Nicholas Singleton(Penn State)に心を奪われていたら正月休みも終わりかけていた。
全然プロスペクトチェックの時間を確保できなかったが、そろそろ調べねばなるまいということでまずはニーズチェックから。
選手名の後ろの()内は契約上の年限です。
QB
Hurts(~2028)
Pickett(~2025)
McKee(~2026)
ニーズ全くなし。
2025シーズンまでこのままのメンツで進むと思われるところ。
強いて願うなら、McKeeをQB2に昇格させて…というところではあるが、Pickettの先発経験もスクランブル登板の際には捨てがたい(Week16を見てそう思う気持ちはしぼんだが)のでわざわざ動く必要は感じられない。
ということで現状維持で結構。
McKeeはWeek18に出番がいっぱいあるはずなのでそこでがんばって成長を思う存分見せてください。
ニーズは絶無。
RB
Saquon(~2026)
Gainwell(2024限りでUFA)
Shipley(~2027)
ドラフトで早めに動くことをOKとしなければいけないのがここ。
まず、4年間いいバックアップとしていてくれたGainwellが去る。
そしてShipleyはいまのところ何も見せてくれていない。
そして2Kという偉業を達成したSaquonだが、契約上は巨大な保証が残る2025までだと思うのが妥当。もちろん2026シーズンまで全うしてくれることに越したことはないが。
しかしもうすぐ28歳という年齢のこともあり、この活躍があと2年も続くかどうかは疑わしいところ。
しかしあれだけの数字をSaquonが残したことについて、OLの貢献が大きいことはいまさら言うまでもないんだが、そのOLをもってしてもGainwellとかShipleyがキャリーした瞬間に全然進まなくなるというのはSaquon個人の能力の寄与するところがどれほど大きいかと言うことを示している気がする。
ということで、Saquonに見切りをつける直前ぐらいにはそれなりの大きめの投資が必要になろう。
それが2024ドラフトなのか2025ドラフトなのか、という課題は残るが、どうせGainwellが去ることでRB投資が必要なこのオフにドカンと行っておいて損はなかろう。
ニーズは大。
Ashton Jeanty(Boise State)は1巡であってもPHIの順位まで落ちてくることはないと理解しているので無視する。
残っていたとしても、Saquonがキャリアの全盛期を迎えているこのタイミングでやるべきことではなかろう。
ということで2巡以下3巡まででターゲットになりそうなプロスペクトを。
- TreVeyon Henderson(Ohio State)
フレッシュマン時代に鮮烈なデビューを飾ったRBもSeniorイヤー。
2年目の2022シーズン序盤に足を負傷。
そのシーズンは低調に終わり、手術を受けてケガ自体は完治したようだが、2023・2024といずれも2021シーズンの輝きは戻らず。
いや、2024シーズンはちょっと戻っていた。
と言うことで期待したい。
パワーもスピードも十分で特にYard after COntact(以下、YCO)が4.54Yard/Attemptという立派な数字を残しているバランスの良さは圧巻。(参考までにJeantyは5.25yd/Attemptと別次元)
もうケガの影響はないと見た。
それと、レシーブめっちゃお上手。
- Nicholas Singleton(Penn State)
Saquonの後輩を呼ばないという手はない。
Miles Sanders→SaquonとPHIのエースRBにはやはりPenn State出身者が似合う。
Saquonを1年観た感想からすると最後の1人を如何に外すかということが一流RBの能力だろうという思想になった今、彼のトップスピードは十分だし密集を抜ける能力も不安なし。
レシーブも、SaquonほどではないがSlot WRを務められる程度には問題ないしプロテクションも十分。
リターンが出来るという点も好ましい。
若干不安材料があるとしたら、抜ければホームランになる確率が高いスピードを持っているが、ヒット後のバランスはそう良くないという点。
YCO/Aが3.59と一流の数字を残していないところが心配。
-
Kaleb Johnson(Iowa)
めちゃくちゃファンブルしそうなボールの持ち方をするホームランバッター。
実際には2024シーズンは0ファンブルだが。
そこは改善可能だと思うと気になるのは最後の1人に引っかかりすぎるというところ。
ただ、パワーもあるしSaquonから学べば問題なさそう。
YCO/Aは4.42と素晴らしい数字を残している。
実は彼が本命。
- Omarion Hampton(North Carolina)
堅実な中距離打者。
ギャップを見極める目は確かだしコンタクトもしっかり出来るしレシーブもできるという万能さではあるが、唯一トップスピードの足りなさが非常に気になる。
上述したとおり最後の1人をかわせるイメージがない選手。
ということでちょっと落ちる。
悪いRBではないと思うが。
- Cam Skattebo(Arizona State)
FCS Sacramento StateからArizona Stateにトランスファーして大成功したRB。
特に魅力的なのはその捕まらなさ。
具体的にはコンタクトに入るときのバランス。
そして意外と万能でレシーブも上手い。
たまにパスも投げてはいるがまあこの辺りはプレーコールの妙によるところが大きいので見なかったこととする。
SFファンという点が最大のネック。
その他、Quinshon Judkins(Ohio State)・Jordan James(Oregon)・Trevor Etienne(Georgia)なんかも評価は高いようだがこの辺りの良さはちょっとわからなかったので保留。
WR
A.J.(~2029)
DeVonta(~2028)
Dotson(~2025)
Johnny Wilson(~2027)
Ainias Smith(~2027)
IR:Covey(2024限りでRFA)
Saquonのおかげもあり最小限の傷で済んだが、妙にケガが多かった今季のA.J.とDeVonta。
年齢のせいだとは思いたくないので単なるめぐりあわせの問題だったと思うことにする。
Dotsonまでが先発で、ここまで盤石。
かつ投資も十分に行ってきたのでここは動けない。
動いてもどうせターゲットにならない。
ただ、Johnny WilsonにしてもAinias Smithにしても何にも見せてくれていないのでここをどう思うか。
ドラフト下位で競争相手を連れてくる選択肢は多いにありだし検討はしていただきたい。
そしてRFAになるのがCovey改めリターンスペシャリスト。
テンダーオファーも割高だと思うのであればノーテンダーでフィニッシュののち再契約、というRosemanが好むムーブはありそう。
もとより今季はさして戦力になっていないし後半は姿も見ていないので。
当初は来年以降CoveyをAiniasに置き換えたかったためのAinias指名だったと思われるが、Ainiasはプレシーズンで酷いマフを見せてくれたこともあり怖すぎてリターナーとしては使えず。
ということでリターンスペシャリストを下位で連れてくるということぐらいしか出来なさそうではある。
ニーズは極小。
TE
Calcaterra(~2025)
E.J. Jenkins(~2025)
IR:
Goedert(~2025)
Uzomah(2024限りでUFA)
大問題ポジション。
開幕戦では確かに勝利の大きな要因となったGoedertだったが、その後は不振。
毎シーズン数試合は休んだりIRに入ったりするのが基本仕様だったとは理解していたが、2024シーズンに関してはわずか9試合の出場にとどまった。
さすがにこれは稼働しなさすぎであろうし、来シーズンには30歳になっているという年齢のことを考えるとこれが劇的に改善するとはとても思えないところ。
契約的には2025シーズン限りではあるが、保証額はないという状況。
Rosemanあるあるで、保証額はなくても過去のボーナスの配分があるのでキャップ的にはカットしても全然美味しくない(デッドマネー11M)ということで即カットということはなさそう。
Goedertのいぬ間にCalcaterraが少し成長してくれたのはいいことだったが、彼にしてもブロックの下手さでWAS戦で大ブレーキになったことの記憶は新しく、レシービング能力だけを以って新エースTEとして契約延長、とはならなそう。
でも契約が残るGoedertとCalcaterraがいるんだから2025シーズンも同じ陣容でいいのでは?という疑問もわくところではあるが、残念ながらそうはならない。
NFLというリーグにおいて2年連続で同戦力を維持したところで、めちゃくちゃスカウティングされて対策されてしまう以上2年目は確実に1年目より悪化する、QBがMahomesかJosh Allenでない限りは、というのは自明の真理であり、PHIもそれを2022→2023シーズンで経験済み。
もちろんKellen Mooreが2年目を迎える期待感とか、Steichen→Brian Johnsonが悪かったとか選手以外の条件はマシだと思うが、それにしても戦力的な上積みは絶対に必要。
翻ってみると、RBとWRが全く動けない状況である以上、そして後述するOLも同様である以上、何かやるとしたらここしかない。
2025シーズンのOffenseの起爆剤を求めるとしたらここしかない。
それがTEポジション。
ということでニーズは極大。
ドラフトでは積極的に1巡を使うべきところだが、あまり候補者がいないという点が難しい。
- Tyler Warren(Penn State)
今ドラフト屈指の万能TE。
BIG10特有のブロッキングの激しさを持ちながらかつてWR・RB・QBをプレーした経験を活かしてキャリーもできる。
ルートランは滑らかで狭いところでも十分に働けるしコンテストキャッチも得意。
ということでいい選手ではあるのが、残念ながら20位後半とかまでは残らなそうな勢い。
なお、25歳という情報が入ってきているのはやや懸念材料。
※ちゃんと22歳だったそうです。お詫びして訂正いたします。
- Colston Loveland(Michigan)
2023シーズンの全米王者Michiganを支えたレシービング寄りのTE。
ルートランはWarren以上に滑らかで手も確か。
長らく2025ドラフトのTE1という評価を受けていただけあり完成度は相当高い。
ただ、Warrenより下に置かざるを得ないのはブロッキングのところ。
Calcaterraにしても、TEのブロッキングがめちゃくちゃ上達した、という例はPHIではあまり見ないのでその点が少し心配。
即Goedert(というかCalcaterra)からのアップグレードとなる可能性があるのはこれぐらいだろうか。
後はTerrance Ferguson(Oregon)・Mason Taylor(LSU)・Gunnar Helm(Texas)・Mitchell Evans(Notre Dame)辺りの評判もいいが、まだちゃんと見ていないので保留。
なお、どうしてもここに武器を加えたい場合、FA市場という手もあろうがこのオフにUFAになりそうなTEの層は極めて薄いのでこれは避けたい。
ではどうしたらいいか。
残るウルトラCは、バストという評判が定着しているKyle Pitts(ATL)をトレードで引っ張ってくるということぐらいであろうか。
怖いが、ありそう。
そしてちょっと楽しみ。
OL
Mailata(~2028)
Dickerson(~2028)
Jurgens(~2026)
Becton(2024限りでUFA)
Lane Johnson(~2026)
ーーー
Tyler Steen(~2026)
Fred Johnson(2024限りでUFA)
Nick Gates(2024限りでUFA)
Darian Kinnard(~2025)
Trevor Keegan(~2027)
ここも無風。
JurgensとBectonとFredを延長してしまえば特に補強は必要ない状況だが、問題なのはJurgensを優先した結果Bectonを延長するキャップスペースを捻出できなかったとき。
とはいえその時でもRGにはSteenがいるのでドラフトは下位で良さそう。
Stoutland先生のお眼鏡にかなえばなんでもいいです。
まかり間違っても"Laneの後釜を1巡で"みたいなことだけはしないように。
TEどうするんだ。
ニーズは極小。
ここまでで長くなりすぎたのでいったん終了とします。
やはりTEとRBぐらいしか上積みできるところはありそうにないですね。