鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2022シーズンのお仕事(TE篇)

オーナー・GM面談に進んだとされるVance Josephだったが、結局一度もPHIに来ることなくDENのDCに収まった様子。

というわけでOC・DCともに空席のチームはPHI1つに。
ここまで引っ張るとは思わなかった。

 

OCはBrian JohnsonでDCはDennard Wilsonという両内部昇格候補が有力なのだろうが、その場合でも空席になるQBCとDBCを探す作業が必要。
コーチ人事、せめて両Coordinatorは固めてからコンバインに行った方が良いのでは?と思っているのでさすがにこの週末にはなにかあっていただきたい。

 

ではTE振り返りです。

 

 

2022シーズン開幕前

開幕前の陣容は以下の通り。

 

StayDallas Goedert('18/2巡)・Jack Stoll('21/UDFA)・Tyree Jackson('21/Street FA)
OUTRichard Rodgers('21/Street FA)
INGrant Calcaterra('22/6巡)・Noah Togiai('22/UFA・IND)

 

長らくチームの顔であったErtzが去ってGoedertにとっては初めてのTE1で迎えるシーズン。
Ertz→Goedertへの移行自体に一切懸念はなかったが、問題はその次であった。
TE2が明確に不在だったところにその候補生としてCalcaterraは獲ってきたものの全面的に未知数だった開幕時の想いは以下だったようです。

 

TE(3)

 

キャリアで4捕球しか実績のない選手がTE2です。いかがでしょうかこの陣容は。Goedertが抜けたら終戦の予感しかない。

 

#88 Dallas Goedert(South Dakota State)6'5"(196cm)256lbs(116kg)27歳 5年目(3.7M・1/4)

2021:15試合(先発14試合) 76ターゲット 56捕球 830yds(avg. 14.8yds) 4TD

昨季途中にデカめの契約延長をしたエースTE。

2021シーズンではルートラン当たりの獲得ヤードという指標でリーグ6位という実績を残したようで、数字的には立派だが敢えて挙げるとするなら、TDが少ない。

10TDを期待したが、ゴール前で高さを発揮するような場面もなかった(多分に投げ手側の問題)のがやや不満。

Kelce・Kittle・Andrewsあたりが形成する、ひとりで試合を変えられるリーグトップTE軍団には現時点でやや劣る印象。
堅実なキャッチ力とか競り合いの強さという面もあるが、何よりブロックが結構良い万能型。そして皮肉なことに、これがこの人の印象を地味にしている要因かもしれない。
あまりニュースにはなっていなかったが、キャンプも非常によかったらしい。 AJ加入のうまみは受けられそう。
ワイルドカードTB戦の出来は散々で、あの試合に関してはブロックもレシーブも物足りなかった。ああいう試合でこそ結果を残してほしいというのが今季の期待。
数字的には80捕球900yds8TD。
それとPitts(ATL)とかSchultz(DAL)を差し置いてKittleの次点で良いからプロボウル選出。

 

 

#89 Jack Stoll(Nebraska)6'4"(193cm)247lbs(112kg)24歳 2年目(0.8M・2/3)

2021:16試合(先発5試合) 5ターゲット 4捕球 22yds(avg. 5.5yds) 0TD

2021のUDFAはあまりテストもされないままにTE2として2年目を迎える。
2021PHIの特殊性というか、求められていたのはほぼブロッキングだったので捕球実績が少ないことは良いのだが、そのブロッキングでもこのプレシーズンはあんまり輝けていなかった。
彼の良さはどこにあるのだろうか。それを確認する2年目。

 

 

#81 Grant Calcaterra(SMU)6'4"(193cm)240lbs(109kg)23歳 ルーキー(0.7M・1/4)

2021:なし

2022のドラフト6巡198位指名。
脳震盪の影響で一時引退して消防士を目指したが、その後復帰。Oklahoma時代はHurtsのチームメイト。

ハムストリングの負傷でキャンプの大部分をお休みしたが、復帰後はプレ3も含めてまずまず。
レシービングTEとして一刻も早くStollからTE2を奪ってほしい存在。
とりあえず目標は大ケガをしないこと。14試合出場。

 

 

<PUP>
#80 Tyree Jackson(Buffalo)6'7"(201cm)249lbs(113kg)24歳 2年目(0.5M・2/2)

2021:9試合(先発3試合) 7ターゲット 3捕球 22yds(avg. 7.3yds) 1TD

並外れたフィジカルツールを持つ莫大なポテンシャルを持つ気がする男。
終戦のパントカバーでSipossのシャンクをカバーしに行っての自損事故でACLを切ってしまったのは誤算だった。
QBからのコンバートということでDarren Waller(LV)になってほしいという期待は常々吐露してきたところではあるが、ケガに加えてCalcaterraの加入もあり将来は不透明。とりあえずは一日も早い回復を願っている。

2022シーズン53紹介 - 鷲の巣

 

 

2022シーズン結果

※数字はプレーオフを含みます。

WASのJamin Davisに壊されたGoedertは、その後の5試合の欠場が響いて去年より数字を落とし、プロボウル等にはひっかからず。
うむ。あの時の怒りが新鮮によみがえってきた。

 

とはいえ残した数字は立派なもので、レギュラーシーズンに限定すると12試合702ydsで58.5yds/Gameということになるが、この数字はTEに限定するとあの偉大なるTravis Kelceに次ぐ2位
とはいえ比較対象のKelce弟が残した78.7/Gという異常値と比べるとだいぶ見劣りする。
ヤツがAll-Pro投票で1位票を全数かっさらったのもよく理解できる。

 

Offenseのなかの位置づけで言うと、如何にAJがAJであってもGoedertはGoedertで重要な部分を担い続けていた。
Hurtsとのコンビネーションにおいて一日の長があったGoedertは、序盤から中盤にかけて2021シーズン同様にフィールド中央やや浅いところを主戦場とし、そこからのRACで大活躍。
目立ったのはそのスクリーンプレー。
この大男は意外とブロッカーを使うのが上手くてスルスルと抜けていく。

最大の強みはRACだったとしても競り合いも強いし今季もよく見せてくれたワンハンドキャッチに代表されるボールスキルは巧みだしセパレートも上手いしブロックも強いとあればいよいよ完成されたTE1。

 

AJ・DeVontaがいるチームに於いてはあまり傑出して見えることがないのでプロボウルとかその先に選ばれるのは難しいのであろうが、安定してOffenseが出る源はこの人です。

 

 

Stollは、まあできる範囲でやってくれましたかね。
気になったのはブロック、特にプロテクションがちょっと下手になった気がすること。
Divisional Round NYG戦でも漏らしていたしブロック枠の人があんなことじゃ困ります。
しかしGoedertが抜けていた期間、もう少し何かできるかと思ってましたがレシービングTEとしてはまだまだですね。
しかし敢えて褒めるとするなら、15回投げられての12キャッチという率は結構高い。
レギュラーシーズンのStollターゲット時のレーティングは103.3だったそうでなかなか良い数字。
そっちに成長していくんですか?

 

 

期待していたルーキーCalcaterraだが、デビュー戦となったWeek3の40ydsレシーブこそ素敵だったがそれ以降はあまりお目にかからず。
2年目はがんばりましょうね。

 

 

Next Darren Wallerになってくれという期待だけが大きかったTyree Jacksonだが、結局PUPから復帰してちょろっと試合には出た(Goedertが不在だった5試合で34スナップ0ターゲット)ものの、改めてのIR入り。
ACLからの回復には2年かかると思っている(復帰初年度で活躍できる例はごくわずか)のだが、それにしても、ではある。
ちょっとこのプロジェクトはかなり厳しくなってきた印象です。

 

Noah Togiaiだが、残念ながら彼はもうここにはいない。
彼は砂漠へ行った。

 

 

2023シーズンに向けて

契約的には以下。(数字はキャップヒット)


ちょっと待て変な奴がいる、と驚いたそこのあなた。落ち着いてほしい。
私も驚いている。

 

現在PS(正しくは、Reserve/Future Contract:オフシーズン中のPS的位置づけ)にいるDalton Keeneは、Virginia Tech出身の6'4"(193cm)253lbs(115kg)というTEとしては中肉中背のようなサイズを持つ。
スピードも4.71なので本当に普通。


2020ドラフトにおいてDay3、具体的には6巡ぐらいでの指名が見込まれていたのに、Bill Belichickという稀代の名HCと目も当てられない凡GMの才能が同居する男に3巡101位という爆裂リーチ指名された結果、案の定3レシーブ16ydsという輝かしい成績を残し、2021シーズンをずっとIRで過ごしたのちに放出されていた選手。

 

PHIとは9月にPS契約ののち、10月に放出されている。
その後DENと契約してシーズン終了後、再度PHIのPSに。
どうせなにも起こらないとは思います。

 

 

その他で言うと、Tyree Jacksonの契約が2022シーズン限りでERFAとなっている。
素直に放出するに1票入れておきます。

 

 

ここからが本題だが、Goedert以下があまりにもいなさすぎるのでこのドラフトでは何かしていただきたい。
 ErtzがいながらGoedertを指名したのはErtz5年目の終わりだったので、Goedertにとってのこのオフと同じタイミング。

 

WRの項でも述べたが、2025のキャップが破裂しそうになっているので、このタイミングでいろいろ決めねばなるまい。
次のエースTEの見極めには最低2年欲しかろうと思うので、2024に向けてこのタイミングは上位指名に非常に適切。

 

GoedertがいるのにもうTE?という声があるのはわかる。
だがKCに撲殺されたあとだからわかる。
このリーグで勝つためにはOffenseへの一貫した投資が必要不可欠。
そして大切なのはパスオフェンス。
だからRBへの投資より優先される。気がする。

 

ただ、TE2に行くならやはり2巡以下。
2023ドラフトにおけるTEプロスペクトはかなり厚いというかアツいようで、Michael Mayer(Notre Dame)・Dalton Kincaid(Utah)あたりがTop Tierなのだろうが、それ以下にも多種多様な人材が揃う。
チラッと見た感じではSenior Bowlで各種評価を上げたLuke Musgrave(Oregon State)とかPayne Durham(Purdue)も良さそうだが、気になるのはJosh Whyle(Cincinnati)とTucker Kraft(South Dakota State)。
前者はKelce兄弟の後輩で、後者はGoedertの後輩。

 

WhyleはQBがRidder(ATL)だった2021に輝いたが、2022もTD数こそ落としたがさほど成績は変わらず。
メインのお仕事がブロッキングで、そちらもかなり優秀だとお見受けしたが、ダウンフィールドに出てもそれなりにスピードはありそうだしキャッチも堅実。
なによりサイズがあるのでエンドゾーンでの新たな武器になりそうでわくわくする。
3巡とかでいけるんでしょうか。

Kraftは、Whyleほどの魅力を感じないのがそのキャッチ力と、ブロック力もちょっと落ちるとお見受けするところ。
こちらの場合は確実にDay3。
ただ、憧れのGoedert先輩に師事した場合どうなってしまうのかはとても興味深い。

 

いずれにしてもStollとCalcaterraの成長待ちというだけでは不安が拭えないポジションなのでなんらかの手当は期待しておきます。

 

 

GO BIRDS!!