鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

2021ドラフティ紹介(その4:Zech McPhearson)

第4弾は待望されたCBドラフティ。
Josh Sweatの活躍で忘れられがちだが、皆さまご存じのようにPHIの4巡指名は呪われている。
4巡CBといえばAvonte Maddox。
あとはRosemanピックの代表として悪名高い2017の132位Donnel Pumphrey(出場0試合、1年でリリースされたのになぜかスーパーボウルリングを保有)、あるいは先ごろATLと契約した2019の138位Shareef Miller(こちらは出場試合1試合STの2スナップのみ1年限りでリリース)なんかもそう。
最後のプロボウラーは'91の4-104のLB William Thomas。現実的な希望としての最高値は
2006の4-109で指名されて8年間の在籍で渋い活躍をつづけたWR Jason Avantとかでしょうか。
しかしMcPhearsonは調べてみると分厚い背景を持った男でした。 

 

4-123 CB Zech McPhearson(Texas Tech)5-11 191lbs

 


【生い立ちからTexas Tech】
本名はZechariah McPhearson。Zechは「ザック」という発音で良いらしいです。
ボルチモア生まれ。スーパーアスリート一家の8人兄弟の下から二人目で、男7人の末弟。では家族を紹介します。

父Gerrick SrはDBとしてボスカレからトライアウトでNE入り。ボスカレではレジェンドQB、Doug Flutieのチームメイト。
母KimはNWFL(女子フットボールリーグ)でRBとOLをプレー。
兄①Gerrick JrはCBとしてMarylandから2006の7巡でNYG入り。
兄②DerrickはWRとしてIllinoisに在籍。その後ベースボーラーとしてBrewersのマイナーにも所属。
兄③EmmanuelはNew Mexicoで2年間DBとして出場。
兄④JeremiahはIUP(Indiana University of Pennsylvania)に3年間在籍。ここはSirianniがかつてアシスタントコーチとして所属していた大学としてPHIファン的にはお馴染み。
兄⑤Matthewはベースボーラーとして2013のMLBドラフト4巡でARZ Daimondbacksに指名されるも残念ながらメジャーでのプレーはなし。
兄⑥JoshはウォークオンでPenn State入りしてWR・RBで3年間在籍。残念ながらオフェンススナップの形跡はなし。STerだったよう。その後CFLでもプレー。
1人いる妹はUW-Green Bayで大学サッカーをプレーしている。
以上、開いた口が塞がらないモンスターアスリート一家。

ワシントンDC近郊、Marylandにあるキリスト教系の私立高校では1-23でMIAに行ったOT Christian Darrisawや、Penn Stateで5年目を迎えるCB Tariq Castro-Fieldsとチームメイト。
2015にはキャプテンとしてAll-Marylandのファーストチームに選ばれる活躍で、4-starリクルートに。州内11位のリクルートでCBとしてはTrevon Diggsに次ぐNO.2。
Alabama、Clemson、Ohio State、Penn Stateという並み居る競合校からのオファーを受け、Penn Stateを選択。
ちなみにこの男のえげつなさは、Penn Stateからのオファーはフットボールだけでなく野球でもあったよう。両方にコミットしたとのこと。その後野球でどうなったかは知らないが、高校時代は2014-15に全米連覇。外野手としての通算打率は4割近くだったとか。意味が分からない。

レッドシャツを1年経て2017-18はPenn Stateでプレーするも出番には恵まれず、2019に卒業。トランスファーポータル入りし、最後の2年はTexas Techでプレー。Texas Techでも修士号は取得済み。勉強もようやってる様子。

 

【人柄】 
とてつもない家庭に育った男は「幼いころから競争の連続だった」と回顧している。Sirianni好みと言えそう。
幼いころはピーナッツバターを食べれば力が強くなると信じてピーナッツバターをたらふく食っていたとか。
とにかく明るくて愛にあふれた家庭で育ったようで、素行的な心配は全くなさそう。努力を積み重ねられることもその学業成績から想像できる。

一つだけ文句つけるとすると、ご家族は地元BALもしくはWASからの指名を熱望していたっぽいところ。許さん。
まあご本人はPHIファンのようなのでいいけどね。

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【選手としての評価】
<長所>
・柔軟なボディコントロール
・スムーズな方向転換ができる
・マンカバレッジで体勢を保つことができる
・ゾーンカバレッジでは忍耐強く、落ち着いて、ルートとの位置関係を維持できる
・コンテストボールにも対応可能
・ランゲームでもコンタクトを厭わない
・STでも2つのエキストラポイントブロックとTDと実績あり


<弱点>
・走るのは得意だが、メークアップのスピードはそれほどでもない
・プレーの展開を見極めるのが遅れることがあり、そして間違えることもある
・WRのルートに関する感覚が乏しく、クロージングで方向を間違えることもある
・ランサポートのタックリングでは体を投げ出すものが多く、ラッピングが下手
・体格は平均的

以上が、ドラフト前の評価。

 

【希望】
40ydsの4.5はCBでは平均的ながら、10ydsと20ydsがそれなりに速いのでカバレッジで後れをとることはなさそう。

怖いのはランサポート。4-120でNEに行ったRhamondre Stevenson(Oklahoma)にはスティフアーム一発で吹っ飛ばされるシーンもあった。腕の短さと相俟ってタックルにはとても不安があるし去年のNRCを見ているようでちょっと怖いので是非練習していただきたい。

それと弱点として挙げられていたプレーリードのところは、担当ゾーンに逆サイドから入ってくるMimsを見落として剛腕Rattlerに仕留められてしまったシーンもあった。
とはいえ個人的にCBのプレーに注視しているとミスにばかり目が行ってしまう傾向にあると自覚はしているので粗探しっぽくなってしまった可能性はあります。

とはいえ、2020にBIG12では3人しかいなかった4INTという成績を残したのだからボール奪取能力はなかなかのもの。去年のPHI DB陣において一番足りなかったところなのでお願いしたい。

OTAではSlayの逆サイドの1枚目がJacquetでスロットはMaddoxだったとのことなので現時点での序列は2枚目以降。
DC GannonはCBに「特定のタイプの選手を求めていない」という趣旨のことを言っている。薄いCB陣との比較になるが、きらりと光るものを見せることができれば出番は意外と早めに回ってくるかもしれない。
いっぱいやられていっぱい成長してほしい。

しかしCBは難しい。2020の1巡指名だったLVのDamon Arnetteももはや戦力外っぽい扱いだとか。
そのCBが4巡で当たればこの収穫はとてつもなく大きい。
血統背景からも期待は大きい選手です。