1週間経ってしまったが久しぶりにビッグニュースが(リーグ全体)にあったのでやはりHopkinsのことには触れざるを得ない。
その他、あまりにも小粒なPHIニュースたちと合わせてお届けいたします。
DeAndre Hopkins
リリース
長らくARIがトレード先を探しているという噂が立っていたWR DeAndre Hopkinsだが、このたび(というのも憚られるぐらいちょっと前に)リリースという運びに。
経緯を存じ上げなかったので軽く調べたところ、
- ARIとしては4シーズンに及んだKingsbury体制の終了およびGM交代というわかりやすい再建開始タイミングで、ドラフトの直前ぐらいにARIがHopkinsを売りに出そうとしていたことが発覚。
- だが値が折り合わずトレードは不成立。
- その後、OTA(organized team activities)に現れなかったことで報道が過熱。
ARI側は不参加を問題視していなかったようだが、Hopkins自身はBrandon Marshallのポッドキャストで、"安定した経営、ゲームを愛するQB、そして素晴らしいDefense"のチームでプレーしたいと発言。
"プレーしたい5人のQB"としてAllen(BUF)・Mahomes(KC)・Hurts(PHI)・Lamar(BAL)・Herbert(LAC)の個体名を挙げたのはさすがにMurrayの心中をお察しするしかない。
その後フォローしていたようだが。
つまり"勝てるチーム"に行きたいということだそうです。 - ARIの再建ターゲットは指名権をたんまり仕入れた2024以降。
今回のカットも"6/1指定"ではなく、2023シーズンにデッドマネーを全て計上する通常のカット。
なので2024シーズンはFA解禁から大暴れできるはず。
ちなみにHopkinsの残り契約期間は2年(2024シーズンまで)で
2023:19.45M30.8M
2024:15.915M27.2M
という契約。
(6/4:Cap Hitの数字が間違っておりました。すぎさんにご指摘いただきましたありがとうございます。というか契約なくなった選手のこの辺の数字探すのが難しすぎるOver The Capさんは何とかしてください。) - 未だにわからないのが、一流WRとしては今や"安い"と言っていい上記契約をして、(安くなかったので訂正します。)なぜチーム側はここまでしてHopkinsを手放したかったのか、という点。
再建に入るにしたって2024のサラリー考えたらいてもらって困ることはなかろうに。
ドラフトでは3巡でStanfordの逸材・WR Michael Wilsonを獲ってたが、一流の素質の裏側にあるすんごいケガする、という不安要素、Andy Reidをも怒らせた悪名高きARIの芝との相性は最悪なような気がするんですが。
他の駒もHopkinsを押し出すほど粒が大きいようには見えないし。
理由を求めるならケガも増えてきたしPEDの薬物規定違反で出場停止食らった件(次は1年間OUT)もあったしで直近2年の稼働が落ちていたのがさすがに割に合わなくなってきたということなんだろうか。
まあそうなんでしょうな。
以上、たぶん"パフォーマンスの低下を見切った""2024のキャップスペースを空けたい"という2点でARIはカットという決断をしたんでしょうな、事実はよくわかりませんが、という文章を長々と書いてみました。
新天地候補
詳細は省くが、上記Hopkins自身の希望およびHopkins関連の各チームの動向からして、現地の本命はトレードに動こうとしたNEと、WRの入れ替わりが激しいKC。
NEはHopkinsと因縁があるO'BrienがOCとなっている点でHopkins本人が望むかどうか、KCはかつかつのキャップがそれぞれ懸念なんだそうで。
なんとでもなりそうなのは後者なような気がしておりますが。
とはいえ正式な動きが起きないままだいぶ日が経ったことで各チームの番記者による"なぜHopkinsは○○(カバーチーム)にフィットするか"的な妄想記事が乱立しているのはとても楽しいいいぞもっとやれ。
その他噂レベルも含めると、Deshaun Watsonとのコンビ再結成となるCLE、古巣HOUなんかも候補っぽい情勢。
PHIに来るかどうか
気になるのはここなんだが、まあまず間違いなくRosemanは動きますよね。
WR3がOffenseのなかで一番ひどかったところだというのは世界にバレているところ。
このオフの動きを見るにつけて、SlotとしてのWR3は新加入のZaccheausで賄いそうな気がしており、Watkinsは不得手だった密集地帯および短い距離のルートの仕事から解放され、慣れ親しんだDeepに主戦場は変わりそうな情勢。
ここで仮にHopkinsが来るのであればおそらくWideoutとして起用されることになるはずなので、A.J.をSlotに動かしてZのDeVontaと組ませるということになるはず。
X→Slotというのがどう捉えられるかわからないが、こんな陣容になってしまったらA.J.を止められるチームは存在するのだろうか。
見てみたいとしか言いようがない。
現地予想
意外にも、"来ない"という冷静な意見が大部分を占めている印象。
この"来ない"、なんなら"要らない"派の論拠は、"ターゲットの分配が難しい"という点。
PHIにおけるBig3といえばA.J.・DeVonta・Goedertの3名だが、2022シーズンの各人への平均ターゲット数は順に8.5・8.0・5.75という数だったそう。
この合計22.25というターゲット数が、既にしてHurtsの1試合平均試投(約30回)における75%近くを占めており、これを考えると新規のビッグネームを連れてきたとて上記3名のターゲットが減ってチーム内に不協和音をもたらすだけだ、というのがこの派の主たる論旨。
Hopkinsの生涯平均ターゲット数は1試合当たりが9.4(2022シーズンでも10.6という立派な目立ち方)という数字だと思うと、ご本人は"勝てるチームに行きたい"といいつつ出番がこれまでよりあまりにも少なくなると不満を隠せなくなるのはまあ想像に難くない。
加えてケガとおクスリのことがあるのでそもそもHopkinsが稼働できるかも不透明。
そう考えるとまあわからなくない。
個人的な予想
現地予想の根拠もまあわからなくないが、一方でRosemanがちょっと前に述べていた"2022シーズンのケガ人の少なさは異常"だという点について踏まえると、A.J.もしくはDeVontaがいなくなった場合について考えたくもないのが考えないわけにはいかない。
その際の代替案はWatkinsということになるんだろうが、DeVontaが抜けた場合ならまだしもA.J.→Watkinsはタイプ的にも使いづらいことこの上ない。
いやいやDavisが抜けたけどJosephとSuhでなんとかなったじゃない、というのはWRには当たらない。
なにせ"トレーニングキャンプやりたくないから開幕ぐらいに契約したい"とSuhが少し前に明言してしまったように、DL特にDTなんて複雑なアサイメントもないので文字通り己の腕一本が試される世界。
対してWRはそうはいかない。
タイミングとかクセとかルートの感じとかDBの読みとか、広範にQBとのコンビネーションが問われる。
だからA.J.がケガしたから、という理由でシーズン中に焦ってベテランを連れてきてもあまりいい結果にはならない。
できればなるべく早く、少なくともトレーニングキャンプ前には陣容を固めておきたいポジションであるはず。
加えて、上述のターゲット分配についても、Hopkinsを例えば契約年数(i.e.単年)で明確にA.J.やDeVontaより下に位置付ければ問題ない気もする。
"撤退した"と報じられているBUFのDiggsと比べても、一時"俺にばっかり投げるなもっとランやれ"とキレていたDeVontaは言うに及ばず、A.J.にも単年契約に出来るならそこまでターゲット数で気を遣う必要はないはず。
何より負けた試合や追い上げが必要な試合ではHurtsの試投数もしっかり増えている(SBでは38回)ことを考えてももう1枚はやっぱり欲しくなってしまう。
長くなりましたが、個人的には"(条件付きで)来い"という立場です。
条件というのは、短い期間でお安い、というシンプルなものです。
1年12M(Voidで半分)と思えばイケるのではないでしょうかRosemanさん。
代理人もDeVontaと同じ人(Hurtsの代理人と同じ会社)になったことですし。
そしてお安いのであれば、無理に出番を作らなくて済むのでケガのリスクが少ない起用となり結果的に長く稼働してもらえそう。
Hopkinsに関しては一部で"練習態度がアレ"という悪い噂もささやかれているようですのでそのあたりを考慮して、ということならスルーでもOKです。
許せないのは、DALに行きました、という結論だけ。
小さすぎるニュースたち
新DC Desai
"コミュニケーションと、選手からのフィードバックをすんごい大事にしはる"というのはLB Nakobe Deanの発言。
プレーに落とし込んでみてやれるやれないを選手とのコミュニケーションを通じて決めていくということなんでしょうな。
とても好意的にとらえているところ。
事実、Deanも"すごくいい。今のところは。"と言っている。
今のところは、ってなによ。
Gannonがどういうやり方をしていたか知らないが、2021シーズン序盤にFletchが文句を言っていたような悪い空気に陥る可能性は低そうだ、という意味で良いニュースだと思っているところです。
Goedertの反発と成長
反発したというのは2年前の話。
SirianniとSteichenが就任した際、この2人は自分では"良い感じ"だと思っていたGoedertのルートランにケチをつけたのだとか。
そしてその時に理想形として示したのがJulio Jonesのルート。
Julioと比べて"もっとタテに引っ張ったほうがいい"とか"もっと鋭くブレイクした方がいい"とか。
それまではKittleとかTEの先人を範としていたGoedertだけに、
"は?Julioになれって?できるわけないだろあんなスピードないし"
とさすがに反発はあったようだが、この男の偉いところは、それでもやってみた、というところ。
そうすると、これまでよりDBが下がる距離が増えたりだとかで自分でもわかる効果が見えはじめたのだとか。
今では”ルートランはWR、ブロッキングはOLの映像を参考にしている”と言い、特にルートランではJulioやKeenan Allenのものばかり見ているよう。
そして一番近いお手本であるDeVontaとA.J.からは学ぶところがとても大きい様子。
2021シーズン以降の2シーズンでは1試合平均レシーブydsでTEランキング5位(4位のKittleとは1yd差の57yds)まで成長し、さらに2022シーズンだけなら59ydsという数字はTEではKelce弟に次ぐ2位という成長具合。
SteichenがいなくなってもWR出身かつディテールに拘るSirianniはこの分野について非常に口うるさい。
このGoedertの成長がますます加速すること、そして、それがArnold・Stoll・Calcaterra・Tyree Jacksonといった他のTE陣に伝播してくれることを期待してやまない。
Russ争奪戦の実態
やっぱりフラれてましたよ、というお話し。
噂どまりだった"ノートレード条項を持つRussがPHIへのトレードを断った"という1年前の話がどうやら事実でしたよ、というのが最近出てきたもの。
同じくRussが直々に拒否権を発動したのはWASだったそうで。
とんだチームと同列にされたものだが、1年前の時点で"Russ獲れ"と強硬に主張していた現地一部ファンも、同一人物だったかどうかを疑うレベルで変わり身を果たし、いまやすっかりHurtsに心酔しているというのが実態。
今となってはこの1年でのHurtsの成長に顔がほころんでしまうだけのニュース。
このニュースを今さら蒸し返したのは何かというと、Rosemanはやっぱりロスターを良くできる機会には絶対に飛び付くよね、ということの裏付けのつもりです。
Hopkinsにも当然触手を伸ばしているでしょうね、というのが言いたかっただけです。
OTAあれこれ
今季もSirianniはミニキャンプを実施しないことを選択。
代わりに7週間に及んだオフシーズンプログラムの締めにOTAを2セット実施して、7月下旬のトレーニングキャンプまで少しばかりの夏のオフに入ります。
その1セット目が現地5/30(火)~6/1(木)の3日間に終了しているので最終日だけ記者に公開された練習のなかから気になるものを数個。
クラッシャー
ソースがInsiderのSpadaroさんだけなのでこれは火曜か水曜の出来事だと思うが、ルーキーDT Jalen Carterがスレッダーを破壊。
あんなもんが経年劣化以外で壊れるとはあまり想像できないが非常に良いニュース。
ルーキーミニキャンプの映像が数秒公開されていたなかではいい動きをしていたように見えたが、どうも現地記者の間では"まだコンディショニング不良"という映り方をしていたようでそのあたりの不安をかき消したという点でもいいニュース。
まあライン戦はトレーニングキャンプまで本格的なものはないのであと2ヶ月ぐらいは悶々として待つしかない。
先発RG
現時点ではJurgensが先発組に入っているそうな。
まあ問題ないとは思いますが、こちらもパッドはつけていないのでなんとも言えないところ。
はやくプレシーズンゲーム始まれ。
悲しすぎるお知らせ
まだ何もわからない。
何かを決めつけるにはあまりにも早すぎる。
そんなことはわかっているんだが、"Tyler ZentnerよりArryn Sipossの方が良さそう"は一番聞きたくなかったお知らせ。
まだだよ。
Punterの競争は夏中続くはず。
そんな簡単に結論を出すんじゃない落ち着けSirianni。
Sipossの、夏男というここからシーズンインまでが年間で一番調子いいというクソみたいな特殊能力が全部悪い。
雰囲気
さすがのSirianni。
新加入のS Terrell Edmundsによると、"毎日が楽しい"とのこと。
恒例のボウリング大会にもEdmundsは大満足だったようだし、ここまでは全て順調に進んでいるようですね。
この調子でよろしく。
GO BIRDS!!