鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

興味の矛先

第2波と呼ぶにはささやかなFAの動きのなか、ドラフトプロセスが本格化しているようです。

誰の目から見てもわかる明確なニーズが浮かび上がってきておりますのでそのあたりを。

 

直近のFAムーブ

獲得4件

今オフもSaquon以外はバーゲン価格でしかベテラン選手を集めてこなかったRoseman。

彼が大好きなのはかつてトップクラスの評価あるいは輝きを見せた素材たち。

この線に沿って、あの時迷って手に取るのをやめた中古のおもちゃに手を伸ばしております。

 

  • WR Parris Campbellと1年契約
    欲しかったのはCalaisの方のCampbellだったんだがこっちがきた。
    2019ドラフト2巡59位でINDに指名され4年在籍。至近1年はNYG。
    2巡指名にして5年通算1,087ydsレシーブはまあまごうことなきバスト。
    キャリアの絶頂はIND最終年であった2022シーズンで、この時で623ydsレシーブ3TD。
    輝けなかった要因は数々あろうが、外からみてわかるのは、そのあまりのケガの多さ。
    前述の2022シーズン以外、IND時代は毎年IR入りしていた。
    NYGではIR入りこそなかったが、そもそもWan'Dale RobinsonACL断裂からの回復待ちのつなぎという気配が濃厚な契約だったことや、QB陣が崩壊したこともあり、終盤はずっとInactiveだったとのこと。

    PHIとの因縁はやはり2019ドラフト。
    2巡57位で悩みに悩んだPHI首脳陣。
    そして悩んだ結果、オーナーJeffrey Lurieが強く推したJJAWと名乗る何かを選択。
    悩んだもう一つの選択肢こそがParris Campbell
    どっちを引くか悩んだくじは片方がハズレくじ、もう片方は貧乏くじであった。もちろんPHIが引いた方が貧乏くじである。
    正解はD.K. MetcalfもしくはTerry McLaurinであった。

    あのときJJAWを選んでいなければ、という気持ちはもうない。
    あれがあったからHurtsが大成したのだしDeVontaとA.J.が来た。
    そういう意味で、Parris CampbellというのはあのSB制覇の余韻漂う時期の酸味を思い起こさせる、何とも懐かしい名前であることを吐露しておく。

    PHIにおいてはParkerとのWR3争いが待っている。
    昨キャンプとは違ってここも無風にはならないということか。
    かつて待望したハズレくじへ。ケガ無くがんばってください。

 

 

  • QB Will Grierと1年契約。
    DALの控えだった印象しかないGrierはかつての3巡指名選手
    2019ドラフトでのCAR入り以来一貫して控えQBの役割だが、2021-2022・2023の終盤にOC Kellen MooreおよびQBC Doug Nussmeierと一緒に仕事をしているのが特徴。
    というわけで彼の仕事はキャンプまでのMooreプレーブックの伝道師。
    PSがいいところだろうが、こういう選手がQBルームにいてくれるというのはいいことなのではないでしょうか。
    現体制で一番パスがうまい可能性が濃厚なMcKeeのQB3は安泰。

 

 

  • このままだとドラフトするのがバレすぎてしまうNCBのところに、Tyler Hallと1年契約。
    前LVの選手で、プロ入りは2020UDFAでのATLからSB制覇のLARに移り、2022シーズンから前職場所属。
    通算で6先発21試合出場という実績があり、大半はSTだがDefenseではSlotエリアが主戦場。
    Maddox放出後、Isaiah Rodgersの処分も音沙汰がない中、Slotに最低限の人員を確保した形。

 

 

  • DT PJ Mustipherと1年契約。
    こいつは何者でもない。
    元Penn Stateの巨漢DT。
    2023ドラフトに漏れてUDFAでDEN入りし、その後NOに引き抜かれて試合出場も果たしている。
    6'4" 315lbsという体型はFletchと同等ではあるが、運動能力は高くないという噂。
    キャンプ要員でしょうね。

 

 

ロスター概観最新版

薄灰色*はFuture-Contract(PS相当)の選手です。

 

  • Offense


    いつもRosemanと意見が異なるなるのが、WRにそれなりに戦力を集める気はあるのかという点。

    それ以外では、そういえば書き忘れていたが、DriscollがMIAに流出しましたのでその後任となる便利なOTの存在と、Hennessyの加入で割とマシにはなったが、Opetaが務めていた職人としての控えIOLが足りない。

    特にOTのところは、Rosemanに任せておくと1巡で控えを獲る、なんてことをしかねないのが怖い。
    お願いですそれだけはしないで。

 

 

  • Defense


    こちらは未だにReddickの動向が不透明。
    ロスターボーナスの支払い時期を4/1まで伸ばしたという報道もあった。
    これを信じるならそれまでのトレードが発生しうる。
    が、果たして望むほどの対価がもらえるだろうか。
    一説によればARZが濃厚とのこと。まあ勝手知ったるコーチ陣とフランチャイズ。なくはなさそうだが果たして。


    Ojomoは、背番号を72から97に変更したというニュースが入ったことと、Mustipherとか獲ってるぐらいならこれ以上FAでの強化に動く気配がなさそうなのでDepth2ロックぐらいまで格上げ。


    こちら側で足りないのは当面のLBと将来のEDGE(特にDE)。
    Reddick放出は将来を見据えると痛手になりにくいが、BGとSweatがほぼ確実に今季限りになるのが激痛だというのは何度も述べてきた通り。
    ここを獲るのが今ドラフト最大ミッション。

    OTの控えに1巡指名権を使うことは許されない。なぜならローテーションが出来ないポジションだから。
    DEの控えにならいくらでも1巡指名権を突っ込んでよい。なぜならローテーションが出来るポジションだから。
    わかってるなRoseman。

 

 

Top-30 Visitリスト

というわけで本題はここから。

 

パンデミック後の2022以降、PHIの上位指名選手は漏れなくTop-30 Visitの招待者の中から出ている。確かそうだったはず。(2022:JD・Jurgens/2023:JC・Nolan・Ringo)

ということで相当に重要なリスト。

報じられたのが新しい方から並べております。

 

今のところ、Rosemanは全然わかってないと言わざるを得ない。

 

 

WR Ainias Smith(Texas A&M

小兵で器用なWR/RB。プロでは恐らくWR。

Texas A&MのプロデイにはWRC Aaron Mooreheadまで送り込んでいるから何かを見ているのだろうか。

5'9"(175cm)という身長は相当に低く、一方で190lbs(86kg)という体重はそれなりにあり、ベンチ21回というパワーはかなり強いという意外とフィジカルな選手。

 

Slot起用が多いが、たまにWideoutもやったりしている。

2023シーズンはドロップ率も大幅に低下し、コンテストキャッチもイケるようになるなど進化を遂げた選手。

 

リターンスペシャリストとしても有能なのでPHI入りとなると、即座にCoveyの競争相手となる選手。

 

 

 

OT Travis Glover(Georgia State)

3日目候補として人気急上昇中の選手。

Sun Beltカンファレンスの新興プログラム出身でありながら、Hula Bowl、遅れて呼ばれたSenior Bowl、プロデイと、良いパフォーマンスを継続して見せ続けていることで徐々に注目を集めている巨人。

Senior Bowlからプロデイまでで15ポンドの減量に成功したことも好感されている。

5年間のGeorgia State時代に左右のOTやLGでも先発経験もあること、サイズ、減量に成功した姿勢、そしてSeniorBowlでのパフォーマンスなどでグングン評価を上げている。

PIT・ATL・KC・TENあたりがご執心のようだが、PHIも含めてなんと20チームがTop-30 Visitに呼んでいる模様。

 

現時点では6・7巡での指名が予想されているが、もう少し順位が上がったとて不思議ではないほどの人気ぶりである。

使い勝手のいいバックアップであったDriscollを喪ったPHIとしても興味を持たざるを得ないのであろう。

 

なお、Georgia StateのプロデイにはLBC Bobby Kingが赴いている。こちらの主目的はもう一人のSeniorBowl招待選手であるLB Jontrey Hunterのチェックだったはずだがさてどう見たのだろうか。

 

 

WR Brenden Rice(USC)

言わずと知れた大レジェンド Jerry Riceの息子。

主戦場はWideoutで、サイズの割にリリースも滑らかで2023シーズンに関しては手も改善。

ただ、プロでセパレートできるかどうかがよく読めず、この点がTop TierのWRプロスペクト達に対して見劣りするところ。

 

このあたりは今後成長していけるのか、という個人の資質に負う部分が大きいはず。

あの親父の息子なので問題なかろうが、そういったところをしっかり見極めていただければ幸いです。

 

 

LB Edgerrin Cooper(Texas A&M

我がイチ推しLBもTop-30 Visitに入っているのです。

大変好ましい。Mooreheadも実はAinias Smithではなくこいつを見に行ったに違いない。

 

何度も愛を垂れ流してきたのでこれ以上は言わない。

2巡50位はこいつで結構。

 

 

OG Zak Zinter(Michigan)

全米王者Michiganを牽引した強力OL陣におけるたぶん最強。

4年間の先発経験を持つRG。

脛骨と腓骨の骨折で11月のOhio State戦中にシーズンは終わったが、その後の回復は順調との本人の言。

フィールドでのドリルはまだできないようだが、ベンチぐらいはそろそろできるそうです。開幕はたぶん問題ない。

 

ケガのこともあるので指名は2日目中盤以降でしょうか。

とはいえ彼がIOL最速指名でも何の問題もない。

 

PHIのほかにはGBからも呼ばれている模様。

 

 

DB Cooper DeJean(Iowa)

CBなの?Sなの?どっちにしてもなんでこんなに評価高いの?という今ドラフト屈指のわからん案件。

世にも珍しい白人CBであり、プロではNCBかS起用が想定されているところだが、試合映像からテンションの上がるなにかを感じたことはない。

 

何を見るつもりなのだろうか。

現在彼をTop-30 visitsに呼んでいるのはPHIだけだそうです。

これは実に怖い。

 

 

OT Tyler Guyton(Oklahoma)

1巡候補の素材型OT。

デカくて速いが技術的には粗い。

一時期凄くほしかったが、1巡以外での指名が難しい現状となっては本当にいらない。

確かにLane→GuytonというOklahomaリレーで正RTのバトンをつないでいく、という物語が非常に美しいのは認めるし素敵だとは思うが、今ドラフトでOTというかOL1巡指名はさすがに意味が分からない。

Offenseに使うなら火力で、基本はDefenseのフロントないしはCBに使うしかないでしょうよ。

Guytonには何の罪もない。

だがこの招待からは嫌な予感がする。

 

 

DT Khristian Boyd(Northern Iowa)

スモールスクールながら時折面白い素材をドラフトに提供しているNorthern Iowaからの今ドラフトへのエントリー者はFletchを喪って層の厚さに不安があるDT。

前述のTravis Gloverと似たような人気沸騰ぶりで、PHIも含めて12チームがTop-30 Visitに招待しているとのこと。

もしかしたら昨ドラフトにおけるBrodric Martin(DET)のように2日目に潜り込むかもしれない。

 

プレーぶりはパワフル。

出足が鋭い、という種類のプレーではないが、下がるところが想像できない腰の重さを持つ。

スモールスクール出身だけあって技術的にはまだまだ粗い。

特にパスラッシュは当面脅威にならなそう。

 

 

OG Cooper Beebe(Kansas State)

IOL探しに余念がない。

Creed Humphrey(Oklahoma→KC)・Orlando Brown(Oklahoma→BAL→KC)のリストに名を連ねる、2年連続Big12のベストOL受賞者。

肉が詰まりきったような体型で、6'3"とやや小柄ながら足さばきはスムーズでパワーもある。

最終年はLGが主戦場だったが、LT・RTでも先発経験たっぷりという器用さ。

やや小さい気がするので、プロではもっぱらIOLになるでしょう。

 

 

OG Brandon Coleman(TCU)

TCUという名前で嘔吐しそうになるのは、そいつがWRの時だけです。

ColemanはIOLなのでセーフ。

TCUでは2020シーズンのデビューはRT、2021シーズンにLGとして先発を掴み、その後LTに移動、2023シーズンはLG→LTと、左サイドを目まぐるしく移動したキャリア。

全米王者決定戦まで進んだ2022シーズンはLTの先発として戦っており、まあはっきり申し上げて非常に良かった。

LTとしてのフットワークに不満がないわけではないが、6'4"というサイズを考えるとプロではIOL起用になろうて、その場合に心配なのはややパワー不足に見えるランブロックのところ。

Stoutland先生好みの40yd 4.99というコンバインでのスピードも魅力的な3日目候補。

 

 

OG Christian Mahogany(Boston College)

どうしても欲しいのですIOLが。

Mahoganyは一貫してOGをプレー。最初は左、のちに右。

2022シーズンは春先に負った右膝のACL断裂でプレーしていないが、そこから復調した2023シーズンのプレーは大変よろしかった。

ランブロックが出色で、1巡候補のVerseFiskeを押し込めるパワーは間違いないし、スピードもあって小回りも効く。

あまりにもDTをあっさり押し込めるので他のOLと足並みが揃わないのは欠点なのかどうか。

課題はプロテクション。もう少し辛抱強くできればいい気がするんだがさてどうでしょう。

Fiskeには肩取られてカウンター、というJalen Carterが大好きなムーブを食らって華麗にプレッシャーをかけられていた。

 

運動能力は問題ないし、個人的にはこういうIOLの職人を、Opetaも抜けたことだし獲っておく案には大賛成です。

 

 

心の底からIOLを渇望しているということが分かった。

そして今のところの面談者の中で1巡突っ込むにふさわしい素材がGuytonだけというのが本当に怖い。それはやめてくれ。DeJeanに行くのはもっとやめてくれ。

 

はやくDarius Robinson(Missouri)・Chop Robinson(Penn State)あたりの22位に残ってそうなEDGE陣や、評価の高いWR陣との面談をセットしろRoseman。

 

なんて不安なドラフトプロセスなんでしょうか。