鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2022シーズンのお仕事(RB篇)

テンションが上がっていたDC Jim Leonhard説は霧消。
Leonhardはコーチを休んで腰(股関節?)の手術を行うらしい。選手かよ。

 

DC候補はオーナー面談まで進んだVance Josephが最右翼という様相。
Desaiの名もDennard Wilsonの名も消えていはいないが、さてどうなることでしょうか。

 

では本題のRB振り返りです。

 

 

2022シーズン開幕前

開幕前の陣容は以下の通り。

 

StayMiles Sanders('19/2巡)・Kenneth Gainwell('21/5巡)・Boston Scott('18/PS/NO)
OUTJordan Howard('20/Street FA)
INTrey Sermon('22/Waiver←SF)

 

唯一のパワーバックとして2021シーズン中盤を支えたHowardが離脱したことで手薄になっていたパワー枠にはSFをカットされたSermonを拾って開幕。

 

ドラ2まで使ったのに2020・2021のSandersがどうにも物足りなかったことへのフラストレーションが強かったようで、開幕前のRBへの想いは以下のようなものだったそうです。

 

RB(4)

だいぶ補強が進んだロスターにおけるまごうことなき最弱ポジション。
ここへの投資を舐めすぎているのでどこかで痛い目に遭いそうな気がしてならない。

 

#26 Miles Sanders(Penn State)5'11"(180cm)211lbs(96kg)25歳 4年目(1.7M・4/4)

2021:12試合(先発12試合)137回 754yds(Avg. 5.5yds)0TD 1Fum 1Lost/26回捕球158yds(Avg. 6.1yds)0TD

 

ラン獲得ヤードNFL1位の強力ランユニットにおいてエースRBが残した0TDという衝撃スタッツ。
キャリー平均では立派な数字を残しているが、ケガが多く計算しづらいうえにとにかくショートヤードが弱く、いつの間にか落球王も襲名しており、ファンブル癖もあってシチュエーションを理解する頭がないので僅差でリードしている終盤に平気でサイドラインを割ったりする。これで干されてもいた。
さらに危うく舌禍事件まで引き起こしそうになる程度にはフィールド外でも頭悪い。
さて、なんでまだこいつがエースなんでしょうか。なんと層が薄いRB陣でしょう。

擁護するなら、ルーキー時代の彼はパスキャッチも出来たしファンブル…は記憶にあるがプロテクションも堅実で試合終了間際に1st Downを獲得してニーダウンしていた程度には賢かった。

 

どこでどう間違ったのか。一刻も早くあの頃を思い出してほしい。
プレシーズン初戦にわずか6プレーで傷めたハムストリングの状態はだいぶ良くなったようで開幕戦には間に合う予定。
残留ラインは15試合出場、ラン獲得1,200yds15TD。
さもなくば1巡でBijan Robinson(Texas)もしくは2巡でTank Bigsby(Auburn)。

 

 

#35 Boston Scott(Louisiana Tech)5'6"(168cm)203lbs(92kg)27歳 4年目(1.8M・1/1)

2021:16試合(先発4試合)87回 373yds(Avg. 4.3yds)7TD 1Fum 1Lost/13回捕球83yds(Avg. 6.4yds)0TD

 

2019シーズン終盤に現れた救世主は意外と替えがきかないまま単年契約で迎えるPHI4年目。
小さくて片手で倒されることもあるが、ショートヤードで意外な効率の良さを発揮する。
的としては異常に小さいがパスキャッチもそれなり。ただ、ちょっと頭が悪くてプロテクションでは全くの無力。
エースにはとても据えられないがバックアップとしてはそれなりにやる。
が、やっぱり彼がRB2というのはなんとも物足りない。
そういえば彼もNOでドラフトされてた。

 

 

#14 Kenneth Gainwell(Memphis)5'9"(175cm)200lbs(91kg)23歳 2年目(0.9M・2/4)

2021:16試合(先発1試合)68回 291yds(Avg. 4.3yds)5TD 2Fum 1Lost/33回捕球253yds(Avg. 7.7yds)1TD

 

2021ドラフト5巡の2年目RBには、頼りないSandersを超えてほしいという期待があったがキャンプとプレシーズンを終えた現時点ではやや期待外れ。
単に期待が大きすぎた説はある。
ショートエリアを走るのが上手いのは認めるが、爆発的なスピードはないしおまけにキャンプでは派手に落球を繰り返していたと聞く。
その分野は得意だったはずですが。 初めてのオフを過ごして蓋を開けたら大エースになっていた、という夢のような話はどうやらなさそうだが、ブレーク候補には変わらない。

 

 

#34 Trey Sermon(Ohio State)6'0"(183cm)215lbs(98kg)23歳 2年目(0.9M・2/4)

2021(SF):9試合(先発2試合)41回 167yds(Avg. 4.1yds)1TD/3回捕球26yds(Avg. 8.7yds)0TD

 

こちらはSFにトレードアップしてまで3巡指名されたのに結局1年で放流されてしまった男。 このサイズで40yd4.61はスピード不足。ただ、パスキャッチも器用でプロテクションもそれなりにやるという噂。
渇望したパワー系であることに安堵はしたが、それでもLeGarrette BlountとかJordan Howardといった最近興奮したパワー系と比べると2段ぐらい落ちる。
SFでの試合を見たが、スピードに乗ってディフェンダーにヒットしにいけば3ydsぐらい稼げそうなところをどうもダンスして華麗に交わそうとする。
あんたそのタイプでもないしそんなスピードもなかろうよ。
ダンサー系RBはよほどの爆発力がない限り嫌いです。
どうにも興奮しない補強にはなったが、出番が来れば応援する。
考えるな。ブチかませ。
ショートヤードでダンスしたらブーイング。

2022シーズン53紹介 - 鷲の巣

 

 

 

2022シーズン結果

※数字はプレーオフを含みます。

*Sanders:Pro Bowl選出

 

Sandersは、まさか勝手に設定した"15試合出場ラン獲得1,200yds15TD"という達成不可能に思われた残留ラインを越えてくるとは。
15TDは叶わなかったがレギュラーシーズンの11TDという数字はリーグ8位だしそもそも相当数がHurtsに持っていかれているのでもう達成と言っていいでしょう。
レギュラーシーズンの1,269ydsもリーグ5位だしNFCでは同門の先輩Barkley(NYG)に次ぐ2位なのでプロボウル選出は本当に妥当。

 

懸念していたファンブル癖も1ファンブル(1ロスト)に収まったのは成長と言っていいでしょう。
期待していなかっただけにこれらの数字には驚きである。
そしてさようなら。

 

 

Gainwellは、芳しくなかった開幕前の評判のまま、序盤はドロップからINTを招いたりと散々な出来だったが、その後徐々に復調というか成長を見せた。
そしてレギュラーシーズン全体では240yds4TDという数字だったのに、ポストシーズンでは3試合でMcCaffrey(SF)・Pacheco(KC)に次ぐ181yds(Avg. 5.5yds)という立派な数字を残している。
Divisional RoundのNYG戦ではキャリアハイの112ydsを記録したし、いよいよ独り立ちの気配。
パスレシーブの数字がSandersを大きく上回ったことにも好感が持てる。
捕った直後に1人目のタックルを躱すのがお上手だとお見受けした。
そして何よりもプロテクションが優秀なことが全く心強い。
大変よろしい。
是非2023シーズンはエースRBとしてよろしく頼む。

 

小さくてスピード命のいわゆる"Scat Back"(代表例はDarren Sproles)として進境著しかったのがBoston Scott
このテのタイプ特有のオープンフィールドでしか輝けないということはなく、密集地帯でスペースを見つけるのもお上手だったのでRB3としては優秀だったはず。
上述のスタッツには現れていないが、Kick Offのリターナーとして重宝した。
リターン数が15回と少なかったため参考記録にはなるが、Avg.27.1ydsという数字はリーグ7位相当。
最長66ydsはリーグ8位なので結構優秀。

 

ただ、2021シーズンにHurtsの足首を破壊した前科があるようにパスプロテクションであまりに無力なのがこの人の限界であり、RB3としてならいいがそれ以上の出番を与えるのが難しいという悩みとは常に同居していく必要があるのがつらいところ。

 

Sermonは…1キャリーだけ良かった気がするがほぼ記憶なし。

 

 

2023シーズンに向けて

契約的には以下。(数字はキャップヒット)

誰もいなくなってしまう。
働いていないSermonがGainwellよりキャップヒットがデカいのは、2021ドラフトにおいてSermonが3巡でGainwellが5巡だから。

 

このポジションの来年以降については本当に悩ましい。
悩んでいるのは、"絶対にOffenseのアップグレードは必要"だと思いながら、ではRBにどの程度の投資をするのか、という程度の問題。

 

RBというポジションには、アナリティクス原理主義であるRosemanは金をかけない。
何故なら"ランゲームへの投資は無駄"だとアナリティクスでは考えるから。
RBにかける金があるならWRとかOLにかけたほうがいいとは個人的にも思う。
アナリティクスについては過去に調べた気がするので時間がある方は↓をご覧いただきたく。

eagles-nest.hatenablog.com

 

ただ、そこに例外があるとすればランパス両面で輝ける、現代Offenseにおける理想のRBであるCristian McCaffrey
事実Rosemanはシーズン中の彼のトレード話にも食いついていたようだが、残念SFの投資額には及ばず。
McCaffreyの魅力の1つには、もちろん彼のキャップ事情(2022:0.7M・2023-25:12Mただしデッドマネーなし)も含まれる。

そう考えると2巡・3巡・4巡+翌年5巡という当時は過大に見えたSFの投資はさほど的外れでもなかったんだな、というのは結果論。
あの時はこんなに機能すると全く思えなかった。

 

本題に戻ってMcCaffreyがいないPHIの話。
HurtsAJと徐々にキャップ事情が苦しくなってくることが見えている状況におけるRB補強はドラフトに頼らざるを得ない。
しかし、RBとの契約延長なんて自分が地獄に落ちることぐらい考えたことがないRosemanにあって、果たして1巡指名という選択肢はあるのだろうか?

 

4年あるいは5年で手放すことがわかっているポジションへの1巡指名権の投資は妥当なのだろうか。
これが悩みの種。

 

PHI残留を熱望しているSandersと契約延長するかなんていう悩みは微塵もなかろう。
というわけで1巡でのBijan Robinson(Texas)指名という選択肢はもとより外しておくことが賢明。

個人的嗜好ではパワー寄りの例えばJosh Jacobs(LV)が欲しいがFAでトップRBを獲ってくるなんていう可能性は皆無。

 

現時点でのベストは、2巡以下になりそうかつSirianniが大好きなEmpty Formation(RBも1列目ないしは2列目にラインアップしてバックフィールドにはQB1人しか残っていないアレです)でも輝けそうなJahmyr Gibbs(Alabama)とか、リターナーとしても期待できるDevon Achane(Texas A&M)とか。

 

現実的な読みは、PHI Offenseとの相性が良さそうなSean Tucker(Syracuse)。
ブロックが完成するまで我慢できるところと、レーンを見つけた瞬間のバーストが素晴らしい。
パスも捕れる。
ルートランナーとしてはまだちゃんとわからないが、そこさえ満たせれば非常に良い補強になりそうな気配。
さてどこまで落ちてくれるのでしょうか。
3巡までに指名する必要性は高くありそうだが。

 

その他、Senior Bowlで再認識されたTyjae Spears(Tulane)も非常に良いとのことなのでこのあたりももちろんレーダー圏内。

 

Gainwellとタイプが異なるRBを、というのは諦めました。
似たようなのを2枚揃えることにしましょう。
出来れば3日目遅くにIsiah Pachecoが手に入ればこれ以上の喜びはない。

 

まあランという点ではそれなりの選手がくればみんな活躍してくれると思う。なぜならOLとStoutland先生がいらっしゃるから。
やはり問題はパスでの貢献。
ここが固そうなプロスペクトを探していきたい。

しかしどんどんトレードダウンしたくなってきたな。
2巡がいっぱいほしい。

 

 

GO BIRDS!!