ちょっとした、そして待望の動きとがあったとのことですのでコーチ人事の話。
DC Vic Fangio
RosemanとSirianniのシーズン総括記者会見は相当にクソな内容だったようだが、待ちに待ったマイスターの来訪ですべてが消えた。
Vic FangioがDC就任とのこと。
公式発表はまだだが、MIAのDC契約をFangioの申し出に基づいて円満に解消したとのことで、Fangioはフリーに。
そしてそのまま出身地であるPhiladelphiaに帰り、現地のあのチームに就職するとのこと。
遅すぎたUターン。
1年前にGannonの後任になる目もあったはずだが、(ここのからくりは未だによくわからないしもうどうでもいいが、)タンパリングによってご破算に。
FangioはMIAに行った。
それから1年、FAでの人の流出もあり崩壊したDefense建て直しのキーマンとしての帰還。
とはいえ2024のDefenseもメンツ的に厳しいことが予想され、とかく課題は多い。
だがあれだけケガ人を出しながらも、MIAのDefenseがスキーム変更1年目ながらTop10でフィニッシュしていることからしてもまだまだその能力は衰えていないと見た。
MIA Offenseが強力だったからDefenseも楽できただけだろ、なんていう正論は聞きたくない。
Gannon・Desaiと、Fangio Defenseを下敷きにしているDCが続いたため、インストールもすんなり進むでしょう。楽しみでしかない。
ちなみに、MIA現地ファンの不満は、我々が3年間PHI Defenseに抱いていた不満とほぼ同様なのでここでは挙げない。
Big Playを限りなく少なくする2-Highで構え、ゴール前でやや弱く、たまに3rd&Longでも消極的に見えるが、早いダウンのランはしっかりと止めるというアレ。
Gannon・Desaiとの違いは、やはりそのディスガイズの質と量。
Shanahanツリーに代表される、Under CからのQBがプレーアクションでDBに背中を見せているうちにDBはさっきまでのルックと全く違う世界を展開しているというアレ。
ディスガイズの一環でSimulation Blitzも多けりゃ、そこから本当にBlitzに入ることも多い。
というわけで過去からShanahanツリーを相当得意としているのが心強いところ。
2024の対戦相手には復活しつつあるLARもいるし、レギュラーシーズンでの対戦は組まれていないものの勝ち進めば立ちふさがること必定のSF対策としてもこれほど心強いことはない。
そして直近2回の対戦での対McCarthy2勝0敗(DEN時代の2021シーズンWeek9の4Q残り4分まで30-0と完封しての30-16と、2023 Week16の4サック2TOでの22-20)というのも非常に心強い。
Aaron Rodgers擁するGBのHC時代のMcCarthyとはSFおよびCHIのDCとしても相当に対戦数があるが、この時代はまあ5勝5敗で都合が悪い成績なので無視することにする。
Dakには強い。これで充分。
さきほど申し上げたSIM Blitzが増えることで、あまりにも無策で推移したために成績が一向に伸びないというDesai Defenseの割を食ったDLたちも2024は飛躍してくれるでしょう。
ただやはり気になるのはLBの質の悪さと層の薄さ。
FangioはLBとSが安定することを好むはずなので、Rosemanが自らの哲学を曲げられるかというところが焦点。
いいドラフトをしてくださいお願いします。
やはり危機感は感じているのであろう。
FangioがDCに決まったあたりから有能なLBC探しに奔走していそうなニュースがちらちら聞こえるようになった。
候補者はJoe Barry(前GB DC)とかMike Caldwell(前JAX DCかつかつてのPHI戦士)とか。どちらにしてもポジションコーチ、特にLB育成には定評がある人物で非常に好ましい。
なにより、これまでのように余裕ぶっこいてSirianniがゆっくりいろんな候補者を面談した結果、無名の人ばかりの集団となってしまっていたポジションコーチの質が上がりそうなのはとても良い。非常にいい。
Defense側の崩壊はこれにてなんとか食い止められそうでテンションは上がっております。
是非Fangioさんにおかれてはこれが最後の引っ越しになることをお祈り申し上げております。
懸念
Fangioへの懸念は、選手との関係。
オールドスクールでハードノーズな65歳は、DEN・MIAと直近2カ所において選手と衝突している。
MIAでは悪名高き代理人・Drew Rosenhausが"いい関係を構築している選手がいないわけではないが、そうではない人も少なからずいた"と暴露していたようにあのチームとは合わなかった様子。
特に使い方の問題で、DB陣からはだいぶ不満が出ていた様子。
長くBelichickツリーがDCを務めていたMIAなので、DB各位はFangioのものより攻撃的に使われることに慣れていたのでしょう。
だからJevon Hollandの不満はまあわからんでもない。
エースWRに貼り付けて使ってほしかったであろうJalen Ramseyも。
だがお前はプレーブックも満足も覚えられないらしいじゃないか出番をもらえなかったことに文句言うのは100年早いぞCam Smithよ。South Carolina時代は欲しいと思ったが残念。
とはいえPHIの場合、こういう不和は当てはまらんのではないかというのが期待。
だってDBのリーダーはPatriciaとも和解できたSlayだし。
プレーブックには慣れ親しんでいるだろうし。
昔気質といえば、口汚いし選手に厳しいでお馴染みのStoutland先生もいらっしゃる。
Fangioも2022のトレーニングキャンプにはよく顔を出してたしSB前にはコンサルタントとしてチームにも加わってたし。
大丈夫でしょ。
…大丈夫だよね?
Offense
ちらっと触れたシーズン総括記者会見の件、この中でSirianniがOffenseについて述べたのが、"陳腐化してしまったところはある""外部からフレッシュな知恵を入れる"ということ。
肝心の、お前が口を出すのか出さんのか、というところは明言がなかったので我々の絶望は晴れないが、ひとまずはフレッシュな人選をしている様子。
そういえば正式にBrian Johnsonはカットされています。
Steichenより上手くSirianni Offenseを運用できなかったところはあったが、QBCとしてHurtsを鍛えた手腕は大したものだったと思っている。
いいHCの下でいい仕事を与えられるといいね。
がんばってください。
候補者
面談済みだと伝えられているのは以下の3名。
Kliff Kingsbury(現USC アナリスト)
Jerrod Johnson(現HOU QBC)
Kellen Moore(現LAC OC)
"フレッシュ"という意味ではそれぞれそうなんだろうが、Air RaidのイメージがあるKingsburyについてはちょっと勘弁願いたいところ。
PHIの課題は宝の持ち腐れ感すらあるOLおよびランプレーの無駄遣いとパスコンセプトの陳腐化であり、Air Raidならもしかしたら後者はマシにできるかもしれないが、"毎プレープレーアクションでもいいじゃないの"という個人的な思想とは合致しない。
リーグをShanahanツリーが席巻していることには訳があるんでしょう。
そういう意味ではJerrod Johnsonは魅力的。
魅力的だが、上司であるOC SlowikとのStroud育成における貢献度がよく見えぬこと、プレーコール初体験という未知数の部分をどう思うか、1年だけじゃShanahanツリーへの造詣も深くないだろ、というリスクもある。
そしてなによりJohnsonという名前がちょっと怖い。
その点、プレーコーラーとしてしっかり実績を残してきたKellen Mooreはいい候補者。
この場合、RBとWR3の強化は必須と思われるが、こっちとしても弱すぎたと思っているところである。
願ったりかなったり。
是非Mooreさんでお願いしたい。
お願いしたいが、本命はやはりEric Bieniemyであることは何度でも述べておく。
(Bieniemy→)Moore→Johnson→Kingsburyが好みの順番です。
早く体制決めろよWAS。
ちなみに、一番恐れているのはあと2枠となったSEAとWASのHCのどちらの椅子にもDan Quinnが座らない、ということです。
それだけは勘弁しておくれよ。
がんばれDan Quinn。そしてAl Harrisを引き抜くのだ。
GO BIRDS!!