試合でリーダーとしてのHurtsはまた株を上げることとなった。
そんなストーリーは8チームにそれぞれあるのでしょう。
そして、それぞれに負けられないのはわかっている。
これまで作りあげたチームの生き様同士がぶつかり合う、いよいよ集大成となるプレーオフが始まります。
ケガ人情報
PHI
Thursday injury report#NYGvsPHI pic.twitter.com/jcxCNH8Xae
— Philadelphia Eagles (@Eagles) 2023年1月19日
MaddoxがOUT。
それ以外については、HurtsもLaneもSweatも、体調は万全の様子。
開幕時点の先発は、Maddoxを除いてこれにて全員復活でございます。
Maddoxの穴はWeek18同様CJGJが埋めてBlankenship(もしくは一時昇格したAnthony Harris)がSSに入ることになるので、実は開幕時点よりいいDefenseなのかもしれない。
NYG
IR:
WR Sterling Shepard(膝)
WR Wan'Dale Robinson(膝)
CB Aaron Robinson(膝)
OG Shane Lemieux(つま先) 他多数
Questionable:
OLB Azeez Ojulari(四頭筋)
こちらも万全。
少し前にAdoree' JacksonもXavier McKinneyも復活していたので、過去2戦とは比較にならないほどにDB陣もフルパワー。
上等なのである。
マッチアップ
PHI Offense
- 宗旨替えしたという噂が流れているのが、NYGのDC Wink Martindale。
Week16までは43.7%という(高すぎる)比率でマンツーマンを敷いていたのが、それ以降のマンツーマン比率はわずか15.3%に止まるとのこと。
もしかしたらXavier McKinneyとかの不在でやむにやまれずコンセプトを変更したのかもしれないが、それ以降順調に推移しているからタチが悪い。
マンツーマン&プレッシャーフロントのルックからゾーンカバレッジ&4menプレッシャーでプレーを実行することでQBを、特にKirk Cousinsを陥れたのだとか。 - となると、キーマンはど真ん中に鎮座するDexter Lawrence。
今季大爆発中のこのAll-Pro DTをKelceがしっかり消せるか。
Donaldを除くと目下リーグトップのDTだということで異論ないが、タイプ的に苦手ではあろうが頑張ってもらうしかない。
去年のプレーオフでのvs Vita Veaのようにはならぬようよろしく頼む。 - Adoree' Jacksonを中心としたDB陣がJustin Jeffersonを消したらしいが、仮にAJがべったべたにつかれたとて、DeVontaとGoedertを最大限使えれば問題ないはず。
Sirianni&Steichenへ。いいデザインとコールをお願いします。
例えプレッシャーがキツくなってもスクリーンにばかり逃げることのなきよう。
それはMINがハマったのと同じ落とし穴です。 - RB Boston Scott。
Giants Killerとして活躍を願っております。
どちらかというとKick Offのリターンで違いを見せてくれると嬉しい。 - Hurtsの肩の具合は、まだ100%にはなっていないのだろうが、とはいえこの状況で制約を設ける理由もない。
ランもちょっとは増やして良いと思いますよ。
PHI Defense
- Dabollがとうとう本気を出してきている。
とにかくBarkleyを活かそうとするときのプレーデザインが美しい。
この分野にかけてはStoutland先生も相当な腕前だと存じ上げているが、Dabollもなかなか。
出たランプレーを見直してみると、ミスディレクション(逆サイドへのJetモーションをはじめとするFieldを横切るバックフィールドのフェイクが中心)をしっかり入れることによってLBの脚がベタっと止まる。
その隙にC・Gあたりのプルアウトによっていつの間にかブロックは完成してしまっているという凶悪なシロモノ。
LBがOLの動きにがっついて飛んでいくとその裏のフラットとかが延々に空き続けるという恐怖映像が目に浮かぶ。
どう止めればいいか。
そんなものは知らぬ。
Gannonなんとかせい。HCインタビューもバイウィーク中に終わってるはずなので準備万端だと信じております。
まあこれまでもBarkley相手には相性が良さそうなところを見せているのでGannonはなにかしら上手いことやっているのでしょう。
久しぶりにフルパワーBarkleyとマッチアップすることになるわけだが、なんとか頼みます。 - こんなランがあることに加えて、プレーアクションの使いどころも大変お上手。
Daniel Jonesは今季プレーアクションからのパスで75.2%というリーグ2位の成功率を収めているのだとか。
ただ、MINのザルパスD#(リーグ最下位)とPHIのパスD#を比べないでいただきたい。 - Hodginsとかいうのがだいぶめんどくさそうだ。
Bradberryさん頼みます。 - 崩しどころはRT Evan Neal。
MIN相手にもやられていたシーンを見た。
ここをReddickがしっかり壊し続ければJonesもパスどころじゃないでしょう。
ただし、Jonesのスクランブルにだけは最大の注意を払っていただきたく。
WhiteをQB Spyにつけるのがいいのでしょうが、ずっとそうしていられる余力があるかは疑問。
まずは規律あるパスラッシュがなによりも大事なので、特に両DTにおかれてはポケットにしっかり蓋をするという重要なお仕事、抜かりなく頼みます。
ここがあれだと叫んじゃうかもしれない。 - Andrew ThomasがAll-Pro 2ndチームだそうで。
立派な肩書ですね。
あなたのマッチアップは、今季プロボウルにも選ばれることはなかったが、プレーオフに向けて並々ならぬ意欲を見せるJosh Sweatです。
1年前、Wild Card Round直前に、"命にかかわる状態"というアナウンスだけで欠場となったSweatだが、これが内臓関係のどこかの動脈が破裂してどうのこうの、という本当に死にかけたものだったらしい。
治ったときには体重も15㎏ほど減らしたようだが、めげない男はそこから見事な復活劇。
経験したことがないので何とも言えないが、やはり死にかけた人間はそこで何かを見るのだろうか。
彼が見たものを知る由はないが、再び身体を作り直した今季、キャリアハイの11.0サックの活躍ぶり。
ランストップも成長しており、もはやコンプリートな存在。
趣味はPCの自作、というNFL選手にしては変わった嗜好を持つこの男は、オフになると6'5"(195cm)の大きな体を小さく丸めてPC作りに励むのだとか。
きっかけは、高校時代にのめり込んでいたゲームで上に行くために高性能のPCが必要になったが、8人兄弟の家庭にそんな余裕はなかったことだったそう。
するとSweat少年は、信じられないことに、事前の知識もないまま部品代だけもらって、YouTubeを眺めながら、持ち前の集中力を発揮してPC作りに取り組んだそう。
もとより異常な集中力を持ち主のようで、リハビリもトレーニングも、強く止められないとやりすぎてしまう性格なのだとか。
そんな、のめり込むと止められない男にとって自作PCという領域はなかなかに奥が深いようで、3年40Mの契約を獲得してもなおPC作りはやめられないのだとか。
そして、奥が深いという意味ではフットボールも同様。
トップリクルートだった高校当時を振り返って、
"あの時はどうやら周りより上手いっぽかったからプレーしていた。"と述懐する。
しかし、その高校時代に見舞われた、脚を切断する直前までの大ケガといい去年の病気といい、とかく人生が用意する試練がタフすぎるように見える男は、数々の試練を乗り越えるのに絶対に必要な原動力を見出したのか、その後にはこう続ける。
"でも、今は、本当に好きだから、もっとうまくなりたいからプレーしている。
偉大でありたい。優秀でありたい。
普段はそんな言葉も使わないけど、他の人が言っているような存在になりたい。"
偉大な存在になるチャンスがついに巡ってきた。
待ちに待ったプレーオフ。
何度でもあのセレブレーションを見せてください。
見たいもの
- 勝ってください。
見たいものはそれだけです。
くだんの寄稿、Slayはこう結ぶ。
"We never went into this season thinking we were underdogs. We don’t fear nothing. So, I’m ready. I’m damn proud of this group — this family.
Philly fans, baby, we gotta take it one game at time. I know how y’all get, so don’t think too far ahead. We just got to take care of the next one, and the next one, and the next one."
(今シーズンに向けて、自分たちがアンダードッグだと思ったことは一度もない。何も恐れていない。だから、準備はできている。このグループを誇りに思う。このファミリーを。
フィリーのファンよ、1試合1試合を大切にしなければなりません。君たちの気持ちはわかるから、あまり先のことは考えないでくれ。次の試合、次の試合、次の試合とやっていくしかないんだ。)
このファミリーでの最後になるかもしれない試合。
こっちも目の前の試合に集中します。
GO BIRDS!!