さて、いよいよ楽しい楽しいシーズンが始まりますね。
いびつなイニシャルロスターとなりましたが当面これで行くということでしょう。
ぎりぎりになりましたが53人+αの紹介です。
書き方は昨年同様ですが、選手の最後につけている()内の数字はサラリーキャップにおける今年度のヒット額、契約最終年の選手をわかりやすくする趣旨で現行契約における契約年度数、最後にPHI加入方法を簡単に記載しております。
キャップヒットは、今年度支払われるサラリーとは別物です。Rosemanの場合頻繁に契約再構築を実施しますので彼らの財布に入る金額は当然この額とは異なります。
そして、契約年度数ですが、A.J. Brownの例で言うと、4年契約の1年目ということで1/4としております。
契約に関する金額その他はOverTheCapより引用しております。
PHI加入方法についてはHurtsの場合だと2020ドラフト2巡全体53位のため20-D2-53としております。
その他略称は、UDFAはそのまま、TradeはT-相手先(A.J.の例だと22-T-TEN)、UFAはFA-前所属(Reddickの例だと22-FA-CAR)、Street FAはSFA(Bradberryの例だと22-SFA)、PSからの強奪はPS-前所属(Elliottの例だと17-PS-CIN)としております。
ちなみに、UFAとSFAの違いは、UFAが契約満了後のFA市場でドラフトまでに獲得した選手、SFAはカットされた選手やドラフト以降まで売れ残っていた選手というものです。
ポジション毎に並べております。
ポジション内の順番はこちらで勝手につけた序列であり公式ではありません。
2022の成績はレギュラーシーズンのもののみです。
前置きがだいぶ長くなりましたが、やって参りましょう。
Offense(24)
QB(3)
ようやく答えが出たポジション。
願わくば去年のパフォーマンスがフロックでなかったことを証明してくだされ。
#1 Jalen Hurts(Oklahoma) 6'1"(185cm)223lbs(101kg)25歳 4年目(6.2M・0/5・20-D2-53)
2022:15試合(先発15試合) 306/460 66.5% 3,701yds 22TD 6INT Rating:101.5 Sack:38
*All-Pro 2ndチーム/プロボウル
ついに見つけた俺たちのフランチャイズQB。俺たちのリーダーであり未来。
このオフに待望の新契約にサイン。
5年255Mで延長し、旧契約の最終年も合わせて30歳で迎える2028シーズンまでの囲い込みに成功。
2022シーズンの飛躍はA.J.という相棒の加入もあったが、見逃せないのがHurtsにとって高校卒業後初となる同一スキームでの2年連続プレーとなったこと。
Steichenは去ったがSirianniが健在な限りまだまだ成長は見込める。
課題は左へのロールアウト時のパスと中央奥のコントロール。
これとて"やや不満"ぐらいなのでとにかく2022のパフォーマンスを上回れるところがあればそれだけでうれしい。
あとはケガだけしないように。
Sirianniは"(高額契約を結んだからと言って)Hurtsの役割を減らそうとは思わない"と言っているので今期もガンガン走るはず。
彼のケガは常にパスプレーの時なのでランでは大丈夫だと思っているが、それでもお気をつけくださいませ。
ちびっ子リーグのフットボールコーチだった父に厳格に育てられ、エージェント含むサポートチームを全員女性で構成するように仕向けた賢明な母に見守らている男。
付き合っている女性もAlabama時代からの仲でIBMとかいうクソが付くほどの一流企業に勤める自立した人だそう。
このオフにはOklahomaで修士号もとった。
人間性については一切心配していない。
パフォーマンスについても申し分ない。
足りないものはほんの少しの歌唱力とリングだけ。
前者は無理でも後者はそう遠くないところにある。
今期も心の底から期待している。
#8 Marcus Mariota(Oregon)6'4"(193cm) 223lbs(101kg)29歳 9年目(1.9M・1/1・23-SFA)
2022(ATL):13試合(先発13試合) 184/300 61.3% 2,219yds 15TD 9INT Rating:88.2 Sack:28
待ち人来るとも遅し(おみくじ風)
Chipの下にいたOregon時代にハイズマン賞を獲得するなど大活躍。
そのためにChipがHCだった2015ドラフト前には、Mariotaを獲得すべくCox等を含む大型トレードをPHIが全体2位を持っていたTENに持ち掛けたという話もあった。
現実にはその話はまとまらず、TENはMariotaをすんなり指名、PHIはNelson Agholorを指名。
結果的に両選手は両チームにとってバストに近い存在になり、そしてChipは2015シーズン途中に解雇されるという、登場人物が全員負けたという全然おもしろくないおとぎ話に。
PHIが待ち望んだ形とは違ったが、それでも昨季バリバリにスターターを張っていたキャリア74先発の経験とそのプレースタイルは現行のHurts OffenseのバックアップQBとして理想的な存在。
プレシーズンを見る限りまだまだ脚は健在だしプロテクションさえもてばパスもそれなりに機能しそう。
ちょいちょいケガするHurtsだけにバックアップQBは重要な存在。
QBCのAlex TanneyはTEN時代のMariotaの控えだしTECのJason Michaelは同じくTEN時代のQBCでありOCだった人。
A.J.とも1年だけではあるが被っているしSTCのMichael ClayとはOregon時代のチームメイト。
なんやかやとつながりはあるので悪くない環境ではあるはず。
出番は望まないが、あればその経験を存分に活かしていただきたい。
#19 Tanner McKee(Stanford)6'6"(198cm)231lbs(105kg)23歳 1年目(0.8M・1/4・22-D6-188)
2022:なし
16歳の時に重い皮膚がんを患うが見事に克服した苦労人。
この経験が信仰心を増幅したのか、2018・19の2年間はそっち系の何かでブラジルに行っておりフットボールを離れている。
カレッジ選びをしていた2017にAlabamaを訪問したときのホストがHurtsという縁。
PHI首脳陣は早くから彼に惚れ込んでいたようで、6巡で指名したときもことのほか喜んでいた。
プレー面は、鈍足のっそりフットワークから目が覚めるようなボールを投げるちょっと古めのポケットパサー。
プレシーズンではMariotaを抜いてQB2だろ、という声が多数上がるほどにはいいパフォーマンスだった。
細かいコントロールが若干粗いのは気になるが、とにかくWRに仕事をさせるところに投げるというか、INTという最悪の事態は起こりにくいが、WR的には相当頑張らないといけない、というところに投げていた印象で、もしかするとわりかしサディストかもしれない。
Hurts Offenseを継続するのはなかなか難しそうだがさてどうなることでしょう。
今後が楽しみな選手ではあります。
RB(4)
確実に1年前より強くなったと胸を張れるポジションの1つ。
ここへの投資の少なさは長年不満だったが、今季に関してそれは一切ありません。
そして新OCのBrian JohnsonはRBへのパスを好むという噂のため相対的に目立つ場面は増える可能性があります。
#14 Kenneth Gainwell(Memphis)5'9"(175cm)200lbs(91kg)24歳 3年目(1.0M・3/4・21-D5-150)
2022:17試合(先発0試合)53回 240yds(Avg. 4.5yds)4TD 0Fum 0Lost/23回捕球169yds(Avg. 7.3yds)0TD
2022シーズン序盤は、WEEK2 MIN戦での落球がINTにつながるなどキャンプ以降の評判の芳しくなさを引きずっていたが、いつの間にか改善。
レギュラーシーズンの試合で"この試合が転機だった"といえるものは一切ないのだが、プレーオフに入って爆発。
Divisional RoundのNYG戦でのランパス合計121yds獲得は、かのJeremy Maclinに次ぐプレーオフにおけるフランチャイズ2位の記録。
この試合を機に不甲斐ないSandersに代わってRB1に昇格。
とはいえ今季のRBルームの充実ぶりを見るにつけて、やはり2022シーズン程度の出番数(Offenseスナップの28%)にとどまる気はする。
が、キャンプでも相当に評判が良かった。
万能RBとして限られた出番のなかでも爆発を楽しみにしております。
#0 D'Andre Swift(Georgia)5'9"(175cm)208lbs(94kg)24歳 4年目(1.8M・4/4・23-T-DET)
2022(DET):14試合(先発8試合)99回 542yds(Avg. 5.5yds)5TD 1Fum 0Lost/48回捕球389yds(Avg. 8.1yds)3TD
Georgiaドラフトに沸くPHIに、Ringo指名直後に飛び込んできた"Swift、PHIへ"のニュース。
Swiftは高校までPHIという地元っ子。
元UGAのスターRBだけあって走るのはうまい。特にBoxの外に持ち出されるととんでもなく厄介な存在になるということは昨季開幕戦で痛いほど思い知った。
あまり派手ではないが、スクリメージydsが875yds以上、7TD以上という成績を過去3年連続で出しているのはSwiftのほかにはChubb(CLE)・ZEKE(NE)・Henry(TEN)・Jacobs(LV)・Jones(GB)の5名しかいないのだとか。
ケガが多い印象だが意外とコンスタントに結果を残しているようで。
プレシーズンでもいいランを見せていた。
健康でよろしく。
#23 Rashaad Penny(San Diego State)5'11"(180cm)220lbs(100kg)27歳 6年目(1.2M・1/1・23-FA-SEA)
2022(SEA):5試合(先発5試合)57回 346yds(Avg. 6.1yds)2TD 0Fum 0Lost/4回捕球16yds(Avg. 4.0yds)0TD
(健康なら)とんでもないラッシング能力を発揮する元1巡RB。
専門はBox内であり、この点Sandersが大の不得意だった分野のため、(健康なら)猛烈なアップグレードが期待できる。
ただ、Sirianni率いるPHIの練習とかケアの体制については相当にご満悦なようで、これまでのキャリア5年間で42試合(ほぼ試合数の半分)しか稼働できなかった男も、Gainwell・Swiftとの頻繁なローテーションと合わせると健康で1年を過ごしてくれるのではないかという期待はある。
ちなみに、これまでのキャリアにおける5.7ydsというランにおける平均獲得ydは歴代でも相当上位(2000年以降最高とかそんなレベル)なので能力はとても高いし、2022シーズンの数少ないサンプルからもそれはうかがえる。
カレッジでは7Kickoff Return TDというFBS歴代最多タイ記録を保有している才能の持ち主。
さすがにケガが怖すぎるので起用は憚られるが、キャンプでもちょろっと練習していたようなのでここぞという場面ではあるかも。
#35 Boston Scott(Louisiana Tech)5'6"(168cm)203lbs(92kg)28歳 5年目(1.2M・1/1・18-PS-NO)
2022:15試合(先発2試合)54回 217yds(Avg. 4.0yds)3TD 0Fum 0Lost/5回捕球15yds(Avg. 3.0yds)0TD
"Giant Killer"
vsNYGで異常な活躍を見せるという年に2・3回しか意味がない能力をもつ男。
しかしその特性ゆえにファンからは愛されてやまない。
いつの間にかGoedertとならんでバックフィールドでは最古参。
プレシーズンで見たときは、やはりSwiftやらPennyと比較するとランが下手なのであまり期待はできないが、NYG戦は是非頑張ってほしい。
ゴール前とか密集は意外と得意。
ちなみに、現在の本業は替えの利かないKickoff Returner。
WR(4)
人が少ないと思いつつ、よく考えたら去年も4人しか開幕ロスターにはいなかったのがこのポジション。
今季もどうぞよろしくお願いします。
#11 A.J. Brown(Ole Miss)6'1"(185cm)226lbs(103kg)26歳 5年目(8.3M・1/4・22-T-TEN)
2022:17試合(先発16試合)145ターゲット 88捕球 1,496yds(Avg.17.0yds)11TD
*All-Pro 2ndチーム/プロボウル
衝撃のトレードで加入後、即キャリアハイ。
"Always Open"のあだ名通りHurtsの頼れる相棒となり、SB進出の間違いなく大きな、というかほぼ最大の原動力になった男。
Hurtsとのコンビも実はこれで2年目。
別に合わないな、という場面を見た記憶もないが、ますます熟成することが期待できる。
オフシーズンにはスピードも上がったそうでまだまだ天井が見えないスーパースター。
ケガだけ、本当にそれだけないようにお願いします。
#6 DeVonta Smith(Alabama)6'0"(183cm)170lbs(77kg)24歳 3年目(5.5M・3/5・21-D1-10)
2022:17試合(先発17試合) 136ターゲット 95捕球 1,196yds(Avg. 12.6yds) 7TD
5年目オプションの行使は2023シーズン終了後の選択のはずですが、もう決まっているのでいいでしょう。
この2年、ずっと期待を上回り続けてくれた男。
特にA.J.とコンビを組んだ昨季の活躍はまさにアンストッパブル。
この細身でコンテストキャッチにも無類の強さを発揮するんだから全くどこをけなせばいいのか。
Goedertの欠場によって数字を伸ばした昨季なので、RBも充実したこともありさすがにまた1,000ydsを越えてくるかはわからないが、A.J.・Goedertと合わせてどこかは空いているという状況を常に作っていっていただければ数字はどうでもいい。
シーズン中には父親にもなるはずで、ますますの躍進を期待している。
ちなみに、雨でとても冷え込んだJAX戦のサイドラインの映像で、用具管理のスタッフにめちゃくちゃ頻繁にあれくれこれくれと要望を出すDeVontaの映像が公式によってファニーに描かれて流れていたが、DeVontaは人知れず世話になった裏方のスタッフたちを76ersの試合に数回招待していたそうです。
なんていいやつなんだ。
大好きです。だからこそ言うが、毎朝マックグリドル食うのやめろ。
#16 Quez Watkins(Southern Miss)6'0"(183cm)193lbs(88kg)25歳 4年目(2.8M・4/4・20-D6-200)
2022:17試合(先発8試合) 51ターゲット 33捕球 354yds(Avg. 10.7yds) 3TD
A.J.・DeVontaにない"傑出したスピード"という武器をQuezが存分に活かすことでとんでもないOffenseに仕上がるんだ、という期待は儚くも散った。
ただしくは、その使い方だけでいけばたまの落球にだけ目をつぶればよかったので問題なかったが、SirianniはSlotエリアでQuezを使ってしまったのが失敗。
というか、Goedertが不在になった期間のそのエリアの弱さを彼で補おうとしたのが大失敗。
その結果が無残なDAL戦での2INT。
スタッツとしてはMinshewに"2INT"として残るのだろうが、あれはどっちも絶対にQuezの責任。
とはいえさすがにルーキー契約の最終年となる4年目。
いつまでもDefenseがいないオープンフィールドでのびのびパスを捕る仕事だけされても困る。
プレースピード・ルートラン・コンテストキャッチ。
課題のこの3つのうちどれか2つが成長してないと本当に困る。
このオフは早々からSirianniにかばわれ褒められ続けていたが、その成果がどうなっているのかは試合でお目にかかるまでわからない。
すがるような思いで試合を見ることにしましょう。
#13 Olamide Zaccheaus(Virginia)5'8"(173cm)194lbs(88kg)26歳 5年目(1.1M・1/1・23-FA-ATL)
2022(ATL):17試合(先発13試合)61ターゲット 40捕球 533yds(Avg. 13.3yds)3TD
発音は"オラマデ・ザキアス"です。もっと詳しく言うと"オゥラマデイ・ザァキィアス"です。面倒なので"OZ"表記でいきます。
Swiftと同じ高校出身のPHIっ子。
キャリアハイはMariotaと組んだ2022シーズン。
サイズも小さいし40yd4.49というスピードも特筆すべきものではないが、そのフィジカルツールからも欲しくて仕方ないHunter Renfrow(LV)に通じる雰囲気がある。
あれほどクイックネスがとびぬけているわけでもないが、狭いエリアでも十分な集中力があるので、このエリアに放つならQuezよりよほど適任。
彼がいることでQuezも得意な仕事に戻れるだろうし、高い確率でやってくるGoedertのケガの時にも攻撃のバリエーションは維持できそうという意味でも非常にいい補強。
Coveyには劣るがPunt Returnerも務められるのでこのお仕事も注目。
TE(4)
うーん毎年物足りないなここは。
と思っていたところにファイナルカット直前のトレードでまあまあの大物が加入。
万能なGoedertとブロッキングに定評があるStollとレシービング寄りの残り2名といういいバランスの陣容になったはず。
#88 Dallas Goedert(South Dakota State)6'5"(196cm)256lbs(116kg)28歳 6年目(6.3M・2/4・18-D2-49)
2022:12試合(先発12試合) 69ターゲット 55捕球 702yds(avg. 12.8yds) 3TD
Hurtsとのコンビも3年目を迎える、地味だが押しも押されもせぬエースTE。
WASのダーティなプレーによるケガが5試合の欠場につながった影響で通年での成績は少し落としたが、A.J.加入の恩恵もしっかり受けていたのが出場時の印象。
Ertzを押しのけた2021シーズン以来、各種レシーブ指標のTE内でのランキングは軒並み上位5位(Receiving Yds:4位・Yds Per Catch:2位・Run After Catch:3位)に入る。
ケガさえなければ余裕でプロボウルレベルのはずなんだよ。
キャンプではBradberryがぎりぎりいい勝負をできたぐらいでLBやSでは相手にならない日々だったとか。
今季こそは勲章を手にしていただきたく。
#89 Jack Stoll(Nebraska)6'4"(193cm)247lbs(112kg)25歳 3年目(0.9M・3/3・21-UDFA)
2022:17試合(先発11試合) 14ターゲット 11捕球 123yds(avg. 11.2yds) 0TD
TE2以下についてはあまり聞こえてこなかったが、それでもStollのキャンプは順調だったとのこと。
最近になって"ブロッキングだけじゃないところを見せたい"と意気込んでいるようだが、いきなりプレ初戦でも落球していた。
まずはブロッキングからお願いします。
#81 Grant Calcaterra(SMU)6'4"(193cm)240lbs(109kg)23歳 ルーキー(0.7M・1/4・22-D6b-198)
2022:15試合(先発2試合) 9ターゲット 5捕球 81yds(avg. 16.2yds) 0TD
完勝したWAS戦かなにかで一瞬輝いた気がするが、結局あの40ydsレシーブがシーズンのピークだった。
フリーになる能力はそれなりに高いはずだが、とはいえ19%のOffenseスナップに出場していたとは思えないほど記憶にない。
今季はSTでの負担が増えるはずなのでこっちでも輝いてくれることを期待しております。
#85 Albert Okwuegbunam(Missouri)6'5"(196cm)258lbs(117kg)25歳 4年目(1.0M・4/4・23-T-DEN)
2022(DEN):8試合(先発1試合) 18ターゲット 10捕球 95yds(avg. 9.5yds) 1TD
コロナの影響もありドラフトプロセスが各チーム大きく狂った(≠不作)という評価が固まりつつある悪夢の2020ドラフト。
そのコンバインでTEとしては相当に速い4.49という40ydのタイムを残して一気に注目を集め、結果的にDENに4巡指名された男。
DENでは、ルーキーイヤーの最後に希望を見せたDrew Lockのカレッジ時代のチームメートとして指名時から大いに期待されていた存在だったようだが、ルーキーイヤーのACL断裂およびその後の細々したケガと、そのサイズの割に一向に上達しないブロッキング能力が足を引っ張ったキャリアだったそう。
2022シーズンにはNoah Fantがいなくなってまた今度こそ、という思いもあったようだが結局ルーキーDulcichやUDFAルーキーにも出番を奪われてこのキャンプでも評価を取り戻すことはできず。
プレシーズン最終LAR戦で大爆発(7レシーブ109yds)したのは見本市だったようで、それに食いついたのがPHI。
とはいえトレードの内容は2025ドラフトのPHIの6巡⇔2025ドラフトのDENの7巡+Albert Oという軽いものなのでさしたる痛みはなし。
Rosemanが大好きな、身体能力が高いがくすぶっている選手枠。
父親はナイジェリアからの移民。
そのせいか彼のラストネームはたぶん誰も読めないので、通称"Albert O"。
ポテンシャルは一流。
あとはレシービングTEとして存分にその素質を開花させてくださいませ。
OL(9)
大黒柱とか、いろいろ言い方はあるんだろうが、どう形容したらいいのだろうか。
この大男たちが体現するのがこのチームです。
このポジションだけはLT→RTという順番での記載です。
LT #68 Jordan Mailata(---)6'8"(203cm)365lbs(166kg)26歳 6年目(7.5M・2/4・18-D7-233)
2022:16試合(先発16試合)1,026スナップ(87%)
言わずと知れたわれらが陽気なLT。
長らく課題だったスピードラッシュへの対処も年々上達しており、いまや苦手なものはゴルフだけ。
というかいつの間にか不安が一切なくなってるのがすごいところ。
どんな勢いで成長してるんだ。
KelceとかLaneの陰に隠れがちだが、そのランブロックは相当だしプロテクションも安定してきた。
今オフには結婚もしたことだしますますの飛躍への期待は高い。
LTというポジション柄ライバルたちのレベルは相当高いが、なんとか勲章を勝ち取ってほしいものです。
LG #69 Landon Dickerson(Alabama)6'6"(198cm)332lbs(151kg)24歳 3年目(2.4M・3/4・21-D2-37)
2022:17試合(先発17試合)1,096スナップ(93%)
Mailataのブラザー。
今オフにMailataと揃って結婚。DickersonのベストマンはもちろんMailataだったそうです。
2022シーズンは全試合先発したがちょいちょい痛そうなそぶりでベンチに下がっていた。
このキャンプでもCLEとの合同練習ではそんな感じだったらしい。
もとよりカレッジ時代には華麗なる負傷歴をお持ちの人だけにここへの不安は常につきまとう。
健康なら無敵。
LGのところからプレッシャーを受けた記憶はあまりない。
実は空手の有段者。
C #62 Jason Kelce(Cincinnati)6'3"(191cm)295lbs(134kg)35歳 13年目(10.8M・1/1・11-D6a-191)
2022:17試合(先発17試合)1,151スナップ(98%)
*All Pro 1stチーム/プロボウル
チーム最年長。
われらが大統領。
人気ポッドキャスターでもある鉄人。
PHIの街を体現する男であり、誰からも愛されるおじさん。
開幕前の会見では"リーダーシップとは何が起ころうと自分で説明責任を果たし、他者にも同じスタンダードを課すことだ"と説くおじさん。
近年は毎オフ引退について長く検討しているが、SBでの敗戦も、また同じ舞台に立ち、今度はやり返すという新たなモチベーションを植え付けただけのものだったよう。
本人も"勝っていたらわからなかったが、あれで引退はない"という趣旨の発言をしている。
FAやらドラフトやらいろいろ動いた今オフ。
"一番大きかった動きは?"と会見で聞かれたHurtsは間髪入れずに"Kelceが戻ってきたことだよ"と即答。
もう本当の本当にこれで最後でしょう。
この男の花道はやはりあのパレードこそがふさわしい。
RG #51 Cam Jurgens(Nebraska)6'3"(191cm)303lbs(137kg)24歳 2年目(1.6M・2/4・22-D2-51)
2022:17試合(先発0試合)35スナップ(3%)
Kelceの後継者。
カレッジ時代に1回のオフで20kg以上増量してOLにコンバートしたという逸話まで継いでいるほどの後継者。(KelceはLB→OL・JurgensはTE→OL)
ドラフト時にKelceがRosemanに指名を推薦したほどの後継者。
2022シーズンの数少ない出番からは、Kelceほどとはいかないが申し分ない機動力と、Kelceを超えるインサイドでのブロックの力強さを見せていた。
あとはおつむとかプロテクションの部分。
地味だがパワフルでいい仕事をしていたSeumaloが抜けたRGの穴をBeef Jurgyがしっかり埋められるのかは今季のOffenseにおける大きな未知数。
レジェンドの後を継ぐための第一歩。しっかりがんばってください。
RT #65 Lane Johnson(Oklahoma)6'6"(198cm)325lbs(147kg)33歳 11年目(14.7M・2/5)
2022:15試合(先発15試合)974スナップ(33%)
*All Pro 1stチーム/プロボウル
Kelceとともに長らくチームを支えるOLの柱。
2022シーズンはWeek16に内転筋を断裂するという通常即手術の大ケガを負ったのに3週休んでプレーオフから復帰。
そしてケガのそぶりなんか一切見せずあいも変わらず鉄壁で通した鉄人。
コンバインで40ydを4.72で走ったしまった運動能力とサイズとテクニックが高次元で結びついた化け物。
2020シーズンWeek11以来サックを許していないのだとか。
ケガも癒えて、いつの間にか契約が1年延びていた今季。
相変わらずの感じでお願いします。
OT #74 Fred Johnson(Florida)6'7"(201cm)326lbs(148kg)26歳 5年目(12M・1/2・22-SFA)
2022:5試合(0先発)2スナップ(1%)
2019にUDFAでPIT入り。
しかしPITからはすぐ放流され、そこから3年間はCINに在籍するも、最終的にはウェイバーにかけられてTBに拾われていたが、2022シーズン中にはTBからもリリース。
FAになっていたところをPHIがPSに入れたのは2022年の11月。
そして迎えた今キャンプ。
終始評判が良く、記者会見でLaneの口からもFredを褒める言葉が出てくる程度には印象的だった様子。
そしてプレ3直前、PHIはFredのカット。そして24時間後ぐらいに2年契約の締結を発表。
Fredは”プロになって契約延長のオファーをもらったのなんて初めてだった。ジャーニーマンで終わると思ってたのに。本当にうれしい。ハードに練習に取り組んでここをホームにしようという気持ちが高まった。”と非常に謙虚な反応。
はいこれは応援したくなりますね。
プレーとしては、サイズがあることもあって非常にもっさりして見えるが、スピードラッシュへの対処などはなかなかにお上手とお見受けした。
意外とパワーがない気がするのでその辺は課題にはなろうがスキームがしみこむにつれてこんなものは改善していくので大丈夫。
がんばってください。
G #78 Sua Opeta(Weber State)6'4''(193cm)305lbs(138kg)27歳 5年目(1.3M・1/1・19-UDFA)
2022:7試合(先発0試合)92スナップ(8%)
長らく良質なバックアップiOLだと認識していたが、最近どうもやられるシーンが目に付くようになってきだ。
Dickersonのところが忙しくなるはずなのでしっかりお願いします。
G/T #56 Tyler Steen(Alabama)6'6''(198cm)321lbs(146kg)23歳 ルーキー(1.0M・1/4・23-D3a-65)
2022:なし
天下のBAMAのLT。
Vanderbilt時代にRT・LG経験もあり、そんな経験からこのキャンプではRGの先発争いに参戦していたが、ここはあっさりJurgensに先を越された形。
コンバインなんかでみたときにはフットワークの滑らかさが目を惹いたが、プレシーズンに入ってみるとパワフルさも十分で、RGとしても、意外とLTとしても相当に優秀な気配。
現実的にはFredよりさきに出番が来るはずで、去年のJurgensのようにEX-OLとしてもゴール前とかで姿を拝めるかもしれない。
Kelce引退後、JurgensがCに移ったあとのRGを期待されているはずの指名。
まずはお手並み拝見の1年。
意外な特技は数独。というか数独って"Sudoku"としてそのまま英語なんですな。初めて知った。
T #63 Jack Driscoll(Auburn)6'5"(196cm)312lbs(142kg)26歳 4年目(1.1M・4/4・20-D4b-145)
2022:17試合(先発3試合)354スナップ(30%)
C以外の全ポジションをこなせる汎用性が高い控えも今季で契約切れ。
LaneのあとのRT2が本職といえば本職だが、やはりオールプロと比べると絶望的な差がある。
できれば姿を拝みたくないとはいえ、いてくれると本当に助かる存在。
3年間課題だったランブロックのパワーはたぶんまだ治ってないが今季もよろしく。
Defense(27)
DT(7)
名前を言いたくない前任者もそうだったようにDesai DefenseでもNickel隊形が増えるようで、その肝となるのがDTポジション。
そして2年かけてここをテコ入れし、ようやく形になってきたのが以下のメンツ。
#91 Fletcher Cox(Mississippi State)6'4"(193cm)310lbs(141kg)32歳 12年目(5.7M・1/1・12-D1-12)
2022:17試合(先発17試合)43タックル(23ソロ)7.0サック 7TFL 14QBヒット 1FF 1FR
2010年代のオールディケードチーム選出。
数年前からサラリーに見合わない衰え方をしていてストレスのたまる日々だったが、2022シーズンは打って変わって復活。
特にプレーオフなんかはよかった。まだ働けるはず。
Fletch1人をOffenseが見ているような状況ではもう輝けないが、サポートが厚ければまだ十分にやれます。
ただ、まだ働けるとはいえ、プレーオフまで見越すとレギュラーシーズンでは早め多めのローテーションが必要。
2022シーズンが65%のスナップ出場なので、これがもう少し減るとなおいい。
このオフはNYJから声をかけてもらったとのことでだいぶ揺れたようだが、PHIを出て行った先人たちに意見を求めると"あそこは最高だから絶対出ていくな"という助言が多数出てきたとのこと。
本人もいつになくご機嫌にキャンプ以降を過ごしているようで、特にJalen Carterのことは気にかけている様子。
PHIがCarter指名に踏ん切った大きな理由の1つが"DLルームにはFletch・BGという生え抜きの大ベテランがいること"だったようだが、まさにそのチーム首脳からの期待にたがわぬ働きぶり。
プレ最終戦前にはJC・Davis・Sweatと楽しそうに遊んでいたし、JCにはオフの日も含めて毎日電話なりメールなりをしているのだとか。
人見知りで感情を上手に表に出せないと言われているJCも、このFletchからの歓待には感謝していた。
歳も取って最高の教科書として存在しているFletch。
こんな感じならもう少し長く見ていたいものです。
#90 Jordan Davis(Georgia)6'6"(198cm)336lbs(152kg)23歳 2年目(3.9M・2/4/・22-D1-13)
2022:13試合(先発5試合)18タックル(8ソロ)0.0サック 1TFL 0QBヒット
2022シーズンは中盤にHigh Ankle SprainでIR入り。
そしてその時にまざまざと思い知らされたが、Davisが中央にいるのといないのとではランストップに天と地ほどの差が出てくる。
パスカバーに優れる現行Defenseスキームにおいて、弱くなりがちな中央を守るためにDavisが必須なのはよくわかった。1巡で獲った価値はあろう。
それはわかる。わかるが、それ以上が見たい。
ということでパスラッシュがんばってください。
0サックはいただけない。
#98 Jalen Carter(Georgia)6'3"(191cm)314lbs(142kg)22歳 ルーキー(4.0M・1/4・23-D1a-9)
2022:なし
言わずと知れた問題児。間違えた希望の星。
プレシーズンでも見せたクイックネスとテクニックとクロージングスピード。
コンディショニングがさえうまくいけばこうですわ。
ようやく出会ったFletchの跡継ぎを張れる若者。
私生活・練習態度等いろいろ懸念はあるが、付き合いも長く彼の出すサインにもよく気付くDavisと、なにかと面倒見のいいFletchがいる間はとりあえず大丈夫そう。
抑えがたいテストステロンはフィールドで発散してください。
DTポジションで初年度から2ケタサックとなると近年はAaron Donaldぐらいしかいないのでさすがにそれは期待しすぎだとして、とりあえず12位で指名されているFletch(5.5サック)は超えてもらいましょう。
目標6サックで。
#93 Milton Williams(Louisiana Tech)6'3"(191cm)290lbs(132kg)24歳 3年目(1.4M・3/4・21-D3-73)
2022:17試合(先発0試合)36タックル(19ソロ)4.0サック 9TFL 6QBヒット 2PD
2年連続でイチオシのブレーク候補。
ドラフト時にはパスラッシュ能力の未完成ぶりがだいぶ懸念されていたが、毎年メキメキ成長中。
2→4と順調に増やしているサック数が次は8になることを期待するのは当然の人情というもの。
サイズ等のカタログ値は去ったHargraveと似ているが、現時点でもランストップは彼より上手いと思っているのでパスラッシュもっと頑張ってください。
足りないのは出番。
Hargraveが去ったところにCarterが来たという不運はあろうが、序盤からFletchを食うぐらいの活躍で出番を増やしていってくれることを期待している。
#72 Moro Ojomo(Texas)6'3"(191cm)292lbs(132kg)22歳 ルーキー(0.8M・1/4・23-D7-249)
2022:なし
7巡ほぼほぼ最下位指名のDTは4度アカデミックALL-BIG12の1stチームに選ばれている優等生。
プレ2で脳震盪を起こしてしまったおかげで最終戦への出場はかなわなかったが、それまでのパフォーマンスもろもろを評価されてロスター入り。
特徴はその長い腕を活かしたランストップ。
体重が軽いわりに、腕が長く先に攻撃を仕掛けられるメリットを最大限活かしてOLの態勢を崩す場面が印象的。
たぶん出足も速いのでプレシーズンでは十分に持ち味を発揮できていた。
パスラッシュが課題だろうがプレシーズンを見た限りは思ってたほど悪くない。
上の層の厚さを考えるとあまり出番は多くないだろうがいろいろ盗んで成長していってほしいものです。
#97 Kentavius Street(North Carolina State)6'2"(188cm)287lbs(130kg)27歳 6年目(1.3M・1/1・23-FA-NO)
2022(NO):17試合(先発0試合)29タックル(13ソロ)3.5サック 5TFL 8QBヒット 1PD
2018ドラフトでSFで4巡指名されたものの、ドラフトプロセスでのACL断裂の影響を受けてルーキーイヤー全休。
結局SFとは契約満了でお別れしてNOにいたのが2022シーズン。
見比べてほしいが、サイズから残した成績までほぼMilton。当然プレーもMiltonと似通っており、苦手なのはランストップ。
あまりにもDTが多いのでカットかと思いきや、しっかりロスター入り。
これまでの経験の少なさを考えると、伸びしろはまだありそう。
PHIをいい踏み台にして、願わくば補償ピックにつながるぐらい活躍してください。
#95 Marlon Tuipulotu(USC)6'2"(188cm)307lbs(139kg)24歳 3年目(1.0M・3/4・21-D6a-189)
2022:9試合(先発1試合) 16タックル(8ソロ)1TFL 1FR
Davis不在時に劇的に出番を増やした2年目だったが、まあストレスがかかる出来だった印象がある。
ランストップの要であるDTが何もできないとどうしようもないという事実を噛みしめただけ。
彼の体たらくをみてRosemanはすぐにLinval JosephとNdamukong Suhを獲得したというのがなによりも雄弁な2022のTuipulotu。
あれからいろいろ若手を試したが、彼を超える選手はいなかった様子。
これをもってTuipulotuが合格ということにはならない。
パスラッシュのこと考えて減量とかしなくていいからもうちょっとメシ食いなさい。
DE(3)
基本は1人しかフィールドに立たない仕様になっているはずなので。
#55 Brandon Graham(Michigan)6'2"(188cm)265lbs(120kg)35歳 14年目(10.1M・1/1・10-D1-13)
2022:17試合(先発1試合)35タックル(19ソロ)11.0サック 11TFL 16QBヒット 1PD 2FF
チーム最古参。
アキレス腱断裂明けの34歳という不安しかないステータスで迎えた2022シーズンだったが、結果はまさかのキャリアハイ更新。
パスラッシュもそうだが、低い重心を活かしたランストップが本当に秀逸。
35歳になっていながら試合中にしゃべることをやめない。
相手チームであれば誰でもいいんだろう、コイントスで"お前には俺を止められない”と延々煽っていた相手はDTのDexter Lawrenceだった。そりゃね。マッチアップないし。
そんな陽気なおじさんも全体13位で指名されて数年はつらい日々を過ごす。
ケガや(プレースタイル的に)地味なスタッツから、14位のEarl Thomas(SEAなど)や15位のJason Pierre-Paul(NYGなど)との比較でバスト呼ばわりされたことは本人の心にも残っている様子。
ごめんなさいそう思ってました。
しかしそこからの発奮と本人の絶え間ない努力によって今となってはバストなんて思うPHIファンはどこにもいないのです。
DETとの試合中に先方のDB(Tracy Walker)をサイドラインから大声で煽っていたらSlayが寄ってきて"BG、あれは俺のいとこなんだよ"と苦笑いで抗議されたり、自宅に来ていた庭師たちと10年来の友達かのように話し込んで出かける予定を大幅に遅らせて奥さまをイライラさせたりと、まあとにかく愛らしいおじさん。
新加入の選手やコーチ(Patriciaとか)には最初に話しかけてすぐなじませてしまうという異能の持ち主。
ロッカールームには欠かせないおじさん。
1日でも長くPHIにいてほしいし今季がいいシーズンになることを祈ってる。
がんばってください。
#94 Josh Sweat(Florida State)6'5"(196cm)265lbs(120kg)26歳 6年目(5.9M・2/3・18-D4b-130)
2022:16試合(先発16試合)48タックル(31ソロ)11.0サック 15TFL 23QBヒット 1FF 1INT 1TD 1PD
BGとタイプは異なるし、他チームから言及されることはあまりないが、こっちがエース。
鋭い出足に長い手足とEDGEとしては理想的なフィジカルツールをお持ちで、その上技術レベルもどんどんあがってきている。
ルーキーイヤーの0サックに始まり毎年毎年数字を上げてきているのは心強いのひとこと。
今季のハードルは13サックぐらいにしましょうかね。
Rosemanは契約延長しちゃっていいよ。
チームメイトに"チームで一番好きなセレブレーションは?"と聞くと必ず返ってくる"Sweaty Jのだよ"という声。
同感です。
あの汗を拭うセレブレーションは最高。
毎試合1回は拝みたいものです。
#96 Derek Barnett(Tennessee)6'3"(191cm)259lbs(117kg)27歳 7年目(2.3M・2/2・17-D1-14)
2022:1試合(先発0試合)0タックル(0ソロ)0.0サック
トレード志願してたのにまだいるのか。
はよう。
OLB(3)
前任のハゲに引き続き、Desai Defenseでもここがパスラッシュの要。
Nolanに関してはパスカバーのお仕事もちょこちょこあるようで、それができるかどうかでスタンツの幅が変わってくるはず。
Rosemanが投資を怠っていないことからもわかるように非常に重要なポジションです。
#7 Haason Reddick(Temple)6'1"(185cm)240lbs(109kg)28歳 7年目(7.0M・2/3・22-FA-CAR)
2022:17試合(先発17試合)49タックル(35ソロ)16.0サック 11TFL 26QBヒット 5FF 3FR 3PD
パスラッシュのテコ入れに獲得してきたアンダーサイズのOLBは大当たりでした。
外からのスピードラッシュを基本としつつ、そこからの駆け引きで勝負するタイプだが、周囲のメンツも相俟ってシングルブロックになることも多く、その恩恵をだいぶ受けたシーズン。
とはいえ16サックは上出来にもほどがある。
Nolanとのローテーションが見込まれるシーズン。
さらにフレッシュな状態でプレーできるはずで、もっと成績を伸ばしても不思議ではない。
#3 Nolan Smith(Georgia)6'2"(188cm)248lbs(112kg)24歳 2年目(M・1/5・23-D1b-30)
2022:なし
UGAの優等生。
何を隠そう、彼のPHI入りを一番悲しんだのはPenn Stateへの訪問時にホストを務めたMicah Parsonsである。
A.J.がリクルートしていたように、惚れ込んだ人間がみんなPHIにきてしまったParsonsの行き先はもはやPHIしかない。
はやくおいで。
選手としてはアンダーサイズだが、このポジションはそれでも務まる。というのをReddickが体を張って示してくれた2022シーズン。
その反対側に過去20年のコンバインでEDGE最速のタイムをたたき出したこの男がくるというのだからこんなに心強いことはない。
確かReddickだったはずだが、ベテランが彼のことを褒める最大の要素がその向上心と学習能力。
プレ1であまり目立てなかったことがよほど腹に据えかねたのかベテランを質問攻めにして、課題を修正して見事プレ2では大活躍。
これこそがおそらくプロで一番必要な能力でしょう。
期待値で爆発しそうである。
初年度のハードルは出番も少なかろうで5サックに設定しておいてあげる。
是非軽々越えてきていただくことを期待している。
#48 Patrick Johnson(Tulane)6'2"(188cm)248lbs(112kg)25歳 2年目(1.0M・3/4・21-D7-234)
2022:16試合(先発0試合)7タックル(5ソロ)0.0サック 0TFL 3QBヒット 1FF 1FR
意外と生き残って3年目。
すごいスピードがあるわけでもパワーあふれるわけでもないが、最低限の仕事はしっかりするタイプ。
当面のミッションはSTでの貢献。
Bradley・McPhearsonが抜けたSTユニットでの活躍に期待。
Off-Ball LB(3)
EDGEと比較するとこちらは一貫して最低限の投資しかしていないポジション。
T.J. Edwards・Kyzir Whiteという先発を両方失ったが長期的に安定する礎はできているはずです。
#17 Nakobe Dean(Georgia)5'11"(180cm)231lbs(105kg)22歳 2年目(1.2M・2/4・22-D3-83)
2022:17試合(先発0試合)6タックル(5ソロ)1TFL
前年34スナップしか出場していないのにキャンプからLB1。
アンダーサイズではあるが、そのスピードと思い切りは大したもの。
DT補強も完了したのでOLがあまり漏れてこないと思うのであればこの小ささも気にはならない。
アンダーサイズゆえに全力プレーにならざるを得ない面があり、それがケガにつながることだけないようにお願いしたいところ。
SBでの敗戦後すぐにGeorgiaに戻って学士修了に向けて機械工学のクラスにでて単位をとるという現実家。
浮ついたところは一つもない。
映像を見ていると、やはりGeorgia若手軍団の頼れる兄貴はDeanである様子。
自身のプレーだけでなく後輩の面倒を見るというのは先発1年目の選手にとってなかなかハードな気はするが、彼なら大丈夫。
まずは全試合出場を目標にがんばっていただきたいところ。
#52 Zach Cunningham(Vanderbilt)6'3"(191cm)238lbs(108kg)28歳 7年目(1.3M・1/1・23-SFA)
2022(TEN):6試合(先発6試合)23タックル(14ソロ)1PD
かつてのリーグのタックル王はベテランミニマムでの加入。
やはりというか、プレシーズンゲームでは貫禄の出来。
堅実なタックルと、いい読みをお持ち。
長くいる選手ではないんだろうが、ぜひキャリアを立て直す活躍をみたいものです。
#53 Christian Elliss(Idaho)6'3"(191cm)231lbs(105kg)24歳 3年目(0.9M・3/3・21-SFA)
2022:6試合(先発0試合)7タックル(5ソロ)
春から評価がうなぎ上りの若者はあっさりロスター入り。
LBとして特に不満な点は見当たらず、まあ敢えて挙げるとしたらパスカバーのスピードなんだがこんなものは満足できるほうが難しいし、読みが磨かれればもう少しましにはなるでしょう。
当面はSTでの活躍をがんばってください。
CB(7)
DTとならんで人数過多なポジション。
Desai Defenseの生命線なのか、あるいはほかの理由があるのか。
後者ではないかと踏んでおります。
#2 Darius Slay(Mississippi State)6'0"(183cm)190lbs(86kg)32歳 11年目(11.8M・1/3・20-T-DET)
2022:17試合(先発17試合)55タックル(40ソロ)3INT 14PD
契約も延長してくれた頼れるアニキだが、衰えの気配が見えてきたのも事実。
衰えというと誤解を招きそうだが、ネックは体力的な問題。
パフォーマンスを落としていた2022シーズン終盤には"長いシーズンだよ"という発言もしていたようなのでブリーザーは絶対に必要。
そういう意味でもCBは多めに確保しているものだと理解しております。
ただ、Slayが精神的支柱だということは事実なのでそう簡単に下げるのも難しい。Desaiよ。がんばっていいかじ取りをするんだ。
今季も難敵ぞろいだが、まずはWeek2のJeffersonから。昨季の再現をひとつよろしくお願いします。
#24 James Bradberry(Samford)6'1"(185cm)212lbs(96kg)30歳 8年目(3.1M・1/3・22-SFA)
2022:17試合(先発17試合)44タックル(39ソロ)2TFL/3INT 1Pick6 17PD
マンツーマンが苦手、という触れ込みだったが蓋を開けてみるとなんの問題もなかった。
シーズンを通してみるとSlayより安定していた印象まである。
心を打たれたのがSBでのホールディング。
そもそもあの一つのプレーが敗因なんてことはないんだが、それでも責任は自分で背負っている姿にはグッときた。
それが残留してくれると。3年もいてくれると。
ありがたい。
今季はSlotに入ることも多くなりそうで、モンスターTE(Kelce・Kittle・Waller)を消すというお仕事も追加されそう。
これこそがこの男の本領であろうと期待しているところ。
あまりに寡黙で、試合中にマイクをつけても何もしゃべっていない時間がただ続くだけという職人。
今季もいい仕事を期待しております。
#29 Avonte Maddox(Pittsburgh)5'9"(175cm)184lbs(83kg)27歳 6年目(4.1M・2/3・18-D4-125)
2022:9試合(先発8試合)43タックル(28ソロ)3TFL 1.0サック 2QBヒット 1INT 3PD 3FF
2022シーズンはターフトゥだったかに泣かされて思うようにプレーできなかったが、負傷前もややオーバーアグレッシブで安定感を欠いていた印象がある。
実は契約も結構危ない気がしており(2024シーズンのキャップヒットが10Mに達する)、後進が順調な今、2023シーズン次第ではさよならとなる可能性すらある。
勝負の年。がんばってください。
#28 Josh Jobe(Alabama)5'11"(180cm)190lbs(86kg)25歳 2年目(0.9M・2/3・22-UDFA)
2022:11試合(先発0試合)
2022シーズンはDefenseスナップ12とほぼお目にかかれなかったが、キャンプを通してここまで順調に経過。
STでの期待が高く、Sirianniからも名指しで期待する選手に挙げられていた。
Slayのブリーザー候補1番手でもある。
出番が増えそうで楽しみなシーズン。
#22 Kelee Ringo(Georgia)6'2"(188cm)207lbs(94kg)21歳 ルーキー(1.0M・1/4・23-D4-105)
2022:なし
荒削りで時間がかかると思っていたが、キャンプ前の練習動画の時点で課題のフットワークはすでに滑らかになっていた。
不思議なものである。
プレシーズンゲームも悪くはなかったが、まだまだ課題はありそう。
だがここまでの成長は順調。
大丈夫、勝負は来年以降だこの調子でがんばりたまえ。
#31 Mario Goodrich(Clemson)6'0"(183cm)186lbs(84kg)23歳 2年目(0.8M・2/3・22-UDFA)
2022:なし
Maddoxの控え1番手。
プレシーズンに出てくる選手相手ではさほど欠点が見つけられなかった。
非常にいい成長だと思います。
どうせMaddoxはそれなりにケガするので、ぜひ昨季のJosiah Scottとは違うというところを見せていただきたく。
#39 Eli Ricks(Alabama)6'2"(188cm)188lbs(85kg)21歳 ルーキー(0.8M・1/3・23-UDFA)
2022:なし
世代No.1 CBだった高校時代からルーキーイヤーのLSUでは"Pick-6-Ricks"として名を馳せたのにドラフトにもかからなかったのは、最終年Alabamaでのパフォーマンスの悪さでしょうね。
それに加えて運動能力も低いとなればなおさら。
Eli Ricks is a CB prospect in the 2023 draft class. He scored a 5.05 #RAS out of a possible 10.00. This ranked 1096 out of 2212 CB from 1987 to 2023. https://t.co/gn9kJXx636 pic.twitter.com/YK6FIzFsU3
— Kent Lee Platte (@MathBomb) 2023年4月14日
ただ、Pick-6を挙げたプレ初戦もそうだったが、リアクションは悪くないし読みも悪くないしで今のところいい買い物に見える。
ロスターには残れた。
ガリガリでSTでやっていけるかわからないが、まずは試合に出るというところから始めていきましょう。
S(4)
Epps・CJGJというスターター2枚を両方手放してのキャンプイン。
ただ、ここも楽しみなメンツがそろっております。
#32 Reed Blankenship(Middle Tennessee State)6'1"(185cm)203lbs(92kg)24歳 2年目(0.9M・2/3・22-UDFA)
2022:10試合(先発4試合)32タックル(19ソロ)1INT 2PD
CJGJの負傷で急遽途中出場した試合でのAaron RodgersからのINTという衝撃デビュー。
それ以降もちょいちょいやられたりしながら出番を積み、迎えた2年目のキャンプ。
層が薄いとされていたSの先発争いは現地注目の的だったが、3・4回の練習を経てあっさりBlankenshipがロック。
もはや貫禄すら感じる出来だったとのことで期待は高まる。
#26 Terrell Edmunds(Virginia Tech)6'1"(185cm)217lbs(98kg)26歳 6年目(1.9M・1/1・23-FA-PIT)
2022(PIT):15試合(先発15試合)70タックル(41ソロ)2.0サック 2QBヒット/5PD
経験不足が否めないS陣にあって通算75先発の経験は貴重。
ただ、プレシーズンを通してパフォーマンスはずっと微妙だった気がしており、シーズンを通してお目にかかれるかは不明。
LBにもちょいちょい入っているという噂だったしプレシーズンでもそうだったが、どちらかというとこっちのほうが微妙だったのが悲しいところ。
ベテランなのに、と言ってしまうと失礼だが、STの評価はかなり高いようなのでそちらは期待している。
#21 Sydney Brown(Illinois)5'10"(178cm)211lbs(96kg)23歳 ルーキー(1.0M・1/4・23-D3b-66)
2022:なし
俺たちの希望。
とにかく守備範囲と攻撃性が高いS。
実は幼いころにひとり親だった母親が難病を患ったために極貧生活を送っていたようで16歳になってカナダからアメリカに来たのは何とかして生活を立て直すためだったのだとか。
そこからIllinoisでの成功とNFLからのドラフト指名という成功物語だけで胸は熱くなるが、この物語はまだ終わっていないはず。
とりあえずシーズン中にスターターを奪取していただければ順調だと思えそうです。
#30 Justin Evans(Texas A&M)6'0"(183cm)199lbs(90kg)28歳 7年目(1.6M・1/1・23-FA-NO)
2022(NO):15試合(先発4試合)26タックル(15ソロ)2TFL 1FF/2PD
2017ドラフトで2巡全体50位で指名されたほどの素質を持ち、ルーキーイヤーも活躍を見せながら、その後はつま先とアキレス腱に相次ぐ負傷を抱えて丸3年を棒に振った男。
素質は高いがプロ入りして評価を落としたベテラン、というRosemanが大好きな人種。
昨季のNOでのパフォーマンスはあまり存じ上げないが、Drake LondonからのFFはかっこよかった。
そしてプレシーズンは悪くなかったし、もっと言うならとてもいい買い物に見えた。
パフォーマンスでいうならWallace放出も当然の結果。
STでも輝けると聞いているので、何より元気に走り回っているところが見たい選手です。
ST(2)
Punterをロスターに入れないという前代未聞の構成。
当面はSipossに臨時のチケットを発行してPSから上げて使うんだろうが、そのチケットも確か3枚ぐらいしかなかったはずである。
それまでにSipossが結果を残せなかったときが楽しみ。
K #4 Jake Elliott(Memphis)5'9"(175cm)167lbs(76kg)28歳 7年目(3.4M・4/5・17-PS-CIN)
2022:17試合 XTP 51/53(96.2%)FG 20/23(87.0%)LG 56yds
チームで最も運動神経に優れているのはこの男。
本当になんでもできる。
趣味と言っているゴルフは特に上手。
あとはボウリングに野球に卓球まで。なんでもござれ。
脱線しすぎた。
心配はしていない。プレシーズンであっさり59ydsのFGを沈める男に不安なんかあろうはずがない。
今季もよろしく。
LS #45 Rick Lovato(Old Dominion)6'2"(188cm)249lbs(113kg)31歳 7年目(1.2M・3/3・16-SFA)
2022:17試合出場 3STタックル
見事なほどになにもない。契約最終年ですね。今季もよろしく。
Coach
今季のPHIについて"SB返り咲きは無理"とする主な論拠はコーディネーターが2枚引き抜かれたことによるもの。
わかってねえな。Steichenが抜けたのは確かに激痛だがあいつがいなくなったのはプラスだよ。
HC Nick Sirianni(Mount Union)42歳 3年目 6-7 million
この男がチームに植え付けた"Accountability"は完全に浸透した。
そしてベテランたちが口々にそこに言及している。
いいチームを作ってますね。
今後10年お願いしますよ。
OC Brian Johnson(Utah)36歳 1年目
幼いころからHurtsを知るメンター。
プレーコール業はFlorida時代以来になるはずだが、そのころからRBへのパスに頼りがちだという噂。
ただ、ゲームプラン作成にはSirianniも噛むのでそれほどおかしなことにはならなそう。
Steichenのエッセンスもしっかり入っているはず。
期待してます。
DC Sean Desai(Boston Coolege)40歳 1年目
本当はVic Fangioという名伯楽が座る席だったところ、前任のG*****がNFC決勝直後にタンパリングとなるARIとの会話をしておきながら、公式には"残る"宣言(大ウソ)をしたことでFangioはPHIを諦めてMIAに行ったという経緯。
事実かどうかは知らんが、Fangioはそう思っているのでこちらもそう思っておく。
SBでやらかしてPHIで生きていけなそうになってから砂漠に逃亡したあの大ウソつきハゲに対しては本当に文字にできない感情しかない。
最近もSirianniの株を下げるような発言をしてたな。読んだぞ。
これ以上株の下がりようがない人間は強いですね。
間違えたDesaiの話だった。
Fangioの弟子にあたるのでスキームは似たようなもの。
もう一人の有力候補だったDennard Wilsonとの違いは、Desaiのほうが"爆発的なプレーを防ぐ"というSirianniの思想に合致したから、ということだそう。
なのである程度は前任者Defenseと似通るはずで、こちらの最大の願いは、どうかあの選手の配置とかプレーコールに表れていた救いようのない消極性まで似ることがないように、ということだけです。
外観
2023シーズンのロスターについて、やはり気になるのは1年前の2022シーズンとの戦力比較。
Offense・Defenseに共通する懸念事項は、核となるベテラン軍団の加齢による衰え。
Offenseに明確なダウングレードはなく、Defenseでは唯一核が抜けて現時点では確実に去年より落ちるDTにも、JCが入ったことで長期的には楽しみが増えた。
Offenseの上積みがやや地味だが、ここはRBの補強、特にパスでも輝けるRB(Swift)が入ったのは幅として大きいはず。地味だが。
あとはQuezの成長待ち。
Defenseの上積みは、JCがHargraveと相殺だと思うとNolan・Sydneyがそれにあたる。
ちなみに、あまり現地も触れないが、STのダウングレードがひどいのでここはある程度腹をくくっておくしかない。
総じていうと、現時点での完成度は2022に劣るが、飛躍が期待される2年目・3年目ぐらいの選手がこの間のいいドラフトもあってそれなりに充実していることもあり、シーズン終盤にかけて戦力は2022を上回っていく想定。
いいロスターだと思います。
今シーズンも長く楽しめますように。
GO BIRDS!!