鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

トレードと穴埋め

宙に浮いていた選手の処遇が明らかになりましたのでその話と、穴埋めの話です。

 

 

懸案の解決

Trade

Trade!!!!>(以下、差し出したもの)

PHI:EDGE Hasson Reddick 2026ドラフト条件付き3巡:NYJ

*2024シーズンのスナップ率が67.5%以上 + 10サック以上で2026ドラフト2巡

 

長らくトレードの話が出ていたReddickの問題がようやく解決。

後ろ倒しにしていたロスターボーナスの支払い期限が4月1日という話だったのでその直前に駆け込みでの成立。

 

PHI現地の楽観ファンは2024ドラフトのそれこそ3巡ぐらいを期待していたのでちょろっと荒れている状況。

 

いい選手はいくらいてもいい、でお馴染みのEDGEではあるが、Huffを3年51Mで獲得してMIAにおけるAndrew Van Ginkel枠としてのZack Baunを獲得した時点で、もうこの将来は決まっていたのでしょう。

 

Reddickさんへ。

2年間いいパスラッシュをどうもありがとう。

NYJではSalehに使われることになるので、2023シーズンのような意味不明なパスカバーに駆り出されることもなかろう。

楽しくやってください。

 

 

 

対価

条件を見ていただければお判りいただけるだろうか。

Jermaine JohnsonMicheal ClemonsWill McDonald IVJohn Franklin-MyersがいるNYJのEDGE陣でスナップ率67.5%を計上する難しさを。

PHIでは毎年クリアしていた数字ではあるが、相手はSweatNolan以外は35歳のBGぐらいであった。

 

ということでまず2巡にはならないので頂戴できるのは2026ドラフトにおける3巡。

これは、ちょっとマシになった2024オフUFA放出時の最上級補償ピックと同義である。

 

加えて、PHIは2024シーズンのキャップにおいてデッドマネー21.5Mを無事計上することになる見込み。

 

 

評価

さてどうなんでしょうか。

現地のリアクションも、個人的な第一印象も、いろんな意味を込めて"F"という評価ではあった。

 

Reddickを放出したからと言って、

①対価がだいぶ先

②キャップ上は1.5Mしか空かない

③いいEDGEはいくらいてもいい

という理由から、2024シーズンもReddickを残せばいいと思っていた。

 

しかし時間が経って、まあこれでもいいのか、と思い始めてきたのが以下。

 

①NYJの2024シーズンがまごうことなきオールインシーズンであること

Rodgersの契約最終年かつ年齢を考えると、2024シーズンに彼らが懸ける思いは強い。

うまくいくかはわからないが、Rodgersの賞味期限的にやるしかないのが2024シーズン。

そうなると、2025シーズンには少なからぬ反動がくるはず。

 

2026ドラフトの指名権は、その反動シーズンの順位に基づくものである。

どうだろう。

NYJファン各位には申し訳ないが、3巡だろうが2巡近くまでハネ上がる可能性は十分にあるのではないか。

補償ピックであればベストケースでも3巡最後尾だったわけで、そう考えると3巡上位を見込めるNYJを選んだことは悪くなかったのではなかろうかとも思える。

 

 

ちなみに、来オフにPHIからUFAになる予定だったのは、ReddickSweatWhiteを筆頭に結構な数いるが、補償ピックの対象になりそうだったのは上記3名である。(BGは引退なので対象外。の予定。)

 

それに対して獲得候補としては賞味期限ヤバいCBとかやはり枚数が足らなそうなEDGEとかが見込まれる。

高額になる可能性が高いこれらのポジションとの相殺が発生すると思うと、果たしてReddickでも補償ピックとなれたかどうかは甚だ疑問。

そう思うと、対価がだいぶ先なのは痛いにしても確実に補償ピックとしては高額な条件を引き出せたのだと思うとOKなのではなかろうか。

 

 

②キャップ的に意味はない。だがキャッシュは15Mの節減となった

"キャップよりキャッシュの方が大事なんだよ"というのは現地専門家がよく言うことである。

キャッシュがあればできること、と考えると"大型契約の契約金"という思考に至る。

ということでReddickでのキャッシュ節減分はすべてDeVontaの契約延長の資金に充てられることになる

ありがとうReddick。

 

 

③とはいえEDGEだけを揃えていても仕方がない。

最後まで飲み込めなかった、"揉めてるとはいえまだ契約が残ってるんだから現行契約でReddickを確保したらいいじゃないか"という自問への答えがこれ。

 

契約最終年であるSweatBGに加えてどうしても外せないNolanHuffの合計4名が確定。

加えて、この状況でSweat・BGの後釜をドラフトしないわけがないので今ドラフトの割と高位で指名されるであろう未知の誰か1名を加えると合計5名までが53ロスターにおいて囲っておかねばならないEDGEラッシャーである。

そこにReddickまで、となると6名が確定となる。

そうなるとBaunを入れる場所もないし、STのことを考えても戦力構成がEDGEに寄りすぎるし、またしてもNolanには出番が回ってこなくなる。

さすがにこれは健全ではなかろう。

 

繰り返すが、KCが教えてくれたのは、"バランスを取ること"の重要さである。

 

 

どうでしょう。

上記①~③の理由を以って、無理矢理このトレードを飲み込もうとしているのが現時点の状況です。

 

もうすぐ30歳になるReddickが契約最終年を迎えるにあたって欲しがっていた金額とPHIサイドの評価額との大きなギャップが最後まで埋まらなかった、というのがReddickトレードの一番大きな要因ではあろうが、それを受けてReddick放出はやむを得ないものとしてFAでHuffを安めに押さえて、NYJをトレード相手に選んだ、という結論は悪くなかったのではないでしょうか。

 

Sweatの長期延長契約をまとめる気がなかったことだけが許せないが、それとこれとは別の話。

 

 

落ち着いてみると、まあいいトレードなのではないでしょうか。

 

 

Top-30 Visitsご新規(2名)

Reddickトレードよりは前の情報だったが、当然ありうると踏んでいたTop-30 Visitsの情報がやっと入ってきました。

 

EDGE Laiatu Latu(UCLA

今ドラフトのEDGEにおけるトッププロスペクトの一角。

頸部の負傷で"引退"経験があるという赤旗案件。

Washington大にいた2020シーズン開幕前に頸部を負傷。そののちに手術を行い、ドクターストップによって2020・2021シーズンをプレーできず。

ただ、別の専門医にかかったところ"問題なし。プレーしていいよ。"という話になったので頑なにプレーさせないWashington大に見切りをつけて2022シーズンからUCLAに転校。

コンバインの会見では"各チームと面談したがその件に関する質問はなかった"と答えており、どうもその懸念はなさそう。

それもそのはず、というか、前述のLatuにプレー許可を出した専門医というのがかのPayton ManningやDaniel Hunter(HOU)といった先達を患者に持っていた有名人なようで、その点も各チームの懸念払拭の一助になったのではないかと思われる。

 

今ドラフトのEDGEプロスペクトの中ではテクニック面で一頭地抜けている選手。

もうとにかく手の使い方とボディコントロールが凄まじい。

その結果としてPass Rush Win Rateは今ドラフトのEDGEでは26.2%で1位。

だがもちろんランストップもイケる。

 

サイズも6'5" 259lbs(196cm 117kg)と、ほぼSweatと同水準でありPHI的には理想に近い選手であるはず。

ケガが問題ないなら残る懸念は2024シーズン中に24歳になる年齢ぐらいか。

 

さて22位までスリップしてくれるのでしょうか。

 

 

EDGE Demeioun "Chop" Robinson(Penn State)

お膝元Penn Stateからのパスラッシャー。

 

Latuが1位だったPass Rush Win Rateは20.9%で7位というこちらも素晴らしい成績を残している。

6'3" 254lbs(191cm 115kg)とややサイズは小さいが、運動能力はフリークのそれ。

映像的にも出足のすばらしさは全く惚れ惚れするものであり、ことパスラッシュという点ではなかなかのロマン。

一方でデカOTにつかまっちゃうとその後の展開がしんどいというのはこのタイプに共通する課題。

 

どうだろうNolanとかHuffとすんごい被る彼を指名するイメージはあまりわかないが、"サイズに関する価値観が古い"ということであればそれは甘んじて受け入れる。

 

 

なんにせよEDGEのプロスペクトと順調に面談を重ねているというのはとてもよろこばしいことでございます。

何度も申し上げております通り、1巡22位での指名ポジションはここしかありませんので。