Sirianniへのモヤモヤを吐き出すとWeek2の試合についての思いは薄れてまいりましたのでサラッと。
やはり敗戦には蓋をして寝かせるに限る。
とは言いつつ、頭の中で悲観主義者と楽観主義者が入り乱れておりますので彼らに代弁していただきましょう。
結果:PHI 21-22 ATL
Offenseは立ち上がりが低調すぎる。
そういえば2試合連続1Qは得点なしですね。
特に2シリーズ目、10プレーかけてATL陣深くまで侵入しながらDownに終わったシリーズは痛かった。
あそこで1本取れていればその後の展開は変わったかもしれない。(タラれば)
立ち上がりのシリーズもそうだが、上手くいっているコンセプトをあっさり捨てて急に詰まる、みたいなの策士策に溺れる感があってすんごいモヤモヤするのであまり見たくない光景ですね。
こういう"なんかいけそうな気がするけど点は取れてない"みたな展開で勝てた記憶があんまりない。
というわけでその後はグダグダ。
2Qからランストップが全然できないというのがバレて以降はストレスだけがたまる試合に。
詳細は覚えていないが、どうやら負けたようです。
あの試合を振り返りたいというご奇特な方のために、ハイライト置いておきます。
(NFL公式の動画です。埋め込めなかったのでYouTubeに飛んでご覧ください)
主なスタッツ
- Goedertへのターゲットが少ない。
ここは非常に不満。
- Covey良かったね。持たせてからならやっぱりそれなりにいいランを見せる。
- 反則多すぎ。
特にOffenseの6回のうち、3回を数えたIneligible Downfield(OLがパスプレーの途中でダウンフィールドに侵入してしまうやつ)がちょっといただけない。
単なる酔っ払いだと思っていたのにシラフの時にはなかなかいいことを言う(失礼)Jason Kelceさんの解説によると、
"RPOの場合、タグ(何らかの合図?)をつけることで認識し、シャッフルテクニックを使って2線目に上がるのを少し待つという方法をよく採ってきた。この試合ではシャッフルテクニックを使っている形跡がなかったから、プレータイミング的に問題ないという判断だったんだろう。今後は治っていくと思うよ。"
とのこと。
Yea it sucks brotha, gotta try and generate movement fire off the ball for the run if it’s handed, but not go to the second level if it’s a pass.
— Jason Kelce (@JasonKelce) 2024年9月17日
The way we’ve handled it in the past is by having a tag that tells the linemen not to go downfield right away. You kinda just…RPOはプレーによってタイミングが結構異なるものだとのことで、事前の準備で失敗したということでしょう。
あんたの言うことは全面的に信じる仕様になっている。
もちろん信じて待ちましょう。
なお、KelceさんはRPOそんなに好きじゃなかったようです。
- 反則関係だが、Johnny Wilsonのホールディングは非常にもったいなかった。
Week1でのブロッキングは結構よく、Kellen Mooreからもその点を褒めてもらっていただけに残念。
いっぱい練習して成長してください。
- 試合前のことにはなるが、初戦をケガで欠場し、その後回復していたDevin Whiteがこの試合ではヘルシースクラッチ(健康だがインアクティブ)。
薄々そうではないかと疑っていたが、このFA補強はFangioの意向を無視してRosemanが勝手に進めたものなんじゃないか説が色濃くなってきた。
もしこのパターンにHuffも該当するのであればこの補強はとんでもない失敗になりそうな気配。
小さいニュースではあるがどうも嫌な予感がする。
ハイド氏の言い分
なんだあのランストップはやる気あんのか
- 2試合連続でやる気あんのか。
目下1回辺りの喪失ydは6.4yd/Attemptは堂々のリーグ最下位。
- 両EDGEよ。
外を締める気あんのか。
お前らがそれをできないから外を延々と走られるんだろうが。
Bryce HuffとNolan Smithお前たちだよ。
Boxが軽いのは仕方ないが、ランストップのために入れていたはずのスタンツはほぼ空振りでしたな。
この戦術のところはFangio先生に猛省を促す。
多少のことには目を瞑って早いダウンではThomas Bookerを入れた5menを中心にしてはいかがでしょうか。
この軽量EDGEたちでは締められぬ。
- なんだ1試合で12回のタックルミスって。
SlayとBlankenshipが3回でCJGJとBaunが2回。
あのTDを許したパスもそうだがCJGJは本当にタックルできないな。
Blankenshipはキャリアワーストの出来では?カバレッジも酷かったように見えたぞ。
だがまあこれに関してはちゃんとキャンプで練習させてないSirianniが全部悪い。
- Lindstromのカットブロックに延々やられたZack Baun。
これに関しては"あいつは初めてカットブロックを見たんだ"とFangioが言っていた。ちょっと面白かったから許さざるを得ない。高校生かよ。
転向初年度だとそういうこともあるのね。
その程度のこと、キャンプでちゃんと準備させとけよという気持ちは強いが、今後ちゃんと処理できるならそれでいいよ。
パスラッシュかからないにもほどがあろう
- スマホを充電し忘れたせいでチームミーティングに遅刻して先発を外されたJalen Carterのパスラッシュが物足りないのは許せる。
毎度毎度飽きるほどダブルチームを食らっているんだからある程度は仕方ない。
唯一のサックにまで至ったMiltonも。(Lindstromをブチ抜いたあのプレーはすごく良かった)
問題はその他の連中だよ。
- 大金を払われたはずのBryce Huffさん。
キサマがTEなんかに完封されてるからOTが余裕でDTのヘルプに行けるんだろうが。
かつての1巡のNolan Smithよ。お前も一緒だよ。
いっつもお前らだよ。
失敗FAと失敗ドラフトよ。
後ろには俺たちの最後の希望、Jalyx Huntが控えてるんだよ。
早く席を譲れ。
HuffがRoseman採用なのだとしたらこのDefenseにフィットしないのも無理はない。
じゃあReddickならイケるのかと聞かれると答えに窮するところではあるが、あのHuffよりははるかにマシであろう。
Reddick放出に関しては、(どうもチーム内のゴタゴタがあった風なのでプレーだけの話ではないんだろうが)金を払う相手を間違えたRosemanの大失態。現時点では。
いまの希望は、Huntの出番増とReddick取り戻しです。
だいたいOffenseもよ
- Jahan Dotsonは結局序盤の1回以外ターゲットにもならなかった。
何のために獲ってきたのか。
- Saquonキサマよ、あの最後のドロップ。
プロセスもSirianniのFGの判断も気に入らんが、プレーコール自体は相手の意表を完璧についたとてもいいものだったと思うぞ。
完璧に空いてたし。
あとは獲るだけ。
のところでボールから目線切るんじゃない。
初心者かよ。
- Hurtsよ。なんだ最後のINTは。
そこまでのドライブについては特に言うことないが、50Mもらっているなら残り0:34からのドライブであったとしても、ちょっとした惜しさみたいなものは見たかったぞ。
A.J.がいなかったこともあるのだろうが、あのINTはちょっと焦りすぎですね。
ジキル博士の反論
でもでもまだ2週目だし
- Defenseはとにかく若いユニットだから時間がかかるのは織り込み済み。
特にDT。
最年長がMiltonという構成には多少無理があったということだろうか。
- DTに限らず、EDGEもLBも経験不足という点では変わらない。
スキームが変わるというのはよほどのことなんでしょう。
だからキャンプでFangioはあんなに練習スナップの多さを重要視していたのか。
となるとこれもSirianniの失態。
- 各チームのOffenseの成熟曲線を上回る成長曲線を描けるかは今後のコーチ陣の課題。
少なくともFangio先生からは、(どこかのHCと違って)強い自責の念が感じられたのでまだ希望の灯は消さずに待つ。
ランストップとパスカバーはトレードオフだし
- かつてJim SchwartzというDCがいた。
名DCであることに疑いの余地はないが、彼のスキームはランストップに輝けるものの、Cov.3主体のパスカバーが結構ストレスになり続けた。
エリートなCBがいないときは特にそう。
- あの時のストレスとどっちを選ぶのかという問題。
ランが止まらないストレスの方がヤバいというのが個人的な趣向だが、ビッグプレーを最小限に抑えるというコンセプトも、有効な時には有効なのかもしれませんしね。
- いまはまだFangioの圧倒的な実績を信じる気でいるので飲み込めるが、さすがにこれが続くと問題。
- だが収穫がなかったわけではない。
Quinyonは最後のシリーズこそいただけないプレーを見せていたが、それ以外のところはWeek1同様に良かったし、これまでのPBUは4回とリーグトップタイの数字。
ルーキーに求められる以上のものを見せてくれている。
DTはやはりThomas Booker。
ハードワーカーだね彼は。非常に情熱的で運動量も多くて心の底から応援できる。
プレー中のクイックネスも見たところJordan Davisより上なのでNTのファーストチョイスは彼でいいのではないでしょうか。
PFFもそう言っている(Booker:78.4・Davis:64.1)。
Miltonも良かった。
あとはEDGEだけ。
未だにBrandon Grahamが一番安定しているという体たらくのEDGEだけ。
Josh Sweatもやや物足りない。がんばってくれ。
Offenseは悪くなかった
- 詰めの甘さという重大な問題はあるにせよ、良いところも多々あった。
- まずはOL。
相変わらずランブロックは完璧に近い。
Jurgensは反則2発で印象悪くなっているが、Kelceの言うことを信じるなら次からはマシになるでしょう。
そしてなによりもMekhi Becton。
Judonのスタンツに対応できずサックをもらった場面はあったが、ランブロックは言うことなし。やっぱりスピードも十分にお持ちですね。
長期契約でOKだと思います。
そして、完璧すぎて話題にもならないのが両OT。
この日もEDGEを完全に消去することに成功。
はいはいオールプロオールプロ。
- Hurtsの2024は2023比だとやはりだいぶ動ける。
デザインのQBランは、デザインも良くなったんだろうが効果的なものに戻っている気配。
"もっと使え"とは言わないが、いいアクセントとしてこれからも使っていってください。
- A.J.不在により出番増を期待していたのはGoedertの方だったのだが、実際に印象的だったのはCalcaterraだった。
相変わらずランブロック性能の低さには目を覆うしかないが、Zoneの切れ目を見つける動きは上達していた気配。
良い成長です。
- Saquonもドロップ以外は良かったはず。
インサイドを走ってもしっかり1~2回のタックルミスを誘発するのは本当に素敵です。
Gainwellには見られない動き。
論点がブレるので挙げなかったが、実はATLはPHIを上回る14回のミスタックルを計上しております。
そのうちのなんと8回がSaquon由来のもの。おみそれしました。
キャッチの練習だけ今週は多めにお願いします。
- Goedertを使う回数が少ない、という根源的な不満はあれど、Coveyでチェーンを動かしたり相変わらずモーションが効果的だったりと、冷静に振り返るとKellen Mooreはいい仕事だったと思います。
気に入らないのは、前述したとおりSaquonが出ているときにTDまでちゃんと持っていけない詰めの甘さというか気の多さ。
愚直でいいのよ。
そのあたりだけ、改善をお願いしたい。
負け方としては最悪の部類だったろうし、Sirianniへの疑問符が脳裏に強くこびりついているという状況には変わりないが、振り返るといいところもちゃんとあったはずの試合でした。
ただし、ランが止まらないストレスだけはいかんともしがたいのでそこだけ本当にFangio先生なんとかしてくださいお願いします。
現状の陣容でいうと、DBに負荷を多めにかけるというのはそれほど間違った選択ではないはず。
Boxを重くしろとは言わないが、フロントのところでもう少し工夫を見せていただきたい。
お願いします。