鷲の巣

NFL フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia EAGLES)の応援ブログ

Day2 -恒例の難問-

今日(現地金曜)はHurtsがだいぶ苦しんだ様子。
そしてトレーニングキャンプ恒例の難問にブチ当たる。
果たしてOffenseが悪かったのかDefenseが良かったのか。
まあこの時期ですしどっちゃでもよろしいが。水曜の練習後の記者会見でもAJ Brownは”この時期に全部のプレーで正解を出そうとは思わない。いろいろな試行錯誤があるものだよ。”と言っていたしそういうもんなんだろうな、と思っているところ。
まあこういう1回をもって大騒ぎする輩はどこにでもいるでしょうね。

Day2の様子

厳密に言うとDay4ぐらいなんでしょうけど公開練習は2日目ということでDay2という表記にすることについては矛を収めていただきたい。

Gannonの記者会見

練習前の記者会見、本日はDC Gannonが登壇。
記者からの質問は、31位だったパスラッシュ強化を目的に30Mも払ったはずがDay1ではパスカバーばっかりさせられていたReddickの扱いに集中。
Gannonの回答は”パスラッシュができるのはわかってるけど彼がパスカバーにも下がれるとなるとDefenseには柔軟性ができるしOffenseからしてもメンツだけからプレーを想定しにくくなる”とのこと。

このオフずっと巻き起こっていたし今後もしばらく続くだろう論争が、”PHIのDefenseは4-3(Even Front)なのか3-4(Odd Front)なのか”というもの。
"バーサタリティ"とか"フレキシビリティ"についてはGannonがずっと強調しているところで、結局誰が入ってもどっちもできる、という姿がGannon的には理想なのだと思われる。そういうメンツが2年目で完璧に揃ったことについてはGannonもRosemanを褒め称えていたところ。
Reddickも公称の240lbsから247lbsぐらいまで増量していてそれに気に入っているようなので、3-4のOLBだけでなく4-3のDEも(スタンディングなら)それなりに出来るのでしょう。まだ軽い気はするが。

Gannonは”キャンプ1週目は1週目なりの、2週目には2週目なりのやるべきことがある。洗いざらいやって、誰がどのスキームで良いのか、何が良くて何がダメかを見極めたい。”
とも言っているのでこのあたりはおいおい変わっていくのでしょう。
最高だったのは”お前ら(記者たち)はフィールド外でのミーティングとかフィルムスタディとかウォークスルーでどれほどハードにやってるか知らんだろうが”と言い放ったところ。まあね。記者がうるさい土地柄ですからね。期待しときます。


ではDay1より16分も長かった75分間の練習について。

お休みの人たち

OUT
WR Zach Pascal – 病気(食中毒)
WR Keric Wheatfall – COVIDからの回復途上

制限付き
DT Fletcher Cox – COVIDからの回復途上
C Jason Kelce – COVIDからの回復途上

去年と違ってコンディショニングテスト落第者とかはいないし初日からのケガ人とかもない様子でひと安心。

良かった人たち

Kenneth Gainwell
連日の練習場一番乗り。そしてその後はRBの1stチームに(Bostonと共に)収まった。下剋上きた。
ただ、2ndチームに入ったSandersも悪くはなかったようで、持ち前の爆発力を存分に発揮していたとのこと。

Kyzir WhiteDavion Taylor
Whiteはパスカバーが出来るのは知っていたが、ブリッツでもはええらしい。超はええらしい。1stチーム相手にサックを記録。現時点ではPHIがDavion Taylorに期待したであろうものを超えるパフォーマンスを披露しているとのこと。素晴らしいですね。
Taylorも負けてはいない。後述するINTに加え、Boston相手への完璧なPBUとポケットから飛び出したHurtsを完璧なアングルでチェイスして仕留めたプレーもあったようです。スピードはある。プレーリードも良くなっている。あとは健康維持だけ。

Mac McCain・Tay Gowan・Kary Vincent Jrの2年目CB軍団
McCainは2021のシーズン中にDENと取り合った選手。2021のUDFAでDEN入り。そこからウェイバーにかかったところをPHIが獲得し、その後ウェイバーにかけられ、DEN入り。さらにウェイバーからPHI入りし、最終的にはPHIのPSでシーズンを終了した。彼については過去に書いたことがある。すごく応援したくなるバックボーンを持った超いい奴です。

eagles-nest.hatenablog.com


そのMcCainがMcPhearsonと並んで2ndチームの外CBに。2ndチームOffense相手に見事な密着カバーからのPBU、それをLB Davion TaylorがINT。カバーしていた相手のWRはもちろんJalen Reagorです。コケたそうです。
さらに終盤にはQuez Watkins相手にもPBUを記録。
あれ?Jobeは?
ちなみにDay1のMcPhearsonは良かったプレーもあったようですので添えておきます。Day2については特にニュースなしです。

そして、敢えて挙げるまでもないがSlayとJames Bradberryも良かったとのこと。
Bradberryは綺麗なPBUがあったそうです。もちろん相手はReagorさん。

Avonte Maddox
自分より20cmぐらい大きいGoedertへのパスをINT。密集地帯に若干低いボールを投げたHurtsを批判する声もあるが、Maddoxのこのプレーはナイスだったというのが定評。というかこれがPlay of the Dayとのこと。

Carson Strong
練習終盤にデプス低い人たちによる11on11という時間があったようだが、そこでCovey相手にナイスパスを通すなど輝きを見せたそうです。
総じての練習機会はまだSinnettより少ないようなので厳しい戦いには変わりなさそう。

DeVonta Smith
なんじゃこの切れ味。

 

悪かった人たち

Hurts & WRs
本気出したSlay相手にはさすがのAJ Brownでも自由にオープンになることは出来なかった模様。Slay相手に1PBUと1ドロップという散々な出来。
Hurtsはどうも不安定だったようで、高かったり低かったりとまあバラついていたとのこと。
ただ、Hurts→AJでロールアウトから華麗な25ydsのパスを通すシーンもあった様子。このコンビネーションが出来上がっていくというのはこのキャンプで一番重要な部分。
今日は全般的にDefenseがめちゃくちゃ良かったようなので、まあこういう日もありますよね、という感想。

Gardner Minshew
前述したReagorへのパスをMcCainにINTされたプレーの他に、CalcaterraとStollに連続してナイスパスを通したあとS Andre ChachereにもINTを献上。まあこういう日もありますよね、と彼についても同じ感想です。

先発争い

RGのところですが、どうやらRG1はこの2日間Seumaloでほぼ固定っぽく、Day2ではOpetaがRG2も務めたとのこと。
DriscollはRT2がメインの戦場。
ということでこのあたりの序列はあまり変わらなそうですし、Seumaloもこれまでの6年間でLaneの隣にラインアップしたのはたった1プレーだと聞いているが、その割に上場のコンビネーションを見せているようなのでここには文句なし。
というわけで先発争いの観察はこれにて終了。たぶん。

来訪者

その名はVic Fangio。DENの前任のHCであるこの爺さんは言わずと知れた現代D#の名手。DENの解任後、この1年はお休みすることを表明していたが、GannonがHC出ていったら後任になんとしても欲しかったのはつい昨日のよう。
Sirianniと一緒に練習場に出てきて会話は盛り上がっていたようだしPHIのレジェンド・Mike Quickとも談笑していたとのこと。
これほど陣容を整えてもらったGannonの来季は、成功を収めてどこかに引っ張られてHCになるか、微妙な成績でクビになるか。どちらにしても来オフには出ていく想定でいるので後任は必要。最近Passing Game Coordinatorに昇格した後任候補筆頭のDennard WilsonよりFangioの方がいいです。Fangioさんとしてもお気に召すようなメンツが揃っているはず。
この爺さんは実はPHI近郊の出身だとのことで、幼いころからの贔屓はもちろん我らがEagles。頼むよ。

 

メンタルはフィジカルから

時間があるのでその他のニュースについても。2本です。
1本目は昨季少しお休みした彼。

さかのぼること4年弱。2018年の10月、Week8 vsJAXのロンドンゲーム。
この試合でLane Johnsonは左足首を負傷。オフシーズンに手術はしたものの実は思うように治っていなかったのが昨季まで。2018の負傷直後は翌週の1試合欠場で済んだが、その後2019年の4試合、2020年の9試合の欠場もこれが原因。
そして迎えた2021。実はこの時もシーズン前からだいぶ調子が悪く、トレーニングキャンプの直前までは走ることすらできない状態に。

そしてその足首の状態が、”ランブロックが全然できなくなっている”という実感から、”キャリアの初期はジャンボジェットのようなブロックが出来ていたのにケガしてからは小型セスナ程度のブロックしかできなくなっていた”というフラストレーションと自信の喪失につながり、”もうフットボールのキャリアを諦めなければならないのか”と思い詰めた結果が昨季Week4からのうつ病による3試合の欠場に繋がったのだと。

今季については32歳にして久しぶりに足首の懸念がない万全の状態だとか。
そして体重も325lbsから330lbsまで増やして絶好調。
さて、ただでさえリーグ最高のRTが、文字通りの足枷から自由になった今、天井はどこにあるのでしょうか。

Darius Slayの後継者

2本目は正式な謝罪のために書くものです。
相手はZech McPhearsonさん。
Day1でのDeVontaのサーカスキャッチ(キャッチはしたがアウトオブバウンズ)がMcPhearsonのカバーだったしいろいろと名前が出ていたので出来は悪かったのかと思っていたが、現実はだいぶ良かったらしい。
このプレーもナイスカバーだったそうで。

そしてこの2021のドラ4CBを自身の後継者に指名したのがDarius Slay
SlayとMcPhearsonはこのオフシーズンずっとともにトレーニングをしていたそうで、その勤勉な練習への姿勢とか知識を吸収する貪欲さにとても感銘をうけたそうな。
そしてベテランとして、進んで彼のメンターを引き受け、自身の持つ知識や心構えを全てMcPhearsonに伝えようとしているとか。
”若い選手には自分に並んだり自分より良くなってほしいと思っている”というのがSlayの言。
Slayに言わせると、McPhearsonは(去年)リーグに入ってきたときよりもだいぶ成長しているそう。その調子でこのキャンプもよろしく頼む。

”このリーグで10年もプレーすることが出来たのは若い頃に一緒にプレーしたベテランたちにこのリーグで生き残るために必要な知識や知恵をたくさん教えてもらったからだ”という頼れる番長。
このアニキがいるうちに何としてもDB王国になりたいものです。
若者たちよ、がんばっていろいろ吸収するのだ。