FangioがMIAで揉めたのは、"すぐパーティに行こうとするやつらをフットボールに集中させようとしただけだ"という話が出ていたので、それをまっすぐに信じることにします。これで安心ですね。PHIで揉めることはないでしょう。
じゃあDENで揉めたのはなんだったの?
とかは聞かないでください。都合のいい情報だけを信じるのです。
ではWRの振り返りです。
やっぱりその前に少しばかりのニュースを。
コーチニュース
正式にOC Kellen Mooreがアナウンスされた。
Welcome to Philly, Coach Moore!#FlyEaglesFly pic.twitter.com/LUnVI6mFsx
— Philadelphia Eagles (@Eagles) 2024年2月5日
そして飛び込んできたのが、確報ではないが、"DENのDBC Christian ParkerがPHIに来る"というニュース。
ちょっと待てJoe Kasperわい。というのは措く。
というか彼はSafety Coachらしいので誤報ではなかった。
Patrick SurtainとJustin Simmonsを育て上げた御仁がやってくると聞いて興奮しないわけがなかろう。
ParkerはFangio同様PHI近辺の出身かつFangioとは2021シーズンにDENで一緒に仕事をしている御年32歳。
ベテランでそろえるのかと思いきや、若いが実績は十分のこんなコーチを連れてくる。
全く最高だとは思いませんか?
そしてもう一人Defenseのポジションコーチのインタビューを受けていた、Joe Barry(前GB DC)がMIAのLBCに就任することが発表された。
ということで残るLBCはMike Caldwellしかなかろう。
Defenseのコーチは最高の布陣ではないでしょうか。
そしてQBCも噂になっていたDoug Nussmeierで確定という話。
というわけで振り返りましょう。
QB:Alex Tanney→Doug Nussmeier
DL:Tracy Rocker→Clint Hurtt
LB:D.J. Eliot→Mike Caldwell(仮)
DB:D.K. McDonald→Christian Parker
S(新設):Joe Kasper
こんな感じでしょうか。
実にいいと思います。
ではようやく本題に。
開幕前の期待
OUT:Zach Pascal('22/UFA・IND→CAR)
Stay:A.J. Brown('22/Trade←TEN)・DeVonta Smith('21/1巡)・Quez Watkins('20/6巡)・Britain Covey('22/UDFA)
IN: Olamide Zaccheaus('23/UFA・ATL)・Julio Jones('23/SFA)
SBでの衝撃的落球もあったQuez Watkinsを、Sirianniは"Quezはいい仕事をしている。"とかばい続け、いぶし銀の輝きを見せてくれていたPascalを放流し、FAでは確かに欲しかった浅いエリアで活躍を見込めるZaccheausを補強したもののそれとてベテランミニマムであり、極めつけはドラフトでのWR指名なしという所業で終わったWR補強。
補強というか現状維持でしかなかった。むしろ対策される分マイナス。
それでもA.J.とDeVontaがいるし、同一スキームでプレーすることによるHurtsとのコンビネーションの成熟によりなんとかなるかと思っていたところもある。
Sirianniが言うように、確かにこれ以上ターゲットに投資したところでボールの配分を巡る不協和音とかが流れてきそうだったし。
そんなWRに関するシーズン前の気持ちは、やっぱり楽観寄りだったようですね。
こんなお気持ちだったようです。
WR(4)
人が少ないと思いつつ、よく考えたら去年も4人しか開幕ロスターにはいなかったのがこのポジション。
今季もどうぞよろしくお願いします。
#11 A.J. Brown(Ole Miss)6'1"(185cm)226lbs(103kg)26歳 5年目(8.3M・1/4・22-T-TEN)
2022:17試合(先発16試合)145ターゲット 88捕球 1,496yds(Avg.17.0yds)11TD *All-Pro 2ndチーム/プロボウル
衝撃のトレードで加入後、即キャリアハイ。
"Always Open"のあだ名通りHurtsの頼れる相棒となり、SB進出の間違いなく大きな、というかほぼ最大の原動力になった男。
Hurtsとのコンビも実はこれで2年目。
別に合わないな、という場面を見た記憶もないが、ますます熟成することが期待できる。 オフシーズンにはスピードも上がったそうでまだまだ天井が見えないスーパースター。
ケガだけ、本当にそれだけないようにお願いします。
#6 DeVonta Smith(Alabama)6'0"(183cm)170lbs(77kg)24歳 3年目(5.5M・3/5・21-D1-10)
2022:17試合(先発17試合) 136ターゲット 95捕球 1,196yds(Avg. 12.6yds) 7TD
5年目オプションの行使は2023シーズン終了後の選択のはずですが、もう決まっているのでいいでしょう。
この2年、ずっと期待を上回り続けてくれた男。
特にA.J.とコンビを組んだ昨季の活躍はまさにアンストッパブル。
この細身でコンテストキャッチにも無類の強さを発揮するんだから全くどこをけなせばいいのか。
Goedertの欠場によって数字を伸ばした昨季なので、RBも充実したこともありさすがにまた1,000ydsを越えてくるかはわからないが、A.J.・Goedertと合わせてどこかは空いているという状況を常に作っていっていただければ数字はどうでもいい。
シーズン中には父親にもなるはずで、ますますの躍進を期待している。
ちなみに、雨でとても冷え込んだJAX戦のサイドラインの映像で、用具管理のスタッフにめちゃくちゃ頻繁にあれくれこれくれと要望を出すDeVontaの映像が公式によってファニーに描かれて流れていたが、DeVontaは人知れず世話になった裏方のスタッフたちを76ersの試合に数回招待していたそうです。
なんていいやつなんだ。
大好きです。だからこそ言うが、毎朝マックグリドル食うのやめろ。
#16 Quez Watkins(Southern Miss)6'0"(183cm)193lbs(88kg)25歳 4年目(2.8M・4/4・20-D6-200)
2022:17試合(先発8試合) 51ターゲット 33捕球 354yds(Avg. 10.7yds) 3TD
A.J.・DeVontaにない"傑出したスピード"という武器をQuezが存分に活かすことでとんでもないOffenseに仕上がるんだ、という期待は儚くも散った。
ただしくは、その使い方だけでいけばたまの落球にだけ目をつぶればよかったので問題なかったが、SirianniはSlotエリアでQuezを使ってしまったのが失敗。
というか、Goedertが不在になった期間のそのエリアの弱さを彼で補おうとしたのが大失敗。
その結果が無残なDAL戦での2INT。
スタッツとしてはMinshewに"2INT"として残るのだろうが、あれはどっちも絶対にQuezの責任。
とはいえさすがにルーキー契約の最終年となる4年目。
いつまでもDefenseがいないオープンフィールドでのびのびパスを捕る仕事だけされても困る。
プレースピード・ルートラン・コンテストキャッチ。
課題のこの3つのうちどれか2つが成長してないと本当に困る。
このオフは早々からSirianniにかばわれ褒められ続けていたが、その成果がどうなっているのかは試合でお目にかかるまでわからない。
すがるような思いで試合を見ることにしましょう。
#13 Olamide Zaccheaus(Virginia)5'8"(173cm)194lbs(88kg)26歳 5年目(1.1M・1/1・23-FA-ATL)
2022(ATL):17試合(先発13試合)61ターゲット 40捕球 533yds(Avg. 13.3yds)3TD
発音は"オラマデ・ザキアス"です。もっと詳しく言うと"オゥラマデイ・ザァキィアス"です。面倒なので"OZ"表記でいきます。
Swiftと同じ高校出身のPHIっ子。
キャリアハイはMariotaと組んだ2022シーズン。
サイズも小さいし40yd4.49というスピードも特筆すべきものではないが、そのフィジカルツールからも欲しくて仕方ないHunter Renfrow(LV)に通じる雰囲気がある。
あれほどクイックネスがとびぬけているわけでもないが、狭いエリアでも十分な集中力があるので、このエリアに放つならQuezよりよほど適任。
彼がいることでQuezも得意な仕事に戻れるだろうし、高い確率でやってくるGoedertのケガの時にも攻撃のバリエーションは維持できそうという意味でも非常にいい補強。
Coveyには劣るがPunt Returnerも務められるのでこのお仕事も注目。
53ロスター紹介2023 - 鷲の巣
結果
(数字はレギュラーシーズンのものです)
*A.J. Brown:All Pro 2ndチーム/Pro Bowl
すべてが裏切られた。
確かにA.J.は中盤鬼神のごとき活躍を見せてくれたし、DeVontaは欲しいところでいいレシーブを決めてくれた。
だがやっぱりQuezはケガもあって何の戦力にもならなかったし、Zaccheausにはボールが飛んでこなかった。
Quez離脱時にストリートから拾ってきたJulioにしてもそう。
球が飛んでこない。
空いていなくてもHurtsはA.J.とDeVontaにしか投げない。
QBの項でもしこたま貶したのでこれ以上は言わないが、まあすべてはスキーム構築とパスパッケージデザインとゲームプランとQBのコーチングというコーチ陣の無能によるもの。
A.J.は中盤以降ぱったり当たりも止まったし、DeVontaにしたってDefenseが予測というほどのものでもなく来ることが理解できるサイドスクリーンにしか使われないんだからYACの成績は伸びなかった。
A.J.に関していうと、TEN時代にはスラントの達人として鳴らした存在だったのを、PHIに来てからディープもイケるところを開発したのがSteichenであった。
だがSteichen後のあいつらときたらそれを2年目も同じようにしか使わないんだからそりゃセパレートも捗らない。
コーチ陣の変更に際して、"俺は与えられた仕事に集中するだけだからコーチが誰かは気にしない"という大人なコメントを残していたが、まあA.J.さん的にも愛想をつかしたところはあるんでしょう。
A.J.は言うに及ばず、DeVontaもA.J.が抜けたWild Card Roundでの目の覚めるような8回148ydsでもわかるようにもうちょっとやれるはずなんだがな。
もうちょっとやれるはずのラストピースは明らかに使い手ですよ頼んだKellen Moore。
来季に向けた展望
キャップ事情を考えると何とも勿体ないシーズンであったと思ってしまうのが、このポジションの今後。
2025シーズンまでDeVontaを囲うのは当然として、Pro Bowlにこそ選ばれていないが出場スナップ数が相当に多いのでこの水準だそう。
ちなみにDALのParsonsはEDGEカウントなのでクラスオブ2021最高額となる23Mの5年目オプション額になるのだそう。頼むから揉めてくれ。PHIに来い。
話は戻ってDeVonta。もちろん契約延長が妥当。
5.3%のドロップ率はリーグの先発級WRで代替中位ぐらいだしNYJ戦での2ドロップはちゃんと敗因になったが、やっとドラフトで当てたんだ。このキャプテンを残さぬ手はない。
だから今ドラフトにおいて1巡をWRに使うようなことがあってはならない。
期待の源は何度でも繰り返すがKellen Moore。
MooreがDeVontaをSlotでどう使うかは楽しみでならない。
もちろんA.J.についても同じことが言える。
A.J.とDeVontaはどちらもSlotとしての能力も高く、どちらも外の能力も高い。
使い分けもこれまで明確ではなく、ややA.J.のほうが浅めが多いかな、ややDeVontaのほうがディープが多いかな、というぐらいだったが、さてここに持ってきたら面白いのはどんなタイプでしょうか。
地味に一番フィットしそうなのはJulioなんだがさすがにそれはないか。
ドラフトするのであれば大外もできる選手、例えばXavier Leggette(South Carolina)とかがベストだが惚れ込んだこの男はたぶん1巡を外さんでしょう。
仮に2巡まで落ちてくることがあるならば、CBに2巡の上の方の指名権で使う前提で、下の方で指名して良し。
ちなみにSenior Bowl組ではRoman Wilson(Michigan)・Ladd McConkey(Georgia)・Ricky Pearsall(Florida)という有名どころのほかだとMalachi Corley(Western Kentucky)なんかも良かったようなのでもちろんこの辺りはレーダー圏内。
個人的にはPearsallのFloridaでの相方であるEugene Wilson君が一番気になっています。まだTrue Freshmanイヤーが終わっただけですが。
下位ならShrine Bowlの練習で大暴れしたと聞くJoshua Cephus(UTSA)。デカくてスピードもあって手が確かでセパレートもできるとはいったいどうなっているのか。
3日目なら大スティールの予感。
まだ研究が足りないところではありますが、今ドラフトでも調べないといけないのが本当に残念(楽しい)。
A.J.に続いてDeVontaが大型契約となる以上、その次をドラフトで当てることは本当に大事。
どうせFAはベテランミニマムでしか獲らないんだろうから、Julio+もう1人をFAで獲ってドラフトに臨むという体制はいかがか。
Kellen Mooreにかかってくるところは大きいが、だからこそ楽しみなポジションでもあります。
あ、Quezはさよならで結構です。