FA市場の開幕迫る。
ここからドラフトまでの1ヶ月半がオフシーズンの佳境。見逃すわけにはいかぬ。
Kelceの引退会見は非常に良かった。
彼について触れるのは少し時間がかかるので一旦はFA・ドラフト向けの準備から。
スケジュール
合法タンパリング期間:現地3月11日12:00-13日16:00(日本時間12日1:00-14日5:00)
正式開場(リーグ新年度):現地3月13日16:00(日本時間14日5:00)
Salary Cap
13%という驚異のインフレ率。
ということで2024シーズンの各チームのキャップが255.4Mになることが発表された。
PHIはリーグ10位となる43Mというなかなかのサイズのキャップスペースを持っているとのこと。
なお、この数字には先ごろのS Kevin Byard(13.7M)・NCB Avonte Maddox(1.95M)のカットで空いたキャップスペースも反映されている。
実際には43Mというキャップスペースのうち、ドラフトピック分のキャップで10M超を消化することになるので、全部を使えるわけではないが、Rosemanのバックロード契約の手にかかれば大物数名との契約は可能な情勢。
流出一方であった1年前とはやや状況が違う。
積極的に行きなさいよ。
Offense
ポジション毎の予想ロスター枠に対する現勢を整理しております。
- QB2は現状のMariotaが契約切れとなるため後継の確保が必要。
だれでもいいが、理想はやはりMariotaとの再契約。
Rosemanよろしく。
- 先発がいないという点ではOffense最大の穴がRB。
報道なのか憶測なのかよくわからないものによると、PHIが一番興味を持っているとされるのがSaquon Barkley(NYG)。
2023シーズンのRBルームで一番不満だったのが、そのプロテクションの下手さ。
それと、Zoneブロッキングでのラッシングのうまさを考慮すると、Swift比でいうとBarkleyは相当なアップグレードとなる。
いい選手ではあるんだろうが、2020のACL断裂以降ルーキーイヤーの輝きは戻っていない気がするのであまり興奮はできない人選。
Swiftよりはよくなるんだろうが。
その他の主なFA候補は、Derrick Henry(TEN)・Josh Jacobs(LV)・Tony Pollard(DAL)あたり。
お値段見合いになるはずなのでこのあたりで誰がいいという希望が強くあるわけではないが、大穴にはGus Edwards(BAL)を推しておく。
彼が来たら間違いなく興奮する。
Swift再契約は…うーん。
RB3については、Gainwellが最終年でもあることなのでそろそろドラフトでよろしく。Bostonさよなら。
- WRはA.J.とDeVontaの核2枚以外は戦力として計算できる選手が皆無という恐ろしい状況。
DeVontaがSlotだろうが外だろうが問題なくプレーできるということを考えると、タイプはあまり選ばない。
そしてそろそろドラフトへの期待が高まっているのもここ。
2日目以降のWRの選択肢は多そう。
見逃す手はない。
去年のOZのようにWR3にはFAでそれなりに計算できる選手を持ってくるはず。
そしてあまり期待できない。
そんな中の補強対象最大の期待はNoah Brown(HOU)。
Kellen Mooreとも長らく一緒に仕事をしているので使い方は熟知しておろう。
この場合、DeVontaのSlot起用が増えそう。
A.J.とDeVontaの2人にスピードが足りないと思うのであれば、Scott Miller(ATL)という選択肢も推しておきたい。
Quezとは違ってプレースピードも速いというのはわかっている。
これは割と本気なのだが、Julio呼び戻しという選択肢はそれなりにありかもしれないと思っているので付言しておくところです。
- TEは、Albert-Oの再契約ニュースがあったところ。
StollがRFAになるが、ここはテンダーオファーをかけてしまえば頭数は揃うし、投資はあまりしなそうだと思われる。
仮にStollを流すことがあれば、ドラフト濃厚。
その場合はブロッキング要員が足りないので、7巡(今は指名権ないがどうせ当日のトレードで湧いてくる)ぐらいでTip Reiman(Illinois)を連れてこい頼む。
- OLについて。
Kelceがいないという14年ぶりの事態にどう対処したらいいかわからないが、ひとまずは後継者として獲ってきたJurgensをCに据えるということでいいはず。
そしてRGにはSteenで。
ただ、Jurgensから若干虚弱体質の気配が漂っているので、ここのバックアップの準備はそれなりに必要。
ドラフトにはなろうが、iOLのニーズは高い。
それと、Driscollという便利屋もいなくなるので3日目早々ぐらいのタイミングでのデプスOT指名はありえそう。
いま気になっているiOL候補は、SeniorBowlで気になるパフォーマンスを見せたうえにコンバインでStoutland先生好みのクソアスリートであることが露見したWisconsinのC Tanor Bortolini(iOLならどこでもこなせるという便利屋適性の高さも○)とか、同じくSeniorBowl組で、コンバインで素晴らしい3-Coneを披露したArkansasのBeaux Limmerとか。
OklahomaのAndrew Raymも気にはなっていたんだがコンバインが悪すぎて恐らくレーダー外。残念。
まあなにせ手厚くドラフトとかUDFA補強を実施しそうな気配はある。
- というわけで各ポジションの穴埋めへの希望をまとめると以下のようになりました。
Defense
こちらもポジション毎に整理をしたのが以下になります。
戦力が足りない。
"引退濃厚"という噂が流れているFletchはとりあえず外しています。
- まずはそのFletchのところ。
IDLだが、Davis・CarterのGeorgiaコンビを先発に据えるにしても、2023レギュラーシーズンでいえば684もあったFletchのスナップ数をどう分担するかが喫緊の課題。
だが、それこそ前述の2名を指名するために2年連続で1巡指名権を行使してきたのがこのポジション。
さすがに3年連続1巡DT指名なんてことをしては戦力構成が偏りすぎようというもの。
エリートDTが欲しいという願望ははちきれんばかりに今も存在しているが、それだけが正解であるわけがない。
ということで、今オフはその願望を抑える。
大エースとして2年目を迎えるCarter、契約最終年を迎えるMiltonと7巡2年目Ojomoの出番増でなんとかしてFletchの大穴を埋めてくださせ。
しかし、これだけでは微妙に年齢が若すぎて背骨が足りない気がする。
というわけでもう1名はFAで。
しかし先ごとMIAから市場に出てくることが確定的と報じられたChristian Wilkinsとかそういったビッグネームである必要はない。
それなりに成熟している人間であればいい。
そう思って調べてみた。37歳にしてFletchを超える700超スナップを稼働できる鉄人ぶり。ややDE寄りの起用とはいえ6.5サックとはなかなかの成績を残しているではないか。
人柄は申し分ない。プレーもまだまだ一線級。そして年齢がいっているのでサラリーも高くない。
ということでここはCalais Campbell(ATL)でお願いしよう。
厳密な3テクDTという意味ではちょっと候補者が見当たらない。がんばって探してくれRosemanよ。
2年間の試行錯誤も実らず未だ最適解に辿り着かないJordan Davisのブリーザーだが、ここはTuipulotuが本線。
とはいえTuipulotuで早速確定させていいわけでは全くないのでドラフトもしくはUDFAで若くてデカいのを獲ってきて競争させましょう。
いざとなれば冬頃にベテランを獲ってくればよいということがわかっているポジションなので優先度は低い。
- EDGEは緊急事態の気配。
日本時間10日早朝、"Reddickに加えてSweatもトレード先探しを許可されている"というのっぴきならないニュースが入ってきた。
Reddickのときは契約延長のための交渉だと飲み込んだが、両方となるとさすがにつらい。
つらすぎるので無視する。実際にその動きが起こってから考えることにしよう。
一応FAではFangioとの繋がり的にAndrew Van Ginkel(MIA)が筆頭になりそう。とはいえGinkelを獲るならReddickやSweatをトレードする意味がよく分からぬところ。
普通に考えても、Nolanを確保済みのReddickの後継はいいとしてもSweat+BGの後継は準備できていない。
なのでDE寄りのEDGEをそれなりの高位で指名することは絶対に必要。
Washington大のBralen Triceが相対的に評価を落としているような気がするのは心配し過ぎか。
DE寄りで粗削りということであればやはりDarius Robinson(Missouri)か。
なんにせよ1巡22位での指名ポジション最右翼なのがここ。
外すなよRoseman。
BGが再契約。
最後の1年となることは本人もほぼ認めている。
35歳だった2023シーズンにあっても万能ぶりでは未だに衰えていなかった。
ラストイヤーも頼みます。
- 大反省ポジションであるべきなのがLB。
ここはFAで絶対先発を確保するのだ。ある程度長期的に囲えればなお良い。
Off-BallのFAでいうと、主なFAは以下のような感じか。- Fangioとの縁故あり:Jerome Baker(元MIA・SFA)・Josey Jewell(DEN)
- Dean育ち待ちで短期的にお願いしたい:Bobby Wagner(SEA)・Lavonte David(TB)・Eric Kendricks(LAC)
- なんだか欲しい:Azeez Al-Shaair(TEN)
- よくわからん:Frankie Luvu(CAR)
- Off-Ballのドラフト願望についてはいつか書いた気がするので割愛します。
希望がEdgerrin Cooper(Texas A&M)・Jeremiah Trotter Jr.(Clemson)・Payton Wilson(NC State)・Cedric Gray(North Carolina)の誰かであることは変わっておりません。
- CBはMaddoxがカットされた以外は現状特に動きなし。
Maddox後のNCB筆頭は賭博上がりのIsaiah Rodgersであるはず。もしくはアキレス腱上がりのMcPhearson。
ただいずれにしても契約は2024シーズン限りなので長期的な解にはなりえない可能性が高い。
のでドラフトになるのだろうか。
ただ、Maddoxもそうであったように、外CBから動かしてくるのが一番濃厚。その場合の候補者はRicksなのか?Jobeなのか?よくわからんのでここは一旦放置。
Rosemanが言っていたようにBradberryはまだ構想に入っている様子。
大いに結構。
ということで1巡での即戦力指名への蓋然性はやや下がったという認識。
元からRosemanはDBに1巡を使わないことでお馴染みで、とはいえそういう縛りも悪いと思えば正していける素質が出てきていただけに今ドラフトではそろそろやるんでないかと思っていたところはあったが、まあやっぱりなさそう。
ということで指名すべきなのは現時点の実力よりも天井が高そうなタイプ。
選択肢に挙がるのはElijah Jones(Boston College)・Cam Hart(Notre Dame)・Khyree Jackson(Oregon)とかか。
このあたりの身体能力に秀でた選手を1年育てて使う、というのはいかにもRosemanがやりそうなことではある。
上手くいけばこれほど興奮することもない。
ただ、KCからタグを貼られてトレード先探しの許可を得ているL'Jarius Sneedの対価は2巡だと報じられている。
1巡と3巡を出したA.J.と比較すると(腹は立つが)相当に安いこの対価をどう思うか。
もしかしたらRosemanはやるかもしれない。
Sneed以外のベテランをFAで獲ってくる動きには断固反対です。
ここはやるならドラフトでお願いします。
-
大反省ポジションその2。
Sも人がいないし層が薄いしで大変。
Byard亡き今、先発と呼んでいいのはBlankenship1枚。
SydneyはACL断裂中なので2024シーズンも戦力とは計算できないし最悪IRで過ごす想定までしておかねばならない。
PS扱いのTristin McCollumには期待しているが、まあ計算はできぬ。
ということでFA補強は必須。
ありがたいことにS市場はここ数年崩壊中。
めぼしいFAでも大金を手に入れるのはどんどん難しくなっている状態。
ということで買いたたこう。
というわけで稀に見るリッチな顔触れとなったFAの候補者たちは以下。
Justin Simmons(DEN)・Xavier McKinney(NYG)・Antoine Winfield Jr.(TB)・C.J. Gardner-Johnson(DET)・Kamren Curl(WAS)・Geno Stone(BAL)・Jordan Fuller(LAR)・Julian Blackmon(IND)・Alohi Gilman(LAC)・Jeremy Chinn(CAR)
豪華だ。
というわけで上から順番にください。
特に、FangioのDC就任に"PHIはいい買い物をした"という趣旨のコメントを残したJustin Simmonsとかいう万能な選手が一番欲しいです。
お願いします。
ドラフトで言うならJavon Bullard・Tykee Smith(いずれもGeorgia)・Cole Bishop(Utah)・Tyler Nubin(Minnesota)あたりを2巡までに獲得できれば大満足。
-
というわけで長くなりましたのでこちらも各ポジションの穴埋めへの希望をまとめると以下のようになりました。
総括
以上、5千字強の論旨としては、
- FA市場ではLBとSに何が何でも金を割け。そしてそれなりにいいRBとWRを確保しろ。
- ドラフトではパワー寄りのEDGEを最優先に、LBとSにも即戦力が必要。
OLは3日目でいいぞ。
100字もいらなかったですね。