2022Draftの初日を終えた感想は、Peter Kingは正しかった。に尽きる。
事前に懸念した地獄シナリオが順調に進行して心電図から波長が消えた次の瞬間、飛び込んできたのは最高のニュースでした。
地獄シナリオの進行
1-1 JAX EDGE Travon Walker（Georgia）
という意外性はあるが、事前に予想されたピックでスタートした今ドラフト。
1-2 DET EDGE Aidan Hutchinson（Michigan）
1-3 HOU CB Derek Stingley（LSU）
1-4 NYJ CB Ahmad Gardner（Cincinnati）
と、CBの序列とか小さい驚きはありながら順調に進行。
問題はこの次のNYGとCAR。
1-5 NYG EDGE Kayvon Thibodeaux（Oregon）
1-6 CAR OT Ikem Ekwonu（NC State）
1-7 NYG OT Evan Neal（Alabama）
ちゃんとした指名。許すまじNYG。ウォールームの最前列でPHIから引き抜かれたBrandon Brownが笑みを浮かべているのも実に気に入らない。ちゃんと仕事するんじゃない。
Thibodeauxが順当に5位で消えたこと、CARがQBに行かなかったことでこの後は順調に地獄シナリオに舵を切っていく。
1-8 ATL WR Drake London（USC）
1-9 SEA OT Charles Cross（Mississippi State）
そして加速する嫌な予感。
1-10 NYJ WR Garrett Wilson（Ohio State）
1-11 NO WR Chris Olave（Ohio State）
1-12 DET WR Jameson Williams（Alabama）
はい売り切れ。
1-15で狙っていたWR4名が12位で売り切れ。Peter Kingは11位での売り切れを予想していたが、誤差はたった1スポットのみ。読み違いの原因はS（Hamilton）のポジションバリュー。
かくして欲しかったWRが売り切れて、まあ15位はDavisか。14位（BAL）で消えるモックも結構あったけどどうかな、その場合は誰も欲しい奴いないな、と思っていたところで飛び込んできたのが以下のニュース。
＜Trade!!!!＞
PHI：1巡15位+4巡124位+5巡162位+5巡166位⇔1巡13位：HOU
バリューチャート的には4巡1つで行けそうなものだったが3つあった5巡のうち2つをつけて2スポットアップ。
これにてめでたくBALの前に出て、指名したのは
1-13 PHI DT Jordan Davis（Georgia）
うむ事前のお気に入り情報通り。
実はBALも非常にDavisを気に入っていたようで、去年DeVonta獲得のためにNYGの前に出たのと同じ目的に沿った動き。
Davisについては、巷の評価ほどにはピンと来ていなかったが、いざ指名されてみると興奮は募る。
狙いはHargraveに出来なかったランストップ能力の強化。これにてLB補強も終了。
しかし地獄シナリオの進行は止まらない。
もともと1-15でDavisという指名は予想できていたが、それにしたってもう少し1-18のところでWRが残ると思っていた。
しかしJahan Dotson（Penn State）が残るならそれでもいいか、と思っていたのは昨日開陳したとおり。
そしてまたしてもこの願いは届かない。
1-16 WAS WR Jahan Dotson（Penn State）
全部NYGとWASのせい。今年のドラフトはもう終わった。おのれ同地区末代まで呪ってやろう。
そう思いながら心電図から反応は消えた。メンタルゼロ。
長いGWの初日にして最大のイベントでこんなことになろうとは。
そしてどう考えても指名すべき選手が思い当たらなかったところに。青天の霹靂。
＜Trade!!!!＞
PHI：1巡18位+3巡101位⇔WR AJ Brown：TEN
迷える魂は救われた。
何度も何度も同じことばかりで恐縮だが、2022シーズンはHurtsの真価を問うという意味で重要なシーズン。そのためには何としても即戦力WRが欲しかった。
だからFAではDJ Charkを渇望した。
だからドラフトではGarrett Wilson以下4人衆を渇望した。
それがこんな大物に化けようとは。
全く笑いが止まらない。最高だよRoseman。
初日の収穫
Jordan Davis（Georgia）6'6"（198cm）341lbs（155kg）22歳
この化け物みたいなサイズで40ydsを4.78で走るのだからもはや人間の枠を超えている。
母親がダイハードEaglesファンだったようで本人もこの指名には喜びを隠せていない。グッデルはあんなに抱きしめられてケガはなかったのか。背中の骨がポキッと鳴っていたようだが。
アイドルはFletcher Cox。うむ完璧。
30-VisitでPHIの施設を訪れたときに非常に感銘を受けたようで、相思相愛だった印象。
Rosemanによると、DavisはPHIのBig BoardでTop10に入っていたようで、飛び付いた動きに全く迷いはなかったとのこと。そもそもああいう動きをするためにドラフトストックを貯めていたのだと思っているのでこの決断は良いでしょう。
Weidlは、Davisについて”サイズと身体能力、爆発力とフットボールへの愛が素晴らしい。ディフェンスの中央にアンカリングできて、なおかつ左右へのクイックネスもあり守備範囲も広く、うちのD#に完璧にフィットする”的なことをおっしゃっている。そうだろうと思う。
素行も問題なさそうだし長くPHI D#を支えてくれそうな存在。やはりトレンチから始めるのが基本ですよね。
個人的には昨シーズン序盤の動きが微妙だったのであまり買っていなかったが、それでも終盤には良い動きをしていたこともあり、その成長曲線は良いんじゃないかと思っていた。
パスラッシュの改善とかスタミナ面とかそもそもダブルチームを受けるのあまりうまくないんじゃないかとか技術面にはいろいろ懸念があるが、そのサイズと身体能力を考えると天井は高いはず。Georgia入学時に380lbs（172kg）あった体重が4年で341lbs（155kg）まで減っていることを考えてもこっちのコントロールは大丈夫そう。
高校時代にリクルートされて以来、ようやく指導を受けられるDLC Rockerと二人三脚での成長を期待しております。
来たからには全力で応援する。誰だよバスト候補とか言ったやつは。
Arthur Juan Brown（Ole Miss）6'1"（185cm）226lbs（103kg）24歳 4年目
先週ぐらいだったか、Hurtsと一緒に練習している写真が流れてチラッとPHIファンの心をくすぐった男。まさか本当に来てくれるとは思わなかった。
すまんZach Pascal君、来て早々に申し訳ないけど背番号11は空けてくれ。
WR2を探していたのに蓋を開ければWR1が来た。
DeVontaをWR2と表現するのは心苦しいので、
AJをWR1a、DeVontaをWR1bとすることで現地ファンは落ち着いた様子。
そして即座に契約延長。4年100M。WR最高給かな？くれてやるそんな金。QBも安いしWR1bも安い。契約延長に際してAJ側とチーム側の金額のギャップがかなり大きかったようで、要はキャップ都合での放出なんだろうが先方のGMとしても苦渋の決断だった様子。後述するようにHC Vrabelがトレードの決定に納得していないような仕草からも本当に期待は高まる。
Rosemanが記者会見で述べたところによると、やはり本命はドラフトでのWR指名だったっぽいが、この男にはドラフト時から惚れていた様子で、その証拠に当時の30-Visitでも招待していた。
3年間で24TDとか185キャッチとか2,995yds獲得とか、その生産性を表す数字は多々あるが、なによりほとんど1人でTENのパスオフェンスを支えている印象が強かった。安心してくれ。PHIにはDeVontaがいる。Goedertもいる。仲良しのQBとコンビが組めて給料は爆増して負担が減るって最高の職場じゃないですか？ファンはアレですが。
なによりまだ24歳（誕生日は6月）。そのフィジカルなプレーぶりから想像できるようにちょいちょいケガはなさるようだが、うちのSirianniは進歩的なHCなのでその点も安心してほしい。
メインの職場はスロットになろうかと思うが、Xも出来るでしょうしQuezとも被らないという意味で最高の選択。
本当に最高。長い活躍を期待しております。
【最高の参考映像：エースの流出に納得がいかないVrabel】
This was Mike Vrabel's reaction to the A.J. Brown trade earlier 😣 pic.twitter.com/W3nDnT8OWW
— Dov Kleiman (@NFL_DovKleiman) 2022年4月29日
指名権整理
＜1日目＞
1巡13位（←HOU）：DT Jordan Davis
＜2日目＞
2巡51位
3巡83位
＜3日目＞
5巡154位（←WAS）
7巡237位（←NO）
結構さっぱりした。ちょっとしたトレードダウンで3日目の指名権を増やす動きはありそう。やるとしたら3-83とかかな。
2日目の希望と予想
上のとおり昨日整理したばかりなのでしつこくは繰り返さないが、
残るニーズはCB/S→DEに加えて、もとより2日目以降と思っていたTEとRBもここに加わる。たぶんIOLも。
ただ、指名権が減ったこともあり、（Richard Rodgersの存在を失念していた）TEとRBまで手を回す余裕はなさそう。
まあ全部は無理だが、とりあえず51位は待ちで良いのではないでしょうか。
先ほども書いた気がするが、Davis獲得でLB補強は終了だと思っております。
＜2日目候補者＞
初日ラストに駆け込みでSがだいぶ指名されたが気になるが、いつものように実現性は横に置いて並べてみます。
CB Andrew Booth（Clemson）6'0''（183cm）194lbs（88kg）
バックペダルのスムーズさ、ボールセンス、フィジカルなプレーぶり。全くもって欲しいと言わざるを得ない。
30-Visitで招待済み。
CB Cam Taylor-Britt（Nebraska）5'10''（178cm）196lbs（89kg）
Rosemanが運動能力を重視する人間であることを考えると彼もありそう。ちょっと小さいのは気になるが、ボールへの嗅覚が捨てがたい。動きも滑らか（に見える）。
面談情報なし。
CB Kyler Gordon（Washington）5'11''（180cm）194lbs（88kg）
CB Roger McCreary（Auburn）5'11''（180cm）190lbs（86kg）
CB Coby Bryant（Cincinnati）6'1''（185cm）193lbs（88kg）
技術的には高いものを持っていそうだがPHIの評価がよくわからない3人衆。彼らの違いなんてわかるわけはない。いずれも面談情報なし。
CB Marcus Jones（Houston）5'8''（173cm）174lbs（79kg）
リターンマン。加えてマンツーマンの能力も高い。NCBの控えっぽくなりそうだがここを現実的に指名できる余裕はあるのか。
30-Visitで招待済み。
SS Jaquan Brisker（Penn State）6'1''（185cm）200lbs（91kg）
SS Jalen Pitre（Baylor）5'11''（180cm）198lbs（90kg）
このあたりのSのバーサタリティを気に入っている様子で、Briskerは30-Visitで招待済みだしPitreとはZOOM面談に加えてプロデイでも面談済み。
DE Boye Mafe（Minnesota）6'4''（193cm）265lbs（120kg）
DE Arnold Ebiketie（Penn State）6'3''（191cm）256lbs（116kg）
パスラッシュ強化という課題に効果がありそうなのはこのあたり。初日に思ったが、やはり年齢はそれなりに重要なファクターになりそう。そういう意味ではスリップしてもおかしくないこの2人は既に23歳。
同じくMaloneという選択肢もあったが、彼の場合Reddickの控えになりそうなのでここで行ってる余裕はないと思います。
Ebiketieは30-Visitで招待済み。Mafeとは面談情報なし。
IOL Cam Jurgens（Nebruska）6'3''（191cm）303lbs（137kg）
IOL Dylan Parham（Memphis）6'3''（191cm）311lbs（141kg）
IOL Zach Tom（Wake Forest）6'4''（193cm）304lbs（138kg）
IOLいくならこのあたりかな。いずれもCができそうなメンツ。ParhamはHouston戦のLogan Hall相手のプレーで惚れた。
Jurgensは30-Visitで招待済み。
ParhamおよびTomとは面談情報なし。
DE Josh Paschal（Kentucky）6'2''（188cm）268lbs（122kg）
たぶんいかないだろうが好きだから載せておきます。
面談情報なし。
LB Chad Muma（Wyoming）6'3''（191cm）239lbs（108kg）
LB Darrian Beavers（Cincinnati）6'3''（191cm）243lbs（110kg）
LB補強は終わったと思っているがこの2人なら行っても怒らない。
面談情報なし。
Christian Harris（Alabama）はやめてください。あまりにもプレーリードが下手すぎる。速いのはよくわかるけども。
＜予想＞
Offenseのピースは揃った。あとはD#。優先順位が高いのはパスラッシュの改善な気がするが。
EDGE諸君が思いのほか2日目にズレ込んだことがどうなるか。急遽争奪戦が開始されるのか、あるいはIOLより指名が少なかったOTから始まるのか。展開は読めないので一方的な想いだけ書いておきます。
2-51 DE Arnold Ebiketie（Penn State）
3-83 SS Jalen Pitre（Baylor）
Boothが残ってくれるのが一番ありがたいが現実的にはこれぐらいか。
2-51をパスカバーから行くならDE Alex Wright（UAB）とかが3巡の候補になってきそうです。が、わからなすぎるので捨象。
密かに思っていた初日の禁止事項は”2023の指名権を使うこと”であった。
そして最大の優先事項は”即戦力WRの獲得”であった。
なんと、両方を達成できた。そういう意味では100点です。素晴らしい初日でした。
怒涛のWR指名ラッシュにもあまりにも動かなかった時には殺意がふつふつと湧いていたが、今となっては100点です。
そしてRosemanよ、これは忘れて堅実に2日目を過ごしていきましょう。
明日もWeidlさんとDonahoeさんの言うことをよく聞いて、初日のことは忘れてやっていってください。頼む。
