結局いつも以上に動いてた。
目立った再構築(懸念していたLaneの分)もせぬままなのでまた来年度以降にたっぷりとVoidイヤーを仕込んだ契約になっていることでしょう。
KelceとLaneとMailataのOLの核とHurts・AJ・DeVonta・Goedertという武器が揃っているかぎり毎年オールインになっちゃうのはある程度やむなし。
ということでこれまでのFA市場についてです。
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やっぱり出て行かない
前エントリで"別れ"だと思ったSlayは、その後急転直下残留。
というか契約延長。
FA市場開場前に出た"RosemanがSlayの代理人にトレード先探しの許可を出した"という情報からも、契約最終年となる2023シーズンの26Mというキャップヒットが重荷になっていたであろうことは想像に難くなかったが、結局"リリース"という情報のリークからわずか12時間で"契約延長"という運びに。
残す場合の選択肢は、
- 契約再構築
ありがち。 - 契約延長
ありがち。 - ペイカット
ありがちだがあんまりRosemanがこれをしてるのは見たことがない。 - カットして売れ残ったところを再契約
ありがちだが売れ残らなそうなSlayぐらいのビッグネームだと難しい。 - 6/1指定カットとその直後の再契約までのセット
こんなことは滅多に起こらない。
というか32チームのなかでこんな狂ったことをしてるのは去年のFletchに対してのRosemanしか知らない。
という5種類ぐらいがあったはずだが、双方の選択は2年間の契約延長。
ベタって最高ですよね。
ということであと3シーズンはPHIにアニキがいる。
2年間の契約延長で、金額的には3年合計42M(23M保証)。
デカく見えるが、
23Mがサインボーナスだとすると、Slay的には17M入るはずだった2023のサラリーが6M増えて23Mになり、
チーム(キャップ)的にはその23Mが3年(もしくは5年というか絶対5年)に分割されることになり残りの19Mを契約期間の3年で当分すると、23M÷5年+(42M-23M=19M)÷3年≒11M弱になるので、まあ要は26Mだった2023のキャップヒットが15M程度減りますよ、ということだそうです。
なお詳細はまだ不明です。
もうちょっとバックロードにしてるはずです。
Bradberry(3年38Mうち20M保証)を超える契約額だが、CB市場において14M/年という規模はうえから11番目とかのようなので年齢を考えても妥当な規模。
とにかく本人のプライオリティはPHIに残ることだったようで、その線に沿って両陣営の話は進んだとのこと。
"Eagleとしてキャリアを終えることが目標だ。嘘をつくつもりはない。"と言って満面の笑みでサインしたBig Play Slay。
リーダーとしてもプレミアムな選手としても、あと3年間よろしく頼む。
8年越しのQBの獲得
QB2としてですが、ATLをカットされたときから、スキーム的にあまりにもフィットするので獲得を熱望していたMarcus Mariotaとの契約が成立。
懸念していた金額も、1年5Mとお安め。
彼との8年に亘る因縁ともこれにて一旦決着。
時は2015年。
HCはこれが最終年になるとまだ誰も知らなかった3年目を迎えるChip Kelly。
そしてこのドラフトには、ChipのOregon最終年のフレッシュマンにして全米ランク2位にまで上り詰めた最強Offenseの主演 Marcus Mariotaがエントリー。
動かぬわけがない。
前年になまじプレーオフに出てしまっていたばっかりに20位指名権しか持っていなかったPHIというかChipが全体2位指名権を持つTENに持ち掛けたのは、"先発QB Sam Bradford"あるいは"Fletcher Coxを含む大量の先発選手"。
で、一蹴。
What package are #Eagles talking about to go to No. 1 or No. 2? Two 1st rounders, a 3rd rounder, Fletcher Cox, Boykin, Kendricks, more. Wow.
— Ian Rapoport (@RapSheet) 2015年4月30日
これを呑まずにMariotaを指名して実らせられなかったTENと、おとなしく20位でバスト(Nelson Agholor)を引いたPHIと、チームを追われたChipと。
三方悪しという絶妙の結果に終わったこの一連の物語。
不幸にも当事者となってしまったMariotaが8年という期間を経て、今度は先発候補でもなんでもない形でPHIにやってくる。
なんというか、うまく表現する言葉を持たないのがもどかしいが、歳月とは残酷なものですね。
よく読めないニュース
CLEからUFAになっていたCB Greedy Williams(元LSU)を獲得。
素質は嘱望されていたし、"1巡"という声もあった気がするが、なぜかスリップして2巡46位でCLE行き。
そしてそのスリップが正しかったことを証明するかのように、まあよくケガしはる。
トレーニングキャンプ中に負った肩の重傷で全休した2020シーズンも含めてキャリア4年間で39試合出場(うち21試合先発)はやはりあまりに少ない。
ただ、ケガ以外に別に悪評は聞かないので、課題はすべてそこ。
まだ25歳。
素質は疑いようがないのでしっかり働いてくださいませ。
このニュースにおいて、よく理解できるのはエースDenzel Wardに加えてGreg Newsome II、さらにMartin EmersonとどんどんCBに当たりを引いちゃったCLEがGreedyを引き止めなかったこと。
わからないのが、このかつての2巡CBをわざわざ獲ってきておいてどう使うのか、ということ。
6'2"(約188cm=AJよりデカい)という身長から見ても、NCBというタイプではないし、キャリアの1,375スナップにおいてSlotにセットしたのはたった45スナップ。
Box内でプレーさせそうな形跡はない。
というわけで、恐らくJobe・McPhearsonが未知数な、Slay・Bradberryのバックアップ要員としての獲得。
高齢者を高額で引き止めておいて、そこのケガが怖いからとバックアップをそれなりの金額で連れてくるの、あんまりよくわからない動きではあるが、まあいいでしょう。
些細な不満だし、ケガがなければどれぐらいGreedyが働けるのかはだいぶ楽しみ。
2022シーズンの出番では9/10 163yds 2TDというやられ方で158.3のパーフェクト(被)レーディングを叩き出しているという情報には目をふさいでおく。
そしてまだSの先発が1人足りていない状況は継続中。
動向まとめ
ということで、CoxとSandersとKyzir Whiteのことに触れていないような気がしますが、ここまでの動きは以下のようなものになっています。
引退撤回
HoF Jason Kelce:1年14M
再契約
DE1 Brandon Graham:1年6M
RB3 Boston Scott:1年2M
CB1 James Bradberry:3年38M
DT2 Fletcher Cox:1年10M
契約延長
CB2 Darius Slay:2年42M延長
獲得
RB1 Rashaad Penny:1年1.35M
QB2 Marcus Mariota:1年5M
CB4 Greedy Williams:1年(詳細不明だがたぶんベテランミニマムの1.08Mぐらい。であってくれ。)
流出と補償ピック
DT1 Javon Hargrave(SF):4年84M
OT3 Andre Dillard(TEN):3年29M
LB1 T.J. Edwards(CHI):3年19.5M
RB1 Miles Sanders(CAR):4年25M
S1 Marcus Epps(LV):2年12M
LB2 Kyzir White(ARI):2年11M
QB2 Gardner Minshew(IND):1年3.5M
Hargraveが3巡なのは堅そうだが、Dillardは5巡と6巡のボーダーライン。
結構TENで試合に出れば5巡になりそう。
以降はWhiteまでが6巡圏内。
残る流出側の大物はIsaac SeumaloとCJGJだが、まあいずれも5巡になるかならないかでしょうな。
獲得側がお安い2名(Mariotaはカットされているので計算対象外)なので、とりあえず2024ドラフトでは3巡1つと6巡3つぐらいがもらえるのは確定だと思っておきましょう。
しかしあれだけ働いたTJが、あれだけ働かなかったDillardより薄給なのは何とかならんのか。
ポジションバリューという名の理不尽。
CJGJに関しては、ビッグマネーが欲しいものの、思っていたよりだいぶS市場が渋くて二進も三進も行っていない状況の様子。
状況打破のためにPHIに単年契約で帰ってくるか、PaytonがいるDENに行くか、ぐらいしか選択肢がないという噂だがさてどうなるか。
希望を恥ずかしげもなく開陳しておくと、4年30MぐらいでPHIに残るというのが見たいですね。
今すぐ払え案件
CJGJではない。
Jalen Hurtsに、である。
加入が決まってからHurtsと連絡を取ったというRashaad Pennyが言い表していた。
"あいつ(Hurts)は、SBに勝つ準備が出来ていると言った。俺はあいつに乗っかるよ。そして、このチーム全体もそうだ。みんなあいつに乗っかっている。"
思い出してほしい。
1年前のFA戦線では幼い頃からEaglesファンとして生きてきた地元民(Haason Reddick・Kyzir White)しか契約してくれなかったチームである。
それが1年経ったら、高額FAたち(Bradberry・Slay・Cox)が異口同音に
"他にもっといいオファーはあったがこのチームの一員でありたいと思った"
"このチームでSBを目指したい"
と言ってくれるチームになった。
全部が全部Hurtsのおかげだというつもりはない。
現地の熱狂的なファンたちも一役買っているのだろうし、あるいは力の源泉となっているOLルームや、はたまたSirianniなのかもしれない。
だが、やっぱり絶対Hurtsである。
有言実行を不言実行するこの男があってこそのこのチームである。
賢明なるRosemanさんよ。
払っちゃいな。
今すぐ払っちゃいなよ。
Mahomesを超える期間と金額の契約を今すぐまとめちゃったら良いと思うよ。
GO BIRDS!!