楽しかったレギュラーシーズンも残すところあと4試合。
最終3つが同地区になるので見慣れない相手とやるのもこれが最後。
2年ぶりとなるご近所さんがやってきます。
Pennsylvania最強はどっちかを決める重要な戦い。
ケガ人
PHI
Friday’s Injury Report#PITvsPHI pic.twitter.com/CFwnt0wBI3
— Philadelphia Eagles (@Eagles) 2024年12月13日
OUT
WR Britain Covey:首
Questionable
WR Johnny Wilson:病気
コンタクトがない練習にはフルで復帰したCoveyだが場所が場所だけに試合復帰はまだ。
契約最終年の終盤にこれはちょっと痛い。
Johnny君は風邪でもひいたかな。
しかしBlankenshipとSydneyが復帰したのはMaddoxのつけ入る隙がなくなるという点で非常に大きい。まあCAR戦に関して言うと目立った悪さはなかったが。
PIT
OUT
WR Georgia Pickens(ハム):55 Rec/850 yds/3 TD
DT Larry Ogunjobi(股関節):37 Tkl/1.5 Sack/5 TFL
S DeShon Elliott(ハム):96 Tkl/1 INT/6 PD/2 FF
IR
CB C.J. Henderson
WR Roman Wilson
OT Troy fautanu 他
PHI目線でもそうなのだが、PITからしてももちろん同様に、カンファレンス戦でもないのでプレーオフ争い的に言うとメンツ的な無理は不要。
ということでPickensの復帰は次節BAL戦以降に持ち越される様子。
素晴らしい。
ElliottにしてもPatrick Queenに次ぐタックルリーダー故にPHIでいうとBlankenshipぐらいか。
大変よろしい。
対決軸
歴史
- Pennsylvaniaに所在する2チームの対戦成績はここまで80戦してPHIの48勝29敗3分けという意外にも得意としている相手。
- しかも@PHIでは直近10連勝中。
最後の敗戦はおよそ60年前、1965年にまで遡る。
当時のスタジアムはFranklin Fieldと言ったのだそうな。
- 最後の対戦は忘れもしない2022シーズン。
A.J. Brown様のハットトリックゲームでしたね。
- まあこの対戦成績というやつでいうと、CIN相手に敵地初勝利を挙げたのが今季にもあったのでどこまで行ってもアテにはならないんだが、まあいい情報ではある。
あいつ
- しかしそんな相性の良さを一人で打ち消しかねないのがあいつ。
そしてこの場合は一人の人間が残した成績なのでチーム同士の対戦成績よりもよほど信憑性が高いのが面倒。
それが対PHIで5戦して5勝0敗。1,192yd 8TD 1INT Rating 99.7という成績を残しているRussell Wilson。
この男のおかげで現在PHIはSEA戦9連敗中である。ぜひプレーオフでの対戦は回避したい。
しかしまあこれだけやられりゃあのオフにRuss獲得に動いたのもよくわかる。
そしてRuss側が拒否した気持ちもよくわかるというもの。
双方にとって実に幸せなすれ違いであった。
マッチアップ
PHI Offense
- 今季リーグ最多のキャップヒットを誇る超高級(高給)Defense。
- 給料も年齢も高くなっているが、EPAで言うとリーグ上位4番手(PHIは6位)という投資に見合う優秀さ。
歴史的に強い印象があるが、DCのTeryl Austinさんという方は存じ上げなかった。
- 傾向としてはシングルハイ使用率が高く、CBに負荷をかけてでもQBにプレッシャーをかけることを好む仕上がりになっているとか。
(シングルハイ使用率は71%でリーグ1位。なおシングルハイのときに奪った11INTという数字ももちろんリーグ1位)
- EPAが好成績なことからもわかるように、ターンオーバーが多く、Takeaway数は28でリーグ1位。
実に7試合で3回以上のTakeawayを達成しているのだそうな。
強みはとにかくDL陣で、中も外もまんべんなく強いもんだからQBには逃げ場がない。
スクランブルを許したのはここまでたったの9回で余裕のリーグ1位(2位でも17回とかなので断トツ)であり、あのJayden Daniels(WAS)とかLamar(BAL)といった脚力自慢たちでもスクランブルできなかったんだからDLの締まり方はPHIとは段違いと言っていい。
これまでスクランブルでの1st Downをたった3回しか許していないとはどんなDefenseだようらやましい。
基本的には、早めのダウンからBlitzを入れたキツいマンカバーを敷いて3rd Downを作り、そこでは優秀なDLの力に頼ってBlitzはあまり入れず、後ろはDBの数を増やしてソフトなZoneカバーで守る、というもの。
それが証拠にマンカバー使用率が3rd Downよりアーリーダウンの方が多いというリーグで2チームしかないチームの片割れ(もう一つはJAX)となっており、3rd DownでもBlitz率も15%とリーグ最少。
なんと3rd Downでは今季ここまでまだ1回もZone Blitzを敢行していないのだとか。
ただ、DanielsとLamarを封じたときにはそれをちょっと変えて、
アーリーダウンにBlitz+ソフトZone、
3rd Downに5-menのコンテインラッシュ+マンツーマン、
という変化をつけてきていた様子。
DanielsとLamar相手にやったやり方の方が、困ったときにスクランブルで状況を打開する場面が目立つ最近のHurtsからしたら相当に困ることになるはず。
難敵。
- ちなみに、3 & OUT率は38%とリーグ2位で非常に優秀。
- Hurtsが絞めあげられた場合、真っ先に頼りたくなるのはSaquonだが、ここも難しそうなのが、PITはリーグで最もタックリングがしっかりしたチームであるということ。
ここまでタックル機会における成功率は89.5%でリーグ最高、ミスタックルによって許したヤードは532ydでこちらはリーグ4位の少なさ。
ただまあこのDefenseもPHI OLとマッチアップするのは初めてだ。
そこでなんとかするしかない。
- フロントのキーマンはCameron HeywardとT.J. Wattという5年以上変わらない顔。
だが、T.J.の方は少々これまでと勝手が違うことになっているようで、ここまでキャリア最悪となるプレッシャー率10.0%という仕上がり。
一方で、プレッシャーをかけた際のTurnover誘発数は4回でリーグ2位タイ、サック率は23.2%という数字が残っており、決定力が落ちたわけでは全くないということのよう。
そして何よりランストップが神がかっているようで、EDGE業界で3番目ぐらいの指標の良さだとのことです。
T.J.の相方がまたこれ厄介なNick HerbigとAlex Highsmithだが、特に面倒なのがHerbig。
あのHerbigの弟であり、そういえばあのHerbigも今はPIT(IR)に所属している。
Herbigのスピードに対戦相手は頭を悩ませているようで、ここまでストリップサックが3回。(T.J.も3回)
ストリップサック食らった回数リーグ2位(5回)であるHurtsを向こうに回して今頃涎を垂らしていることであろう。
ただまあここまでたらふく褒めたが、マッチアップがLaneとMailataなので問題なし。
ここ5週で5サックと調子を上げてきているのがプロ14年目ながら衰え知らずのHeyward。
InsideからのプレッシャーでQBをポケット内に押しとどめ続けているこの男がたぶんこのDefenseにおける最重要なパーツ。
これと2年目となるKeanu Bentonもいい活躍をしているようなのでこの2名をどう封じられるかがOffense全体にかかわるところ。
IOL3人にとっては今季最もつらい仕事。よろしく頼む。
- しかし一番の問題は、騒動後だけにいつもに増してA.J.を遣いたくなっているHurtsを、フィールドの最後方から狙っているMinkah Fitzpatrickの存在。
上述したようにシングルハイ比率がリーグ最多になっているのはすべてこの守備範囲の広い優秀なSの存在のおかげ。
カバー時の被レーティングは45.2というまだまだ一流の数字を残しているとのことでこいつの存在には常に気を遣っておく必要がある。
まあA.J.は2年前もFitzpatrickの頭越しにTDレシーブを決めているので問題なかろう。
相対的に弱いのはCBだと思われるのでそのあたりをしっかり攻めていただきたい。
- ゲームプラン
- Hurtsさんにおかれては特にポケット内で、絶対にボールを守ってください。
- マンカバー、特にプレスマン比率が増えるはずなのでそこをしっかりブチ破ってください。この場合は絶対にA.J.です。
- Boxに人数を増やすのが好きなチームっぽいのでいつもとは逆でまずリスクを恐れずパスから入ってそののちにラン、という組み立てはいかがでしょうか。
- とにかくこの試合はA.J.だよ。
PHI Defense
- 先方のOCはArthur Smith。
特筆すべきものは3つ。
ランゲーム・タテのルートによるパスゲームの組み立て・YAC。
- Stop Russ。
と、敢えて言わなければならないほどもはや圧倒的な存在ではないが、ここまでちゃんと効果的なプレーをしている様子。
目立つのはプレーアクションで、ショットガンからであろうが構わずプレーアクションを入れてくる。
狙いどころは、真ん中のエリアが少なく、右側が非常に多いということなのでメインのCBはSlay。
加えてインターミディエートの長さに投げる率も低いということなので長いのかめちゃくちゃ短いのか。
後者ならLBもしくはDeJeanになろう。
とはいえ致命傷になりかねないパスはSlayのところに飛んでいく。
- メインターゲットは今は亡きPickens。
Russの今季の特徴として、Deepの成績がいい(期待以上のパス成功率:CPOEという指標では20yd以上のAir Yardのパスで+22.4%でリーグ1位)ということが挙げられるようだが、それも半分以上がPickensに向けてのもの。
PickensがいないとなるとターゲットはTE Freiermuthになるか、Deepターゲットとして有能ぶりを垣間見せているCalvin Austinなのか、CLE戦でいいプレーを見せていたMike Williamsなのか。
トレード加入以降のコンビネーションの熟成ぶりをCLE戦に見るのであればMike Williamsのターゲットが増えてきそう。
Russの大好きなフィールド外側へのバックショルダーだろうな。
頼んだぞQuinyon。
それと先週はLeggetteの落球に助けられたCJGJよ。
Calvin Austinにあれやられるのはやめてくださいね。まあBlankenshipが復帰したからないとは思うが。
- パスラッシュはLTのDan Mooreが狙い目らしい。
ということでSweatよろしく。そして契約延長までどうぞ。
- CAR戦で大問題になった、ちょっとずつランが止まらない問題。
ただ、PITは11Personnel(1RB・1TE隊形)の使用頻度が少なく、その代わりに特にPickensがいなくなっている期間においては3TE隊形が増えているとのこと。
こうなるとPHIとしてはJordan Davisを使いやすくなるのでこれでランが止まらなければもうおしまい。
ランストップからでお願いします。
- ゲームプラン
- Russの生命線であるDeep Ballにやられないように。なんなら奪ってほしい。
頼んだBlankenship。 - Deepにばかり気を取られていると手前からすごいYACを稼がれるリスクもある。今季のPHI Defenseで小さい懸念であり続けている短いRBへのパスとスクリーンはちゃんとDLとLBで仕留めてください。
Jaylen Warrenはいいスピードを持ってそうだな。頼むぞBaun。 - Russの球離れが相当にいいという話ではあるが、プレッシャーは継続的によろしく。
IOLには懐かしのSeumaloを筆頭にいい選手が揃っているとは聞いているがJC筆頭にDT各位とSweatはどうかあいつをポケットから出さないように、そしてできればしっかり仕留めてください。 - とはいえまずはNajee Harrisを止めるところからすべては始まる。
- Russの生命線であるDeep Ballにやられないように。なんなら奪ってほしい。
結び
- そういえば前回の対戦ではフェイクパントをやられた気がする。
やり返せ。
- 話が逸れた。
PITがメンツ的に無理をしないこの試合の重要性がPHIとしてどこにあるのかというと、この試合に勝ってしまうとWASとSEAの動向次第ではNo.2シード(以上)を確定できる可能性があるということ。
そうなればNo.1シードは難しいにしても自主的に主力にBye Weekを作れる可能性がさっさと出てくる。
それは最後の3週の戦い方に影響してくるであろうからそういう意味でも負けられない。
- Pennsylvania最強がどっちかを思い知らせてやるのだ。
勝て。
GO BIRDS!!