鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2023 Week6 @NYJ感想

武器が欲しい。

切実に武器が欲しいと思った。

 

結果PHI 14-20 NYJ

 

 

展開振り返り

負けたので詳細割愛。

割愛するが、自滅以外の日本語は当たらない。

 

良かったプレーももちろんいっぱいありました。だがこういうときに心に残るのはやはりうまくいかなかった場面ですね。

というわけで敗北の気配を嗅いだ場面をいくつか。

 

  1. 1Q残り8:42
    PHIボール・NYJ陣48yd地点からの2nd&1
    Lane、負傷退場。
    状況次第ではシーズン自体が終わりかねない深刻な事態。
    そして、結果から言うと、シーズンエンドという最悪の事態こそ避けられたものの、Laneの抜けた穴はこの日の敗北における最大の要因だった。
    さようならJack Driscoll
    何があっても来ドラフトではRTを2日目までに獲りましょう。


  2. 2Q残り1:53
    PHIボール・NYJ陣47yd地点からの1st&10
    BostonのナイスランとGoedertへのスクリーンに加えてQuinnenがラフィングザパサーをしてくれたおかげであっさり敵陣に侵入できた直後、Swiftがクソファンブル
    この2つ前のシリーズでのGoedertのドロップからのINTもそうだが、順調に進んでいた前半の2つのTOは本当に痛かった。
    あと2つ、何らかの形で前半に点が入っていたら結論は全く変わっていたかもしれない。
    ここからJobeのDPIなんかもあってFGを許して14-9での前半折り返しとなった。あれだけ押してたのに5点差である。
    意味がわからない。
    この3点が、今季DefenseがTOから許した初めての失点。
    これが敗因です、なんて前半のプレーに言うつもりはないが、山ほどある敗因のうちひときわ強い光を放っているのは事実。


  3. 3Q残り13:10
    PHIボール・NYJ陣49yd地点からの1st&15
    DeVonta Smith、周囲10yds以内に人っ子一人いない状況でクソドロップ。
    前半にも1つあったのでこの試合2つ目のドロップ。

    これも、試合展開的には前半からの順調なOffenseを引き継ぐ形で後半もスムーズに試合に入れていた開幕シリーズが敵陣に入ったところで起こった事故。
    次のプレーではDriscollとOpetaが同時に虐殺されてサック。
    パントに。
    以降何とかなりそうな気配は戻ってこず、3凡・INT・FG失敗・INT・Downで試合終了。

 

調子が上がればミスが出て、Defenseはよく耐えるもやっぱりOffenseが決めきれない。
そんな試合でしたね。
総じて、負けこそがよく似合うパフォーマンスだったと思います。

 

 

主なスタッツ

 

Hurtsの3INTというと2021シーズンWeek12のNYG戦以来である。

あの日の敗北もこんな感じだった。こんな感じでMetlifeだった。あのスタジアムが悪いという結論でよさそうですね。

 

隠れているが、5サックの内訳はReddickが2.5、Sweatが1、MiltonJDBGが0.5ずつというもの。
サック数は1ながら先方の左側を攻め続けたSweatは本当に良かった。やっぱりあんたがエースだよ。

 

 

良かった人たち

最終的には力及ばなかったが、もちろんいい仕事をした人はいました。

  • Defense
    3INTに加えてSwiftのFumble Lostの計4TOにもかかわらず、そこから許した失点は最後のTDからの8点を含む11点。なおこれが今季初のTOからの失点だそうです。
    実に良い。
    NYJ Offenseに許したのは3FGのみ。
    これでどこをどう責めたらよいのか。
    Slayの穴を埋めたJobeも、Garrett Wilson相手ということを考えると健闘した方だし、CobbへのPBUなんかは素敵だった。

    Jalen Carterという大エースを欠いてこれである。
    Darius Slayという精神的支柱を欠いてこれである。
    MIA戦もDefenseがどこまでできるかは本当に楽しみにしているところ。

    注文を付けるなら、最近ボール獲ってきてくれないね。そっちもよろしく頼みますよ。

 

  • QB Jalen Hurts
    プレッシャー回避からスティフアームスローまですべてが曲芸。

     

    3INTという成績は若干語弊があり、最初の2つはGoedertのド派手ドロップがQuinnenの手に収まったものとDriscollがJermaine Johnsonに瞬殺されて腕を刈られたものなのでHurtsの責は1つ。
    最後の1つは言い訳できないダメINTだったが、とはいえその前の自滅による3TOがなければこのシチュエーション自体生まれていないのであまり責める気にはなれない。
    いや、見れば見るほど"あのシチュエーションでなんであんなところに投げる必要が…?"という気持ちが湯水のごとく湧いてくるのは事実だが致し方なし。
    今宵も枕を濡らそう。
    Laneが退場したあと、ほぼ1試合を通してとんでもない量のプレッシャーを浴びながらよく頑張った方ではないでしょうか。
    この試合も及第点です。(激甘採点)

    ただ、最後のシリーズの最後のプレー。4th&8から奥のDeVontaを狙ったプレー。あれについては、Hurtsが悪い。タイミングが遅い。
    もっと早くに投げていれば余裕で通ったか、もしくはDeVontaがドロップしてた。

    50MのQBにこんなこと言うのはおかしいかもしれませんが、あそこは伸びしろです。

    いみじくも同日に土がついたSFを想定するにあたり、最高の教材がこのNYJ Defenseだったはず。
    そう考えるといい練習になったはずだし、TOの怖さも身に染みたことでしょう。
    ここからタフな戦いが続きますが、一層の飛躍を期待しています。

 

  • WR A.J. Brown
    はいはい神様神様。
    なんなんでしょうあのボディコントロールは。
    意味が分からない。
    NYJ戦後、現地木曜の練習の映像が流れてきていたが、それとてWR陣において一人意味がわからないレベルの動きを見せていた。
    ピンクスパイクがよくお似合いで。
    次もよろしくお願いします。

 

 

悪かった人たち

上に挙げた人以外はたいてい悪かったで良いと思いますが。

 

  • RT Jack Driscoll
    PFFによると8プレッシャーを記録したそうな。
    PHIにおいてこの記録に直近で肩を並べるのは、思い出したくもない2020シーズンのJamon Brownである。
    あのゴミだった彼と同等の成績である。
    かばう要素が何一つ思いつかない。

    だから代わりに、嘔吐しそうな気持ちを抑えてJamon Brownの勇姿を貼っておきます。RGの66番が彼です。


    そしてこの男はこの試合の3日後にクビになっていることを付言しておきましょう。
    Driscollのプレーのレベルがいかに歴史的だったかお判りいただければ幸いです。

 

  • OC Brian Johnson
    じゃあね、そのRTのところにサポートをつけようと思うのが人情じゃないのかね?

    そういうのがほぼ見られなかったのだが。特にプレッシャーの嵐がますます吹き荒れた4Qあたりだよ。
    最終的にはRBのチェックはほぼRTの外側に入れていたが、
    事実として、Lane離脱後のパーソネルは11(1TE・1RB)がほとんどで、これが56プレー81%。
    試合中に何を見ているのでしょうか。
    いったい何を考えているのでしょうか?
    コールシートだけでお腹いっぱいになってるんじゃなかろうな。
    アジャストという概念はないのか。

    プレーコールで気になるのは、3rd Downの多さ。
    SFやMIAが、アナリティクスの推奨事項通り2nd Downで勝負を決めるようなコールをしているのに対してどうも1st Downおよび2nd Downのプレーコールが気に入らない。
    2nd Downで無策なランを見せられたら発狂しそうになるからやめてくれ。

    最初からもっと積極的に行きなさいよ。
    MIA(3rd Down 9.8回/Game)・SF(同11.0回/Game)といったところと比較すると多いほうからリーグ5位タイとなる同14.5回/Gameはあまりにも多い。
    3rd DownをよくコンバージョンするのがいいOffenseなのではなく、プレー選択の幅が、Offenseからすると狭まり、Defenseからすると狙いやすくなる3rd Downを全然迎えずに点を取っちゃうのがいいOffenseなのです。

    というのが、敵陣ゴール前まで攻め込んで3rd&Goal(10)からQBドローとか、4Q残り2:00で3rd&9を作っちゃって1st Downのラインに並んで張っていたDBたちにいとも簡単にINTされちゃったHurtsを見てそんなことを思いました。

 

  • WR DeVonta Smith
    挙げねばなるまい。
    それぐらい、本当にたまにあるめちゃくちゃ調子悪い日でしたね。
    雨の中でも気にせずキャッチを重ねる男が明確なドロップを2つも。
    これまでの貢献に免じて許す。
    次はTuaとWaddleの前での試合です。しっかり燃えてください。

 

 

Sirianniの天井

リーダーとしては素晴らしい。

情熱と責任感があり、知性もあるしそれらが衰えることなく持続しているというのも良い。

ロッカールームも完全に掌握しているし、ポジションコーチ選びも良い。

トータルで大当たりHCだということに異論はない。

 

 

だからOffenseに口出しするのをやめろ。

これ以上やるな。

 

 

Brian Johnsonの試合中のプレーコールに口出ししていることが分かったのが数試合前。
そしてもとからプレーブックおよびGame Planの作成にはごりっごりに噛んでいることがわかっていた。

 

なので、言い訳の余地なく、現状のOffenseの停滞はSirianniの責。
真に有能なら、有能な部下を見つけてきてそいつに任せきるでしょう。
無能な人の特徴は有能な部下を使い切れない、もしくは怖くて部下をみんな無能でそろえることですよ。

 

中途半端に自分の色を入れることで結局あんたの天井がチームの天井になってしまっているとなぜわからない。

 

 

だがこの種の壁にSirianniがぶつかるのが二度目だということを我々は知っている。

一度目は就任初年度である2021シーズン。

自らOffenseのプレーコールをし続けた結果、序盤からスクリーンかタテしかない単調ゴミOffenseに陥った結果のSteichenへのプレーコール権限の委譲。

 

この時は自らのプライドを捨てることで状況を打開した。

見事に打開した。

 

それから2022シーズンまでの体制についてはなんの違和感もなかった。最高だと思った。

 

正直、Brian Johnsonがなんぼのものか何一つ見えていない今、そうすることが特効薬になるかどうかは全くわからない。
わからないが、このまま続けるのが良くないということだけはよくわかる。

 

Sirianniが手を引くというか容喙するレベルを落としてもう少しOCに自由を与えるだけで今よりはマシなOffenseになるのではなかろうか。

そんな気がしているところです。

 

 

武器

武器が欲しいと思った。

HC・OCといった遣い手側に成長が見られず、これ以上革新的な戦術にお目にかかることがないなら、それ以外にできることは武器を増やすこと、鋭くすることしかない。

 

というわけでFAのWRを探していたわけだが、個人的に失敗したのは、Slotエリアで輝けるちびっ子タイプを探していたこと。

 

トレードでRenfrow獲ってくるしかないか、けどOZとタイプ被るしどうしようかな、と思っていたところ飛び込んできたニュース。

Rosemanのほうがよほど上手でしたね。

あんたはほんといい仕事なさる。

 

Julio Jones!!!!

 

このムーブの最高なのは、大外で輝くJulioの加入により、Slotエリアでも輝けるDeVontaならびにA.J.の運用の幅を広げてしまったことである。
つまり、DeVontaがRenfrowになれるということである。

 

これでは嫌でもOffenseの幅は広がろう。

PHIのWR3といえばこの1年あまりQuezが務めてきたところであるが、彼のスナップ率は5割強、1試合だとおよそ30スナップ程度である。

 

この水準だとJulioにとっては直近2年のTEN・TBと同程度の労働量ということになる。

この程度の期待感であれば、つきまとうケガの不安についてもそれほど心配しなくてよかろうというもの。

実にいい補強です。

 

SirianniとBrian Johnsonよ。

間違ってもJulioに浮かれて3WRの運用を増やすんじゃないぞ。わかっとろうな。

 

Julioの通算成績を見たら笑っちゃうぐらい対PHIが得意だったようで。

裏返しとしてPHIファンからすると、もしかしたらATLファンよりも、Julio Jonesというのは偉大な存在として映っているところがある。

 

ランDefenseに苦戦していた去年のLinval JosephおよびNdamukong Suhが大当たり補強だった記憶がまだまだ鮮明ないま、JulioがこのOffenseの閉塞感をなんとかしてくれるのではないかという期待は強い。

が、期待しすぎないようにしたい。

 

緑は…まあ絶望的に似合わんだろうが、がんばれJulio。

 

 

GO BIRDS!!