出所が嫌いな記者なんで信じたくはないんだが、Reddickに関する良からぬ噂がちょくちょく出ている。
が、気にいらないので取り上げない。
さて、ドラフト方面は日に日にトレードダウンの気配が濃厚になってきたところですがとりあえずちょっと溜まっていたニュースを少し。
帰ってきた人
先ごろカットしていたNCB Avonte Maddoxと再契約したのだそうです。
9.7Mのキャップヒットだったのが7.7Mのデッドマネーを計上したうえで1.6Mという激安キャップになって帰ってきました。
住民税払えるんでしょうか。
そしてPHIは何か得をしたのでしょうか。
よくわかりませんが、ちょっとはキャップ上の負担も減ったしまあいいんでしょう。
ケガさえしなければ十分にNCBのスターターを張れる人材が帰ってきたのは大変心強い。
再起をかけてがんばってくださいませ。
盤石な左側
続いて、Maddoxの同期であるLT Jordan Mailataとの契約延長も決定。
3年66Mでの延長で2028シーズンまで囲うことに。
2023シーズンはキャリア初の全スナップ出場を果たし、PFF的にも、映像的にも安定してきたMailata。
2024シーズンは先ごろの契約上保証サラリーなしというタイミングになっていたのでタイミングとしてはここだったんでしょう。
そういえば来オフはA.J.が同様の状況になる。
延長かトレードかカットかはよくわからないが、とにかく2024シーズンはチームにとってもA.J.にとっても重要極まりないシーズンになりそう。
話が逸れた。
先月のLG Landon Dickersonに引き続いての延長でOL左サイドはこれで長期盤石の構え。
22M/年と聞くとその金額規模にビビってしまうところだが、これは実は3年前の4年64M(16M/年)という規模と、サラリーキャップに占める割合ではほぼ同等。
何ならちょっとパーセンテージは下がった。
それぐらいのお得な契約延長。
メインはサラリーキャップの調整シロなような気がしており、数年前までLaneのところでやっていた打ち出の小槌の打ち先を今後はMailataに変えていくということでしょう。
Laneと同じぐらいの重要度になったか。
なんともうれしい限り。
この男のシンデレラストーリー、ずっと続けばいいと思っています。
有意義な保険
最新の獲得案件が、TE C.J. Uzomah。
昨シーズンはケガに泣かされたようだが、CIN時代の2021シーズンには先発TEとして16試合先発49回捕球493yds(Avg. 10.1yds)5TDの活躍でCINのSB進出に貢献している。
勝手にレシービング寄りのTEだという印象を抱いていたが、PFFによると2023シーズンのUzomahのランブロックはPHIのどのTEよりもいい数値を叩き出しているのでそっち方面でも悪くはなさそう。
31歳という年齢だけがどう転ぶかわからない要因であるが、保険としては悪くない選択肢。
なにより、彼の存在はドラフトでのTE指名を妨げるものではないというのがまた良い。
健康ならGoedertを除いた連中よりはるかに頼りになる存在。
キャンプでの競争が実に楽しみ。
現在のデプスチャート概観
Uzomahまでを踏まえたデプスチャートが以下です。
Offense
かわいそうなPSのTE E.J. Jenkins君は紙面の都合上除外となりました。
IOLとWRは下位で確保するとして、RTのところが気になる。
何度でも、喉が嗄れるまで言うが、1巡だけは本当にやめろよ。
Defense
Maddoxの加入により、NCBにはまた1人単年契約が加わることになりました。
そろそろ長期的な何かの候補を見つけてほしいところ。
RicksはNCB向いてないと思うぞ。
PHI的ドラフト戦線における異常
最近専らテンションが上がらないのがここの動きに起因している。
以前書いたのが以下だったが、この中でも"ガセだった"ものと"取りやめになった"ものと、さらに追加がある状況。
ではまとめてどうぞ。
とは言いながら遡っていただくのも不親切だということで報じられていた選手を以下に改めて書くと、
EDGE Laiatu Latu(UCLA)
EDGE Chop Robinson(Penn State)
WR Ainias Smith(Texas A&M)
OT Travis Glover(Georgia State)
WR Brenden Rice(USC)
LB Edgerrin Cooper(Texas A&M)
OG Zak Zinter(Michigan)
DB Cooper DeJean(Iowa)
OT Tyler Guyton(Oklahoma)
DT Khristian Boyd(Northern Iowa)
OG Cooper Beebe(Kansas State)
OG Brandon Coleman(TCU)
OG Christian Mahogany(Boston College)
こうなる。
このうち、WR Ainias Smith(Texas A&M)・OT Travis Glover(Georgia State)・WR Brenden Rice(USC)・DT Khristian Boyd(Northern Iowa)に、相反するレポートが出ており、どうやら取りやめになったとか元からそんな話はなかったとかの情報が錯綜していて全容が掴めないところ。
現地記者も情報の洩れ方が例年と違いすぎてパニックに陥っている様子。
そんな中ではありますが、その他ご新規の情報も出ておりますので追わずにはいられない。
CB Decamerion Richardson(Mississippi State)
(4/13追加)
40yd4.34のスピードはさすがだが、この体格からわかる通りブレイク系が弱い。カレッジでは中も外もやっているが、プロなら外CBではなかろうか。
身体能力先行の典型的な素材。
それが証拠にカレッジ通算INTはゼロ。
視野が狭いというか素直なところがあって、WRのフェイクにはいちいちリアクションしてあげている。
プレーから知性は一切感じないが、たぶんいいやつ。
Nabersとのマッチアップが多かったLSU戦は地獄の出来栄えだった。
組合せとしては最悪の部類で、Nabersのクイックネスに到底ついていけず、という場面が多々。
もう少しOffenseを理解して予測なんかを交えながらクレバーにプレーできないと次のレベルではしんどそう。
このあたりを踏まえて、巷の評価は3日目の素材枠。
そう思います。
LB Trevin Wallace(Kentucky)
大本命Edgerrin Cooperに続いてのLBはかつて紹介したはずの選手。
運動能力がRoseman好みの高さで、ただプレーのレベルは現状圧倒的でも何でもない。
いい選手だとは思うが、早めに指名されるのは怖い。
パスカバーのスムーズさとレンジの広さ、そしていざホールが決まったときの上がりの思い切りの良さは大好きなのだが、一方でOLの処理が下手すぎて密集すると目も当てられないランストップを見せる。
個人的にはLB5。
Rosemanが気にいるのは何となくわかるし、というかドラフト1ヶ月前を切ってから急に追い風を受けて評価急上昇中というよくわからない存在。
Trevin Wallace is a LB prospect in the 2024 draft class. He scored an unofficial 9.65 #RAS out of a possible 10.00. This ranked 95 out of 2649 LB from 1987 to 2024.
— Kent Lee Platte (@MathBomb) 2024年3月1日
Splits projectedhttps://t.co/YKzYaX2mph pic.twitter.com/fpX0mM4Z8D
EDGE Marshawn Kneeland(Western Michigan)
一応ここに挙げたが、"バーチャルミーティングだけだった"とか"ワークアウトだけだった"というレポートも出ており、確証はない選手。
スモールスクールだけあってパスラッシュのテクニックなんかは十分に磨く余地がありそう。
パワーとランストップはそれなりのものがあるが、現時点では素材。
目に付くのは野生に近いパワーで、磨く側が試される存在でもある。
まあね、Sweat・BGがいるこのタイミングではこれぐらいの素材に振る余裕はあるのかもしれない。
巷の噂では2巡で消える。
That's a newer bug I haven't been able to fix yet, but here's what that looks like. pic.twitter.com/pAboCdpSNH
— Kent Lee Platte (@MathBomb) 2024年3月20日
CB Andru Phillips(Kentucky)
中も外もできるなかなかプレー強度の高いCB。
3巡までには消えるという声が出てきはじめている。
マンツーマンもイケるが、強みは前への強さ。
その点でクックネス系の数値があまりよくない(スピード系の数値はいずれもMaddoxを下回る)のは気になるが、悪いというほどのものではないので目を瞑ろうか。
カレッジ通算0INTだしFFも記録していない。
だが前への強さだけでNCBとしては魅力的に映る。
非常に気になる選手だし是非指名してほしい。
Andru Phillips is a CB prospect in the 2024 draft class. He scored a 8.10 #RAS out of a possible 10.00. This ranked 460 out of 2422 CB from 1987 to 2024.https://t.co/R7REmXv6OL pic.twitter.com/xkxKfhdHvo
— Kent Lee Platte (@MathBomb) 2024年4月5日
CB Jarrian Jones(Florida State)
コンバインでの数字で評価を上げている選手。
こちらももちろんNCBはできる。
だが、ことプレーにおいてすごいものにお目にかかったことがないのでよくわからないというのが正直なところ。
巷の評価は3日目、6巡とかそのあたり。
Jarrian Jones is a CB prospect in the 2024 draft class. He scored an unofficial 9.87 #RAS out of a possible 10.00. This ranked 30 out of 2222 CB from 1987 to 2024.
— Kent Lee Platte (@MathBomb) 2024年3月1日
Splits Projectedhttps://t.co/3zRdd9t7rL pic.twitter.com/rt2sD6YBiA
IOL Troy Fautanu(Washington)
はいまたしてもIOL。
全米王者一歩手前までいったWashington大の正LTだがサイズが小さいのでプロでは恐らくIOLに動くことになる。
プロテクションの感じは非常に好み。Penei Sewell(DET)と比較するとさすがに失礼だろうが、そんな気配のある根っこの生え方。
ランブロックでは上半身のパワーが足りなそう気配はあるが、スピードも前への推進力もある。
1巡じゃなかったら欲しいけどそうはいかんのだろうな案件。
Troy Fautanu is a OT prospect in the 2024 draft class. He scored a 9.64 #RAS out of a possible 10.00. This ranked 49 out of 1331 OT from 1987 to 2024. https://t.co/fbR1anj4tk pic.twitter.com/SD2JEDEfkP
— Kent Lee Platte (@MathBomb) 2024年4月2日
CB Caelen Carson(Wake Forest)
ケガが多いという難点はあるが、それを除くといいCB。
外も中もイケる。
目を惹くのが前への鋭さ。トップスピードのなさもあるのでやはりNCB要員でしょうね。
1試合べったり付いたKeion Coleman(Florida State)には完敗。
惜しい勝負ではあったが。
賢さというか見切りの良さというのは随所に感じる。異次元の身体能力を持つわけではないのが本当に残念。
Rosemanに珍しい身体能力以外の何かを見たっぽい枠。
Caelen Carson is a CB prospect in the 2024 draft class. He scored a 6.12 #RAS out of a possible 10.00. This ranked 941 out of 2422 CB from 1987 to 2024.https://t.co/bzAUiPntBV pic.twitter.com/kwmPXYzX2e
— Kent Lee Platte (@MathBomb) 2024年4月5日
CB Kool-Aid McKinstry(Alabama)
ついに1巡指名が不足ないCBの名前を見た。
相方のTerrion Arnoldより洗練されているようにお見受けした。
我がCB2。
マンツーマンもゾーンカバーもこなすし、特にマンカバー時のブレイクが素晴らしい。
敢えて欠点を挙げるとランストップだが、そんなものはおいおい成長していけばよろしい。
Slayの後継候補筆頭。
Kool-Aid McKinstry is a CB prospect in the 2024 draft class. He scored a 7.54 #RAS out of a possible 10.00. This ranked 597 out of 2422 CB from 1987 to 2024.https://t.co/xyu91Dz71L pic.twitter.com/7IMafsoTdR
— Kent Lee Platte (@MathBomb) 2024年4月5日
元来、PHIというかRosemanはTop-30で会った選手を上位で指名する。
だがどうだろうこの22位指名候補者の少なさは。
WRはまだしもEDGEとかCBなんて誰が落ちてきてもおかしくないのが22位のはずなのにこれはさすがに準備不足が過ぎよう。TEなんか誰もいないし。
このパターンで落ちてきた(当時)大物に一切予習を行わずに飛びついたのがPHIドラフト史における近年最大のバスト・Andre Dillardさん(2019ドラフト1巡)であった。
こいつは前述のMailataが大成功したお陰で事なきを得たがまごうことなきRoseman最大の失態。
奇しくもあいつも1巡22位指名であった。
ちなみに、Jalen Reagor(2020ドラフト1巡)は、あれはもうパンデミックのせいなので致し方ないものと整理している。
だがReagorにしても事前の面談を経ていないのは間違いないのでやはりこの準備不足の部類。
「Top-30で会ったからと言って指名するとは限らない」とはよく言われることで、この面談の目的はプロの全選手のデータを集めることだとのこと。
例えば、FAのように会って契約ができるパターンではなく、トレードでRosemanが獲得に動くのもプロスペクト時代にTop-30で面談済みの、どんな人間かがわかっている案件ばかり。
近年の成功事例であるA.J. Brown・CJGJもTop-30で面談済みでありどんな人間かは把握していた種類の獲得。
そう考えると、どうもトレードダウンするつもりなのではないかというのが読みであり、テンションが下がる理由。
それこそA.J.の契約のこともあるし、その時点で残っている一番インパクトを残せそうな選手を指名してほしいんですけどね。
例えばEDGEとか。
なかなか希望通りには転んでいかなそうです。