鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2020年 week8 vs DAL レビュー 俺たちの天王山

情報遮断に成功して深夜に観戦しながら一番声を上げたのはズーラインの59ydsライナーFG成功だった。なんなのでしょうあの化け物は。風が強かったようだが、蹴ったボールをあれだけコントロールできる人間がいる以上、投げたボールのコントロールを風のせいにはできない。

 

結果:PHI 23-9 DAL

 

俺たちの天王山を俺たちのやり方で制して3-4-1として地区首位をがっちりキープ。鉄壁のディフェンス同士が最後まで意地を張り合った息が詰まる試合だったわけでは決してない。これが俺たちNFC東の天王山。泥試合ともいう。

 

【STATS】

f:id:eagles-nest:20201103130619j:plain

【Offense】

<よかったところ>

・OL

というかMailata。初のRT先発でvsデマーカスローレンスという難題を突き付けられたものの、最初のプロテクションをいきなりカウンタームーブでぶち抜かれて以降、総じて安定していた印象。ランではよく押せていた。試合中の成長も含めて頼もしい。ローレンスのサックはいい薬だったと思ってグングン成長してください。

全体としてもLTに入ったPetersがちょっと痛がってたぐらいで破綻はなし。スタッツ的には4サック献上したが、明確にOLの責任なのは前述のMailataの1つだけ。バンダーエッシュにいかれたやつは微妙。Pryorのせいかも。
DLは押せていたのにBostonのランニングがイマイチであまり出なかった場面も見受けられた。Sandersが待ち遠しい。まあDALのDLはアレなのであまりアテになりませんが。

 

・Fulgham

とても良い。もう誰も笑わないと思いますが、期待値はJulio Jones(ATL)。ちょっと言い過ぎたとしてもKeenan Allen(LAC)。スピードでぶち抜く系ではないけれど、正確なルートランを武器にQBが困ったときにそこにいる。そしてCBとの駆け引きができて球際も強いのでなにより投げやすい。フィールド中央でタイミングを合わせるよりもサイドライン際で頼れる系WR。1Qのvs DiggsのキャッチとあのTDレシーブはそんな夢を膨らませてくれるのに十分でした。この調子でお願いしますね。

 

<悪かったところ>

・PedersonとWentz

クソプレーコールと自滅系QBの競演。

Pedersonの一番意味がわからないところが、何かを見つけて順調にドライブ出来たあとにそのプランをすぐに捨てるところ。逆に出なくなっても出ると信じたプランに固執するところ。スーパーボウルのときはこだわるところと捨てるところの切り替えがいい感じにできていたと記憶しているのですが。コーチ陣の入れ替えの問題なのかFolesだったのか。CHIでNagyに怒っているところを見ると後者な気がしなくもない。
がっちりゲームプランを固めるウェストコーストオフェンスの弊害なのかどうか。最終的には収集した材料で4Qにそれなりに辻褄を合わせることができているのであまり強く非難もできないが、ダメな時間が長すぎる。応用が利かない。少なくとも天才ではない。秀才系。

そしてWentz。自分でなんとかしようとしすぎた結果の2ファンブルロスト。なんせ近年のNFLで一番ファンブルロストが多い部類の人間なのでコーチ陣も改善には取り組んでいるのでしょうが、全く良くなる目がない。プロで改善できないとすると嫌な仮説を立てざるを得ない。

つまり、「ワンマンチームで大学時代を過ごしたときについたクセはなかなか抜けない」のではないかと。性格はとてもいいようなので王様気質とかそういう心配はしていないのですが、フィールドでの「俺がなんとかせねば」魂は百まで生き続けると。この仮説に立つならば彼の特性として諦めるしかないのか。まさかそんなことはないとは強く思いたい。NYGのダニジョンが全く同じメンタルエラーをMNFで繰り返している。あなたは5年目です。いい加減修正をお願いします。

 

・Pederson

あなたが腰につけている赤いやつ、投げると何かが起こる可能性があると聞いてますよ。

 

<評価保留>

・ReagorとHightower

ルーキーWRコンビ。まっすぐのスピードだけではプロで生きていくのはなかなか難しいんでしょうね。フィールドをストレッチしてほしい二人ですが、脅威にならなければディフェンスも付き合ってくれないはず。具体的に必要なものはよくわかりませんが、まだまだ若いのでいいWRコーチの力を借りて成長してください。いかんせん我らはAgholorというサンプルのせいで疑い深くなっているところです。早くあいつとは違うというところを証明してほしい。特にReagor君、お願いします。

 

【Defense】

<よかったところ>

・T.J. Edwards

文句なしのGameBall。12タックル(6ソロ)、値千金のQBサック&ファンブルフォース。復帰後即のこの活躍、しびれました。なにより、「OLの動きにリアクションしてOLに当たって処理して正しいホールに出てきてエリオットを一発で仕留める」という、このいかにもLBらしい一連の動きを久方ぶりに拝ませていただきました。本当にすっきりした。これこれ。Gerryでは見たことない。このまま元気にディフェンスを引っ張ってください。

 

・Brandon Graham

戦前の期待通りルーキー相手によくやってくれましたどうもありがとう。ナイスストリップサック。これで7サック目。初のプロボウルが視野に。

 

<悪かったところ>

・Fletcher CoxとDT陣

これも戦前の予想通り。悪い意味で。ザックマーティンにはもう勝てない。1対1で完全にコントロールされる映像の数々でプライムタイムに全米に恥をさらしてしまった。サックしたのもマーティンからではなかった。これで20M程度のキャップ食うのはちょっと高いと思いますよ。もちろん過去の実績は素敵ですが。ちなみにこの男と契約再構築して2024年までベースサラリーを配分したGMがいるそうです。アホなんでねえか。

Coxがマーティン引き受けてくれていたのに全く爪痕を残せなかった相方は問題。Hargraveはハズレでしたかね。彼もお高いんですけど。

 

<評価保留>

・DB陣

Nickell Robey-Coleman通称NRCはやっぱり駄目だったけど相手のQBがアレすぎてあまり焦点にならず。

Slayのケガが心配です。

評価保留にはするけどやっぱりこのDALのWR陣を毎年2回相手にすると考えると、Maddoxは代えるしかない。ドラフトのトップニーズに急浮上。

 

 

どれだけベガスがPHIに有利なオッズをつけようとも接戦になると思っていた。予想通り。Wentzのレーティングはディヌッチよりもひどい。だけど2Qから負ける気がしなかった。泥試合ならこっちのほうが一枚上手です。

何はともあれしっかり同地区相手に勝利してバイウィークへ。バイ明けはもう一回NYG。このままNFC東がみんな地区内3-3でいって他地区に全敗するとPHIが4-11-1で地区優勝するらしい。それは面白いけどなしの方向でお願いします。ケガ人の大量復帰とWentzとPedersonのクーリング期間としてこのバイウィークを有効に使って、明けからぶち上げていただきたい。

 

GO!BIRDS!!

2020年 week8 Dallas戦プレビュー

プライムタイムの試合はライブタイムでの観戦が非常に難しいのでやめてほしいというのが時差大きめの国の住人からの要望。

楽しみにしていたDallas戦とはいえ観戦はほぼ絶望的なので情報遮断頑張ります。

 

【Injury Report】

<PHI>

OUT:

T Jack Driscoll

RB Miles Sanders

CB Cre’Von LeBlanc

WR Alshon Jeffery

CB Craig James

 

だいぶ減ったとはいえ他チームと比較すると非常に分厚いPHIのOUT連中。痛みの順番でいうとSanders>LeBlanc=James>Driscollといったところか。相手のWRが非常にやっかいなためニッケルCBのLeBlancの不在は痛い。けど先週NYGのTateにちんちんにいかれてたのを見て期待値もそんなに上がっていなかったところ。けど健康なCBが3枚しかいないというのはいかがか。

その他、懸念されていたLane JohnsonとMalik Jacksonはそれぞれ無印に格上げとなり出場見込み。

上記以外のIR関係の動きとしては、

IR入り:DE Genard AveryとLB Nate Gerry

復帰:LB T.J. Edwards,S Rudy Ford,TE Dallas Goedert,T Jason Peters,WR Jalen Reagor

Gerryのケガなんかまったく聞いていなかった。なんでもアキレス腱?とのうわさ。まあいいEdwardsが復帰したから。そんなに変わらんでしょうし、ルーキーコンビを積極的に起用してあげてください。

そして復帰組で大きいのはやはりゴダートとリーガー。押し出される形でTE Hakeem ButlerがWaiver。

 

<DAL>

Doubtful:

QB Andy Dalton

 

ダルトンは1週間練習していないのでほぼOUTとの見方。先発は当初の予定通りDiNucciとの報道。

 

【マッチアップ】

<Offense>

論争を呼んでいたPetersのポジション問題、腹立たしいことにLTでの復帰、Mailataは控えTということになるよう。この選手起用の一点をもってPedersonクビで思います。なんなんでしょうPetersのチームというかPedersonへの影響力は。口に出したくない関係性でもあるのか。

MailataはどっちかのTが傷んだらその穴埋めをする仕事。残念ながらほぼ確実に出番がありそう。

 

今週の朗報はゴダートとリーガーの復帰。FulghamとHightowerの出番が若干減りそうなところは怖くもあるが、これぐらい武器があるのがまあ普通なんでしょう。

ゴダートの復帰でPedersonが大好きなTEスクリーンが増えそうで、まあラッシュを緩めるという意味で一定の効果は出そう。

DALはCBのところもねらい目になりそうでリーガー筆頭に若手WR陣にはドロップを最小限にしていただきたい。

問題はランオフェンス。

OLが左からPeters/Herbig/Kelce/Pryor/Johnsonという並びでWeek3以来のパターン。この連携の不安さに加えてRBはBostonとClementになるのでここが出るかどうか。DALのランディフェンスの不調は主に意思統一の乏しさにあると思われるのでシフトやらモーションやらでしっかり攪乱していってほしい。

 

<Defense>

相手QBのことについてはいったん捨て置く。なぜなら彼のことを知らなすぎるから。過去でいうとドラ7ルーキーQBが先発するのは2005年以来とのこと。ご存じFitzpatrickおじさん以来の快挙。

気になるのはやはりWR3人衆。CooperはSlayが消すので全く問題ない。残りのGallupとLambのところが懸念点。現在PHIのCBは健康体がSlay・Maddox・NRCの3人のみ。そしてNRCはひどい。となるとスロットに入るLambのところが超怖い。超怖い。リーガーとLambが同時に試合出てLambだけ活躍しましたとかなったら見てられない。

ということでそんな悪夢を避けるためにもとにかくDL筆頭にプレッシャーをしっかりかけることこそ肝要。幸いMalikが出場可能とのことなのでインサイドは制圧できそう。ザックマーティンにCoxが抹殺されることがなければ。そして最大のポイントはGraham vs RT Terence Steele。ここが1試合プレッシャーかけられるようであればだいぶ話はスムーズに進む。キャリアハイのパフォーマンスでサックを積み重ねる32歳。今週も頼みます。

 

 

オフェンスもディフェンスもやられるイメージならいくらでもある。そして多分大差がつくことはないでしょう。となると最後はターンオーバー勝負。DLの層の違いでPHI有利と見た。

予想:PHI 35-27 DAL

 

GO!BIRDS!!

2020年 week8 Dallas戦前スカウティング結果報告とか

今週はいよいよDallas Weekということでロスターの出入りや敵情視察の結果など。

まずは敵情視察から。というかこれがメインです。

 

【敵情視察】

Week7のDAL@WASのみ観戦。いかんせん積極的に見たいものでもなく、先送りにしていたところをDAL weekということでちょこっと観戦。

<DAL Defense>

「DALのD#がひどい」という噂はスタッツの羅列等でかねがね耳にしていたものの、どうやら重症そうで。

WASのOffenseについての過去傾向等も持ち合わせていないため、これが対DALのスカウティング結果なのか、従来のWASのOffenseの延長なのか不明ながら、よくやっていたのはTE2枚を同じサイドに配置して、そこからのシフトやモーションでLBを動かしてのラン。

これがまあ出る。以下、異論反論あるでしょうが私見です。

TEを2枚配置して前陣強調型の隊形にすることでOffenseが得られるものはギャップ(ホール)の増加。そのうえでゾーンブロックをかますことでRBはデイライトできるレーンが増える、というメリットがあるものと思料。一人でもDLやLBがOLにへこまされたり巻き込まれたりするとばっこり穴が開いてD#は大けがを負う、というもの。

一般的に、こんなOffenseに対するためには、D#としてはルールを徹底して内からひたすら正しくギャップを埋めていってRBを外に追い出す、もしくはLBのブリッツや、スーパーDLがいるならそこからのペネトレーションでOLに縦に杭を打ち込むことでブロッキングを乱してRBのランニングレーンを減らして無理矢理カットバックを切らせる、という対策が考えられる。それが全くできていなかった。

モーションにつられてLB二人が別方向に飛んでその間に大穴が空いたり、DLがLBまで巻き込まれたり。要因として大きかったのはD#内の意思の不統一だと思われ、主には統率の問題に起因するのかと。そういう意味ではDCマイクノーランがだいぶ非難されたりチーム内から不協和音が聞こえてきたりすることにも納得感がある。印象に残ったのがジェイロンがプレー直前までアジャストでSやDLへの指示で全く落ち着いていなかったこと。カットされたポーもあんまり動けてなかったですし。

個々で見れば能力が高いバンダーエッシュとジェイロンというLB陣をもってしてあれだけ消されるとは相当深刻なのではないかと愚考いたします。しかしまあそれでもデマーカスローレンスはいい仕事してはる。ランストップもあんなにお上手だったんですね。

<DAL Offense>

こちらはD#と違って、「ケガ人の多発」という馴染みのある要因による不振。

記憶にあるだけでQB2枚・C2枚・LT・RT・RGが離脱とあってはなかなか難しい舵取りになっているのでしょう。

そういう意味ではWAS戦は脳震盪で欠場だったオールプロRGのザックマーティンがPHI戦は出場濃厚とのことでもう少しマシになるのでしょう。

そのケガ人で抜けた特にOLのところ。CLEでLT失格の烙印を押され、その後移籍したKCで今度はGとして失格だったと記憶しているキャメロンアービングがLTに居座っているとのことで注目して観戦するも、あんまり悪くないように見えて驚いた。というかチェイスヤング相手にweek1のうちのピータースよりよほどいい働きをしていたように映りました。なんなんでしょうとても期待外れ。Sweatのサック祭りはあまり期待できそうになく。

というかPHIがあれだけ手玉に取られたWASの凶悪DL陣に対してOL全員でなかなかいい仕事していたようで非常に不愉快。ライン戦は圧倒的有利と言えそうにない情勢。

ただ、RTのドラ外新人、Trence Steeleのところはちょくちょくプレッシャーになってた。どちらかというとスピードラッシュでやられて、パワーラッシュはしっかり受け止めていたのという感想ですが、相対するPHIのBGことBrandon Grahamは32歳にしてキャリアハイのパフォーマンスを見せるもいかんせんパワーラッシュ一筋。なんて不器用な男。格の違いを見せつけていただきたく。

納得がいかないのはCのTyler Biadaszがとてもいい仕事していたこと。因縁の男。欲しいと思っていた。Wisconsinですし。2020年ドラ4。PHIがDriscoll指名の直後にDALに差し上げた指名権での指名。そう簡単にフレデリックの穴を埋められるのは不公平。ちなみにPHIはその指名権を転がして6巡196位でShaun Bradleyを指名。今のところ微妙。

一番やられていたのはRGのところですが、ここはもうマーティンの復帰で穴ではなくなるということで無視。

さて、OLはこれぐらいにして痛ましいケガで離脱したQBのところ。Andy Daltonは脳震盪プロトコル中で現地木曜の練習もスキップ。ということで現在のスターターはBen DiNucciが濃厚。FCS所属のJames Madison Universityから2020ドラ7指名。今年のドラフトで11番目のQB。JMUFCSのタイトルゲームに宿泊先のホテルのエレベーターでマッカーシーと偶然乗り合わせたところからDALのドラフト指名までこぎつけた幸運の持ち主。というか完全にマッカーシーの縁故入社だと思う。

準備ができていないなかでリリーフでの登板になったという考慮すべき事情があるという点で今週末とはもちろん違うんでしょうけど、ファーストターゲットを最初のタイミングでガン見するという部分は多分にあるのでプレッシャーをかけ続けることが肝要。プレッシャーがかかると結構ボロボロ。WASはさすがというかDL4枚だけでプレッシャーかけ続けていましたけどね。それができるかどうか。無理なら先週のようにゾーンブリッツの多用でいいと思います。そしてやはり信頼できるベテランとしてAmari Cooperのほうを狙うことが多かったような気がしますが今年は大丈夫。Slayがいる。

強運の持ち主という点では資格があるものの、ブレイディばりのシンデレラストーリーなんて本当に不要なのでしっかり締めていただきたい。

 

<まとめ>

プレビューは別でやろうと思っていたけどだいぶ書いてしまった。

結局、Offenseはミスディレクションとプレーアクションが効きそう。DefenseはQBにプレッシャーをかけ続けることが大事。という非常にありふれた結論でいったん結びます。

 

【PHIロスター出入りとか】

ロスター退場>

WR D-Jax→IR入り

DT Hassan Ridgeway→IR入り

上記はweek7の試合中の負傷によるもの。デショーンは6~8週かかるとのことで、先週の試合をもってPHIでの最後の姿だった可能性まである。とても寂しい。けれども結局去年のweek1しか働けなかったという意味でこの補強は大失敗。

地味に痛いのがRidgewayの離脱。昨オフに補強したDT Javon Hargraveが健康を取り戻しつつあるものの先週も全く期待値に及ばない働きしかしておらず、Malikが戻れるか不透明ななか貴重なローテーション要員がいなくなることは結構なダメージ。それを受けて今週もPSのDT T.Y. McGillをプロテクト。多分DAL戦も出てくるのでしょう。

 

<IR組>

Jefferyがずっと欠場していた理由である足の負傷については治ったとの情報。ただ、新たに先週ふくらはぎのケガを負ったそうでそのせいでまだ練習できていないとのこと。なお、先週はショートウィークだったため練習はウォークスルーしかやっていない模様。いったいどういう理屈で新たなケガをするのか。そこまでして試合に出たくないのか。ならもういいけど。どうせ重すぎるサラリーのせいでトレードもできないのでカットでいいですけど。

 

今週ロスター入りした新顔はいないものの、IR組が続々復帰の予感。

LB T.J. Edwards

S Rudy Ford

T Jason Peters

WR Jalen Reagor

TE Dallas Goedert

が練習可能に。Peters・ReagorはDAL戦出場可能との情報。

Reagorは単純に楽しみ。デショーン亡きあと、マークは厳しくなるでしょうけど同期ドラフトの他チームのWRたちの活躍を見るにつれ、期待値は高まるばかり。まずはケガなく頑張ってフィールドをストレッチしてください。

 

そして問題はPeters。当然層が薄いGでの復帰と思いきや、現地水曜の練習ではLTに入り、俺たちのMailataがRTという配置。Mailataは「RT結構快適よ。言われたところでプレーするのが仕事です。」という殊勝なコメントを残したとのこと。若手の貴重な練習時間を奪う銭ゲバじじいとか実に醜い。言い過ぎた。

なんとかして楽観的に考えようとするなら、
「LaneとDriscollが不在でPetersとMailataでどっちかをRTにせざるを得ないから左に慣れているPetersをLTに、Mailataを仕方なくRTに置いている。もちろんLaneが戻るようならMailataがLTでPetersはLG」
という、あくまでも現有戦力を最大化するため、というシナリオ。

というかこれしか考えたくない。LaneはDAL戦出る気満々のツイートをしているので、いざ復帰したときにどういう配置にするのか。ちなみに木曜の練習は屋内開催だったようで記者たちは中の様子をうかがえなかったとのこと。

ピーダーソンさんにおかれてはくれぐれも誤った選択をなされないよう強くお願いします。プレーコールはまだ辛抱できるけどファンのロマンを奪うような仕打ちはご勘弁を。
考えすぎかもしれませんが、「ディラードという選択が失敗だったと思われたくないからMailataに大成してほしくない」という後ろ向きな理由だったらどうしてやろうか。

 

ちなみに、Zoomでの記者会見に出席したプライアーが、記者から「RTの準備をしてるならまばたきを1回、RGの準備をしてるならまばたきを2回してください」と注文を受けて、懸命にまばたきを我慢していたとのこと。

というかわいいエピソードで締めとしたいと思います。

 

次はプレビューとかトレードとか。気が向けば。

Offensive Lineをめぐる受難とJordan Mailataという原石

Offensive Line通称OLについて。Week6まででNFL最多の25サックを許した彼らの罪は重い、というのがPHIに対する評価。オフ時点で想定していたスターターのうち健在なのはC Jason Kelceのみという有り様。実際にとんでもなくWentzにプレッシャーがかかっているのも事実。いったい何が起こったのか、現状の収穫など。最終的に思ってたのと違う方面に力が入ったので試合のない週末にふさわしくだらだらと長くなります。

 

【2019season】

あの頃は幸せだった。

LT

LG 

RG 

RT 

Jason Peters 

Isaac Seumalo 

Jason Kelce 

Brandon Brooks 

Lane Johnson 

プロボウル9回(オールプロ6回)のLT、プロボウル3回(オールプロ3回)のC、プロボウル3回のRG、プロボウル3回(オールプロ3回)のRT。はっきり言って実績で言うとNFL最強だったのではないでしょうか。しかし高齢。2019年については平均年齢30歳超え。そしてそれに伴うケガの増加。ピータースは年に5・6試合休むことが恒常化していたし、ブルックスについても2018年プレーオフに断裂したアキレス腱の古傷あり。健康体ならDALのZack Martinといい勝負するぐらいNFLトップクラスのRGのはずが、やはり2019年も今度はシーズン最終盤に肩の脱臼でOUT。プレーオフSEA戦では全くランがでない要因に。
チームも高齢化対策として、2019年ドラフトにて1巡をトレードアップしてAndre Dillardを指名。「パスプロテクションはうまいけどノーパワー」と評されていた彼を、2019年限りで契約が切れるJason Petersの後継者として1年育てる計画を明確にしていた。

 

【2020season開幕前】

そして迎えた2020シーズン。想定していたスターターは以下の通り。

LT 

LG 

RG 

RT 

Andre Dillard 

Isaac Seumalo 

Jason Kelce 

Brandon Brooks 

Lane Johnson

それ以外には
C:Luke Juriga(2020ドラ外)
G:Matt Pryor(2018ドラ6),Nate Herbig(2019ドラ外),Sua Opeta(2019ドラ外)
T:Jack Driscoll(2020ドラ4),Prince Tega Wanogho(2020ドラ6),Jordan Mailata(2018ドラ7)
など。(その他にも何人かいたけれどもファイナルカットで全滅したので省略)
ちなみにスターター以外でプロの試合経験があるのはプライアーのみ。これも前述ブルックスが壊れたあとのバックアップとして出場し、プレーオフで散々な目に。
Dillardのところに不安はあれど、オフ中の「かなりバルクアップしている」という報道とか「今年のあいつは一味違う」というブルックスのコメントとか、まあそれなりに期待してもいいよね、と思っていた6月頃。悲報が舞い込む。

「Brandon Brooks、アキレス腱断裂でシーズンエンド」

これを受けてスターターは以下の通りに変更。

LT 

LG 

RG 

RT 

Andre Dillard 

Isaac Seumalo 

Jason Kelce 

 Matt Pryor

Lane Johnson

しかし、プレーオフの惨状の記憶も新しい中、これではまずいと思ったか、チームは契約延長せずにFAとして放出していたピータースを呼び戻しRGに。LTでプロボウル9回の人間にRGをさせることについて、「???」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんのでピータースという男の特異な経歴について。
大学時代にはDLとTEをプレーし、2004年にTEとしてドラ外でBUFに入団。しかしTEとしては戦力外と判断されカット。しかしサイズと運動能力があまりに惜しかったこともあり、PSに呼び戻してその冬にOTに転向、そこからたった3年でLTとしてプロボウルとオールプロ(2ndチーム)に選ばれたという異次元の才能の持ち主。2008シーズン後に契約でBUFと揉め、2009年に1巡・4巡他の指名権とトレードでPHIにやってきた男。
LTとしてのパスプロテクションがクイックネスの衰えで難しくなってきていたものの、ランブロッキングは実に優秀だったこともあり、「じゃあプロテクションの負担の小さいGならできるよね。もとからTEやったし左右の影響はあんまりないよね。」という雑な考えがあったのかどうか、RGとしての契約に。
しかしこの契約、外からは伺いようがないが、周囲は当然「DillardがバストならLTもお願いね」というニュアンスがあると推測していたところ。この点が後々ピータースの処遇に大きな影を落とすことに。

 

そして臨んだトレーニングキャンプ。スターターは以下の通り。

LT 

LG 

RG 

RT 

Andre Dillard 

Isaac Seumalo 

Jason Kelce 

 Jason Peters

Lane Johnson

キャンプ入りからしばらくの時点ではレーンが全くといっていいほど練習に姿を現さず、ピータースもおじさんのため適宜休養を取りながらのキャンプとなっていたため、実質的にはRG:プライアー,RT:マイラタという布陣。
その時点の地元報道では、「DL特にEDGEがめちゃくちゃいい仕上がり」。裏返すとつまり、OLがひどい。というかディラードとマイラタがひどい。とのこと。来年の1巡でLTもういっかい行くか…と暗い気持ちになっていると、さらに辛いニュースが。

「Dillard、二頭筋断裂でシーズンエンド」

はい聞き飽きた。
というわけでLT不在に。しかしここでは安心した。「ピータースと再契約しといて本当によかった。確かに全盛期とはほど遠いけど並のLTぐらいにはまだまだやってくれそう。痛いのはディラードの評価が1年遅れることぐらいかな。」と思っていた。

甘かった。そのあとの報道がいまだに全く理解できない。内実は知らされていない。それは

「ピータース、RG分の給料しかもらってないという理由でLTでのプレーを拒否」というもの。
HCピーダーソンはずっと「どこからそんな話が出てきたのかわからない。ピータースとは会話している。チーム内の話だ。」と言いながら明確な否定はせず。現地番記者も割とブチ切れ。曰く、「契約でゴネるのはわかる。けどコンバートはHC権限の話であって、チームの窮状を人質にしてコンバート自体を拒否するとは何事か」と。同意します。

そして何日間か以下の布陣でキャンプを過ごす。

LT 

LG 

RG 

RT 

Matt Pryor/Jordan Mailata

Isaac Seumalo

Jason Kelce

 Jason Peters

Lane Johnson

この時が一番ひどかった。意味がわからなかったのが、「1日でLTのところから10サック献上」というニュース。相手のEDGEもPITのT.J. WattとかCLEのMyles Garrettとかそんなレベルじゃない。プロ通算4サックのJosh Sweat。そのせいで「Sweatはローレンステイラー二世か?!」みたいな意味わからん記事が出る始末。番記者ども落ち着け。

こんなゴタゴタを経て、結局リーグ最高給RTのLaneのサラリーを再構築する形でピータースがLTをプレーすることに。3M→4Mに基本給を昇給。何もしてないのに。得たものは何もない。ただただピータースが晩節を汚しただけ。のように日本からは見える。同僚からは相変わらず慕われているようでチームキャプテンにも選ばれているが。BUFからPHIに来た経緯からもお金に貪欲なタイプなのだと思い込むしかない。まさか38歳にして枯れていなかったとは。

そしてこの頃、ほとんど練習に出ていなかったLane Johnsonが足首の捻挫のため8月に手術を受けていたことが判明。「開幕間に合うかは五分五分」という報道。お先真っ暗で開幕。

 

【2020season開幕】

ようやく開幕。

結局レーンは間に合わず。蓋を開けてみるとPetersはゴネた挙句本当に名状しがたいほどひどい出来栄えでPHIファンの反感を買うパフォーマンス。そして以降Seumaloがweek2に、Petersがweek3に相次いでIR入り、ノーパワーながら頑張ってケガがちなレーンの穴埋めをしていたDriscollも巻き込まれ事故で負傷、一時離脱。パッチワーク化がますます進むことに。詳細割愛、以降はこんな感じ。

 

LT

LG

C

RG

RT

Week1

Peters

Seumalo

Kelce

Herbig

Driscoll

Week2

Peters

Seumalo

Kelce

Herbig

Johnson

Week3

Peters

Herbig

Kelce

Pryor

Johnson

Week4-5

Mailata

Herbig

Kelce

Pryor

Johnson

Week6

Mailata

Herbig

Kelce

Brown

Johnson

Week7

Mailata

Opeta

Kelce

Herbig

Johnson

当然の帰結として、week6終了時点でNFL最多の25サックを献上。

 

【Jordan Mailataという収穫】

こんなシーズンを過ごしているのだから収穫ぐらいあったっていい。普通のことをいうと「若手の経験」。これしかない。OLというポジションは見かけによらず繊細で、5人のチェーンとして戦力が発揮できるのだとか。その点でいうと左右にスイングされまくりのHerbigとかはなかなか良い経験が積めているのでしょう。

 

そして最大の収穫はMailataが使い物になる目途が立ったこと。

Jordan Mailata。my-LOT-aという発音のようなのでカタカナでいうとマイラタかマイロタが正解。2018年のドラ7。ドラフト直前までアメリカンフットボールなんてやったことがなかった元ラガーマン

6-8(203cm)、346(160kgぐらい)のオーストラリア出身のサモア系の大男。あまりのデカさに14歳のときにはラグビーの試合時に相手チームから出生証明書の提示を求められたこともあるそうな。意外なことに両親は二人とも170cmもない小柄な人だとか。
そんな両親から生まれた大男はあまりにもデカく育ちすぎたからか、ラガーマンとして将来を嘱望されていた17歳の時に練習中に気絶。検査してみると心臓に先天性の疾患があったようで、手術ののち1年間休養。その後ドクターからは復帰の許可が出たようだが、2018年、20歳のときに渡米してIMGアカデミー(スポーツの英才教育を施す専門学校的なところ)入り。


それまではラグビークリケットなどしかスポーツ経験しかなく、アメリカンフットボールなんて初めて触れるのでルールも知らなければイーグルスはおろかペイトリオッツやブレイディのことも聞いたことがない。
初めてヘルメットをかぶったときには、ヘルメットを外すという概念がないため、ゲータレードのコップを渡されて、ぎこちなく笑いながらフェイスマスク越しに飲んだのだとか。すごくベタベタしそうなエピソード。だけどなんだかすごくかわいい。


NFLのインターナショナルナントカプログラムの一環でドラフト指名が可能になり、そのサイズがスカウトの目に留まったことで、2018ドラフト前にGM Rosemanから、オフのゴルフ旅行に飛び立とうとしていたOLコーチStoutlandに急遽電話が入り、「至急フロリダに飛んでMailataという男を見てきてくれ」との指令。
高校時代の友達との旅行をドタキャンさせられたことに悪態をつきながらフロリダに行ったStoutlandはハタチの大男になんと一目惚れ。とても熱心に指導をして、「こいつを育てたい」とRosemanに直訴したことからドラ7をちょっとだけトレードアップしての獲得につながったそう。


しかし2018年はケガで思うように伸びず、2019年には前述したようにディラードを指名、当のMailataもIR入り、迎えた2020年のキャンプも振るわなかったことから「このプロジェクトも失敗」とささやかれだした矢先、相次いでケガ人が出たことで出番が回ってくることに。


Week4以来LTのスターターを張り続け、なんならオフェンスのスナップ時にはほとんどMailataしか見ていないけれどもそんなにひどくはない。むしろ思ったよりやれている。ESPNのランキングによれば、OTのパスプロテクション部門で10位だとか。このランキングの怪しい点は、最多サックを献上しているはずのPHIのOLとしてのパスプロテクションランキングが30位台じゃなくてリーグ中位にランキングされているところ。だけどこういうのは好意的に解釈しておく。


技術的には、殿堂入り間違いなしのレジェンド・元CLEのJoe Thomasから
「非常に優れたテクニックを持っているというわけではないが、そもそもパスプロテクションという人間がやるにはあまりにも不自然な動きを短い期間でこれだけ習得しているのはすごい。あとはカウンタームーブなどへの対応が今後の課題ではあるが、プロボウル級になれる素質。」というまあまあの評価をいただいている状況。今後もStoutlandと二人三脚で成長していってください。


このまま順調にいった場合、来年度どうするかはまだわからないし、一部ではディラードを再度試してみるのではないかという噂もある。だけどドラ1を追い抜かす素人ドラ7、なんてドラマもロマンがあってよい。ディラードもまだ若いしトレード価値はあるでしょうから。
調べてみてとても好きになったし長く応援したい。

ちなみに歌が上手い。

Travis Fulghamという男

Travis Fulgham。多分トラヴィス・フルガムという発音でいいのでしょう。

Old Dominion(オールドドミニオン)大出身のプロ2年目の25歳。2019年の6巡184位でDETに指名されるも、その年の9月にカット、その後PS入りして12月にデビュー。ただし、3回ターゲットになっただけでスタッツなし。その後、2020年8月にDETをカットされ、GBに拾われるも即カット、そしてPHIに拾われる。一度PHIにもカットされるが、PS入りしてから昇格、そして運命のweek4 Sunday Night SF戦へ。その後の活躍は皆さまご存じの通り。

 

【経歴】

両親の勤務の関係で海外生活が長く、ヨルダン、エジプト、南ア、インドに在住経験あり。これは完全に余談ながらエジプト時代はピラミッドのすぐそばに住んでいたそうな。はいどうでもいい。クリケット、水泳、野球など「その土地土地でアメリカンフットボール以外のすべてのスポーツ」を経験し、特にバスケットボールに秀でていたため、高校のJuniorの年にバスケをしようとアメリカに戻ってくるも、高校のコーチの勧めで「全くやったことがない」アメリカンフットボール部に入部。未経験者ながらその年に州代表に輝く。このあたりがNFL選手の経歴の理解できないところ。ちなみに高校のフットボール部は弱小校だったようで、「まるでアンディリードの子供のころのようだった」とのコーチの回想。問題の映像はこちら。

 

【大学時代】

2年しかフットボール経験がなかったせいか、どの大学からもスカラーシップのオファーがなく、地元バージニア州のオールドドミニオン大にウォークオン(=スカラーシップなし)で入部。高校時代のコーチが「1か月以内に辞めるか、1か月以内にスカラーシップをもらうかどちらか」だと思ったとおり、すぐにスカラーシップを獲得。1年生はRedshirt(=試合出場資格のない練習生)として過ごす。

ところでオールドドミニオンといえばもちろんRick Lovato(PHIのプロボウルLS)のことが皆さま真っ先に浮かぶと思いますが、フットボールプログラムとしては、現在130あるFBS所属チームのなかで20チームしかない「一度も全米ランキング入りしたことがない」チームの一つ。要は弱小校。歴代でNFLのドラフトにかかったのも同期のOLB Oshane Ximines(2019年ドラフト3巡95位でNYG入り)とFulghamのみ。(Lovatoはポジション柄当然ドラ外)

そんな大学にいながらFulghamが注目を集めるのは、シニアイヤーの2018年の当時全米ランキング13位のバージニア工科大との一戦。誰もが認めるアンダードッグでありながら、Fulghamは9回188yds1TDの成績で、見事49-35の番狂わせの一翼を担う。

結局シニアイヤーでは12試合63キャッチ1,083yds(avg 17.2yds)9TDという立派な数字を残してカンファレンスUSAの2ndチームに選ばれ、シニアボウルに招待される。シニアボウルとはシーズン終了後にシニア(もしくは卒業学位保有者)だけが出場できる試合で、主にその年のNFLドラフト入りを目されている選手たちの見本市であり、ODUのような弱小校出身の選手としては強豪校の選手と渡り合うことでプロスカウトにアピールする絶好の機会。シニアボウルでは1回7ydsのスタッツ。まあ練習でアピールできたのでしょう。

その後スカウティングコンバイン(NFL主催のドラフト候補生による大体力測定会)にも招待され、見事弱小校からドラフトにひっかかる。

 

【プレースタイル】

大学時代のコーチによると「でかくて的が広いうえにルートランも正確でQBにとってストレスが少ない」との評価。

実際コンバインの身体測定によると、

身長:6-foot-2(188cm)

体重:215 pounds(98kg)

でわりと大柄。それに加えてWRの上位8%に入った33 3/4-inch(84cm)という腕の長さの持ち主。的としては非常に大きそう。40ydsのスピードは4.58と取り立てて速いわけではないが、立ち幅跳びが10-foot-6(320cm)となかなかに優秀。ドラフト時の評価は「フィジカルツールとして優れた特徴はないものの、密集地域での爆発力はあるのでNo.3(WRはフィールドの外側から順番にNo.1・2と数えますので能力の話ではありません)レシーバーに適任」というもの。

そのフィジカルツールもAlshon Jeffery・JJAWと酷似しているのでこのタイプを探していたんでしょう。

実際Pedersonも「ドラフトの時から気に入っていた」とのコメント残しておりますし。

キャンプの時点ではDeontay Burnett(現在PS)の評判のほうがよかった記憶があるし、Fulghamと同期のドラ2で、同タイプのJJAWも投資額の関係でロスターに入れざるを得ないという事情から、Fulghamが残るとは全く想定できなかったことは白状しておきます。

 

プレータイプとしては、特にセパレートのスタッツがよいわけでもなく、めちゃくちゃ捕球力が高いようには見えません。しかし方向転換は割とスムーズなことに加えて、DBとボールとの間に身体を入れるのはうまい印象があります。

キャッチングもうまくはないけど妙に集中力があるというか。色んなスポーツを嗜んできた経験からか、身体を扱うのが上手いというか。身体能力とかスタッツからは見えにくいところに能力があるのでしょう。そういう選手が一番信頼できる。

Thursday Nightを終えて357ydsレシーブでリーグ28位(1試合多いけど)。

デビュー3試合であっさりと同期ドラ2の通算成績を抜いてしまうなどこの先が非常に楽しみな25歳。加えてフットボール経験の短さからまだまだ伸びシロがありそう。高校時代のコーチが「スポンジのように吸収していった」という向上心、「生い立ちからか置かれた環境に適応することに長けている」という母の証言から読み取れる性格の良さを存分に発揮して、是非フィラデルフィアにも適応していただきたいところ。

 

AJが長いIRから復帰しても「人が増えてきたからお役御免とは言えない」とPedersonのコメント。当たり前やろ!ずっとFulghamでいけ!

Wentzの信頼もすでに勝ち取ったようで、ますますこの先が期待できる選手。末長い活躍を期待しています。

 

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2020年 week7 vs NYGレビュー

 

WentzというQBはいいのか悪いのか全くわからない。物足りないところははっきりしている一方で、いいところは得難いもののような気がする。最大の懸案であったケガへの耐性についても昨オフのバルクアップを経て見違えるほどのタフネスぶり。訳がわからない。ちょっとした刺激で化ける気がするものの、その刺激が一体何なのか。唯一わかっているのは、その変貌がこのOLとともに現れることはないだろうということ。

 

結果:PHI 22-21 NYG

これで2-4-1として地区首位返り咲き。

 

【STATS】

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【Offense】

以下、コーチフィルムもまだ出ていないので感想どまりですが。

<よかったところ>

終盤のWentz

・まさにフランチャイズQB。おらが街のQB。最近は4Qの成績がかなりよろしいとのこと。素晴らしい。

 

NYGキラーことBoston Scott

・昨季のweek17を期待通り思い出していただけたようで。素敵でした。

 

途中Pedersonにこれでもかとすし詰め状態のインサイドに突撃させられてたのは早く忘れてください。

 

<悪かったところ>

中盤のWentz

・先週のBAL相手のFulghamのTDが呼び水になったのか、無茶投げ祭り。それ本当にやめてください。

・今の彼に求めるのは酷なのでしょうけどちょっとパスプロテクションのカップから逃げ出すタイミングが早すぎませんかね?そのせいで余分なプレッシャー食らってたところがちらほら。まあそれは仕方ないこのOLですし。大事なのは信頼関係でしょうから。

だけどね、Fulghamさんのこと、もうちょっと信用して投げてあげてもよろしいのではないかと言いたい。2Q最初のシリーズ、D-Jax狙って失敗したパス、その奥のエンドゾーンでFulgham空いていましたよ。

 

Pederson

・4Q序盤に14プレーぐらいを積み重ねてられてTDで10-21にされたシリーズのチャレンジできなかったやつ、微妙だったしTOは貴重な時間だし、という難しさはあったものの、あれは投げてほしかった。ハイライトも映ってたはずですし。結果的に勝ったから、ということと全く関係なく、その時できるベストを尽くさなかったという点で反省してください。

・3&アウトが手元集計で5回、そのうち後半開始3ドライブ連続。最初は効いたかもしれないけどこのOLにしてボストンへのアップザミドルを性懲りもなく1stDownにコールして1ydしかゲインしなくて勝手に手詰まるのやめていただけませんかね?

・2ptコンバージョンそんな下手でしたっけ?Hurtsで遊びすぎです。真剣にやってください。

 

Sua Opeta

・試合中Wentzにとんでもなくプレッシャーがかかるたびに#78がリプレーで映されていましたよ。Jamon Brownとどっちか選べと詰め寄られれば回答に窮するレベル。彼の場合今日がデビュー戦なので多めに見てられるけど、LGが不安定になったことでLTのMailataまでだいぶやられてたのは懸念材料。本当はPryor入れたいところ、今日も大活躍だったように、彼にはLaneのサポートという重責があることをすっかり忘れてました。当面左サイドはこの二人でいくしかないのでなんとか奮起をお願いします。とりあえず来週のDAL戦。

 

<その他>

・今日はHurts投入が3プレー?程度あったけど全く効かず。ゾーンリードしかないのがバレてきたかな?

・Richard Rodgersがリーディングレシーバーになるなんてなんてことでしょう。お疲れさま。

・Hightower今日は1回59yds。先週の1回50ydsに引き続き困ったときのストレッチ要員。またしてもD-Jaxが傷んだので来週からもお願いします。

 

【Defense】

<よかったところ>

DL陣

・平常運転だったような気もするし、本当はもっとプレッシャーかけてほしかったけどひとまず満足。

・今日はBarnettがよかった。ルーキーのAndrew Thomas相手に楽しそうでなによりです。

・Coxの出来には若干不満。もちろんらしいプレーも見せてくれたけどもっとできてもらわないと困るんです。相手がZeitlerだったからかほぼ沈黙。Zack MartinといいトップクラスのGに最近封じられがちなのは若干気になるところ。

・Sweatは休憩。

・BGはさすがのストリップサック。完全にSBを思い出したようで。今季は昨季の衰えが噓のように動けているようで一安心。あと2年ぐらい頼みます。

 

 <悪かったところ>

Jim Schwartz

・ダニジョンのこと絶対舐めてましたよね?若いQBにプレッシャーかけてテンパらせるというのは常套手段なのでしょうけど途中からきれいにリードされてましたよね?

・BOXのDL裏を守るためか盛んにゾーンブリッツでそのスペース消しにいっていたのはこれまでの反省なのでしょうけど、もうちょっとメリハリというかそういうものが欲しいです。

 

DB陣

・Nickell Robey-Coleman通称NRCはなぜ相変わらず対ワイドアウトのCBやっていたのかがまったくわからなかった。ダニジョンの80ydsランのときは途中追いかけるのやめてたし。“リーグNo.1のニッケルCB”という触れ込みだったはずが最近は試合のたびに悪い点がむき出しになっているような気が。

・Maddoxでも復帰が待ち遠しい。はやくちゃんとしたCBが欲しいです。

・ルブランは比較的頑張っていたような気が。もちろんやられてる場面はあったけど。

・ShepardとEngramにやられすぎ。LB裏がぽっかり空いてる場面が多すぎる。やっぱりスピードないSだと後ろが気になってあのスペースを積極的に消しに行くのは難しいのか?と仮定するとSもドラフトニーズで急上昇することになるので本当にやめてほしい。

・今日唯一よかったのはSlaytonを2/4 23yds、TDさえ取られたもののTateを1/2 39ydsに抑えられたところ。微妙なやられ方もあったものの、それなりにSlayはいい働きだったということにしましょう。

 

<その他感想>

・今日のLBはいつもと役割が違ったようでまあよかったのでないでしょうか。けど相手のBlake Martinezに比べるとやっぱりランストップ能力でだいぶ見劣りしますね。相変わらず上位ニーズ。

・Malikの代わりに出ていたRidgewayが傷んだとのこと。困る。

 

【Elliott】

今シーズンの何があかんのか、Kのメカニックなんかわかるはずもなく、ただただ一刻も早い復調を待つばかり。
前半最後の29yds失敗は本当に萎えた。あれがなければ…ということをそっちの意味で使わせないでください。サラリーのこともありますさかい当面は働いてもらわないと困るのです。

 

 

そりゃこの成績なので不満はある。山ほどある。だけどとりあえず勝てばやっぱりうれしいのがファンの辛いところ。6-9-1だろうが地区優勝すりゃプレーオフには出られる。そしたらスーパー目指せるし。
とりあえず次はバイウィーク前かつ前半戦の山場DAL戦。相手の状態は知らん。ケガとか不協和音とか知らん。どうせ地区内対決なので一旦一致団結して向かってくるに決まってる。それだけは知っている。日程的には有利なはず。次こそ気持ちよく勝ってくれい!

 

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2020年 week7 vs NYG プレビュー

HCピーダーソンは奥さまにいじられるそうです。曰く、「なんで準備期間が短いときはちゃんとしたゲームプラン考えて勝てるのにもっと準備できる普通の時はできないの?!」と。

奥さまの言葉通り、ピーダーソンが通算5-0と得意にするThursday Nightは同地区NYGをホームで迎える一戦。

 

ロスター出入り】

<OUT>

OG Jamon Brown

CB Trevor Williams

ロスターの出入りが激しいウィリアムズと、先週あまりにひどかったブラウンをカット。ブラウンをPSに引き取ったという噂はあるものの、本当にまたお目にかかることはあるのでしょうか。

なぜたった1試合でクビになってしまうのか?疑問の方には以下をご覧いただきたい。誇張でもなんでもないことがおわかりいただけるはず。66番にご注目ください。

 

<IN>

TE Jason Croom

先週シーズン4人目のTEとしてデビューして、あまりの認知度の低さにエンドゾーンの片隅に立っていることをBALの皆さまに気づいていただけず、初TDを頂戴したCroomがPSから正式にロスター入り。上記は冗談にしても、Fulghamの例を挙げるまでもなくこういうところからスターが生まれてくれることに期待してしまうのは全然冗談ではない。がんばっていただきたく。

 

<Protect>

OT Prince Tega Wanogho

DT T.Y. McGill

COVID-19仕様の新制度で上記2名をPSのプロテクト枠に登録。両方ともケガ人がでているポジションから。

マクギルは早速第4DTとしてマリクの穴を埋めるべくがんばっていただきたい。

プリンスはオーバーン時代からLTだったはずで、現状GとRTが足りないチーム事情を考えるとどう使うのかよくわからないところ。NYG戦だけを見据えているわけではない、という指摘には反論しません。

 

【ケガ人情報】

<PHI>

 BAL戦負傷退場のErtz・Sanders・Driscoll・Malik Jackson・K’Von WallaceはOUT。Reagor・GoedertはIRのまま。Reagorの復帰が待ち望まれる。

当面スターターも足りてないのがRG。今回は最近隔週出勤の感すら出てきたRT Lane Johnsonが試合に出る週にあたるので比較的ラクなお仕事。

現地記事ではLGにSua Opetaを入れてRGにHerbigを移すという情報も。COVID-19 Reserveに入っているPryorが出られるようになればRGに入ってすんなり埋まりそうな気もするものの、Pryorは今週全く練習してないのでそれもなかなか難しそうで。Herbigに関していうと、RGだったときのほうがよかったと記憶しているのでそれでもよいけれど、Mailata・Opetaの左サイドの並びは何とも怖い。悩ましいところ。

ちなみに現状Gの控えはいません。

 

今週の主な復帰は、Lane以外で言うとD-Jax・CB Maddox・LB Rileyの3名。

D-Jax:信頼できるディープスレットという意味では非常にありがたいものの、どれぐらいの数・レベルでプレーできるのかが全く読めず、全幅の信頼は置きがたいところ。存在だけでD#をストレッチできる可能性があるという意味ではありがたい。一つ気になるのが、D-Jaxの復帰でWentzがそっちばっかり頼ってしまうのではないかというところ。幸か不幸かErtzまでいなくなったBAL戦の4Q中盤以降は投げ分けもできていたのでこの方向は継続できるようがんばっていただきたい。

Maddox:CB2がNickell Robey-Coleman通称NRCじゃなくなるだけでありがたい。けど君の場合は万全でもパフォーマンスに満足できないのだよ。シャキッとがんばってください。来年のモックでよく見かけるのはSlayの逆のCBを1巡で、というのが鉄板です。

Riley:LB2に戻るのでしょうか?正直先週のAlex Singletonが無難だったので彼でもいいんじゃないかと。むしろDavion Taylor・Shaun Bradleyのルーキーコンビが見たいです。

 

【マッチアップ】

<O#>

  • ErtzもGoedertもいないとなると今季32チーム中圧倒的1位の41.2%の使用率だった12パーソネル(RB1枚・TE2枚の隊形のこと)をもはや使えないということ。個人的にはGoedertがいても今年はあまり効果的でなかったと思っているので、この状況は吉と出てほしい。D-Jaxの復帰でヘルシーWRは6人に。そうなると今季初めてWRを同時に4人並べるなんてこともあるかも。Pedersonの引き出しにまだ余裕はあるか。
  • とりあえずディープへの警戒心という点ではD-Jaxの存在が効くはず。その隙にミドルレンジを狙うのはTE亡き今、Fulghamがやるしかない。3週続いた。もはや本物。期待している。
  • ランオフェンスという意味では、Sandersの離脱は大きいものの、もしかするとLaneの復帰とHerbigがRGになるプラス影響が大きいかも。正直Boston Scott・Corey Clement・Jason Huntleyはとても怖い。記憶に新しい昨季week17のNYG戦でボストンがNFCのPlayer of the Weekを受賞したあの日を思い出してくれるなら戦える。ちなみにNYGのLB Blake Martinezはキレッキレやと聞いているのでここが詰まるとその後の展開に大きな影響あり。なんとしてもランから試合作ってくれたまえ。
  • ちなみに、NYGのCBは先週INTも挙げてノッていると思われるJames Bradberry。これは問題。昨年同じくFAっぽい状態から連れてきたSlayとどちらがいいのか。勝負。
  • 怖いのはDCのPatrick Graham。去年はMIAの同職。Pedersonも「いつぞやのNEや去年のMIAと似ている」と言及している模様。何に対してかは不明ながらリベンジマッチの様相。
  • NYGのD#で怖いのはDexter Lawrence。同期で同じNYに行ったQuinnen Williamsは2年目で本物っぽくなってきた。君も本物なのか。ただでさえうちのインサイドは不安定なんだ。今回はやめてくれないか。

 

<D#>

  • D#については自信がある。BALにもボコボコにされなかった。というか後半むしろド安定してた。その最大要因だったDLが先週マイナスMalik。ここはつらいけど相手もマシになるはず。Andrew Thomas対Sweatの勝負はだいぶ見もの。ルーキーに苦労人の意地を見せてやってほしい。そういえば最近とあるモックでNYGの1巡がPenei Sewellだった。「Andrew Thomasを右に移してすごいTをそろえる」って書いてあった。うらやましい。だけど何かが間違ってる気がする。
  • 自信の源は、あのDLのランストップ力。2018年はシーズンで0回、2019年もシーズンで5回だったBALのGas Edwardsのマイナスゲインを1試合で4回も強いた挙句最終的に14回26yds(avg.1.4yds)に抑え込んだのはなかなか素敵。ガスエドワーズにも1TD許したしLamarには108ydsも走られてることについては突っ込まないでください。そしてNYGにはSaquon Barkleyがいない。
  • そうなればDaniel Jonesとの勝負。幸いPHIのDB陣はMaddoxの復帰でフルパワー。去年はルーキーにやられた記憶がうっすらあるが、今回は一味違う。はず。オフの補強の成否がかかっているといっても過言ではない。しっかり締めていってください。

 

【その他:Player of the week製造機】

どうでも良い補足情報として、今季6試合中4試合で対戦相手から“最優秀選手”を輩出しているそうで。そんなのはもういらない。

 

 

ジンクスとしては、前述したPedersonのThursday Night 5勝0敗、ブラックユニフォームではNYG5連勝中など好材料が多々あるそうな。

そんなこと知らん。対WAS7連勝中やったのにあのざまだったチーム。そんなものは何も信じない。

けどただただ良いGameを見せてほしい。というか同地区相手にはマストウィン!

応援してる。

 

希望:PHI 35-10 NYG


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