鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2024 Week11 @LAR感想

いい試合ではあったが、出来事が出来事だけに少し感傷の量は多めです。

 

 

展開と結果

開幕からLARにいいように進まれるが、Isaiah RodgersのナイスFFで事なきを得る。

A.J.で攻めるも詰め切れず、返しではまたもNacuaが止まらず逆転を許すという久方ぶりにDefenseが安定しない展開。

しかしそこから徐々にDeJeanを筆頭にDB陣が適応し始め、A.J.のTDレシーブで逆転して前半終了。

 

そして後半はSaquonの独り舞台。

開幕プレーでの70ydTDランを皮切りにそこから一切止まらず、31ydのスクリーンレシーブ、GainwellのTDランを挟んで最後は72ydの独走TDで試合をクローズ。

記録ずくめの試合となった。

 

 

結果PHI 37-20 LAR

 

 

Offenseのタレント力とOLの堅さ、そしてDefenseのアジャストと控え(Isaiah Rodgers)のいい活躍。

この試合を以って、SB制覇を本気で信じることにしました。

 

ハイライトは以下YouTubeからどうぞ。

BGの勇姿を心に焼き付けてください。

 

 

 

主なスタッツ

 

  • Saquonの総獲得ydは302yd。
    OLがライン戦で優位に立てていたことと、LB以降へのブロックもスムーズに決まっていたことによるものだとは思うが、とはいえGainwellのスタッツを見るとやはりSaquonの異常さは際立つ。

    やはり高給をもらうだけの理由はある。素晴らしいパフォーマンスでした。

 

  • しかし真の立役者はLARのEDGE陣の若さというか規律の緩みを効果的に衝いたStoutland先生のデザインとOC Kellen Mooreのコール。
    Mooreについては相変わらずパスゲームのデザインで言いたいことはあるが、37点獲ってるんだから貶す理由にはならない。
    お見事でした。

 

  • Defense側では、多彩な飛んでき方をするLARのWRたちに適応したDB陣も見事ではあったが、こちらも5サックを積み重ねたDL陣、特に2サックのMiltonも良かったが、1プレッシャーにとどまりながらもOLを一手に引き受け続けたJalen Carterさんの功績を見逃すわけにはいかない。
    もうAll Proでいいよ。

 

  • ガーベッジタイムに今季初TDを許した風のQuinyonだが、Next GEN StatsはTDと言っているがPFFはそうは言っていない(Sydneyの責)ので微妙ではあった。
    全体に文句はないが、Nacuaには今季一番やられていたように拝見した。
    いい成長の機会としていただきたい。

 

 

 

良かった人たち

  • Saquon Barkley
    なんと表現したらいいのか。
    255ydラッシングはShadyを抜いてPHIのフランチャイズレコード。
    シーズン1,392ydラッシングは11試合を終えてキャリアハイ。
    リーグ内でも同1,325ydのDerrick Henry(BAL)を抑えてリーグトップ。なお現時点で1,000ydを超えているのは上記2名のみです。


    彼を評論する言葉を持たないし褒める言葉もすべて陳腐にしか響かないのでこれ以上飾ることはしないが、Penn State時代に見せていたポテンシャルはこれぐらいのものでしょう。
    こうなれば2,000ydも超えたれ。

 

 

  • A.J. Brown様
    神を止めたければ一流CBを連れてこい。
    話はそこからだ。
    Darious Williams君?だったっけ?
    キミでは無理だよ。
    Insight Image with supporting data

    Saquonとのvibesも最高である。

 

  • Jalen Hurts
    SaquonA.J.が躍動しているのを見てとてつもない多幸感に襲われていたのだが、この日のHurtsも良かった。
    バイウィーク明け以降の事故の少なさは特筆すべきもの。
    事故が少ないだけでなく、この期間の+9.3%というCPOE(Completion% Over Expected)はリーグトップ。
    難易度が高いパスもしっかり通しているとのこと。
    もちろんこの功績がA.J.DeVontaに大きく依存していることは否定しないが、その2人がいてもどうにもならなかった時期のことを考えると十分に素晴らしいものである。

    いいよ。
    侮蔑的な意味の"ゲームマネージャー"を遥かに超える仕事ぶりだと思います。

    そしてそんなフィールド内のことより印象的なのはやはりその笑顔の多さ。
    やっぱりあんたが笑うと周りはみんな明るくなるんだよ。

    いい肩の力の抜け方ですね。
    1人で背負わなくていいんだその調子でね。

 

  • Milton Williamsと見せかけてJalen Carter
    WAS戦の衝撃の100%スナップ出場に引き続き、この試合も最初の51スナップ連続となる計84%のスナップに出場。
    Week10 DAL戦から続いていた114スナップ連続出場は今季のリーグのDT陣で最長。

    そしてこの試合では全35回のパスラッシュにおいて22回ものダブルチームに直面。
    62.9%のダブルチーム率はシーズンでも2番目に高い数字で、その結果は1プレッシャーのみではあったが、これだけの酷使は結果としてMiltonの2サックをはじめとするチームの5サックに確実につながっている。

    "JCのスナップ数を増やす"とはシーズン前にFangioが語っていたことだったが11試合で81%のスナップ率はDL陣最多。
    まさかここまでとは。
    そしてこの全盛期Fletchを超える頼られ方に完璧に応えているのがここまでのCarter

    ハドルではチームを牽引するような言葉も吐いている。
    相変わらずのテストステロンの多さでまだまだ危なっかしいところはあるが、山ほどのホールディングを受けても自分を失うことなく試合を終えることが出来るようになってきたように見える。
    いいリーダーにもなっているようで。
    この調子でがんばれ若者よ。


    2サックのMiltonももちろんナイスです。

 

  • LB
    相変わらず2人とも素晴らしいしこの試合でのDeanのサックとオープンのランプレーを中から刺したスピードには痺れた。
    UGA時代を思い出してきているようで何より。

 

 

  • Vic Fangio
    ガーベッジタイムを除くと14失点とFangio比ではだいぶMcVayにやられた試合だったがKuppNacuaが揃っちゃうとこんなもんでしょう。
    ありゃちょっとすごい。

    しかしそんなことより震えたのはこのプレー。

    (元ポストはBGについて言及しているが)なにこのモーションへのフィットは。

    LARはいつものようにKuppをモーションさせてQBを超えてから戻している。
    BlankenshipKuppに反応して一度完全に右側に行ったのを見たこの時点でStaffordの脳裏には"Kuppのマッチアップは#32でマンツーマンだから左に戻ったKuppはガラ空き"というインプットがされているはず。
    ところが蓋を開けてみるとリターンモーションのKuppには左に残っていたCJGJがから対応。
    ガラ空きのはずのKuppは全然空かず。

    ここから投げ捨てられたStaffordも大したもんだが、これはFangioの大勝利でしょう。

    こんなモーションへのアジャストは寡聞にして初めて見た。
    ルールの詳細がどうなっているのかは全くわからないがQBをまたいだ瞬間にCJGJBlankenshipでマッチアップの受け渡しをしたのだろう。
    2枚のSでモーションマンの役割分担があったのだろうが、Blankenshipは右に戻るのではなく左に残ってTEを見ている。
    あの一瞬でNo.2とNo.3の役割を渡し合ったのか。
    そんなことできるの?意味が分からない。

    考え出すほうも実行する方も意味不明。脱帽。バンザイ。

    もしかしたら普通なのかもしれないが個人的にはすごいもん見せられたという感慨にひたっているところ。
    あんたがベストだ。

 

 

 

Brandon Graham

  • Saquonという光が強烈な存在感を見せて先に向けての大きな希望を抱けるようになった日、その陰もよほど濃いものであった。

 

  • 我らがBGが完璧なパフォーマンスで惜しみなく輝いていた試合中に三頭筋を断裂してシーズンエンド。

 

  • 受け入れ難い。

 

  • 開幕前は"今季で引退"と宣言していたが、シーズンも進むにつれてそのトーンもダウンしていたのでもう少し見ていられるかと思った矢先の出来事。

 

  • 受け入れ難い。

 

  • 本人はリハビリもがんばるしチームとはできるだけ一緒にいたいと言っているし、事実水曜の練習では明るい表情でグラウンドに姿を現していた。

    これまで、つらい状況にあるチームメイトに常に前向きな言葉をかけつづけてきた自分を振り返り、その責任を果たすため、この状況でも明るくふるまうことを誓ったとは本人の言。

 

  • 「BGはフィールド上でもフィールド外でも、どんな状況でもリーダーシップを発揮する。彼のリーダーシップと、彼がこのチームに与えてくれたすべてのものが今も残っていることがとても嬉しい。
    すべての人々、すべての職場にBrandon Grahamが必要です。彼のエネルギーは伝染します。
    あなたが嫌な日を過ごしているとき、彼と一緒にいれば、その日を前向きに変えることができます。
    彼は素晴らしい日々を過ごしていました。
    リーダーとして、キャプテンとして、チームメイトとして、彼のことをどれだけ褒めても足りません。」
    とは試合後にBGのシーズンエンドを頑ななまでに信じようとしなかったSirianniの一夜明けた発言。

 

 

  • 2mを超える大男たちに立ち向かっていくにしては超人的なサイズでもなければ、比類ないスピードを持つわけでも、圧倒的なパワーの持ち主でもない。

    ただ執拗であること、絶対にあきらめないこと、やられても叩きのめされても笑って立ち上がり、明るく次のプレーに向かうこと、いつか自分の意思が相手を凌ぐ時がくると信じてやり抜くこと、そしてそんな前向きに過ごした日々に磨き上げた技の数々。

    これだけを懐に忍ばせてプレーすること15年。
    大ケガもいっぱいしたし期待外れの日々も過ごした。

    しかしそれでも自分と周りに前向きな言葉をかけ続けて、ひたむきにプレーすることPHI史上最多となる206試合。
    積み上げたサックはPHI史上3位の76.5。
    世界が目を剝くような成績でも、HoFに選ばれるような成績でもない。
    この数字があらわすのは彼の泥臭さとひたむきさと真摯さと、尽きることのない情熱である。

 

  • 2010ドラフト全体13位の元バスト。
    そしてこれほどファンからもチームメイトからも愛される選手はいまい。

    まだ信じない。
    来年にはまたあの笑顔を浮かべて元気に戻ってきてくれるんだろ?

    そう信じて待つことにするよ。BG。