結局先発がほぼお休みとなったプレシーズン2戦目。
いいものも見せてもらいましたが、どうしても不満の方が大きい試合でした。
いいもの
Offense
- QB Tanner McKee
間違いなくこの日最大の収穫。
昨シーズンのプレシーズンゲームを彷彿とさせる出来。
はいQB2。
とにかく球離れが良い。
決められたタイミングで、DefenseにはINTされないところに投げ込むことができる。
WRからすると相当にサディスティックなQBであろう、という感想は1年前から一切変わらない。
だがそれがいい。
セパレート?知らん。お前が捕れ。
と言わんばかりのスローイング。全く最高なのである。
そしてそのサディストMcKeeの相方として輝いたのがWR Joseph Ngata。
さすがに2年間しっかり練習してきた間柄だけあって息はぴったり。
5/5 88yds(Avg. 17.6yds)最長28ydsという数字はなかなかのものでしょう。
試合に際して高ぶってしまうことが多く集中力を維持できないという課題を抱えていたNgata君。
そんな彼が落ち着けるように幾度となく話しかけたのが我らがA.J.。
試合後バスに乗り込む際にもA.J.は"今日のヒーローはNgataだ!"と叫んでいたそう。
いいリーダーですな。
課題のセパレートはなかなか解決していそうに見えないが、とはいえあれだけ球際が強ければ十分でしょう。
リーチもあるし。
それなりに認知を獲得した気もするので、1年前と同じようにPSに囲い込めるかは不安。
ということで、この出来でロスター入りには大きく前進したと見た。
- McKeeに次いで株をあげたのがTE E.J. Jenkins。
誰も目立たないという消極的な理由で混沌としていたTE3争いにこの試合で堂々の名乗り。
大本営様がハイライトをアップしてしまうようなナイスキャッチまで飛び出した。
E.J. Jenkins elevates and secures the catch!
— NFL (@NFL) 2024年8月16日
📺: #PHIvsNE on @NFLNetwork
📱: Stream on #NFLPlus pic.twitter.com/K2ypCCfkyf6'6"の体格でこんなことが出来るならだれが止められようか。
ちなみに、最終的に退場となったケガは大事ではなさそうだが、直近の練習はお休み。
Georgia Tech出身の2年目。
プロデイでは40ydを4.62というこの体格ではなかなか素晴らしいスピードで駆け抜けているアスリート。
UDFA上りということで期待値は低いんだろうがこの調子でがんばっていただきたい。
Georgia Tech出身の6'6"というとやはり思い出すのはWRとして失敗したもののTEとして大成、さきごろ引退したDarren Waller。
あのレベルに至るまでの課題は明確で、ブロッキング。
この日もその面ではやられているシーンがちょこちょこ目に付いた。
無事と、今後の成長を祈っている。
- RB Tyrion Davis-Price
薄々気づいてはいたが、やっぱり走るのお上手ですね。
この試合でも最長13ydを含む4回28yd(Avg. 7.0yd)という堂々たる成績。
懸案のパスレシーブの機会にはあまり恵まれなかったが、この出来でロスター入りできないとなると何かがおかしい。
Defense
- DT Moro Ojomo
Defenseで一番良かったはず。
良いキャンプを過ごしているとは聞いていたが、先発を揃えたNEのOL相手にLOSを破壊しまくっていた。
まさかここまでとは。
パワフルだしクイックネスも十分だしということで、非常に汎用性の高い控えになりそうな予感。
あとはパスラッシュだがんばれ。
- LB Nakobe Dean
PHIが2年前にドラフトしたDean選手というのは彼のことだったんでしょう。
ようやく見たかった姿が戻ってきた。
キャンプ序盤はパスカバーで苦戦しているという話だったが、いまとなっては昔のこと。
Blitzもランストップも非常によろしい。
なによりもそのハイモーターぶりがたまりませんね。
試合後の練習から晴れてWhiteの相方としてLB1を務めているとのこと。
ケガなくお願いしますよ。
- CB Quinyon Mitchell
たった数日でRingoより安定して見えるようになりやがった。
成長曲線が異常。
DeJeanが帰ってきたということもあり、NCBとしてのDeJeanにめどが付き次第、Slayの相方として外CBの先発でいいと思います。
- EDGE Jalyx Hunt
惜しいパスラッシュが見られたという点でプレ初戦よりよく見えました。
彼もいい成長ぶり。
あとはプレーにもう少し思い切りが出てくれば化けるかもしれませんな。
今季のパフォーマンスに対する現時点の期待値はもはやNolanを上回ったというのが本音です。
- EDGE Bryce Huff
キャンプでの沈黙の理由は、どうやら相手がLaneだったからということのようです。
先発級ではLB陣を除いてほぼ唯一の出場となったHuff。
理由は"新スキームの練習に時間が必要だったから"ということで、彼の出場はこの週の早い段階から決まっていたとのこと。
その期待にさっさと応える3タックル(10スナップ)。
ランストップが課題という話だったが、この試合を見る限り問題なさそう。
あとはReddickのデカい穴を埋められるほどのパスラッシュを見せられるかどうかだけ。
頼むぞ。
残念だった人たち
- QB Kenny Pickett
残念どころの騒ぎではない。
確かにプレッシャーはかかっていたが、それにしても長いのは一切通せないし、奥を見る気がないのが腹立たしい。
せっかくChristian GonzalezをJohn Rossがブチ抜いても球は合わないし、それ以外にもちょこちょこ見落としっぽいものを見た。
ポケットから出てもただただ自分が走ることしか考えてないし。
なにせQB3だと思っていたMcKeeが良かっただけに彼のダメさが目立つ。
こいつが1巡だったというのは何かの間違いでしょう。
ドラフト界隈も反省していた。
"無理矢理誰かを1巡QBに仕立て上げる必要はない"
本当にそう思う。
この試合後の練習でも扱いはQB2から変わっていないようだが、損切りは早い方がいいんじゃないかRosemanよ。
- S James Bradberry
カバーミスにリードミスにタックルミスとやりたい放題。
MayeにTDを取られたシリーズはほぼ彼の独壇場だったと言っても過言ではない。
とはいえ対抗馬のMcCollumもあんまり褒められた出来ではなかったので相対的な評価は動かない。
- 控えOT軍団
結構ひどかった。
相手のメンツが先発だったのはつらかったろうが、とはいえシーズン中に君たちの出番が回ってくるとしたらこれ以上に相手のレベルは高いことが想像される。
まあKeion Whiteなんていうのは昨シーズン開幕戦でMailataもLaneも手を焼いていた(というか結構ちゃんとやられていた)逸材なのでそう簡単に控えOTごときでなんとかできるものではなかろうが。
特に株を下げたのはLTに入ったMax Scharpingと、プレ初戦でいい動きをしていたRTのDarian Kinnard。
Whiteには、これまで安定していたFredもしっかり押し込まれていた。
両OTがあんなに簡単にポケットを縮められるとQBとしてはしんどかったでしょうな。
TothもRTに入って派手にやられていたがこいつはCとして及第点なのでまだセーフ。
ロスター予想
Offense
あまりにも酷かったPickettのパフォーマンスを見てトレードにでも出せばいいじゃないかこんなもん残す必要ないわいと思っていたが、冷静になると契約も2025シーズンまで残っているのでまあこんなもんでも囲っとけばいいか、という気持ちになった。
本当はQBを2枠にしたかった。そうしたらRBなりSに枠が割けるから。
だがポジションの重要性を考えるとそうもいかない。
ということでOffenseは苦渋の24人です。
- QB
戦後にSirianniが言っていたが、彼の見立てによるとPickettのパフォーマンスにはNEの1軍DL vs PHIの2軍OLとなったトレンチの攻防での不利が露骨なプレッシャーとしてのしかかってきたことも影響しているのだそう。
言いたいことはわかるがよ、それにしても2戦続けて長いのを一切通せないのはどうなんだよこのやろうという話に対しては一切答えてないじゃないか。
そしてあれだけいいパフォーマンスを見せているのに評価してもらえないMcKeeとその他チームメイトのことを考えるのもキサマの仕事ではないのか。
"競争だ"などと煽っておきながら実際にはそんなものがOLにしか存在しないのはどういうことなのかね。
かわいそうなMcKeeよ。
めげずにがんばっておくれ。
- RB
Offense最大の苦渋ポイントはここ。
実力というか個人的嗜好でいうとSaquon→Gainwell→Tyrion Davis-Price→Kendall Milton→Shipley→Lew Nicholsという順番になるのだが、ここでもSirianniとは全然合わない。
恐らくSirianni的RB4はTDPではなくNichols。
カレッジ時代の彼の映像に興奮したというのはわかるが、現状のプレーを見てNicholsのどこがTDPよりもいいのかちゃんと教えてほしい。
Gainwellは順調そうでなにより。
Shipleyもドラフト時の肩書通りやはりInsideやらのパワーにかかわるところの不安は全然消えないが、パスレシーブはスムーズだしまあいいのではないでしょうか。
パワーの面は成長待ちです。
TDPは本当に走るのが上手いしパワーもある。
Miltonも同様。
この2人のどっちかがロスター入りすればSaquon有事の際のダメージを最小化できるはず。
本当は4枠にしてどちらかを入れたいところだがさてどうなるでしょう。
ちなみに4枠使うとして、そこに飛び込むのはNicholsでは断じてない。
- WR
NE戦で株をあげたNgataの処遇。
PSに入れたいところだがちゃんと囲えるかが疑問。ということでロスター入りとした。
Campbellも練習には復帰したそうだがNgataの伸びしろに賭けます。
- TE
誰でも良かったTE3にいよいよ楽しみな人が見つかった。
E.J. Jenkinsで行きましょう。
- OL
控えOTが悪かったこともあり、Laneの控えはFredに託そうというお気持ち。
最悪はBectonでも出来るだろう。
さすがにそれは怖い、となってもKinnardも似たようなものなのでここは腹を括るしかあるまい。
ちなみに、プレシーズン2戦連続全スナップ出場という鉄人ぶりを見せているKeeganが相当にいいので、Becton・Steenというケガに呪われた2名がどうなろうがOGの控えは心配しておりません。
Defense
こっちのほうが残したい選手は多いですね。
Offenseより悩みが深い26人です。
- DT
Tuipulotuをどうするかはわからないが、さすがに4人ということにはならなかろうということでOjomoまでの順当な5人。
Booker辺りはPSに残したいところ。
- EDGE
Patrick JohnsonはSTのことを考えると残さないといけない気がする。
ということで6人。
プレシーズンではシンプルな外からのパスラッシュの迫力が絶望的に欠けているのでそのあたりにデカめの不安を抱えたままシーズンインすることになりそうですね。
- LB
めでたくDeanがLB2まで序列を上げております。
Burksも先ごろ練習への復帰を果たしたとのことですが、まあようわからんので現状は圏外という扱いです。
そして、誰が何と言おうがBen VanSumerenはロスター入りさせます。
- CB
どう考えてもRingo>Rodgersなのが徐々に明らかになりつつあるのでSlayの相方はRingoで開幕しましょう。
そういえばプレ2でいい活躍を見せていたTyler Hall君は残念ながらどこかのケガでIR入りしたようですね。
- S
悩ましいのがここ。
McCollumかBradberryか。
プレ2は両方ともよくなかったのでこの順位のままとしているが、果たしてこれが正解なのかは全くわかっていない。
伸びしろのMcCollumか、汎用性のBradberryか。
個人的にBradberryのことが好きなので上のような順位にしておりますが、ここの勝負はプレシーズン最終戦まで持ち越し。
処遇を見ていると、現状では上の順位で間違いなさそうですがさてどうなるか。
楽しい楽しいプレシーズンも残すところあと1試合。
最後は日本時間8月25日(日)の早朝2:00からMINとの試合です。
@Lincの雰囲気を楽しむために早起きしましょうかね。