鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2023ドラフティ紹介(Moro Ojomo)

GamePassからDAZNに移行されるということでDAZNの画面を早速試してみたが、どうにもひどいのでそれ以外の合法の道を探していきます。

去年でいうと7月1日に自動更新の案内が来て8月頭に更新・請求という流れだったのでまあ8月までに決めればいいか、もうちょっとよくなるかもしれんし、という気持ちです。

 

進捗あればまた書きます。ご参考になれば幸い。

 

ではどんどんやっていきましょう。

今回は、たぶん今ドラフトにおいて相当に世界的知名度が高い部類に入る人に名を呼ばれた彼です。

 

 

遍歴

2000年代初頭に活躍したサッカーガーナ代表Stephen Appiahに読み上げられたのが、

7-249 DT Moro Ojomo(Texas)

 

名前の読み方だが、"モロー・オジュォモ"ぐらいになるだろうか。

7歳のころにナイジェリアからやってきた少年は、3-Starのリクルートには珍しく、おそらく当時16歳という年齢が好感されたこともあったのか、最終的にHouston・Ole Miss・TCU・Alabama・Miami(Florida)・Notre Dame・Oklahoma・Oregon・Tennessee・Texas・Texas A&Mという錚々たるメンツからのオファーを獲得。

 

そして"なぜか"この中からTexasを選択。

 

1年目はRed Shirtsで過ごしたが、2年目から出番は増加。

当初はDEでプレーしていたが、4年目ぐらいから中での出番も増えてきたようで最終的にはNTでも問題なくこなすように。

 

3年目となる2020シーズンには10試合ながら全試合先発を務めて2.0サックの成績を収め、最終2022シーズンではローテーションの関係で若干出番を減らしたがキャリアハイとなる32タックル 5.5TFL 3.0サックの成績でAPが選ぶAll-Big 12の2ndチーム入り。

 

 

ドラフトプロセスにおいては、ニーズのDTプロスペクトだっただけに注目していたが、コンバインの動きこそ良かったがOjomoのすぐ後ろでドリルを実施していたZacch Pickens(3巡全体64位でCHI)なんかと比べてもちょっとずつ動きは落ちる感じがしたし、Shrine Bowlの練習でいい動きを見せていたようだが、いざ試合になるとKeeanu Benton(2巡全体49位でPIT)とかBrodric Martin(3巡全体96位でDET)ほど圧倒的なパフォーマンスも出せないし、という微妙な立ち位置のまま進み、結局最後のほうにはあまり名前を聞かなくなっていた。

 

プロデイの映像がこちら。上裸のほうがOjomoです。

 

そして迎えたドラフト3日目。
PHI最後の指名権により、249位でのプロ入り。

 

 

プレーと指名順位

コンバインの40ydsで見せた出足(10yds split:1.68)は良い数値(ただしこの数値には諸説あり、もう少し遅い可能性もある)だし、その他でいうと跳躍系の数値の値が良いので天井の高さは感じる。

 

 

しかしこの男最大の魅力は、そのリーチの長さ。

 

34.5というリーチは相当に長いようで、そしてその武器を有効に活用したランストップがなかなかのもの。

 

遠い距離からまずOLにパンチを当てて前への動きをしっかり封じることができるし、そしてパッドレベルを下げることもうまいのでダブルチームの処理だってお手の物。

 

いかんせんランストップなので地味であまりいいサンプルがないが、まあこれぐらいはできる。

 

教科書に載せたい。

 

これも悪くない。

 

これも。

 

これもね。

 

 

そして時折見せるパスラッシュの出足もなかなか見事で、跳躍系の数値の良さを裏付けるものとなっている。
ここでも長いリーチの使い方が見事。

 

 

ドラフト前には4-5巡という評価だったにもかかわらず7巡最後尾というかDT最下位まで滑った理由は定かではないが、プレーに何かを見るのだとしたら、やはり3年間の先発29試合で通算5.0サックというスタッツが示して余りあるパスラッシュ能力の低さと、サイズの小ささという現在地点の低さなのだろうか。
まあね、"小さいランストッパー"という称号なんてプロに連れてくるには怖すぎる。

 

しかし5サックというスタッツの裏側では、64というQB Hurryを記録しており、こちらはなかなかの数字。

そして最終年におけるPFF算出のPass Rush Win Rateは18.0%という記録で、DTでこの数字に勝てるのはこの10年でたった11人しかいないのだとか。

 

追い詰めることはできるが仕留め切れていない、とそういうことだと思いましょう。

ReddickとSweatとBGが外に居座る限りそれだけの活躍ができれば自ずと成績はついてくる。はず。

 

素行とかケガならごめんなさい。

 

 

しかしまあスタッツを残せていないことにも十分理由があり、足りないものは以下の通り。

  • 出足が安定しない
    どうもランに張っていることが多いような気がしていて、プレーアクション系は問答無用でご丁寧にOL2枚を巻き込む動きをしてしまい、そのこともあって本格的にパスラッシュをかけ始めるときにはOL側の迎撃態勢が完璧に整っている、というシーンによくお目にかかった。

    まあ好意的な視点に立つと、ランストップという汚れ仕事に率先して取り組む責任感の男、という理解になるから許せるけどね。


  • スナップ予測が悪い
    上とも関連するが、そもそもスタートが遅いことが多い。
    動き出せば速いんだが反射神経が悪いというかえらいもっさり動き出すことが多々。
    いいかね、QBを仕留めれば大金が手に入るんだ。
    気合い入れてスタートに備えるのだよ。

    まあね、どこかの96番みたいに大事なときにオフサイドするようなバカよりはよほどいいけどね。
    ルールは守る正義の人。


  • 小さい
    カレッジレベルではランストップのうまさが目立ったが、とはいえプロレベルではやはり小さく(292lbs:132kg・上のスパイダーチャートによるとIDLでは17%という軽さ)、ここでランストップも通用しないとなると成長を待てる時間が短くなってしまう恐れがある。

    まあね、上裸の映像を見てもまだまだ増量の余地はありそうなのでね、ガンガン飯食ってください。
    ここは完全な伸びしろ。

 

総じて、Milton以外に目に見える成果を残していないDLC Tracy Rockerが試される指名。

うまく育てば化ける気は十分にする。

 

 

期待

最大の魅力は伸びしろ。

 

本人も言っていたが、やはり16歳で親元を離れて大学に入るというのは相当に難しかったようで、カレッジの最初はあまりフットボールに集中できていなかったとするとまだまだやれる。

うむ楽観視が過ぎる気がする。

 

上でも述べたように身体的にも増量の余地がふんだんに残されているので、オールラウンダーを目指すのは厳しいかもしれないがランストッパーとしてなら十分にやっていけるはず。

 

とはいえ7巡ルーキーにとっての当面の勝負はロスター入りに向けたものになるはずで、CoxDavisCarterMiltonまでの4名がカッチカチのDT陣に残された枠はそれほどない。

 

DT5の座を狙うほかの候補はTuipulotuとかNoah EllissとかStreetとか。

 

Ojomoを入れてもStreetのパスラッシュ能力が抜けている気はするが果たしてどうか。

せめてPSには残ってくれないだろうか。

そして1年間どのチームからもバレないというわけにはいかないだろうか。

 

期待は、3人とも蹴散らしてのロスター入り。

 

比較対象としてはやや劣るが、Next Mailataとなれるかどうか。
先人はフットボール未経験というおもしろ経歴を持っていた。
Rosemanが7巡で発揮する相馬眼は割と信用している。

 

なんにせよリーチと運動能力の融合という点で稀有なフィジカルツールの持ち主であることに間違いはない。

 

がんばってください。

 

 

GO BIRDS!!