どんなロゴを背負っていても嫌いになれない選手というのはいる。
私の場合はDak・Micah Parsonsという見事な負け顔を披露してくれる2人と、そしてTyrod Taylorがそれにあたる。
最初からTyrodが出てきてたら試合は全然違う展開と結果になっていたでしょう。
結果:PHI 33-25 NYG
現状の鬱屈した雰囲気も、勝利さえ手に入れば何かが変わるかと思っていた。
が、(STの)ファンブルロストとか、Goedertのスリップという不運があったにせよHurtsのPick-6とか、大量の反則とかのコーチ陣仕事してんのかと言いたくなるような過去に嫌というほど見せつけられた課題によって勝手に減速して最後までもつれにもつれるという実にモヤモヤしただけの勝利1つでは何も変わらなかったようですね。
主なスタッツ
見てくれこの投げ分けを。
2週前は3人にしか投げられなかったHurtsがこの日は上位3名への完璧な割合でのデリバリーに併せて総勢7名への投げ分け。
CalcaterraとGainwellへのチェックダウンパスには目頭が熱くなりましたね。
私はまだまだこいつを諦めない。
そしてこの試合のGame Ballは紛れもなくCovey。
試合の頭のビッグプレーで3連敗中のチームにのしかかるプレッシャーを軽減しただけでなく、待望の先制TDをもたらしてその後の展開の難易度をグッと下げ、さらにOffenseでのキャリア初レシーブというおまけまで獲得したこの男なしでこの日の勝利は考えられませんでしたね。
Britain Covey is so dangerous as a punt returner
— NFL (@NFL) 2023年12月25日
📺: #NYGvsPHI on FOX
📱: Stream on #NFLPlus https://t.co/2Mgsj0ajbL pic.twitter.com/PCveiMhTwq
現状のPunt Returnの409ydsはリーグトップ。Average14.6ydsはリーグ2位。
今回も渇望していたリターンTDまでは惜しくも届かなかったがこれはもう立派な武器です。
プロボウル行ったれ。
良かった人たち
-
Coveyは言及したのでそれ以外となると、やはりKelee Ringo。
PFFも80.6という高い評価を下しているように見た感じ完璧であった。
詳しく見てみると…完璧だった。
試合を締めくくったINTが評価を上げているところはあるのであろうがそれ以外のプレーでもやられたところは見当たらなかった。
NYGのWR陣のレベルがお察しだというところはあろうが、2試合連続でのこのパフォーマンスはとても素晴らしい。
この2試合のRingoおよび地味に外CBとしていいパフォーマンスを見せ続けているRicksの成長を以って、今ドラフトにおいてCBニーズが(現時点では)大幅に下落したことは白状しておきます。
誰も指名しなくていいとは言っていません。
Maddoxのところを埋められるクイックネス豊かなタイプは欲しい。
ただ大外を務められるCBほどフィジカルツールに関する要求値は高くなくていいはずなので3日目ぐらいの指名権で何とかなりそうだという感触です。
- ここ数年ご本人が忘れていたような鋭い上がりで1サック2TFLを決めたShaq Leonard。
あれがまだできるならカットにはならなかったのではなかろうかという切れ味でした。思い出してくれてありがとう。
本業のパスカバレッジのほうはまだ少し足りない気もするしTyrodのSpyとしてはスピード不足だった気もするがあのランストップが見られただけで満足。
この調子でどんどん思い出していってください。
- LBついでに、この試合がキャリア初先発となったVanSumerenは期待をはるかに超える出来だった。
さすがにEllissをカットしてまで残しただけのことはある。
Ellissより運動能力は高いはずで、それが守備範囲の広さに現れてくれるとなおよい。
心配していたvs OLの処理も特に問題なし。
UDFAからT.J. Edwardsのように長く貢献してくれればそれほどありがたいことはない。
ARI戦は本来の先発であるCunninghamもMorrowも復帰しそうな情勢なのであまり出番はないかもしれませんが、引き続きがんばってくださいませ。
プレーオフまでどうでもいい試合が続くと思うとこういう選手をこそ試してほしいがさてどうでしょうか。
Offense
良かったこと
- ビッグプレー信奉を自重した結果恐ろしく縮こまったOffenseになったが、まあバランス的には悪くなかったし、上述したようにHurtsがいろいろ投げ分けていたのは非常に良かった。
チェックダウンに投げられてうれしい、という感想を年俸50M男に対して抱くことが正しいのかどうかには甚だ疑問だが、まあ現状はそんなもんです。
- やっぱりGoedertをいいタイミングで使えるとOffenseは活性化する。
これを肝に銘じて、今後もバランスを崩さずにやっていっていただきたい。
Slotの正解はDeVontaだな。
ということでNO.1で使えるWRをしっかりドラフトで探しましょうね。
気に入らないこと
- わかってたはず。
先方DCがBlitz狂であることぐらいは。
結果的に1サックという結果はそれでいいのだが、あまりにもホットルートの準備が少ないのではないか。
ここはSteichen時代からそうだったデザイン上の問題なのでおそらく責任者はSirianni。
結果的にHurtsがチェックダウンにちょいちょい投げられていたのはそれでよいとしてこのデザインセンスのなさはなんとかならぬものか。
- 相変わらずなのは出たプレーを続けないところも同様。
アンダーセンターからのプレーアクションは、歴史が有効なのを証明している戦術であるはずで、なによりもこの試合では久方ぶりにちょこちょこ使った。
それをなぜすぐにひっこめるのか。
このあたりはプレーコールの問題なのでおそらくBrian Johnsonが責任者。
本当にいい加減にしてほしい。
Defense
良かったこと
- 上に書いたことと完全に重複するが、DB陣が改善した気がした。
若い戦力が躍動するところはいつ見ても気持ちがいい。
それが主力離脱中という危機のさなかであればなおさら。
そろそろMaddoxが復帰したらこの試合不安定だったRobyの出番も減ってこよう。
Bradberryもやられた風で映っていたが実際は最悪期よりましだったはず。
Bradberry・Ringo・Maddox・Blankenship・Byardという並びなら戦力的にはピカピカに見える。
さてどうなることでしょうか。
もう少しましなDefenseを期待しております。
気に入らないこと
- あまりにもかからないパスラッシュ。
Eavnsがどんなレベルかはさておき正RTを欠くNYGに対して1サックとはどういうことか。
BGを3テクあるいは1テクに起用するパッケージは割と機能していたはずだが、仕留めるところまでは全然いかない。
出足はリーグ有数の速さでありながらそこから仕留めることができないSweatは何を悩んでいるんだろうか。
願わくば彼の負担をもう少し減らしたいのだが、それはドラフトでやりましょう。
今できるのは正座してNolan Smithの成長を願うことだけですかね。
- そのNolanの使い方が意外だった。そして全然機能してなかった。
何を平然とOff-Ball LBで起用しているのか。
そりゃ無理だし期待してないしそっちに成長されても困る。
あまり不満はなかったが、Patriciaさんよ。それはいただけませんね。
- 守備範囲は広いし、トリックプレーに対していい判断も見せていたSydneyだが、もう少しクールにプレーはできないものかね。
懸案のミスタックルは、PFF調べではこの日はゼロと改善していたが、代わりに余計な反則をもらっていたね。
熱いのはいいんだがそれの出しどころがずっとわからないというのはよくないのですよ。先ごろそれで不良債権と化してしまった元ドラ1の処理に成功したところ。
ああいう方向に成長されてしまうと困るし、若干そんな嫌な未来も見えたのでここに備忘として記録しておきます。
今週のCarter
- 11月以降最小となる21スナップ(33%)に終わったCarter。
少ないスナップのなかで特に目立ったプレーもなかった。というかいつも通りインサイドムーブで抜こうとするのがさすがに対応されていた印象。
- ちなみに、あまりにもしょうもない反則を繰り返す(正確には1つだけだがフォルススタートになったアレは、状況を考えると動かない賢明さは欲しかったところ)もんで懲罰的にスナップ数を限定されたのでは?という現地推測にはSirianni・Patriciaともに明確に否定していた。
単なるマッチアップ上の問題だった様子。
まあね、望外に大ベテランFletchが好調を維持していることもあるので今は大丈夫だがプレーオフではよろしくお願いしますよ。
- ただ、やはり最近のパフォーマンスの低下に関して、いわゆるルーキー特有の壁にブチ当たっていることは事実で、Patriciaによると、カレッジ時代より試合数が増えることも大きな要因だそう。
どういう乗り越え方をするのかわからないが、乗り越え方を知っているベテランは多数いる。
FletchとBGからいろいろ盗むのだ。先達はそのためにいるのです。
結び
「それでも勝った」みたいな言い方はよく聞くが、「あらゆる方法で勝ちを拾う」みたいなのは目の前が暗くなりそうなほどのケガ人に見舞われながら、それでもなお11勝を挙げたCLEのコーチ陣に贈られるべき言葉であり、圧倒的戦力を擁しながら大事なところで勝手に躓いてはよろよろと進みだすような試合運びをしているチームのコーチ陣に与えられるべき言葉ではない。
単に仕事の質が悪いだけであろう。
このままじゃ敵地でのNYGとの再戦はあまり盛り上がりもせずに負けそうですね。
Sirianniよ。ない頭を絞って何か変えられないかよく考えるんですな。
予想外にフラストレーションがたまるというかいいことがなかった12月だったが、プレーオフではなんとかしてほしいところ。
誰に何を、という明確なものはもはや持てないが、選手たちが個人の力を結集してこの停滞を打破してくれることにだけは一縷の望みを持っている。
(ARI戦はまだ現地大晦日なようですが)2024もよろしくお願いします。
というわけで2023年の投稿はこれにて最後となります。
今年もお読みいただいた皆さま、本当にありがとうございました。
PHIファンの方も、そうじゃない異教徒の方も、皆さまの2024年がいい年になることを願っております。
よいお年をお迎えください。
GO BIRDS!!