No.1 Offenseの看板はダテではなかったですが、我らがDefenseも相当にがんばったのではないでしょうか。
Defenseが安定していると観戦が楽しくて仕方ない。
展開と結果
進まないOffense、ここぞとばかりにドバっと反則を吐き出すKicking。いいプレーが出てもどうしようもない奴のどうしようもない反則で下がっていくDefense。
ということで2Q中盤まで0-9で進行した最悪の立ち上がりではあったが、Offenseは強力LB陣のリアクションをオプションプレーでかいくぐり始め、Defenseはトレンチの攻防を優位に進めたことで徐々に落ち着きを取り戻し、GoedertとHurtsでしっかりTDを取りきってリードして前半を折り返す。
そこから先も戦い方は変わらず、安定したDLに引っ張られたDefenseがきわどいところで踏みとどまり続け、そしてOffenseは地味なSaquonのランを粘り強く続けて勝利。
点数の推移だけ見ると結構あっさり勝てたように見えるが、実際のところの勝因というか、Offenseの真価が問われるような場面に立たずに済んだ理由はこちら側にない。
向こう側にJustin Tucker(キャリアハイの3FG失敗)という誤算と敗因があっただけ、という実に紙一重の厳しい戦いでした。
結果:PHI 24-19 BAL
ハイライトは以下YouTubeからどうぞ。
主なスタッツ
- 苦しかったOffenseの裏返しとしてパントを蹴り続けたP Braden Mannはこの週のNFC最優秀Special Teamに選ばれている。
予想外の受賞ではあったが、Inside20を5回、うちInside5が2回というコントロールはお見事。
堅いDefenseを相手にするときにはこのフィールドポジションの優位はやはり欠かせない。
実にいい活躍でありました。
- 数字こそ嵩んだが、この試合もDefenseは最高だった。
Fangioが怒っていたのは、ほぼガーベッジタイムであった最後のドライブでTDまで進まれるきっかけとなったLamarの39ydスクランブル。
あれだけである。
ということはつまりそれまでほぼ完璧であったということだろう。
素晴らしい。
良かった人たち
-
Jalen Carter
この試合でも99%となる71スナップ(全72スナップ)に出場してダブルチームを食い続け、致命的なところで輝き続けた。
パスラッシュ43回においてダブルチームは25回。比率は58.1%で今季3番目に高い数字。
そして相変わらずめちゃくちゃ掴まれ続けていたが、それでも1サック。
そして致命的なところでもしっかりいい仕事をした。
最高なのである。JALEN CARTER IN A BLINK OF AN EYE 🔥 pic.twitter.com/C1y17CQ1Oj
— Philadelphia Eagles (@Eagles) 2024年12月1日
- Milton Williams
もちろんJCありきである。
だがいかにJCがダブルチームを食らおうが、フィニッシュが出来なければ意味がないと思うとシングルブロックではしっかりプレッシャーをかけられるこの男の存在は非常に重要。
サックこそなかったがチーム最多の5プレッシャーでしっかりLamarにとって気になる存在であり続けていた。
そしてこの男の素晴らしいところは、このサイズでありながら得意はむしろランDefenseであるところ。
この試合もダブルチームをJCと並んで押し下げていた。
Henryを思い通りに走らせなかった大きな要因であるはず。
キャンプのころから相当に評判は良かったが、いよいよ飛躍のシーズンとなっている様子。
契約最終年でありこのオフにはFA。
このままではFA市場で目玉となりそうな気配まで出てきた。
実に難しい舵取りを任されるのがRoseman。
先ごろ大型契約をもらっていたMcNeil(DET)を差し置いて指名して手塩に掛けて育てた感のあるMiltonだけに流出は避けたい。
だがOjomoにしろThomas Bookerにしろ楽しみな若手は出てきているし、DTではJordan Davisという難しい決定も待っている。
さてどうしましょうかね。
個人的には延長でいいと思います。
- Jordan Davis
そのJD。
やはりランストップがメインのお仕事となると輝く。
24スナップという、OjomoとBookerの合計値程度の出番ではあったが、対ランではいい仕事でした。
とても年10Mを超える契約をもらえる働きにふさわしいとは思えないが。
- EDGE陣(Nolan Smith・Josh Sweat・Jalyx Hunt)
BG離脱で出番が露骨に増えたのがこの3名。
Sweatは同期のバカにサックを消されたが相変わらず一番安定してプレッシャーをかけられていた。
やはり気になるのがパスラッシュ時のコンテインに関する規律のところで、Sweatが安易に中に入ってしまうためにLamarに走られるというシーンも見た。
こういうところが評価を難しくしているが、素晴らしいEDGEであることは間違いないので早く延長してほしいところ。
Nolanは1巡にふさわしい活躍を徐々に見せてくれていて大変頼もしい。
いいスピードでした。
そしてルーキーJalyx Hunt。
もう少し時間がかかると思っていたが、蓋を開けてみればStanley相手にこれは及第点でしょう。
地味ではあるが、懸念だったランストップでしっかりこのリーグ最高峰のOT相手に勝負出来ていた。素晴らしい。
さすがに現状ではSweatとは比べものにならないし比較するのは失礼でしかないが、だが気配は見えた。
とはいえこれだけでSweatもBGもいなくなるかもしれないしHuffが本物かどうかわからないEDGE陣の未来を託すわけにはいかない。
がんばれもう少し今シーズン中に成長してみせるのだ。
- Zack Baun
はい最高。
All Proだろうよ。
BAUN IN THE BACKFIELD 🔥@zackbizzaun | #FlyEaglesFly pic.twitter.com/6xpwwHK5CY
— Philadelphia Eagles (@Eagles) 2024年12月1日WE <3 ZACK BAUN@zackbizzaun | #FlyEaglesFly pic.twitter.com/fU14nk6SQk
— Philadelphia Eagles (@Eagles) 2024年12月1日
- Quinyon Mitchell
PFFによると5回ターゲットになって2レシーブで4ydだとのこと。
はいDROY。
- Cooper DeJean
こいつは本当に華があるな。
Cooper DeJean takes down Derrick Henry 💪
— NFL (@NFL) 2024年12月2日
📺: #PHIvsBAL on CBS/Paramount+
📱: https://t.co/waVpO909ge pic.twitter.com/Lwq9S0PfZo1つのタックルミスで試合がどう転ぶかまだわからない時間帯にこの教科書に載るべき美しいタックルである。
さすが婿に来て欲しいNFLプレーヤーNo.1である。
これ以外にもいつもどおりカバレッジではいい仕事をしていた。
DROYこそQuinyonに譲るだろうが長く柱として活躍してください。
- Tristin McCollum
Blankenshipが傷んだあとに出てきて、上述のDeJeanのタックル直後のプレーがこちらのPBU。
Tristin McCollum with the near pick on 4th down pic.twitter.com/agPQ3jO1tN
— DIE-HARD 🦅 REALTOR® (@Eaglesfans9) 2024年12月2日俯瞰の映像は以下です。
Vic Fangio's Eagles defense shrinks space in coverage consistently, no matter who has the assignment
— Shawn Syed (@SyedSchemes) 2024年12月2日
Tristin McCollum (safety to the bottom of the screen) filled in for an injured Reed Blankenship and had a PBU as an active dropper into the dagger window on this 4th down pic.twitter.com/HUEvBKlove
Fangioさんはやっぱり教育という点でいいDCなんだろうな。
This might be my favorite defensive play of the night. The Ravens motion pre-snap and you can see Avonte Maddox pushing Jeremiah Trotter Jr. over.
— Shane Haff (@ShaneHaffNFL) 2024年8月12日
Tristin McCollum and Nakobe Dean do a beautiful job of passing off the mesh concept underneath. The coverage on the back end is… pic.twitter.com/SOkL7YPkDW
代役つながりで言うと、Isaiah Rodgersもちょこちょこやられながら総じて綻びにはなっていなかった。
大変よろしい。
- OLとSaquon
はい素晴らしかったですね。
いつも通りなので取り立てて言うことはないですが、素晴らしかったです。
- HurtsとA.J.
やはりDeVontaがいない影響があったのか長めのパスはほぼ投げなかったHurtsだが、それでも困ったときのA.J.はいつも通り生命線であり続けた。
バイ明け以降グッと事故を減らした堅実なプレーに徹しているHurtsも、Saquonが爆発しているためにターゲットが減っていることについても"(Henryとプレーしていたから)よくあること。Saquonは特別な選手だということさえ受け入れば適応するのは簡単だよ。ターゲットが減っていつボールが来るかわからなければ、Saquonを利用していいプレーが出来るようになる"と意に介さずチームプレーに徹するA.J.も本当に素晴らしい。
チームの雰囲気は最高のようですね。
文句を言いたい人
- Avonte Maddox
2スナップ。
1つはSweatの美しいサックを取り消すホールディング。
もう1つは伝統芸"Nelson Agholorのドロップ"がなければ30ydぐらいのゲインを食らっていたゆるふわカバレッジ。
こいつへの文句はもうない。
明確に狙われてるんでしょうから。
文句は1つ。
だからよ。
使うなよ。こいつを。
今後
- 難敵BALを退けた勝利は良かったんだが、木曜試合で激戦の末にDETがGBを退けたことにより、DET優位の展開は変わらず。
第1シード獲得のためには、先方が残る地区内2試合(@CHI・vsMIN)のどちらかに負けてもらわないと話にならない。
序盤にカンファレンス戦でATLに負けたのがここにきて響いている形。
(それに加えて先方のNFC北地区がだいぶ強いこともこの争いでは不利)
- まああの時はここまで良くなるなんて想像もできなかった。
そう思うと多くは望むまい。
A.J.もこのことに水を向けられて、"ホームの試合は残り4試合のことだけ。そしていまはCAR戦だけに集中している"と一蹴。
これでいいんでしょう。
- 攻守ともにトレンチが安定するとこの試合のような息の詰まる潰し合いでも対応できる。
実に素晴らしい。
そしてDefenseが安定しているのも安心して試合を見ていられる大きな要因となっている。
この調子で残りの試合もよろしくお願いします。
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