1週間以上前のお話にはなりますが、今季から就任のOC・DCに就任したお2人が会見でしゃべっておりますのでその話を。
そしていよいよスケジュールも発表されましたね。
DC Vic Fangioさん
なぜFangioさんが先かというと、会見の順番がそうだったから。
コーチキャリア最後のお仕事
PHI近郊出身のFangioさんもいよいよ御年65歳。
NFLでのHC職というフットボールコーチ業界での最高役職も経験したお人ではあるが、世代間の闘争というのは古今東西を問わないのか、若い選手たちとの関わりの難しさなんかもあるはずで、年齢を考えるとこれが最後のお仕事だと腹を括っていらっしゃるご様子。
"40年前、通りの向こうのベテランズスタジアム(20年前まで使っていたLincの前の本拠地で、FangioのコーチングキャリアのスタートであるUSFLのPhiladelphia Starsの本拠でもあったスタジアム)でコーチ業を始めた"
"どのスポーツでもPhillyの大ファンだった。家族もこの近くに住んでいる。あれから40年、毎日ここに出勤するのはいい刺激になっているし、ここで最後までやり遂げたいと願っている"
1年前のニアミス
諸悪の根源はハゲであるということが分かった。
2022シーズンのプレーオフ期間中、Gannonへの興味を公表していたのはHOUだけで、そのHOUがDeMeco RyansにHCを決めた時点でGannonの行き先は、表向きは消滅。
この時点でGannonもPHI側には"2023シーズンもPHIに残る"と明言したそう。
そこで2択を迫られたのがPHIフロント。
2023シーズンのDCに関する選択肢は、"現DCのGannon留任"と"PHI入りを希望していたFangio"という2つ。
しかし、それなりに優秀な成績を残して"残りたい"と言っているGannonのクビを切るという選択も取りづらかったこともあったため、Gannonを残す方向に決定。
フラれた形のFangioは、オファーがあったMIA行きを承諾。
そしてそのFangioのMIA行きが決まった直後に、急に表に出てきてあっさりGannonを翻意させたのがARI。
そしてDC候補は誰もいなくなった。
Gannonも悪いが、SB前の接触禁止のタイミングでGannonに囁きかけたARIのハゲも悪い。
どうせ接触禁止のタイミングで言ってくるぐらいだろうからGannonには口止めしていたんだろうが、そのタイミングでGannonがPHIにARIの件を伝えていたらFangioを引き留めたであろうことは容易に想像がつく。
そうなっていたのであればあの1年間あんな無駄に終わらなかったのではないだろうか。
なんとも腹立たしいあの鳥。
ということでハゲが悪い。
浮かれてSBになんの準備もせずSBに臨んだ無能ハゲも、ハゲの後任になったハゲも。
全部ハゲが悪い。
力量不足のDesaiを雇ったSirianniも悪いんですけどね。
まあこれに関してはプランCでしかなかったことを考えると情状酌量の余地が…あるわけない。
保険がPatriciaってなんだよ。
オリジナル
Gannon→DesaiとイミテーションDCを2人つづけて雇わざるを得なかったPHI。
いよいよ待ちに待ったオリジナルの降臨。
オリジナルは年々進化を続ける。
オフシーズンは、新天地に移ったことに伴っての、新しいスタッフや選手のことを知っていくという作業が必要になることに加えて、恒例のことにも取り組んでいるのだそう。
"フィルムも研究しないといけない。毎年いくつかのDefenseコンセプトを取り上げてそれをあらゆる角度から分解して何か使えるものがないか探すんだ。"
"毎試合異なるコンセプトのOffenseと対峙するのだから汎用性があるシステムを持つ必要がある。"
"その上で、シーズン中に「あ、あれインストールしてたら使えたのにな…」という最悪の事態に陥らないように、トレーニングキャンプでは大量のものを選手にはインストールしておいて、ベストのものを探していく過程で徐々に使うものを減らしていく感じだ。"
"だが、時折使わなくなったものについても思い出してもらう作業はするので、結果的にシーズン中に必要になったものも一度は選手にインストール済みである状態になっているよ。"
そういえばシーズン中にDCが変わったからスキームをイチからインストールし直していたHCとDCがあったような。
あいつらは本当にプロなんですかね。
Off-Ball LBについて
Patrick Willis・NaVorro Bowman・Roquan Smith。
Fangio Defenseにおいて必須なのは傑出したOff-Ball LBの存在。
"優れたDefenseを作る秘訣は、優れた選手を集めることだ"と言い放つ翁にとって、PHIのよわよわLB陣はどう映っているのだろうか。
翁が最初に挙げたのは意外な人物でした。
そして挙げられた順番通りに記載していきます。
"Zack BaunはNOでILBをプレーしているし、彼に関してILBをプレーできないという兆しは何も見えていない。NOではOutsideでのプレーも多かったが、ILBとして十分プレーできると考えている。"
"Tampaから連れてきたDevin Whiteは皆が知っているとおりいい選手だ。素晴らしいキャリアを歩んでいたが昨シーズンは調子を落としていたね。彼を元通りの状態に戻したいと思っている。"
"Nakobe Deanは昨シーズンのケガから回復傾向にある。"
"Trotter Jr.とOren Burksがこの争いに加わることになる。Burksはいいバックアップだし、彼ももちろん候補者の1人だ。"
あれ?
これを真に受けるとすると、Baun→White→Dean→Burks→Jr.ということになる。
Deanピンチ。
どうも、BaunのことをMIA時代に重宝したAndrew Van Ginkelと同じように見ているようであり、Ginkel同様にILBとEDGEラッシャーのハイブリッド的な使い方になるのではなかろうか。
奇しくも両者ともにLBの名門・Wisconsin Badgersの出身。
これはどう化けるか非常に楽しみ。
そしてDeanにはいよいよ赤信号が点滅しているようですね。
EDGEラッシャーのパスカバレッジについて
Desaiが現地メディアから批判されていた文脈の一つに"ReddickやSweatをパスカバーに下げるのは愚策"という現代NFLを見ているかどうか疑わしいものがあった。
これをFangioは"場合によってはパスカバーに使う"と明言。
ある筋の情報ではFangio DefenseにおけるEDGEラッシャーのドロップ率はDesaiのそれをはるかに上回る数字となっていた(ほかのDCもFangioと大して差はなく、一般的にEDGEはパスカバーのお仕事もできる必要があるというのが現代NFLのよう)。
Bryce Huffをそう使うのはよくわかる。
Nolanもそう。
だがお世辞にもパスカバーが上手いとは言えないSweatとかBGにおいても同じように使うのかは未知数。
Baunのパスラッシュ能力、WhiteのBlitz力と上手く使えればOffenseにとっては予測しづらいことこの上ないDefenseが仕上がりそうですね。
今からとても楽しみなのである。
ちなみに、そのHuffについては、"NYJではいいパスラッシャーだった。パートタイムでの使われ方だったが、もうちょっと汎用的に使えるのではないかと考えている。ランプレーにも対応できるだろうし、パスカバーにドロップさせる場面もあるかもしれない"
とのこと。
まあお高いのでね。最大限に使っていただければ。
Jalen Carterさんについて
10年以上トレンチを支え続けたFletchが抜けたにもかかわらず、大した補強もしていないことでフロントは十分に期待を寄せていることが判明したJalen Carterさんについて。
"あいつの才能は十分。あの才能を最大化するのが我々の仕事"
"コンディションも整っているように見えた。とてもいいスタートを切っている。2023シーズンより多くの場面で使うことになるだろう"
とのこと。
Fletchの後継として、Carterさんにとっては2024シーズンが本格デビューとなりそうです。
そうなると心配になってくるのが、その1年前のドラ1の彼。
"Jordan Davisについては、最初の2年間を一緒に過ごしたわけではないので過去との比較はできないが、いい動きをしていると思う。身体も絞れている"
"キャンプまでの期間がどうなるかはわからないが、今まで見た限りでは非常に心強い"
頼むよ。
来オフには5年目オプションの判断が待っている。
悩ませないでおくれ。
がんばれDavis。
指導方法というか今の若い選手たちについて
記者会見に居合わせた、というか全PHIファンが気になっていたのが"とかく選手と衝突したという噂があるFangioがPHIの選手たちと上手くやっていけるのか"というところ。
恐る恐る記者から挙がった質問はいいものだった。
曰く、"この40年間で選手は変わったか"と。
"選手は何も変わっていない"とはFangioの回答。
"変わったのは彼らを取り巻く環境だよ。選手たちは昔ほど期待されなくなった。その結果、選手たちは無理のない範囲で働き、その範囲で全力を尽くしている感じで、自然とエネルギーを温存している"
"これはなにもNFLに限った話ではなく、高校でも大学でもそうだし、負荷管理なんかが徹底しているNBAなんかは特にそうだ"
"このようなスポーツのコーチたちと話すと、
'選手たちにはやる気が満ちている。プッシュすることで問題が起きることはない'
と言っている"
"これは選手の周りにいる、いわゆる我々のような大人たちの問題だ"
"彼らにはやる気がある。我々にはそれを後押しする必要がある"
"チームの方針には従うが、俺はもっとプッシュしたいと思っている"
とのこと。
いいコーチのような気はする。
だがやはり選手と衝突しそうな気配は濃厚にある。
だが、特にMIAでの衝突は、"すぐパーティーに繰り出したがる連中に仕事に集中させようとしただけだ"という話もあり、DENでも衝突も局所的なものだったはず。
時代に完璧にあっているかは知らないし、たぶんそうではない気がする。
だが個人的には、時代のことも配慮しつつ、自分の信念を守ろうとするこういうじいさんのことは好きです。
Sirianni政権になってから練習はすごく緩くなっていたし。
他チームがルーキーミニキャンプとはいえこの時期に11on11をやっている映像なんかうらやましくて仕方なかった。
昨シーズン序盤のあまりにもピリッとしない戦いぶりに、"プレシーズンまでの過ごし方を考え直さないといけない"と言っていたSirianniだが、今季は4年目で初めてこの時期に強制参加のミニキャンプをやることが決まっている。
これは偶然だろうか。
32チーム最少だった練習量にもいよいよテコ入れがなされそうな予感。
肉体的な負荷という意味で配慮しなければいけなかったベテランが2人減ったのもあるのかもしれない。
残る3名(BG・Lane・Slay)については、まあ最近抜けた2人もだが、彼らを特別扱いすることにためらいなど必要ない。
若者をプッシュするのだ。
がんばれSirianni。負けるなFangio。
(ちなみに、Sirianniの練習量の少なさについてはどうもフロントオフィスからのディレクションによるものだという噂があるが、これを信じるといろいろな前提が狂うので鵜吞みにするのはやめておく。ただ、Sirianni政権の練習量の少なさを否定的に言うのはこれで最後にしたい所存です)
OC Kellen Mooreさん
Sirianniのプレーブックを見て、"おいどこのバカがこんなOffense考えやがったんだ出てこい"という言葉から始めなかったのでKellen Mooreの記者会見は0点です。
とうのは冗談です念のため。
当たり障りのない発言に終始したKellen Mooreさんだったので得られてたものは少ないですが数点だけ。
これまでのスキームとの違いについて
Steichen・Brian Johnsonと2代のOCはいたが、基本はSteichenとSirianniが作ったものから変わっていなかったのがこの3年間。
そしてこの3年目は、Defenseによる対策が進んだのに何も見いだせなかったSirianni & Brian Johnsonという無能による災害であった。
ということで現地メディアから"あの悪夢からどれぐらい距離を取ることができるのか"という質問が出るのは当然。
"ここに来て気づいたのは、いいものが本当にたくさんあるということ"
"Hurtsがいて、A.J.が成長させ、Goedertが成長させ、そしてOLが成長させてきたいいものがある。これらのいいものをもとにして、全体を良くしていくことを考えている"
"いまあるいいものを失うわけにはいかない"
"これまでやってきた(Sirianniの)Offenseと融合に向けて微調整を行っているところだ"
なんだもう洗脳は終わったのか?
Mooreのオリジナルでいいんだよ。
無用の忖度をするんじゃない。
プレスナップモーションについて
NFL最少のモーション使用数に終わった2023シーズンのPHI Offense。
Mooreはそうではない。
Final motion report for the 2023 season!
— Seth Walder (@SethWalder) 2024年1月16日
In 2017 NFL teams put a man in motion at the snap 4% of the time, on average. In 2023 the average was 22%!
Data via @ESPNStatsInfo video tracking team. pic.twitter.com/Ar67rJ9yWE
"Boise State時代からずっとモーションを多く使うOffenseでプレーしていた。高校の時もそうだった"
"Defenseの情報を集めるために使うこともあれば、Defenseにストレスを与えることもできる。この2つの要素があると思う"
"最終的には、ランやプレーアクション、ドロップバックそれぞれとのパッケージを作り、いろいろなものを作り出そうとしている。さまざまなルックでDefenseにストレスを与えることができるようにしたい"
非常に頼もしい。
なにが頼もしいか。
かつてSirianniは、モーション使用の少なさについて聞かれたとき、その効能については"情報収集のため"というものしか挙げていなかった。
"Defenseにストレスを与える"ためのモーションというのは言われてみると普通のことなんだが、これまでSirianniの頭にはなかった思想。
ほら、頼もしいとしか言いようがあるまい。
スケジュール
ちょこちょこ漏れてはいたが、2024シーズンのスケジュールが判明。
MARK YOUR CALENDARS@Ticketmaster | #FlyEaglesFly pic.twitter.com/Pgk6pp2QmU
— Philadelphia Eagles (@Eagles) 2024年5月16日
所感は以下。
- めんどくさいBrazil遠征がWeek1の金曜日(+Week2がMNF)なので疲労的な意味であまり尾を引くことはなさそう(と願う)
今年こそプレシーズン最終戦かな?という出来の開幕戦にならないように準備お願いします
- Brazil遠征・MNFがシーズン序盤にあるのはいいんだが、Week5でByeが来るのは早すぎんかね
- とはいえ総じてスケジュールは緩い方なので去年ほどの文句はなし
- 試金石はWeek12 @LARとWeek13 @BALの強豪敵地2連戦
- SaquonのリベンジマッチはWeek7
- 2023シーズンの悪夢は、中盤以降の崩れた段階で立て直す隙が無いほど強豪チームとの連戦だったが、今季に関してそれはなさそう
- いま思い出しても2023シーズンのスケジュールはキツすぎる。休み明けばっかり相手させやがって。組んだ人間は腹を切れ。(2024シーズンに関しては、Bye明けのフレッシュなチームとの対戦はない予定。万歳。)
- 全てはHurts次第。
- いつもどおり勝敗予想はなし。
同地区さえ6勝0敗ならあとはなんでもいいです。
- 嘘。
パーフェクトシーズンじゃ!