よほどMIAでFangioが嫌われていたというのがよくわかるニュースが入ってきたが、考えても仕方ないことなのでどうかPHIでは誰とも衝突しませんように、ということを祈って生きていくことにする。
試されるのは我々の徳である。
ファンとしてできることは日々小さな善行を積むこと以外にない。
ドラフティ紹介はしばしお休み、OTAが現地で開催されておりますのでそちらのお話しを。
そもそものオフシーズンスケジュール
まあ些細なことだし、と思ってスルーしていたオフシーズンスケジュールだが、いざOTAが始まってみると楽しくて仕方ない。
初心を忘れてはいけないですね。
ということで終わったものも含めると、PHIのスケジュールは以下の通りでございます。
いずれも現地時間です。
ドラフト:4月25日(木)~4月27日(土)
ルーキーミニキャンプ:5月3日(金)・4日(土)
OTA(Organized Team Activities:チーム練習):5月20日(月)・22日(水)~23日(木)・28日(火)・30日(木)~31日(金)
ミニキャンプ(強制参加):6月4日(火)~6日(木)
ということですので、日本時間の今朝23日早朝に流れてきた練習風景は現地22日(火)の任意参加のOTA(チーム練習)2日目の模様です。
なお、このOTAは任意参加ですので、欠席しても罰金は科されません。
ちなみに、あと4日程あるOTAですが、記者に公表されるのはあと1回だけということです。
寂しいですね。
欠席者
任意参加、とは言いながらやはり欠席者の存在は気になるところ。
以下の選手の姿が見当たらなかったそうです。
- OT Lane Johnson:妥当。ケガのリスクは遠ざけるに越したことない。
- EDGE Josh Sweat:同上。まあBGは参加してるけどね。
- WR DeVonta Smith:ソフトボール大会の準備かな?
- CB James Bradberry:コメントしづらい。
- TE C.J. Uzomah:ケガの治療を優先してください。
- K Jake Elliott:お好きにどうぞ。
- CB Kelee Ringo:キサマは練習した方がいいんじゃないかな!
- WR DeVante Parker:引退。
サラッと書いたが、Frank Gore(FAでタンパリング期間中に"PHI入り"という情報は流れたがそんな事実はなかったというフランチャイズ史に残るレジェンド)とどっちが真のレジェンドか、という話題が現地で沸騰しているのが1試合も出ることなくチームを去ったParkerの件。
記者たちはベテラン補強の可能性、特に元NOのMichael Thomasに来てほしい様子。
それならJulioでいいよ。
とはいえルーキー2人があっさり競争もなくロスター入りしちゃうのは成長という観点でもあまりよろしくない気はする。
たぶん6月1日以降ではあろうが、何かがあるとは思っておきましょう。
Julioカムバック。
昨シーズン終了時点の負傷者たち
ケガした順番に。
- CB Zech McPhearson:CBとしての練習はしっかりこなせていた模様。ただ、7-on-7は不参加。
- LB Nakobe Dean:将来がヤバくなってきたDeanも、McPhearsonと同じく7-on-7は見学。あまり詳細な情報が入ってきていないが、しっかりと回復へのステップは踏んでいる様子。リスフランってこんなに長引くんですね。
- S Sydney Brown:がんばる必要なんてなかったプレーオフTB戦でACLを断裂したSydney。こちらは完全別メニューで、トレーナーとランニングをしていたとのこと。まあまあなスピードで走っていたという証言もあるので、リハビリは順調そう。次のケガに気をつけろ。飛ばすなよ。
- WR Ainias Smith:ドラ5ルーキーもコンバインで発覚した疲労骨折からの回復途上。WRの練習はこなしたようだが、7-on-7は見学。Punt Returnのキャッチ練習も見学していたとのこと。
- CB Eli Ricks:こちらはご新規さま。練習の早めになにやら負傷したとのことでテント送り。しばらくして戻ってきたとのことだがこの日は以降お休み。
Sydneyが順調そうなのがなによりの朗報。
ポジション争い風のなにか
この時期にポジション争いもクソもないのだが、まあコーチ陣も若干顔触れが変わっているのでアピールは早い方がよかろうということで。
OffenseではRG・WR3・RB2辺りが、DefenseではOff-Ball LBとNCBにS辺りがポジション争いの焦点。
RG
やはり当初の読み通りというか、順当にTyler Steenがデプス先頭だった様子。さりとてそれ以上のことはわからない。
本人は"自分で勝ち取るしかないのはわかっている。黙っていても何も与えられない。俺を使うべきだと証明してみせる"と意欲満々のコメントを残している。
がんばれはちきれんばかりに期待している。
その他、OLのデプスはこんな感じ。
- Lane不在のRTで序列筆頭だったのはMekhi Becton。
なんとか覚醒してくれないものか。
- 1枚目は左からMailata・Landon・Jurgens・Steen・Becton
- 3枚目はLaekin Vakalahi・Trevor Keegan・Dylan McMahon・Jason Poe・Gottlieb Ayedze
- やはりSteen最大のライバルはRG2枚目のHennessy。
先発経験も豊富にある選手。当然である。それでもHennessyごとき満場一致で下さねばならぬ。がんばれSteen。
Kinnard > Keeganという序列は驚いたというほどでもないが、まあちょっとした読み違い。ルーキーですからこれから頑張ってください。
- このメンツを見ると、やっぱりOLのメンツに寂しさを感じずにはいられない。
そうかやっぱりKelceはいないんだな。
公式が出している動画でMailataがリーダーシップを発揮していて泣きそうになったものがあった。
自覚があるようで大変よろしい。
あんたとLandonの時代だよ。
WR
DeVontaが不在だったWR。
A.J.が元気にみんなを引っ張っていたのはとても素晴らしいとして、DeVontaとParkerがいないとなるととんでもなく層が薄い。
ということでA.J.・Parris Campbell・Joseph NgataというのがTop WRだったようです。
明日開幕じゃなくて良かった。
冗談はさておき、Parris Campbellは相当良かったとのことです。
それと、これまでの2年間の経験から、WRとしてはあまり期待していなかったCoveyもかなりの切れ味を見せていたという情報があったはず。
PR界隈は人材が揃ってきた。危機感があるようで大変よろしい。
RB
Saquonはでかい。
そしてShipley君はドロップがあったようです。残念。
Off-Ball LB
Deanが7-on-7を見学していたもんで実際のところはよくわからないのだが、先発はFangioの先日の記者会見での言及順通りのZack BaunとDevin White。
Whiteは結構キレていたようでHurtsからSaquonへのエンドゾーンでのWheel Routeをはたき落とすなど印象的なプレーを見せていたとのこと。
2枚目がOren BurksとBen VanSumerenのコンビで、3枚目が我らがJeremiah Trotter Jr.とBrandon Smithとのこと。
VanSumerenの成長具合には全く驚かされますね。
この調子でDeanを追い抜いてくれていいんですよ。
DB
欠席したBradberryについて、
"あいつとは今も頻繁に連絡を取り合っている。若手を一人前にしたいという気持ちは同じだよ"
と言ってドラフトでのCB2名指名を経て微妙な状況に追い込まれているBradberryをかばったのはもちろん我らがアニキ・Big Play Slay。
昨シーズン中に手術にまで追い込まれた膝は相当悪かったようだが、予後は極めて良好とのこと。
治った今は
"もう一度25歳に戻った気分だよ。若手の成長の手助けをしようと思っていたんだが、ここに戻ってきた今はあの2人を食ってやろうと思っている"
と情熱も全回復している様子。
実に頼もしい。
老け込むのはまだ早い。若手のことだけ考えるのもまだ早い。
"残された時間が長くないのはわかっている"とは言うが、あと3年ぐらいやってくれてもいいんですよ。
そして、そのSlayのアニキから"動きのキレがえぐい"と評されたドラ1 Quinyon Mitchell。
惜しくもPickettからPickできそうなボールの落球はあったようだがやはり動きは一級品とのこと。
ジャーニーマンWR Jacob Harris程度では一切セパレートできなかったようです。
そして片割れのルーキー・Cooper DeJean君はNCBに外CBにと忙しい日だった様子。
彼も、動きのキレが増したとはいえWRとしては一切実績を残せていないBritain Covey程度では全くセパレートできなかったとのこと。
順調順調。
その他でいうと、DeJeanを押し退けてNCBの1枚目に座ったのがAvonte Maddox。
彼は昨シーズンさっぱりだったSでも練習していた様子。
そしてSなのかCBなのか微妙だったMekhi Garnerは本格的にSに回ったようで、期待の星Tristin McCollumと並んでSの2枚目を形成していたとのこと。
もちろん1枚目はBlankenshipとCJGJです。
Sの名前を見て安心できるのは2年ぶりです。
ありがたい。
Fangioに関するあれこれ
冒頭で述べたのが、MIAでのOTA後のインタビューの件。
FangioがMIAのDBを辞めるという報道に接して、石を蹴とばす("kick rocks"とは米現地の俗語で"不満を表明する"とか、まあそっち系のネガティブな感情の表現だそうです。現地でも"どういう意味これ?"という反応がちょいちょいあった程度には俗語なようです。)映像をポストしていたS Jevon Hollandが、練習後のインタビュー新DC Anthony Weaverのことを聞かれて、
"前任者とは180度違う。Weaverはいい人で、その点が違う"
と答えたことでFangioの人柄あるいは若い選手たちとやっていけるのか問題が再燃。
そんな報道を百も承知でFangioをかばったのが、Fletch後のPHIトレンチを今後10年支えていく元問題児 Jalen Carter君。
"オフはFloridaでトレーニングしていたからMIAの選手ともよくしゃべってコーチ(Fangio)のこともいろいろ聞いた"
"コーチは面白い人だ。しゃべっていて楽しいよ。"
"オールドスクールな、いいコーチだ。
俺は昔ながらのフットボールが好きなんだ。
俺の高校を知っているならわかってもらえるだろう。そういうところだった。
常に昔ながらのハードワークが文化だった。
オールドスクール、ニュースクール、どんな呼び方でもいい。
俺はコーチされる準備はできてるよ"
なんだこいつなにがあった。
やっぱりいい奴だったんだな。知ってたよ。
このオフはとにかくFletch後の出番増に備えてコンディショニングを徹底してきたとのこと。
トレーニングはJordan Davisとも一緒にやったという。
両方とも絞れている印象を受けた。
オフはほかに何をしていたのか、と問われて
"俺の仕事はフットボールだ"
と答えた2年目。
既にこのチームの大黒柱になる自覚は充分と見える。
最高だよ。
(ちなみに、詳細は省きますが、練習後の会見で、"このチームでDCの文句を言う奴なんかみたことないよ。向こうではどうだったか知らんがこっちではいいコーチだよ"と、Carterよりも強くFangioを擁護というかバックアップしていたのが、もちろんSlayさんでした。訂正する。あと5年いてくれ。。)
この練習でもあまりにもA.J.へのパスが止まらないんで早速大声を張り上げていたというFangioさんよ。
まだ5月だというのに、もう65歳だというのにその情熱は収まるところをしらないFangioさんよ。
Sirianniが作ってきたこのチームはそんなにヤワじゃないはずです。
とことんやってくださいませ。