まとまった時間が取れず放置してしまっていたところ気が付けばキャンプも終盤。
まだプレシーズンゲームもあるのでロスター関係のニュースと合わせてキャンプ・プレシーズンのポジション争いの展望なんかを。
ニュース
ルーキー契約
4巡ルーキーのCB Kelee Ringoと契約。
これにてキャンプ前に無事ドラフティ全員との契約が完了したことに。
CarterとNolanとRingoとMcKeeの紹介が終わっていない気はしているが、UGA3人衆はまあまあ有名だしQBなんかわからないのでいったん見送ります。
活躍するようなことがあれば掘るかもしれません。
ただ、Ringoでいうと相当に時間がかかりそうだと踏んでいたが、先ごろ流れてきた練習動画を見る限り課題のフットワークがかなり改善されている様子なのでもしかしたら今季中にもしかするかも、という期待が芽生えてきたところではあります。
例えばT.J.とかEppsのような、言い換えると"ちょっといいLB"とか"ちょっといいS"では歯が立たなかったKelce弟とか、あるいはKittleのようなモンスターTEを相手にするときなんかに、もしかしてRingoあるいはBradberry(その穴にRingo)のようなサイズのあるCBを中に持ってきて使えるようであればDefenseの幅は広がる。気がする。
ということであんたのターゲットはバイウィーク明けです成長速度を上げていきたまえ。
懐かしい名前
2022シーズンはINDに所属していたOT Dennis Kellyと契約。
比較的計算できる控えが少なかったOTに、経験豊富で左右をこなせる便利な控え候補を補強した形。
2012ドラフト5巡でAndy Reidにより指名された元PHI戦士。
同期はFletch・Kendricks兄・レジェンドNick Folesなど。
その後、Chip・Shurmur(臨時)と激動の時代を乗り切り、2015シーズンを最後にPHIを後にしてTENで5年・GBとINDに1年ずつ在籍。
Pederson時代を経験してないだけでSirianniでPHI4人目のHCになるという、なんというか歴史をよく知るお人。
盤石なOL陣において比較的にしても薄かったのが左右OTの控えで、ここにピンポイントの補強。
Kelly自身は年数試合ならまだ先発でも行けそうなので、ちょこちょこケガするMailataの有事に備えたものとしても、経験という意味でもとてもありがたい。
毎年懲りずにいっぱい獲ってくる若手OT陣の状態が不安になるがこのムーブはナイス。
健康でお願いします。
残念ムーブ
ここまでの3つのニュースはすべてキャンプインまでのモノです。
WR Devon Allenがおそらくオフシーズンの陸上競技でのケガでNFI(Non-Football Injury)リスト入り。
まだ復帰していない。
2022プレシーズンで一瞬輝いたAllenだが、純粋なWRの実力では相当下位にいるはずで、年齢(この12月で29歳)のことを考えてもこのキャンプでなんとか、という期待は大きかった。
世界水準のスピードという並外れた武器はあるもののロスター入りは非常に厳しくなった印象です。
そして、キャンプといえばやはりこの男。
WR Deon Cainとサイン。
Clemsonから2018ドラフト6巡でIND入りするものの最初のトレーニングキャンプでACL断裂。
それも影響してか翌2019シーズン中にINDをカットされPIT→BALと渡り歩いた2021シーズン10月にPHIとPS契約。
2022キャンプとプレシーズンではまあまあ活躍したが、結局ファイナルカットで漏れ、PSでシーズンインするものの10月にリリースされていた。
この春はUSFLで活躍していたようで、Allen(6'1")を失った時点でデカめのWR(Cainは6'2")の代替策としての契約。たぶん。
Pascal流出によりAJ以外計算できるデカいのがいないWR陣。
その枠は空いている。がんばってください。
その他、TEのDalton Keeneがカットされてます。
デプス整理
90名の枠いっぱいに膨れ上がったロスターをポジションごとに整理。
キャンプとプレシーズンでの期待も含めて書いてみます。
太字を53当確者、下線を当落線上の連中、赤字を新加入としております。
Offense(24/45)
QB(3/4)
Hurts・Mariota(SFA)・Tanner McKee(6巡)・Ian Book
- 欲しくてたまらなかったMariotaがキャンプでは大苦戦との報道。
とはいえ初めてのプレーブックですしこれは産みの苦しみだと思っておきましょう。
先発OLに守られてターゲットがA.J.・DeVonta・Goedertなら問題ないはず。 - ロスター争いはMcKee vs Bookのところにしかありえないはずだが、現時点では順当にMcKeeのほうが出番は多いのこと。
それでいいと思います。
RB(4/6)
Gainwell・Rashaad Penny(UFA)・D'Andre Swift(Trade)・Boston Scott・Trey Sermon・Kennedy Brooks
- 最近喧しいのがこのRBポジション。
ここの給与があまりにも安いということでRBたちが吠えているところ。 - だがPHIロスターは見慣れた状況。
ルーキー契約の核が1人とお安いベテランたち。 - 先発かどうかは別として、昨プレーオフからSandersを追い落としていたGainwellが中心。
ケガの懸念がつきまとうPennyとSwiftだが、2人ともここまでは順調。
特にPennyは"環境が最高。ケガをしないようにケアもめちゃくちゃ手厚い"と現チームが大変気に入っている様子。
Rosemanは"2022のケガの少なさは異常値"だと発言していたが、Sirianni体制になってからのケガの少なさはどうやら思い過ごしではなかったよう。
比較対象が異次元にケガ人を出し続けたPederson時代なのでまだ何とも言えないが。 - ロスター争いは、この枠を何人にするのかに拠ってくるので何とも言えないが、仮に4人体制にするならReturnerでの貢献が期待できるBostonまでで堅そう。
ここまで非常に評判がいいSermonを手放すのはつらいが。
仮に3人体制でも、それなりに耐久性があるBostonは優位な気がしており、残る1枠をPenny・Swift・Sermonというタイプが被り過ぎる3名で争う形。 - 新OCのBrian JohnsonはRBへのパスを愛用するので、一見するとこのなかで一番レシーブ能力が高いSwiftのロスター入りは堅そうに見えるが、実はPennyもレシーブ能力が低いわけでもないし、何よりPennyの2000年以降のRB最長となる1回平均5.7yardsを記録しているラッシング能力の高さは捨てがたい。
そもそもGainwellが両面器用にこなせるタイプだということと、RB依存度が高くないためキャリー数というケガのリスクが低いOffenseだということを考えると、個人的にはPennyのほうが魅力的に見えるが果たしてどうか。 - そんなPennyがKick offでリターナーを務めていたようだが、本気じゃないよね?
- 順当に4人残る可能性が結局は一番高そうに見受けられるが、このポジションのロスター争いは本当にわからない。
WR(5/10)
A.J. ・DeVonta・Watkins・Olamide Zaccheaus(UFA)・Covey・Joseph Ngata(UDFA)・Ward・Cain(SFA)・Jadon Haselwood(UDFA)・Charleston Rambo(SFA)・Tyrie Cleveland
【NFI】Devon Allen
- うすい。
- Watkinsが発奮しているようなので先発3名はほぼ確定。
期待していたZaccheausだが、ニュースにこそあまりならないがなかなかのルートランの切れ味で1on1ではいい活躍を見せているようでひと安心。 - Zaccheaus・Coveyと小さめのWRが続くなか、A.J.に次ぐサイズがあるWRがどうしても欲しいところ、ここで結構頻繁に耳にするのがUDFAルーキー・Joseph Ngata(Clemson)。
先発Defense陣相手になにかを見せたとは聞かないが、2ndチームぐらいにはかなり輝いているという話。 - Ngataと並ぶデカWRの候補者だったCainは残念ながら足首を傷めて8月に入ってからは練習できず。
今年も無理そうだな。 - デカSlotとしていい動きを見せているHaselwood(6'2")とかTyrie Cleveland(6'2")の名もちらほら目にするが、台風の目になれるか。
枠をいくつにするかも含めて全く読めない。
読めないが、A.J.・DeVonta・Watkins・Coveyという昨季いた選手は確定っぽい雰囲気。
TE(3/6)
Goedert・Stoll・Calcaterra・Tyree Jackson・Dan Arnold(UFA)・Brady Russell(UDFA)
- Arnoldのニュースなんか全然聞かないが大丈夫なのか。
- 一番見出しが多そうなのがTyree Jackson。
ケガ明けだった2022シーズンに何も見せていただけずほぼあきらめていたところで、MariotaないしはMcKeeとは相性があってきたらしくてなかなかに印象的な動きを見せているのだとか。 - Goedertは万全。
Hurtsとのコンビネーションも成熟の域に達しており、ケガがなければプロボウルぐらい確実。
NFCのTEだとKittle(SF)とHockenson(MIN)ぐらい。
どうせならKittleより目立ってほしいところ。 - 相変わらずTE2以下は混沌。
Calcaterra・Tyree Jacksonというレシーブ全振り軍団がロスターに残るのが希望。
OL(9/18)
先発:Mailata・Dickerson・Kelce・Jurgens・Lane
控え:Tyler Steen(3巡a)・Dennis Kelly(SFA)・Toth・Opeta・Driscoll
以下:Roderick Johnson・Jarrid Williams・Julian Good-Jones・Chim Okorafor・Trevor Reid(UDFA)・Tyrese Robinson・Cameron Tom・Josh Sills
- 上記が2ndチームまでの最新の並び。
これをもって正式にRG先発争いは終了。
Jurgensがかなり良いとのことで問題なくRGへの移行は完了しそう。 - SteenとKellyの位置が反対な気もするが、Stoutland先生が好む"クロストレーニング"の一環としてTとGの練習をそれぞれしてるということでしょう。
SteenはOTに入るとやはり技術的な課題がまだあるようで、Nolan SmithとかTarron Jacksonにもやられる始末。
Dickerson先輩からみっちり個別指導を受けていたそうです。
もうちょっとかかりそうですね。 - 先発がそろっているうちはなんの懸念もないが、怖いのがToth。
"めちゃくちゃスナップが下手"ということでここ最近に関しては特にニュースにもならなくなっているし、言及があっても"いつも通り"という形容詞が頭についてしまう状態。
これができないとロスター入りは難しいでしょうね。
似たような状態のJulian Good-Jonesや、スナップはましだが…というCameron Tomを上げるのも怖いと思うと、CはKelceとJurgensだけになるけどそれはいいのか。
Stoutland先生よろしくお願いします。 - ここの壁はブ厚いようで、無名の若手が残る、みたいな可能性は低そうです。
Defense(26/41)
DT(5/8)
Cox・Davis・Jalen Carter(1巡a)・Milton・Marlon Tuipulotu・Kentavius Street(UFA)・Moro Ojomo(7巡)・Noah Elliss
- Ojomoに残ってほしい気持ちが強いが、このキャンプではTuipulotuが絶好調とのことでなかなか難しそうな情勢。
ただ、最新の現地木曜練習ではFltchを捌いたJurgensを相当押し込んだこともあったようなのでまだあきらめない。
がんばれOjomo。 - DavisとJCが順調に来ているというのは朗報。
キャンプインの際の映像で"痩せた?"と騒がれていたDavisだったが、ご本人曰く体重は変わっていないようなのでいい方向にちょっと絞れたということなんだろうか。
ケガなくよろしく。
DE(4/5)
BG・Sweat・Tarron Jackson・Derek Barnett・Janarius Robinson
- Sweatは相変わらずの切れ味だということなので問題なし。
BGも年齢を感じさせずLaneを押し込んだりしているらしい。頼もしい限り。 - 気になるのがBarnett。
キャンプ入って少ししてからぐらいのタイミングで減俸に合意したというニュースが飛び込んできてた。
減俸みたいな中途半端なこと言わず思い切ってカットでよかったのに。
このキャンプではEDGEというよりも少し中にセットしていることが増えたようなので単純なDEとしての使われ方からは少し変わるのではないでしょうか。
まあ希望はカットですよそりゃね。
がんばれJanarius Robinson。
SAM(3/4)
Reddick・Nolan Smith(1巡a)・Patrick Johnson・Kyron Johnson
- 長らく鼠径部の痛みで練習していなかったReddickも復帰済み。
相変わらずの切れ味で、Lane相手にサックを奪ったという情報もあった程度には順調。 - Nolanの大暴れ継続中。
後述する理由によって、たまにOff-Ball LBなんかもやっているようだが、とにかくSAMに入って大外から回るスピードと低さが絶品なのだとか。
当たりくさいですね。 - Patrick Johnsonが木曜の練習で倒れてカートで運ばれたとのことだが軽傷だった様子。
大事にいたらず何よりだがロスター入りは厳しくなったか。
順調だと聞いていたのに残念。
Off-Ball LB(4/6)
Nakobe Dean・Christian Elliss・Nicholas Morrow(UFA)・Shaun Bradley・Davion Taylor・Ben VanSumeren(UDFA)
- これまで順調に来ていたDeanがケガで2回ほどの練習をお休み。
大事をとって、ということなんだろうが練習できないのは痛い。
が、今は治癒に専念してくださいませ。 - 春から継続して台風の目となっているのがChristian Elliss。
どうやらMorrowを押し退けて1stチームに入っていることもしばしばあるという話なのでロスター入りという点では確実といっていいはず。
カモはMariota。
春からもう3INTぐらいはこいつから奪っているはず。
プレシーズンでお目にかかるのが楽しみで仕方ない選手。 - STerとしてしか名を聞かなかったBradleyだが、4年目にしてこのキャンプではDefenseでも成長著しいという噂。
プレシーズンで見るまでわからないが信じたいところ。
地元Temple大出身だけに残ってほしい気持ちはある。
CB(6/11)
Slay・Bradberry・Maddox・Kelee Ringo(4巡)・Jobe・Greedy Williams(UFA)・McPhearson・Josiah Scott・Goodrich・Eli Ricks(UDFA)・Mekhi Garner(UDFA)
- Greedy危うし。
Bradberryが脚のケガでお休みした木曜の練習で1stチームでSlayの相方を務めたのがなんと2年目Josh Jobe。
それだけじゃなくDeVontaに対しても密着マークの末あわやINTのPBUまで持ち込んだというのだから大したもの。
期待に応えてくれたのは首脳陣としても高評価でしょうな。
ただ、Greedyも”下手”とかそういうレベルではなく、なかなかにいいパフォーマンスを見せていることは間違いないそうなのでまだわからない。
わからないが、UDFA上がりの2年目と競っている時点で若干にしても期待外れ感は否めない。 - Ringoが大変良いのだとか。
Bobby Wagner(SEA)とかと行っていた合宿で著しく改善されたフットワークの映像が流れてきていた時点で期待は高まっていたがキャンプでもそれは裏切られていないとのこと。
こいつが本物なら相当に幅は広がる。
彼もDeVontaに対していいカバーを見せていたそうです。
リトマス試験紙としてのDeVonta。 - そういえばSlot CBを争うメンツでは、Goodrichもかなり頑張っているようなのでここも目が離せない。
- しかしCBがこれほど充実するとは。
暗黒のSchwartz時代を思い返すと隔世の感がある。
S(4/6)
Blankenship・Terrell Edmunds(UFA)・Sydney Brown(3巡)・Wallace・Justin Evans(UFA)・Tristin McCollum(Future)
- Blankenshipがいつの間にか先頭を走っていたS。
悪くないね。 - Dean不在時の練習ではNolanだけでなくEdmundsもOff-Ball LBに入っていたことがあったそう。
Gannonのときもこのパターンはやっていたが、むしろEdmundsのほうがEppsとかよりフィットしそうでパッシングダウンでは有効になりそうな気配。
そしてEppsを上げたら後ろが極端に薄くなった去年と違い、今年はそこにSydneyがいる。 - 現地ファンからもすでに人気を獲得しているこのSydneyという好青年だが、ベテランたちにもかなりのインパクトを与えているようで、その努力家ぶりとフィールドでの情熱はやはり本物だった様子。
すでに2ndチームまでは序列を上げてきているとのこと。
一日も早くBlankenshipとSydneyのコンビが見たいものです。 - 失格の烙印を数度押したことがある気がするが、K'Von Wallaceもまだあきらめずに頑張っているのだとか。
最終年ですしせめてバカが治っていればいいんですけどね。
あまり期待はせずに待ちましょう。
ST(3/4)
K:Jake Elliott
P:Ty Zentner(UDFA)・Siposs
LS:Lovato
- まだSipossカットというニュースが聞こえない。
Zentnerは何をしているんだ。
あまりにもためすぎるとどこから手を付けたらいいかわからず、とても広い範囲をふわっとお送りする羽目になるというのが今回の学びです。
できる限り定期的にニュースは捌いていきたいところ。
次回の練習は日本時間月曜早朝の@Lincでの公開練習だったはずです。
全容がわからずソワソワする時間になりそうですが、なるべく早めにお届けしたいものです。
GO BIRDS!!