鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

Stefanskiをめぐる因縁とCLE戦前敵情視察

敵を知り己を知ればなんとやら。ということで古の賢人の助言にしたがって次節CLE戦の敵情視察。今回はPHIにとって因縁のあのHCにフィーチャー。

 

【ステファンスキの背景】

Kevin Stefanski。ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれの38歳。ペンシルベニア大卒業後の2005年に、地元PHIのOCだったブラッド・チルドレスにインターンのような形でのトレーニングキャンプ期間限定で師事。その後、2006年にチルドレスがMINのHCになる際にHCのアシスタントとしてNFLコーチのキャリアを正式に開始。以降2019年のOCまで、HCがチルドレス→レスリーフレイジャー→マイク・ジマーと政権交代を繰り返す中にあって、アシスタントQBC、TEC、RBC、QBCなどを歴任しながらMIN一筋。名を上げたのはQBCとしてケイス・キーナムを大化けさせた2017年。そう。2017年。
そのオフ、キーナムを化けさせた功績でステファンスキはNYGからOCインタビューの打診をうけるもMINが拒否。そして同オフ、MINは2017年当時、たわごとでもなんでもなくキーナムよりも輝いていたWentzを化けさせた男としてフィーチャーされていたPHIのQBC、John DeFilippoをOCとして雇用。そしてこの人事が大失敗に終わり、MINは2018年シーズン中にデフィリポを解雇。臨時OCとしてステファンスキを抜擢。翌2019年にステファンスキは正式にOCに昇格。そして2020年からCLEのHCに。

キーマンは彼の師匠筋にあたるブラッド・チルドレス。Andy Reid時代の1999~2001にQBC、2002~2005までOCを務め、3年連続NFC Championshipに進出したあの時代にリードの右腕を務めた男。そしてリードとの付き合いをたどると、1986年のノーザンアリゾナ大時代までさかのぼる。当時はチルドレスがOCでリードがOLCという今からは想像もつかないような力関係。年齢はチルドレスがリードの2歳上。そしてそのノーザンアリゾナ大時代のコーチの同僚が、現CLEのOLCで、もはやOL界隈では名伯楽といっていいビル・キャラハンと、現在PHIでシニアオフェンシブコンサルタントという謎の肩書を持っているマーティ・モーニンウェグ。

そしてもう一人の登場人物が、2019年にMINのオフェンシブアドバイザーとしてステファンスキの顧問を務めたゲイリー・クービアック。マイク・シャナハン時代のDENにてOCを務め、エルウェイとテレル・デービスを擁してスーパーボウルを連覇。クービアックの薫陶を受けたのは現SF HCのシャナハン(息子)と現GB HCのラフルア。現LAR HCのマクベイもWAS時代のシャナハン(親父)の門下という意味で同系統。

 

【敵情視察】

前段が長くなりすぎたので本題は驚くほどさらっと終わります。

というわけで、CLEでは伯父ぐらいの関係に当たるキャラハンとタッグを組み、NFL最強ランニングアタックを構築。教え子から何人殿堂入り選手が出るのか数えてほしいキャラハンの手にかかればそりゃOLは強くなる。そしてChubbとHunt。やりすぎにもほどがある。

チルドレス門下でウエストコーストオフェンスに偏ってもおかしくないところ、クービアックの影響もしっかり受けてプレーアクションの使い方がとにかくうまい。そしてTE。アンダーニースからミドルレンジに至るまで、プレーアクションとの組み合わせでTEを自由自在に使いこなすイメージ。スクリーンでも効果的。

今回視察したのは2試合。まずは忌まわしき2019年Week6のPHI@MIN。感想。クラウドノイズっていいね。というか満員の観客が入ってるってすごくいい。熱気が違う。早くああいう日が戻ってほしい。

感じたのはDLの足を止めるのがすごくうまいということ。これはマクベイからも感じたことがある。ケイデンスオフサイドを誘発したり、ドローとかドローフェイクのパスやらスクリーンやらでとにかく気持ちよくプレッシャーをかけさせてくれない。トラップブロックとかはあまりなかったけど。

更にLB向けにはエンドアラウンドとかリバース系を結構やる。見るべきものが多くなりすぎる。本当に動きづらいと思う。そこにクックのラン。うむ。足が止まってしまいますね。速やかに反応するのは難しいですね。

そしてクックのランで丁寧に種を蒔いた後、ブーツレッグでディープにドン。この辺りはシャナハン一族の血を感じる。パスパッケージまではちゃんと見てないけれども印象としてはディグスとかシーレンとかの個をちゃんと使う。というかPHIのCBがしょぼすぎてその二人にヒッチ(0ydぐらいのウエストコーストオフェンスでよく見るパス)投げてたらゴンゴン進んでくれるイメージ。だけどディープやらヒッチやらはたまたスクリーンやらでCBにとっても本当に不愉快だと思う。要は二つの血筋がいい具合でミックスされた非常にバランスがいい男。そして緩急のつけ方が抜群。欲しい。

 

もう1試合は今年の同じくWeek6のCLE@PIT。なぜこれを選んだかというと、負けるときはどんなもんかを知りたかったから。そしてこれが完全に誤算。PHIにはFitzpatrickもTJ WATTもBigBenもクレイプールもいなかった。忘れてた。

数少ない教訓が得られたとするなら、「2ndDownロングを作るといいよ」という教訓とも言い難いなにか。1stDownをしっかり止められたシリーズはそのあとだいぶ苦労してた。

そしてドロップバックのパスからはあまりきらりと光るものを見出せなかった。あえて挙げるならこのあたりが勝機になるのではないでしょうか。

PHIが勝つとすれば、まずコイントスで前半を選ぶこと。そして最初のシリーズでしっかり先制すること。そしてなんとかして1stDownを止めて3rdDownロングを作ってターンオーバーを持ってくること。ChubbとHuntに走られないようにDLがInsideをしっかりへこませてEDGEはゾーンブロックにもしっかり対応すること。幸いにしてダニエル・ジョーンズに鼻水出るまで走られたゾーンリードは目にしなかった。次戦はガンガンがっついてよろしいと言いたいところだけれどもエンドアラウンド系が多い。コンテインはしっかり守るように。そうすればPHIが誇る貧弱LB陣でもなんとかなったりするんじゃないでしょうか。なんとかなるよね?

ここまで書いておいて気づいたけどまあハードルが高いこと。同郷のよしみということでなんとかなりませんかねステファンスキさん。

 

DCシュウォーツも最近よくやられてるとはいえカイルのほうのシャナハンには通算6勝1敗とかそんな成績でカモにしている相手。そういう意味で対策をなにか持っていると信じています。マクベイには手ひどくやられたけど。

この相手に勝つために必要なのはディフェンスの踏ん張りだけではない。常に先手を取り続けることが肝要。そういう意味ではオフェンスも責任重大。

 

というわけでステファンスキの敵情視察はこれにて締めとさせていただきたい。

体制一新とかドラフトとかのことを言ったのは嘘です。勝ってほしい。
しかしいろいろ調べても結びが普通の結論にしかならないのをなんとかしたい。

がんばってください。

 ※11月19日、一部情報追加しております。