鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

オフシーズン入り

いつの間にか完全なるオフシーズンに入っていましたね。

ルーキー紹介も完走できる自信がなくなってきましたが、とりあえず2週間前ぐらいにやっていた大イベントについてです。

 

 

 

NFLPAの提案

ちょっと前の話にはなるが、NFL選手会(NFLPA)からオフシーズンプログラムを現状の4月下旬開始から6月下旬ないしは7月上旬に遅らせる提案がありそうとの報道があった。(正式提案はまだのはず。)

 

現状のフォーマットは以下。

 

全般

  • 新ヘッドコーチのいるチームは4月の第1月曜日、それ以外のクラブは4月の第3月曜日より前にワークアウトを開始することはできない。
  • ワークアウトは任意参加。
  • 週4回まで(週末は不可)、うち1週間は強制ミニキャンプ(こっちも週末は不可)
  • すべてのワークアウトにおいて"ライブ"のコンタクトは禁止(例:"ライブ "ブロッキング、タックル、パスラッシュ、バンプ&ランなど)
  • ドリルの強度とテンポは、選手の安全を最優先とし、学習に資するレベルでなければならない。

そしてフェーズ1から3までの段階を経てミニキャンプを迎え、1ヶ月強のオフに入るという仕組み。

 

フェーズ1

  • ほぼストレングスとコンディショニングのみ

 

フェーズ2

  • ほぼフェーズ1と同じだが、ポジションドリルが解禁になる

 

フェーズ3(いわゆるOTA)

  • 合計4週間
  • 3週間で合計10回のOTA
  • 最初の2週間は毎週最大3回のOTA(4回目やってもいいけどフェーズ2の内容のみ)
  • 第3週または第4週のOTAは最大4回まで
  • 1週間ミニキャンプに使っていいよ
  • ニーパッドとエルボーパッド以外のパッドは禁止
  • ライブコンタクトは禁止
  • ライブコンタクトがなければ、7on7・9on7・11on11のドリルやってもよし

 

ミニキャンプ

  • 月曜日はフィジカルのみで練習なし
  • 火曜日から木曜日まで練習していいが金曜は休み
  • 1日に2回、合計3時間半のフィールドでの練習が可能
  • 1日の2回目の練習はウォークスルーのみ

 

とまあ非常に細かくルールが設定されている。

 

近頃DETで発生したルール違反というのも上記の細かいフォーマットのどこかを何かしら違反したということでしょう。

 

そしてこれらフェーズ1~3を全部後ろに倒して、6月下旬ないしは7月上旬から"トレーニングキャンプ"の期間にあわせちゃいましょう。というのが今回の提案。

 

狙いとしては、4月の時点から準備を始める必要がなくなることでオフの回復期間をしっかりとれるということと、7月にいきなりトップギアでトレーニングキャンプを始めることで起こる大ケガの予防、という2点。

あとは家族との時間がどうとかもあるのだそう。

 

ただ、全般に受け止めとしては不評だそうで、ルーキーやチームを移籍した選手にとっては勝負のトレーニングキャンプまでの準備期間がなさすぎることで戦術面での浸透が遅れる懸念、特にルーキーにはプロの世界の標準を体験するのが遅くなることでの選手生活の順調な開始が出来なくなる懸念、UDFAルーキーにとってはコーチに動きをアピールするチャンスの減少などが挙げられている。

 

調整方法なんかを熟知しているベテラン勢にとっては影響が少なそうだが、特に若手たちへの影響は相当懸念されているようで、この通りに進むかは全くわからない。

 

事故的に春のトレーニングがなくなったパンデミックの2020シーズンを知るコーチたちからもやはりコンディショニング面や戦術面での心配の声は上がっている。

 

NFLPAとしては選手の総意を取りたいということを言っているので実現可能性はよくわからないところ。

 

実際Brandon Grahamさんなんかは明確に反対の意思を表明されている。(来年はいない選手なんだろうが)

 

なんでこんな確定でもない話から入ったのかというと、OTAとミニキャンプの話をしたかったからです。

 

 

 

OTAとミニキャンプにおける明暗

だいぶ空けてしまっていた間にOTAも、Sirianni体制になって初めて開催されたミニキャンプも終了してしまいましたので連日の練習風景から目立っていた選手を数名。

 

 

セカンドチャンスに燃える男たち

このオフに加入したセカンドチャンス組。彼らが非常に良かったとのことです。

 

Mekhi Becton

OTAからさすがの元全体11位指名というプレーぶりを見せていたようなのだが、さらに意外な一面を見せて株の高騰が収まらない。

 

ミニキャンプだったか、Landonが私用で欠席した際にその穴を埋めてLGに入ったBecton。それがめちゃくちゃ良かったとのこと。

 

わかる。

あのOTにしてはもっさりした、ということはつまり守備範囲の狭そうなプロテクションを見るにつけて時間がかかりそうだとは思っていたが、あのままフィットするのはもしかしたらOGなのかもしれない。

 

OGの経験はこれまでにないとのことだが、それでもできてしまう意外な器用さ。

 

隣でプレーしたMailataは、「Bectonは"YES"と言うだけでいい仕事をしている。彼はStoutland先生のことを疑わずにOGでのプレーを学ぶ機会を受け入れた。ああいう姿をみていると、もしあいつの番号が呼ばれたなら、隣でプレーしたいと思っちゃうね。自分のことよりもチームのことを第一に考えてくれる選手が欲しいんだ。」と絶賛。

 

プレー自体についても「頭の良さと運動能力の高さはすぐにわかった。OGとしてもとてもいいプレーをしている。」と称賛を惜しまない。

 

Becton本人は「健康でいること、それだけが俺にできることだ。一日一日を大切にしている。長くここにいられることを望んでいるよ。Phillyの街は大好きだし、ここの人々もファンも大好きだ。ずっといたいと願っている。」との弁。

大変よろしい。

 

即座にSteenの席を脅かすということにはならないかもしれないが、BectonがOG・OTの両方をこなせるようになればロスターの構成に柔軟性が生まれることにもなろう。

 

そしていずれはLaneの後釜になるのだ。

ちなみにそのLaneは「引退については考えていない」とのことなのであと1・2年は出来るんだろう。

これはこれで大変心強い。

 

Steenも相当によくやっているようだし、殿堂入り選手のデカすぎる穴を埋めることになるJurgensも本職に戻って生き生きしているとのこと。

 

ということで、例年のことながら、OLは順調です。

 

 

 

 

Devin White

元全体5位ながらほぼバストというレッテルを貼られたWhite

2023シーズンの低調なパフォーマンスについては、「(単年しかもらえなかった)契約のことを気にしすぎるあまりプレーヤーというより弁護士として過ごしてしまった気がしている。あれは良くなかったし、そこからいろんなことを学んだ。今回も単年契約だが同じ過ちを繰り返すつもりはない。プレーに集中できているよ。」的なことをおっしゃっている。

 

実際、1stチームに入っているLBでのプレーは上々とのこと。

 

Philadelphiaに居続けたいとは彼もおっしゃっている。

 

がんばれがんばれ。

 

 

 

John Ross

Parkerの突然の引退で急にお鉢が回ってきたかつての全体7位指名選手

コンバイン記録(当時)となる4.22を記録したスピードは健在のご様子。

CIN→NYGと、6年間のプレーがかつての期待を上回ることはなかったが、引退を経験したことでメンタルに変化が出てきた様子。

「身体は衰えていない。かつての自分と比べると良くなったのはメンタルの部分だと思う。」

「多くのケガと付き合ってきたけど、結局のところ成功を妨げていたのは、メンタル面だったと思う。」

「ケガを含めたフィジカルとメンタルは完全に切り離せないかもしれないが、すべてひっくるめて悪い場所にいたんだと思う。今、自分がいる場所は悪い場所だとまったく思っていない。」

 

健康に過ごしなさいよ。

WR3を巡るロスター争いでは「偉大な選手たちのそばにいたい。素晴らしいWRルームにいて、あの最高の2人からできる限りの知識を得たり、一緒にプレーしたり競い合ったりすることは、自分をより良くすることにしかならない。この機会に恵まれたこと、あの部屋にいることに恵まれたことは確かだ」と復活に向けて目をキラキラさせているParris Campbellが相当リードしていると思われるためRossの当面のゴールはPS入りということになろうが、傑出したスピードという異能の持ち主がいて困ることはなかろう。

 

健康に過ごしてください。

 

 

 

Isaiah Rodgers

上3名のかつてのバストたちとは微妙に違うが、賭博問題で職を失ってからのセカンドチャンスをモノにしようとしている点では同じ。

 

そして1年前に彼を獲得したRosemanへの称賛が止まらないというのが現状。

サイズ(5'10")的にNCBだと勝手に思っていたところはあるが、外CBでもSlayの反対側候補としてかなり目立っている様子。

 

 

 

春に株をあげた男たち

4名の他によく名前を見た選手たちをちょっとずつ。

 

 

 

A.J. Brown

ドデカい契約をもらって発奮が止まらないこの男。

ルーキーミニキャンプにあらわれてその場の空気を変えたのもそうだが、その背中で示すリーダーシップとストイックさに天井はない。

 

公開練習で記者が撮った映像があったのだが、素人目には滑らかなルートなのに何が気に入らなかったのかキャッチまでしてからもう一度ルートを走りなおしたものがあった。

現地記者の1人は「(まだ6月なのに)まるで今週末に全米放送でのDAL戦を控えているかのような気迫を漂わせて練習している」とも評していた。

 

Kelee Ringoについて「めちゃくちゃ成長しているが、俺がよくあいつのところにマッチアップしに行くから苦労しているよ」と若手CBたちと勝負にも手を抜くことはないし、ルーキーQuinyon Mitchellを煽ってあの寡黙な男からトラッシュトークを引き出したりととにかくチームの空気をピリッとさせて緊張感を高める役割を一手に引き受けている印象すらある。

 

あれだけの契約をもらっておきながら、まだA.J.スマホにはもっとうまくなりたいこと、取り組みたいことのリストがあるのだそうです。

金曜の夜にみんなが遊びに出かけているときでもこいつはトレーニングや研究を怠らない。

土曜の夜にみんなが遊びに出かけているときでもきっとこの男はトレーニングをしているのでしょう。

 

最高です。

前から知ってたけどどんどん好きになっていく。

最高です。

 

 

 

Saquon Barkley

プレーについては、コンタクトもない練習しかしていないなかなのでポジション柄あまり目立った話は聞かなかった。

だが彼もA.J.ばりにいいリーダーであるところを存分に発揮している。

Goedertが記者会見で明らかにしていたのだが、チームは毎週数十人規模でゴルフに興じて絆を深めているのだそう。

そしてそれを仕切るのがSaquon Barkley

いいチームになりそうだな。

まったくワクワクが止まりませんね。

 

 

 

Kelee Ringo

全員が褒める。

素晴らしい成長をみせているようでなにより。

ということでCBの競争はえげつない状況になっております。

 

Slayは相変わらずの芸術的な動きを見せているのでここのCB1は当確として、相方を務めるのが誰になるかで、RingoQuinyonRodgersの争いが熾烈。

ここにNCBもDeJeanMaddoxが絡んでくるので全く読めない。

希望はSlayRingoで開幕してちょいちょいQuinyonの出番が回ってくることだがどうなるでしょうか。

 

 

 

Jalen Carter

ミニキャンプでSteenを吹っ飛ばしてしまった程度に順調。

殿堂入りに向けて順調な2年目の滑り出し。

 

 

 

ルーキーたち

全員評判がよろしい。

みんながんばれ。

 

 

 

Captain Mailata

「僕らがこのチームに来る前からここにはある基準があった。Jason KelceJason PetersBrandon BrooksLane JohnsonIsaac Seumaloが築き上げてきた基準だ。その基準に従ってプレーしなければならない。OLルームに入って、フィルムを見て、過去に築かれた基準を見ることで、みんなをそれに従わせることができると思う。俺たちが入って彼らの穴を埋め、今のチームを作らないといけない。その基準を高く保つために、いい仕事をできていると思う」。 

 

この春のチームが出した映像のなかで練習全体をリードしているMailataの姿を見て驚いた記憶がある。

こんなにキャプテンシーあふれる男だったのか。

Kelce亡き後のPHIの魂を担う気概はひしひしと感じた。

頼むぞ新世代よ。

 

 

 

心配な男たち

多くはないんだが、心配な選手もいます。

 

James Bradberry

若手の充実は頼もしいんだが、彼とて個人的には大好きな選手ゆえどうかがんばってほしいところ。

だがミニキャンプではSに挑戦しながらケガをしたせいでちょっとしか練習せず。

Sコンバートが上手くいけばそれはそれで楽しみなんだがさてどうなるでしょうか。

 

 

 

Nakobe Dean

"Deanを気に入っているのはフロントだけでコーチ陣はさほど使うつもりない"という説まで出てきたのがこの男。

ミニキャンプではWhite・Baunのぶ厚いとは一切言えない壁を、それでも全然越えることが出来なかった様子。

レーニングキャンプまでは待つが、そろそろあきらめる準備をせねばならんのか。

 

 

 

Zech McPhearson

1年間は良かったんだがアキレス腱断裂後の彼はどうも微妙だとのこと。

契約最終年なんだがこれここが限界か。

とにかくCBの層が厚くなりすぎたしわ寄せがちゃんと出ている。

非常に残念。

 

 

 

その他、HurtsはよくINTを食らっていたようだが"95%が変わった"という新しいプレーブックへの順応中ということでここはひとつ温かい目でみていこうという所存。

キャンプとかプレシーズンとか、なんならシーズン序盤もどうでもいい。

シーズン終盤12月に調子を上げてくれればそれでいいのです。

 

SirianniもOffense一辺倒ではなくなってよりHCらしくなってきた印象。

自分でプレーコールなりプレーの設計をしない、いわゆる"CEO HC"としてはいい感じなのではないでしょうか。

Offenseのセンスは絶望的にないのでこっちの路線に進むのは大歓迎。

 

しかしSirianniさんよ。

1つ言いたいことがある。

 

ミニキャンプというやつ、めちゃくちゃ楽しいから(クビが繋がっていれば)来年からも毎年やるように。

よろしくお願いしたい。