バイウィークの暇つぶしに同地区各位の戦いぶりを覗きに行こうという試みです。
日替わり王者でお馴染みのNFC東地区、今シーズンの勝者はあのチームで問題なさそうですね。
順位表とか
想像以上に順調なのはWAS。
新QB Jayden Danielsが大ハマりしており、手薄に見えたWRも、さすがにDotson放出も頷ける順調ぶり。
期待外れなのがPHIとDALというところでしょうか。
WAS
いいところ
いやあこれほどいいとは思わなかった。
シーズン突入前の下馬評は、"新人QB""OLに不安""WRもMcLaurinしかいない""なんだ先発TEがZach Ertzって""Ekelerなんて終わったRBだろ""DefenseもエースEDGEがいない"とまあ酷いものだった。
もちろんそう思っていたのでWASとNYGのどっちが下に行くんだろうかと思っていた。
Dotsonを格安で放出していたのは今季勝負をかけるつもりがない表れだと思っていた。
全部が間違っていた。
Danielsに機嫌よくプレーしてもらうためのショート~ミドルのパスを中心とした組み立てに、RACはもう望めなくなったがZoneの切れ目に入ってくる能力なら相変わらず絶品のErtzに、まるで"こう使うんだよ"というお手本を見せつけられてるかのようなOlamide ZaccheausのSlotエリアでの運用。そしてなんでも出来るMcLaurin。
大変よろしい。
パスのタイミングも早いもんだから懸念されていたOLのプロテクションも問題ないし。
一番感銘を受けたのが、プレーコールから感じる統一された意思のようなもの。
2試合以上Puntを蹴らなかったという好調ぶりが話題になっているKliff Kingsbury率いるOffenseだが、その根底にあるのはたぶん"4th Downも残り距離が短ければOffenseで行ってよい"という認識が共有されていること。
だから3rd Downで長めの距離が残ってしまっても無理にDefenseが厚くなっている1st Downのスティックより奥を狙う必要がない。
短いパス2本でOKなんでしょ?
とでも言いたげに、Danielsは難易度の高い長いパスではなく、McLaurinがDBを連れて行ってくれたあとに浅いところで空いているSlotタイプのWRやTEに遠慮なく投げることが出来る。
だからOffenseは進む、という寸法のように見えた。事実かどうかは知らない。
だがあのOffenseならDanielsのストレスは少なかろう。
たまに長いのを投げる時もMcLaurinという信頼できるターゲットがいる。
そのへんのバランスが最高なのである。
勝つことが最高の教育とでも言いたいのか。許せない。
しかしありゃ強い。
今後の懸念
OC Kliff Kingsbury。
なぜか毎度毎度シーズンが深まれば失速するKingsburyのOffense。
現状はシンプルなことしかしてないように見えるが、果たしてそれに各チームの目が慣れてきたころに上積みのなにかはあるのか。
この辺が課題になろう。
残念ながら、と言いながらPHIファン的には大歓迎なのだが、ドラフトがあんまりよろしくない気配がある。
Offense側はDanielsのほかで言うと2巡のTE Ben Sinnottと3巡のWR Luke McCaffrey。
現状ほぼ結果を残せていない(Sinnottはレシーブゼロ。McCaffrey弟は7レシーブ)この辺の戦力がシーズンが深まるにつれて役割を多めに負っていくようなことになればすなわちそれが伸びしろ。
それとわかりやすく下位に沈んでいるDefense。
明らかにEDGEが足りない気はするがこの辺りをどう補うのかはまあDan Quinnがいるから勝手に良くなっていくんでしょう。
実に面倒である。
予想
今後のスケジュールも実に軽い。
地区外で厳しそうなのは@BALとPITぐらいか。
そう思うと12勝ぐらいしておかしくない。
まあDALが勝った翌年だしDAL以外のどこかという意味ではこのチームが地区優勝最右翼。
PHI
この緑のチームについては新たに語ることもなさそうなので割愛。
Defenseがどう復活するか、LaneとA.J.とDeVontaは本当に大丈夫なのか。
この辺りの要因の揺れ方で12勝から6勝ぐらいまで振れそう。
DAL
いいところ
自慢の火力がやや湿気てはいるものの、OLの強さは健在。
LTのTyron Smithのところも、やや時間がかかりそうだとドラフト時に思っていたTyler Guytonで問題なく埋まりそうな気配。
結局被プレッシャー比率はリーグ5位という素晴らしい数字を残している。
右サイドに君臨していたZack Martinがやっと衰えてきたようだがまあ今シーズンについては問題ないでしょう。
こいつらと年に2回当たるというのがどうしたってDLの手入れを怠れない最大の理由です。
今後の懸念
ここまでとは思っていなかったランDefenseの苦戦。
ランDefenseのEPA全体最下位はなかなかの数字。
もちろんあの緑のチームより悪い。
こりゃストレスも溜まろう。
どうもDTに起因してのものだという話だが、個人的にはLBにも結構な責任がありそうな気はしている。
"ランをDTで止める"というのは美しい命題だが、現状でそれを実現できているのは規格外DTをドラフトで引き当てやがったTENぐらいのものでしょう。
それ以外のチームでそんな美しい実行をできているチームにはあまり記憶がない。
そう思うと、DALがこのドラフトで獲った3巡のMarist Liufauはやはり見込んだ通りランストップには時間がかかりそうだし、昨ドラフト同3巡のDeMarvion Overshownもパスカバーやオープンでは素晴らしい快速を見せているが、中からのランではまだまだ非力。
このあたりの課題が今シーズン中に解決するとしたら、傷んでいたDB陣もそろそろ戻ってきそうだしDefense側の問題は相当に減りそうな感触。
我らに出来るのはParsonsとDeMarcus Lawrenceの回復が一日でも遅れることを強く祈るのみ。
もうちょっと深刻な気配があるのは、Offense側の火力のところ。
プレッシャー率は低く抑えられているのにパスのEPAはだいぶ低い。
見たところDakは例年通りの出来っぽいのでやはり受け手側の問題か。
Lambは相当ストレスを抱えているようだしBrandin CooksもIR入りしたし。
Cooksが戻るまでの期間で若手が成長したりするようなことがどうかありませんように。
それだけを願っている。
予想
戦力的にはここからが最底辺の時期だと思われ、Week7に待つバイを明けてからは上向いていくんでしょう。
相変わらずPHIとの対戦はそれ以降の期間にしか組まれていない。
前年地区首位の業というか、残るスケジュールも非常にタフ。
絶対にJalen TolbertとかJalen BrooksとかKaVontae Turpinのような若手WR陣は成長しないように。
ジンクスは今季も生きる。
ということで地区優勝はないが、10勝ぐらいしてワイルドカードならありえる。
そのためには地区内全勝は必達目標。
それが無理なら負け越しまである。はず。
だがそうなるとドラフトでいい順位を引かれるのが困る。
だから第7シードぐらいには滑り込んでください。
NYG
いいところ
だから言わんこっちゃないMalik Nabersは早速OBJじゃないか。
こんなWRがいりゃ次のQBに誰を持ってこようが再建はスムーズに進むだろうよ。
理想のシナリオは、Nabers君は中身まで若かりし頃のOBJでいろいろ不満を抱えがちなタイプだった、というもの。頼む。
あとは同じくルーキーのCB Andru Phillipsが当たりでほぼ確定だという話。
欲しかったんだよこいつ。
これは悔しい。
そして今はおとなしいんだろうが、2巡で指名したSのTyler Nubinもどうせ当たり。
という感じでそれなりにいいドラフトをしたっぽいというのがうっとうしいところ。
あとはDefenseがいい。
新加入のBrian BurnsもDALには完全に消されたようだが、それ以外ではちゃんと機能しているし、ThibodeauxにOjulariもいる。
その結果としてプレッシャー率はリーグの上半分に入っているし、失点の少なさもなかなかのもの。
今後の懸念
Defenseは総じていいのだが、問題はDT。
Dexter Lawrenceは圧倒的な存在として君臨しているが、その相方が見つかっていない様子。
それが証拠にWeek4ではLawrenceが全パスラッシュのなんと8割でダブルチームを組まれ、その結果が今季全チームでワーストとなる14.3%のプレッシャー率。
3割を超えるBlitz率の高さを嫌気してか早投げ傾向にある対NYG時の各QBで、Dakも同様に早投げに徹していた気配だが、Lawrenceを消しさえすればなんとかなると分かってしまえばもう少しやりようはあるはず。
ということでここにはなんとか早く解を見つけたかろう。
まあ最大の懸念は言わずもがなOffense。
どうやらDaniel Jonesを外すという決断をしたという噂が流れてきたがあれは事実なのか。
今季の長いのが全く決まらないJonesならずっと出してて欲しかったんですがね。
QB2はDrew Lock。
そういえば2023のPHIはあいつにも勝てなかったような。
Jones出て来いよ。
予想
なんとか現体制を維持していただきたいので頑張って勝ってくれ。
まかり間違って勝ち越すぐらいにならないかね。
ロンドンゲームも始まったので、以上でバイウィークの暇つぶしを終わります。
MINがんばれ。