初日というのはあくまでも合法タンパリング期間であり、まだなにも確定ではないという点にご留意いただきたい。
特にFrank Goreに逃げられたことがあるPHIファンとしてこの点は必ず押さえておかなければならない。
1年前とは打って変わってしっかり動いたRosemanの買い物かごの中を覗いてみましょう。
まだレジは通っておりません。
延長
間違えた既にレジを通った買い物もありました。
Landon Dickersonとの契約延長が完了!
Eagles agree to terms with OL Landon Dickerson on 4-year extension. pic.twitter.com/Bk3MO04L4Q
— NFL (@NFL) 2024年3月11日
内容は4年84M(50M保証)というもの。
21M/年という水準はOG最高額。
見た目上は相当に高い水準となっているが、255Mというキャップ全体に占める割合としては8%強といったところで、この%だけで比較するなら、Quenton Nelson(IND)・Chris Lindstorm(ATL)・Joel Bitonio(CLE)・Joe Thuney(KC)といった錚々たる面々の下につくことになる。
まあ妥当な水準でしょう。
これにてOL左側は長期的に固まった。
KelceとFletchを喪ったPhiladelphiaという街と、Eaglesというチームの顔として末永い活躍を期待している。
Rosemanよくやった。
幸いにしてもWR市場はほぼ無風。この機会にDeVontaを(比較的)安めに囲っておきなさい。
流出
ではここからが本題。
今年の合法タンパリング期間、Breaking Newsの一発目を飾るという栄誉に浴したのは、あろうことかPHIの流出側でした。
Bears, RB D’Andre Swift agree on a three-year, $24 million deal. (via @MikeGarafolo + @rapsheet) pic.twitter.com/pN5fqVTKVo
— NFL (@NFL) 2024年3月11日
Rosemanもオファーはしていたようだが、結局D'Andre Swiftは流出。
CHIに結構なお値段をいただいての移籍。
最初は"高い"というリアクションをしてしまったが、よくよく考えると1年前のMiles Sandersが4年25.4M(6.35M/年)という金額だったので、MilesとSwiftとの差を考えると8M/年という金額は先発RB相場として妥当な気がしてきた。
Swiftさんへ。
Georgia軍団の良きアニキ役という課外活動でもお働きいただいたこともあり、この1年は本当にありがとうございました。
いいランをいっぱい見せていただけて大変楽しかったです。
新天地でもケガ無くがんばってください。
買い物
割とパンパンに膨らんでいた財布だけにこちらもそれなりの期待をしていた。
そして起きたらこんなことになっていた。
その1
いきなりパニック。
Eagles to sign DE Bryce Huff to 3-year, $51.1M deal. (via @MikeGarafolo) pic.twitter.com/68EbhwuA5h
— NFL (@NFL) 2024年3月11日
いや欲しかったけど。
欲しかったBryce HuffがReddickの後釜です、となるのであればどれだけすっきり飲み込めたか。
Reddickの後釜ポジションにはNolan Smith君がいるのでは??
なんだこれ??
こうなるとほぼ確実にReddickは放出となりそうだが、ここまで足元を見られやすい状況もあるまい。
対価も期待できなかろうよ。
さてRosemanに勝ち目はあるのでしょうか。
Huffだが、UDFA上がりとしては史上最高額の契約を手にしたらしい。
おめでとう。
6'3"(190cm)255lbs(115kg)という体格から想像できるように、スピード狂のEDGEラッシャー。
20%以上のスナップしたEDGEラッシャーの中で、Pass Rush WIN Rateにおいて2022シーズンはリーグ1位(25.6%)・2023シーズンはリーグ3位(23.1%)という数字を残した新進気鋭のパスラッシュの鬼。
このFAでも目玉の1つではあったが、17M/年という極めて常識的な水準の単価に落ち着いたのが、Reddick同様にその使いづらさ。
Saleh DefenseではWide9ぐらいからのラッシュで輝いていた印象があるが、さてFangioに使われたらどうなるか。
まあ失敗することはなかろう。
NYJからPHIに来た若いFAといえばかつてのAll-Pro Hugh Douglasが思い出される。
とても楽しみ。
Huff君よ、大成してくれていいんだよ。
そしてReddickはどうなる。
その2
ついに来た。ロマンの塊が来た。
BREAKING: Eagles, RB Saquon Barkley agree to terms on contract. (via @rapsheet, @mikegarafolo, @tompelissero) pic.twitter.com/Umgtg6UJt2
— NFL (@NFL) 2024年3月11日
まさかRosemanがRBの目玉FAに飛びつく日がくるとは思わなかった。
だが振り返ってみると、2022シーズン中に勃発したChristian McCaffrey争奪戦にも参加していたように、いいRBへの渇望は結構根強くあった様子。
その後のCMCの活躍ぶりも当然影響はしていよう。
CMCのようにランでもパスでも貢献出来てOffense全体へのブーストをかけられる存在として見込んだSaquon Barkley。
お値段は、リーグ最高給に迫る3年37.75M(12.6M/年)。
平均単価はリーグ4位となり、対抗していたHOUよりRosemanの方がちょっと多めの金額を提示したのだそうな。
とはいえこれも、Landonの時のようにキャップに占める割合で考えるとごくごく常識的な値。高いけど往年の人たちと比べると本当に安い。
OKです。
噂が一貫したままで現実になったほどSaquonに執心だった理由の一つが、たぶん2023シーズンのプロテクションの崩壊。
プロ入りしてしばらくはプロテクションの下手さを外野から言われていた印象すらあるが、近年この方面の貢献はリーグトップクラス。
2023シーズンは100回プロテクションに参加し、許したプレッシャーが6でサックは2。
今年FA市場に出ているRBでこれほどプロテクションがうまいのはほかにはTony Pollardぐらいである。
参考のためにほかの選手を並べると、Gainwellは65回で10プレッシャー1サック、Swiftは43回で5プレッシャー1サックである。やはりこういう汚れ仕事ができないと大エースにはなれない。
もちろんラッシングが本業なのでそちらもがんばっていただきたいが、プロテクション方面での向上も大いに期待しております。
地元Penn Stateから2018ドラフト全体2位でNYG入り。
初年度颯爽とROPYを獲得。どんなスタープレーヤーになるのかと思いきや2020シーズンにACLを断裂。
そこから、というかその当時の低迷が続いたNYGのチーム事情にも巻き込まれ、当初の期待を裏切ってしまっていた男。
先代のスタープレーヤーTiki Barberからは"プロテクションの献身が足りない。ソフトだ。"などと批判を浴びせられていたりとなかなかに不遇をかこつていた印象。
肝心のプレーだが、ここ2年の対戦ではそれなりに過去のSaquonに戻ってきていた気配がある。ぐらいにはやられていた。
なので"まあ獲ってもいいか。"とは思っていたのでこれはこれでOK。
高いけど。
今回、FAでPHIを選んだことについてTikiにこき下ろされ、いよいよ遠慮する必要もなくなったSaquon自身がSNSで反論していた。
それに対してTikiがまた言い返すなど泥沼。
だがそんなことはどうでもいい。どうやらNYGは最終的にオファーを全く出さなかったようで、そんなチームに背を向けて同地区を選んだことのどこが責められようか。
このゴタゴタの一連が、Saquonの好感度をさらに上げたんだからファンというのは不思議な生き物である。
Saquon Barkley × PHI OL
どんな答えが出てくるのだろうか。
今から楽しみでならない。
そして不作気味のRBプロスペクトを見ながら頭抱えるのやめられて良かった。
その3
Saints free-agent LB Zack Baun plans to sign a one-year deal with the Philadelphia Eagles, per source.
— Adam Schefter (@AdamSchefter) 2024年3月11日
パニックはさらに深まる。
なんだこれ?
Wisconsin出身でドラフト時点ではいいEDGEラッシャーに見えていたが、その後音沙汰なし。
NOではSTが出番の中心で、徐々にEDGEラッシャーとしての起用が増えて2023シーズンは各種数字がキャリアハイとなっていた様子。
だがどう使うつもりだ。まさかReddickのところか?
Reddickはどこへ???
とはなるが、既に27歳であり急にそっち方面の伸びしろが期待されているわけでもなかろうて、ここはあまりReddickの去就への影響はなさそう。
ちなみにSTerとしては至極優秀らしい。
Shaun Bradleyの後釜だと思おうか。
リーグ全体
初日の衝撃はCARのトレードの下手さと、Brian BurnsがNYGに来ちゃったことか。
ご自身が弱いのは勝手にしたらいいが、CMCにしてもD.J. MooreにしてもBurnsにしても、NFC各地区に微妙に嫌な思いをさせるのをどうかやめてください。
PHIの補強目線でいうと、欲しかったけど売れちゃったのが
Packers expected to sign S Xavier McKinney to four-year deal, worth $68M. (via @rapsheet) pic.twitter.com/pE7pJ9R75J
— NFL (@NFL) 2024年3月11日
と
Texans expected to sign LB Azeez Al-Shaair to 3-year, $34M deal. (via @RapSheet) pic.twitter.com/U7KWlBYWuR
— NFL (@NFL) 2024年3月11日
の2名。
非常につらい。
やっぱり旧知のDeMecoには勝てなかったか。
LBはJewell・Wagner・Patrick Queenあたりが残っている。
SはJustin Simmonsがいるし、CJGJもいる。
Bradberry復活にはCJGJが必要なのかもしれない。
流れ弾
なんか飛んできた。
The NFL just announced an update to its compensatory picks in the 2024 NFL Draft, with the most notable change that the Bengals have now been awarded an extra 3rd round pick (97th overall) instead of one of the two 6th round picks it had been previously awarded.
— Field Yates (@FieldYates) 2024年3月11日
何があったのか全く分からないが、CINに補償ピックが与えられるようで、それがPHIの持っていた97位のところ。
は?
見慣れたFA流出における補償ではなさそう。
ではなんなのか。
詳細が出ていないので何とも言いようがないが、意味はわからぬ。
これにてPHIの3巡は98位に1ポジション下げました。
なんでJAXとの間に入ってくるのか。ここはJawaan Taylor(JAX→KC)とHargrave(PHI→SF)との補償ピックの間でこの差は年俸の差ではないのか。どういう理屈でこの間に誰かが入ってくるなんてことがありえるのか。
なんなんだ大本営様よ。
と、散々憤ったところで、どうやらCINの補償ピックの計算が誤っていたというのが実態の様子。
細かいことは省くが、当初Orlando Brown加入分と相殺されていたJessie Bates(ATL)のピックが、正しくは対象にならなければならなかった云々。
ということで16.01M/年のJessie Batesが、しかもHargraveよりよく稼働した(スナップ数)ということでここにCINが収まる模様。
だれだ計算間違いしたやつは出てこい。
非常にモヤモヤするが、そういうことらしいです。
残り物
SとLBで一番欲しかった選手たちが売れてしまった。
残された時間は少ない。
ということで明日こそ誰か連れてきてください。
来てほしい選手は何度も連ねているのでそこから誰かを。
そしてSweatとReddickの行方は?!
DeVonta延長のニュースはいかに?!
もし仮に、本当にSweatを放出するつもりなのであれば、こやつを救うしかない。
Throwback to Chase Young saying the Eagles are his favorite team in the NFL: https://t.co/Tg7GlFnpYt pic.twitter.com/jKgle4AuTm
— Anthony DiBona (@DiBonaPFN) 2024年2月21日
隠れPHIファンChase Youngよ。もう自分を偽らなくていいんだぞ。
やっぱりそれなりの財布を小脇に抱えてFA市場に解き放たれたRosemanはエンタメ性が高い。
2日目もよろしく。