Dallas Week。
Philadelphiaという街にとって年に2回の非常に重要なイベントである。
通算対戦成績は126試合の通算対戦成績はPHIの55勝。逆に言うと71敗である。
ただし、この男らしい2チームの間にはただの1つも引き分けというものがない。
50戦を超えるマッチアップがあった相手で引き分けがないのは何を隠そうDALだけである。
ケガ人
PHI
Friday's Injury Report#PHIvsDAL pic.twitter.com/uyOsaFK9E9
— Philadelphia Eagles (@Eagles) 2024年11月8日
水曜の練習時点ではDNPが山ほどいたが、試合中に離脱したA.J.も含めて健康に。
最終的には現地金曜時点でQuestionableであったBVSもステータスなしに変更されている。
全員出場可。
Goedertも復帰なのでMailata以外は最大戦力。
だがこここそがデカい。
Fred Johnsonにとっては2週連続で苦手なタイプを迎えることになる。
"Rest"であったHurtsに関して、Sirianniが記者会見で間違えて"足首"と言ってしまっていたというイベントがあった。
どういう手違いか知らんが、まあHurtsは足首を傷めているんでしょう。
DAL
OUT
QB Dak Prescott:ハムストリング
CB DaRon Bland:足
S Juanyeh Thomas:脳震盪
Questionable
OT Tyler Guyton:首/肩
OG Zack Martin:肩
LB Micah Parsons:足首
LB Eric Kendricks:肩
LB Nick Vigil:足
CB Trevon Diggs:ふくらはぎ
IR
QB Dak Prescott(予定)
WR Brandin Cooks
DE DeMarcus Lawrence
DE Marshawn Kneeland
DE Sam Williams 他
ケガ人の悩みが深そうなDAL。
結局Dakのハムストリングは手術を余儀なくされる可能性が高いとのことで、そうなるとシーズンエンド。
まあそうなんでしょう。契約延長直後のシーズンなんてロクなことが起こらないというのはHurtsを見ていりゃよくわかる。
Dak以外も多士済々なケガ人たち。
一番深刻に傷んでいたEDGEだが、やはりMicahは間に合いそうだとのこと。
LaneならまだしもFredの方には来ないでください。
そして重要なのがZack Martin。水曜木曜と練習しなかったくせに金曜はフル参加なのでたぶん出てくるんだろうが無理はしないでください。
CB Trevon Diggsは逆に水曜木曜と限定参加で来て金曜はお休みとのことだがさてどうなるでしょうか。
その他、この試合でのDalvin CookのPSからの一時昇格はないとのことなので、RB陣はRico Dowdle、Ezekiel Elliott、Deuce Vaughnの3人。
そして先週肩を痛そうにしていたCeeDee Lambの名はリストにもない。
マッチアップ
PHI Offense
- 全般的に苦しみが深いDALのDefense側。
ここ2年間でそれなりに指名権を突っ込んでいるLBはやれている印象があるが、問題なのはDTとDB。
- DTは2年目を迎えるMazi Smithが穴。
20%以上のスナップに登場しているDTが134人いる中で、PFFによるランキングでは100点満点中29.6点で堂々の最下位。
まあこのランキングの信憑性への疑問はわかります。
だってCarterの8位は低すぎるだろうがよ。
とはいえCameron Heyward(PIT)→Dexter Lawrence(NYG)→Chris Jones(KC)という上位陣には違和感がないのでたぶんそれなりに信頼できる。
残りのDT陣もOsa Odighizuwa(60.6)・Carlos Watkins(52.2)・Linval Joseph(46.7)というもの。
Osaは買ってるんだがな。
びっくりしたのが、2022シーズンにPHIに途中加入してランストップの要となってくれたLinval Josephさん、ランストップがゴミ(30.1点)と化している一方でパスラッシュに目覚めているらしい。あんたが求められてるのはそれじゃないだろ。
ちなみにPHIはJCの79.4(8位)に次いでMiltonが68.0(29位)、Jordan Davisが64.7(38位)、Moro Ojomoが62.3(55位)とまあ印象通り。
JC・Milton・Ojomoがパスラッシュではそれぞれ4位・6位・19位と素晴らしく高評価なのも印象通り。いいぞ。
そしてこのDT陣ではランが止まらないからだろうと思われるが、DAL Defenseの"Loaded Box"(たぶんBox内に7人以上いること)の比率はリーグ5位という多さ。その割合は53.6%。
ではありながら、それでもリーグ3位の多さでLoaded Boxに対してもランをコールされているらしい。
そして対するSaquonはLoaded Boxに対してこれまで52回走って287yd2TDという成績。5.0ydを超えるAvg.を記録しているのはリーグで2人だけ。
もちろんもう1人はDerrick Henry(BAL)。
ということなので気にせず走らせつづけなさい。
- 走らせるときに気をつけたいのは、"Under Centerから走らせろよ"ということ。
最初の6週では9.2%とリーグ31位だったUnder Centerの使用率が、それ以降は25.9%まで増えているということ。
大変好ましい。
そしてUnder Centerからは5.5Yd/Attemptというリーグ3位の記録を残している。
DAL DefenseのUnder Center時のランのやられ方はリーグで下から3番目。
Defenseのサクセス%も下から2番目ということなので相当な苦戦中。
ということで恐れることなくUnder CenterからSaquonに持たせればよい。
- モーション
OC Kellen Mooreに熱望していたモーション使用率だが、ここまで58.6%と2018シーズン以来最多。
だがこれでもリーグ全体では19位。
あるとき(6.4yd/Play:リーグ4位)は、ないときに比べて1.0ydゲインが多いらしい。
もっと使え。
特に今週はもっと使え。
というのも、DAL Defenseはモーションに対してかなり苦戦しているとのこと。
これまで、相手のOffenseがモーションを使用した時に許したydは7.1yd/Playで、これがリーグ最悪の数字。
ないときが4.5yd/Playでリーグ3位にまで改善するのだからその差は非常に印象的。
具体的にはわからぬが、まあどうせDBのアジャストの問題だとは思うが、これだけ差があると何かあると思わざるを得ないので積極的にモーションを使っていくように。
これまでもことあるごとにビッグプレーを演出してきたA.J.のショートモーションとかでマッチアップ崩すのがいいんじゃないですかね。
- Dan QuinnからMike Zimmerへのスキーム変更初年度。
違いが出ているのはフロント7。
PHIでは今季たぶん1度もお目にかかっていない4DL3LBのベースの使用率が上がっているっぽい。
だがランストップという悩みは特に変わらなかった模様。
DQのDefenseは"さっさとプレッシャーをかけてボールホークのDBたちがルートに飛び込んでINTを奪う"が信条だったはずだが、相次ぐケガ人でそこからプレッシャー(Parsons・D-Law)とボールホークDB(Bland)が奪われてしまった形。
ということで残ったのは悲惨なランDefenseとビッグプレーを献上するDBたち、ということになる。
- だがそれもここまで。
Micah Parsonsの復帰によってこのDefenseの顔は一変する。
Micah離脱前には35.9%もあったBlitzなしの時のプレッシャー率が、離脱後の4試合では26.9%とリーグで下から7番目の比率にまで悪化。
それを補うべく頻繁にBlitzを入れてはその裏を簡単にとられる、というのがここ最近の悩みだったとのこと。
そしてそれが消えた時、さてどうなることでしょうか。
パートタイムではあるが、パスラッシュの専門家として出てくるベテラン Carl LawsonはATL戦でも2サック(1FF)とまだ十分な切れ味をお持ち。
この反対側にMicahが、しかもFred側に来てしまったら。
Hurtsよ、絶対にファンブルするな。
だが左からの見えないプレッシャーにもビビるな。
DALさんよ、左はLawsonにして右にMicahを持ってきた方がいいんじゃないでしょうかね。
- プレッシャーさえかいくぐることが出来ればこっちのもの。
Blandの代わりを務めている新人CB Caelen Carsonは当然のように苦戦中。
当たり前だAll Proの代わりが簡単に務まってたまるか。
武器が多くて悩むが、1st Downから積極的にCarsonサイドにつくことになったA.J.かDeVontaをメインターゲットにし続けることでいいと思いますよ。
Under CenterからBVSとSaquonを使うのもやってほしいが、その場合はBox裏に飛び込む予定のGoedertを上手く使いたいところ。
CBのタックリングが甘いという話はあるので積極的にBox外にも走らせたいが、Hurtsの足首が若干心配なのでここはSaquonとWR各位にお任せする。
特にAiniasのエンドアラウンドなんかがいいかもしれませんね。あいつにはあれぐらいしか任せられないというのが現状なだけですが。
まあなんにせよ勝手知ったるKellen Mooreさんに全部お任せします。
PHI Defense
- DakがOUTで、先発勝率が8割を超える全QBで最も優秀な男が出てくる。
Cooper Rush。(5勝1敗。その1敗は2022シーズンの対PHI)
奇遇なことに、というかある種当然なのだが、ドラフトプロセスにおける比較対象がKellen Mooreだった男。
- スキームはどうやら伝統的なWest Coast Offense。
だが重要な試合になるとターゲットの約半数をLambが占めるように一本槍となるのが今シーズン。
ちなみに、2022シーズンの5試合のRush先発期間において、Lambは全試合で5レシーブ以上・50yd以上獲得という成績を残しているお気に入りのターゲット。
これが再現される可能性は、そもそもRushじゃなくても非常に高い。
なぜならCooks離脱によりほかに頼れるターゲットがTE Jake Fergusonしかいなくなったから。
ということで如何にしてLambを消しつつ、TE Fergusonにチェーンを動かされることを避けるか。
出番だよQuinyonとDeJean。
短いパスで展開していくWCOだけに、もとより投げるまでの時間は早い。
今週もタイトなカバレッジでどうぞよろしくお願いします。
この2人のほかに意外と気を付けるべきなのがJalen Tolbert。
現状WR2なのでこの男にも気を配る必要があるのは当然だが、一番危ないのはこいつがDeepの専門家だということ。
20yd以上のAir Yardのパスがターゲットの1/4にも迫るという実績。
比較対象としてスタッツのバランスが似ているのがMIAにおけるTyreek Hillだというと感覚がお判りいただけるであろうか。
もちろん、ターゲットになるということとレシーブできるということの間には結構な溝があるのだが。
なぜここに気を付けるべきなのかというと、たぶんTolbertが奥に飛んでいけばそれを対処することになるのが、現在のPHI Defenseにおける唯一にして最大の穴であるCJGJだから。
長いパスが飛んでカメラが引いてみたらWRにえげつなくセパレートされた背番号8がなんか走ってる、といういつもの光景が展開されないことを祈っている。
とはいえまあドラフト時に弱肩でお馴染みのKellen Mooreと比較されたRushにそんな長いのを投げる能力があるのかわからないので、まずはわかっている短いパスをちゃんと決める能力から消しにいきましょう。
- 長いのを投げられることを防ぐ最大の手段は、投げさせないこと。
ということでパスラッシュ関係者各位は猛烈にがんばれ。
つよつよだったDAL OLも過渡期に入った模様。
現状の序列で言うとLG Tyler Smith→RG Zack Martin→C Cooper Beebe→LT Tyler Guyton・RT Terence Steeleということになろうか。
あまり認めたくはないが、Tyler Smithは現在LGでリーグトップでしょう。
安定感が段違いである。
そしてZack Martinが悲しくなるぐらい衰えてしまった。
もう足動いてないじゃないか。
しかしMartinが衰えたと思ったらちゃんとSmithが出てきているの、実に迷惑なのである。
- 昨シーズンはCarterが完膚なきまでに封じられて経歴に傷をつけられたTyler Smithのところにマッチアップするのは今季の主戦場をDefense右側にしているMiltonとOjomoがメインになろうが、ここはどうしようもないので無視。
なかったこととする。
お2人におかれてはこの試合で消えても査定には影響しないようにしておこう。
だがC Beebeが完璧にMartinの方だけを見るようになっちゃうとそれはそれで困るのでたまには何かを見せてね。
問題は残りの3人。
どうもDAL OLはスタンツに弱いとのことなのでこれをMartinとSteeleのOL右側に積極的に使っていきましょう。
ということでCarterが先でHuffが後のスタンツを多用してOL右側を崩していくこととする。
そしてCarterはシングルでもMartinをしっかり崩すように。
これは去り行く先人に対する礼儀である。しっかりやれ。
で、パスラッシュのメインはSweat vs Tyler Guyton。
見たところ、Guyton君は上半身が当たると下半身が止まっちゃっている様子なので早めに当たってから崩すというSweat得意のパターンでしっかりプレッシャーをかけられるはず。
Blitzを入れるならMartinとSteeleの間からだと思います。
DeanのBlitzが今週は届きますように。
- ランゲームはOLが悪いわけではなさそうだがあまり出ていないのが現実。
Dowdleも悪いRBではなさそうだがSaquonほどの爆発力は望むべくもなく。
だがレシーブは相当にいいという話だし実際先週も素晴らしいレシーブTDを決めているのでLB陣はあまり簡単にスペースを与えないように。
FBのLuepkeもいるが、取り立ててミスタックルを多く作れるというわけでもなさそう。
先ごろヘルシースクラッチを食らっていたZekeはRed Zone専用機。
忘れていたが、DALはレッドゾーンでのTO数がこれまで5回でリーグ最多とのこと。
先週のDeanのようなプレーなら何度でも見たいものです。
- ということで、
- LambにはQuinyon・SlayあるいはDeJeanをべったり付ける&タイトカバレッジでタイミングの早いパスの出しどころを消し、時間をかけさせたところをRushにはSweatとJCでプレッシャーをかける、というゲームプランでいきましょうか。
うむシンプルすぎる。
結び
- 先方はOffenseもDefenseも傷ついているが、STだけは無傷。
そしてBrandon Aubreyという現状リーグトップのKという得点力をお持ち。
PのBryan Angerも衰える気配なし。
Turpinはいいリターナー。
ということでここには十分気を付けるように。
意味不明な反則と、恒例のようにスペシャルプレーをやられるの、絶対に避けてください。
そしてJake Elliottさんよ、そろそろ頼みます。
- Goedertの復帰で地味に悩ましいのがTE2をどうするのか。
Calcaterraを見ていたい気持ちはあるが、とはいえMicahのヤロウがいることを考えると起用を増やしたいのはプロテクションを優先させてStoll。
ここらの差配もちょっと楽しみ。
- 先発QBが傷んだとかそういうのはどうでもいいのだ。
Dallas Week。
勝たねばならぬし勝てばなんでもいい。
頼むぞSirianniいらんことをするなよ。
- 勝て。
GO BIRDS!!